高校無償化で私立高校を選んでも大丈夫?保護者が確認したい費用と進路選択のポイント
一方で、高校無償化で支援されるのは基本的に授業料のみです。入学金や制服代、教材費、施設費、ICT端末費用などは別途かかるケースも多く、「授業料が無料なら私立でも安心」とは言い切れません。
この記事では、保護者目線で高校無償化と進路選択について考えながら、公立高校・私立高校を選ぶ際に確認しておきたい費用や情報収集のポイントを解説します。
高校無償化で進路選択はどう変わる?

高校無償化とは、高等学校等に通う生徒の授業料負担を軽減するために、国が「高等学校等就学支援金」を支給する制度です。
2026年度からは制度が拡充され、所得制限が撤廃されました。これにより、世帯年収にかかわらず支援を受けられるようになり、公立高校や国立高校では授業料が実質無償となります。私立高校についても支援額の上限が引き上げられ、これまでより授業料負担が大きく軽減されました。
2026年現在の高等学校等就学支援金の支給上限額は、公立高校で年額11万8,800円、私立高校で年額45万7,200円です。

こうした制度変更により、これまで経済的な理由から「公立一択」と考えていた家庭にとっても、私立高校が現実的な選択肢になりつつあります。
私の住む神奈川県では、2026年度の公立高校入試において、公立高校の志願者数が前年度より2,254人減少し、全体の志願倍率も1.11倍と、過去5年間で最も低い水準になったと報じられました。公立高校志願者が減少した背景には、私立高校への支援拡充の影響もあると指摘されています。
参考:【神奈川県】2026年度(令和8年度):高校入試分析|進研ゼミ
こうした動きを見ると、高校無償化は単に家計の負担を軽くする制度にとどまらず、保護者や子どもが「公立か私立か」を考える前提そのものを変えつつあるといえそうです。
高校無償化でも「私立なら安心」と言い切れない理由

高校無償化によって、これまで経済的な理由から私立高校を候補に入れにくかった家庭にとって、進路選択の幅が広がったことは大きな変化といえます。一方で、「授業料の負担が軽くなるなら私立でも安心」と考えるには、少し注意が必要です。ここでは、高校無償化でも「私立なら安心」とは言い切れない理由を解説します。
無償化の対象は基本的に授業料のみ
高校無償化で支援されるのは、基本的に授業料です。国の高等学校等就学支援金は、生徒や保護者に直接現金が支給される仕組みではなく、学校が代理受領し、授業料に充てる形で運用されます。そのため、授業料については負担が軽くなりますが、入学金や制服代、教材費、修学旅行費、施設設備費、ICT端末費用などは、これまでと同じように必要になる点に注意が必要です。
入学金については、都道府県によって補助制度が用意されている場合もあります。ただし、こうした自治体独自の補助は所得制限が設けられていることが多く、すべての家庭が対象になるとは限りません。利用できる制度や条件は自治体によって異なるため、志望校の所在地や居住地の支援制度をあわせて確認しておくとよいでしょう。
月々の授業料だけを見て「これなら大丈夫」と判断してしまうと、入学後に想定外の出費に戸惑う可能性もあります。志望校を検討する際は、授業料だけでなく、初年度納入金や年間でかかる費用の総額まで確認しておくと安心です。
私立高校は授業料以外の費用も高くなりやすい
私立高校は、公立高校に比べて教育環境や設備、進学サポート、特色あるカリキュラムが充実している学校が多く、その分、授業料以外の費用が高くなりやすい点に注意が必要です。たとえば、制服や指定用品、部活動費、模試・講習費、海外研修費、タブレット端末や学習システムの利用料など、必要な費用は学校によって異なります。また、私立高校は学校ごとの費用差も大きいため、「私立だから高い」「無償化されたから安い」と一括りにはできません。
手厚いサポートを受けられる一方で、その費用が家計にどの程度影響するのかも見ておく必要があります。
【参考:私立・公立高校の初年度費用比較】
| 費用項目 | A高校(私立) | B高校(私立) | 県立高校 |
| 授業料(年額) | 47万円 | 53万円 | 12万円 |
| 入学金 | 26万円 | 20万円 | 5600円 |
| 設備費 | 24万円(入学時納入) | 25万円(入学時納入) | なし |
| 諸経費(初年度) | 37万円 | 19万円 | 3万~5万円 |
| 制服・設備代 | 14~16万円程度 | 10万円程度 | 4~9万円程度 |
| 修学旅行費 | 海外ホームステイ46万円前後 ※高1時に納入 |
18万円程度 | 10万円程度 |
| 初年度納入金 | 約111万円 | 約114万円 | 30万円前後 |
長男の高校受験の際には私立高校も併願で受験しましたが、募集要項に記載された授業料やその他諸費用を見て、公立高校とのあまりの違いに震え上がったものです……!支援金で授業料の負担が軽くなったとしても、それ以外の負担費用は決して安くはありません。授業料以外の費用も含めて、しっかり確認しておくことが大切です。
我が家の長男の高校受験でかかったリアルな出費報告については、こちらもチェックしてください。
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2026/01/05
県立高校でも費用は意外とかかる

我が家の長男は、現在県立高校に通っています。授業料は無償化の対象になっているため、その点では家計の負担を抑えられています。
ただし、授業料がかからないからといって、高校生活に必要な費用がゼロになるわけではありません。実際、長男の場合も、教材費として毎年3万円ほどかかっています。
また、長男の高校は制服のない私服高校ですが、体育着や体育館シューズの購入は必要でしたし、普段着る服代も当然かかります。さらに、学習用のノートパソコン購入など、入学時にはまとまった費用も発生しました。
そのため保護者としては、子どもが公立高校・私立高校どちらを選ぶにしても、授業料だけでなく、入学時・在学中に必要な費用をしっかり確認しておくことが重要です。
我が家の長男の「塾無し受験」の体験記については、こちらもチェックしてみてください!
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高校選びで保護者が確認しておきたいポイント

高校無償化によって、私立高校も選択肢に入れやすくなりましたが、進路選択で大切なのは「授業料が安くなるかどうか」だけではありません。ここでは、高校選びをする際に保護者目線で確認しておきたいポイントを整理します。
①3年間の総額を払い続けられるかどうか
保護者として、やはりお金は進路選択における重要な問題です。高校無償化で授業料の負担が軽くなったとしても、初年度納入金、教材費、行事費、交通費、昼食代、部活動費、模試代、講習費など、授業料以外の費用は継続的に発生します。特に私立高校の場合、2年生・3年生になってからも行事や講習、進路指導関連の費用がかかるケースがあります。大学受験を見据えるなら、塾代や予備校代も考えておきたいところです。ただ「入学できるか」ではなく、「3年間無理なく通い続けられるか」という視点を持ちましょう。
②校風が子ども本人に合っているか
高校選びでは、偏差値や進学実績だけでなく、校風が子ども本人に合っているかも重要です。自由度の高い学校が合う子もいれば、手厚く管理してもらえる環境のほうが力を発揮しやすい子もいます。説明会や文化祭、学校見学では、先生や在校生の雰囲気、授業の進め方、部活動の熱量、校則の考え方などを見ておくとよいでしょう。保護者から見て魅力的な学校でも、子ども本人が息苦しさを感じるようでは、3年間の学校生活が負担になってしまいます。最終的には、子どもが「ここで過ごしたい」と思えるかどうかを大切にしたいですね。
③通学時間に無理がないか
通学時間も、高校生活の満足度に大きく関わるポイントです。多少遠くても魅力的な学校を選びたくなることはありますが、毎日の通学となると負担は想像以上に大きくなります。片道の所要時間だけでなく、乗り換えの回数、朝の混雑具合、雨の日の通いやすさ、部活動後の帰宅時間まで確認しておくと安心です。部活動や塾との両立を考える場合、通学時間が家庭学習や休息の時間を圧迫してしまうこともあるため、子ども本人が3年間無理なく通える距離かどうかを見極めましょう。
④費用に見合う学習サポートがあるか
私立高校を検討する場合は、費用に見合う学習サポートがあるかも確認しておきたいポイントです。授業料以外の費用がかかる分、補習や講習、進路指導、面談、個別サポート、自習室の利用環境などがどの程度整っているかを見る必要があります。たとえば、塾に通わなくても学校内で受験対策まで完結しやすい環境があるなら、結果的に塾代を抑えられる可能性もあります。一方で、費用は高いのにサポート内容が子どもに合っていなければ、負担だけが大きくなるかもしれません。単に「高い・安い」ではなく、費用対効果の視点で比較することが大切です。
⑤大学進学や将来の選択肢につながるか
高校はゴールではなく、その先の進路につながる場所でもあります。大学進学を考えている場合は、進学実績だけでなく、指定校推薦の枠、探究学習、英語教育、理系・文系の選択、キャリア教育なども確認しておきたいポイントです。大学進学以外の選択肢を考える可能性があるなら、専門学校や就職へのサポート体制も見ておきましょう。今の時点で将来の進路がはっきり決まっていなくても、子どもの興味や得意分野を広げられる環境かどうかは見ておきたいですね。
高校無償化時代の情報収集には塾を活用しよう

高校無償化によって、私立高校も進路の選択肢に入れやすくなりました。その一方で、高校選びに必要な情報は以前より複雑になっているようにも感じます。高校ごとの費用、入試制度、内申基準、併願優遇、推薦基準などは学校によって異なり、公式サイトや学校説明会だけで比較するのは簡単ではありません。
こうした情報の取捨選択が難しい時期だからこそ、塾を活用するのもおすすめです。公立高校と私立高校の志願動向、地域ごとの倍率の変化、併願校の選び方など、地域の受験事情に詳しい塾だからこそ得られる情報があります。
我が家の場合、長男のときは塾に通っていなかったため、ほぼ自力で情報収集しており、大変さを感じる場面も多くありました。一方、次男は中学2年生から塾に通い始めたため、地域の受験動向や高校ごとの資料を得る機会があります。情報の量・質ともに充実しており、効率よく情報収集できるので、とても助かっています。
高校無償化時代の進路選択では、家庭だけで悩まず、塾の情報力を活用するのも一つの方法です。最終的に判断するのは家庭と子ども本人ですが、複雑な制度や地域の受験事情を整理するうえで、塾は心強い相談先になるでしょう。
なお、子どもに最適の塾を探している方は、「コエテコ塾さがし」がおすすめです。
コエテコ塾さがしは、子どもの塾・学習塾検索サイトです。小学生・中学生・高校生向けの塾情報を掲載。料金やカリキュラム、保護者の口コミを比較検討して、お子様に最適な塾選びをサポートします。
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また、高校受験におすすめ塾については、こちらで解説しています。
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まとめ|高校無償化で広がる選択肢を、親子で冷静に考えよう

高校無償化によって、これまで経済的な理由から私立高校を候補に入れにくかった家庭にとっても、進路選択の幅は広がりつつあります。「公立一択」と考えていた家庭でも、私立高校の校風や学習サポート、進学実績などを含めて比較しやすくなったことは、大きな変化といえるでしょう。
一方で、無償化の対象は基本的に授業料であり、入学金や制服代、教材費、施設費、ICT端末費用などは別途かかる場合があります。公立高校であっても授業料以外の費用は発生するため、「入学できるか」だけでなく、「3年間無理なく通い続けられるか」という視点で考えることが大切です。
高校選びでは、費用だけでなく、校風、通学時間、学習サポート、将来の選択肢なども含めて、親子で冷静に比較していく必要があります。公式サイトや学校説明会に加えて、塾の進学説明会や地域の受験情報も活用しながら、子ども本人に合った進路を一緒に考えていきましょう。
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