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ITパスポート試験の難易度・合格率!難しいのか勉強時間も徹底解説

ITパスポート試験の難易度・合格率!難しいのか勉強時間も徹底解説

ITパスポート(iパス)とは、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理系の国家試験のひとつで、基礎的な知識を問う試験のため、初心者でも比較的合格しやすいと言われています。

2022年度から高校では「情報Ⅰ」が必修化され、情報に関する知識はもはや「常識」となりつつあります。


しかし、それ以前に社会人になった方にとってはDXやAIは「自分から学ぼうとしなければ得られない知識」です。

この記事では、ITパスポート試験の概要と難易度、合格率、資格のメリットや勉強方法などを詳しく解説します!



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ITパスポート試験とは?国家資格としての位置づけと概要

ITパスポート試験とは?国家資格としての位置づけと概要
ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験の一区分であり、ITに関する基礎的な知識を証明する国家試験です。

現代社会においてITスキルはあらゆるビジネスパーソンにとって必須のものとなりつつあり、ITパスポートはその第一歩として注目されています。

この章では、ITパスポート試験の基本的な情報、国家資格としての位置づけ、そして社会的な重要性について詳しく解説します。

ITパスポートの勉強方法や最短合格のコツを知りたい方は下記記事もご覧ください。
参考:ITパスポート対策におすすめ勉強方法【最短合格のコツで攻略】

ITパスポートは情報処理技術者試験の入門レベル

ITパスポート試験は、数ある情報処理技術者試験の中で最も基礎的なレベル(スキルレベル1)に位置づけられています。

情報処理技術者試験は、情報処理技術者の知識・技能が一定以上の水準であることを国が認定する国家試験であり、ITパスポートに合格すると経済産業大臣から「情報処理技術者試験合格証書」が交付されます。

この試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催しており、ITの専門家だけでなく、ITを利活用するすべての人が共通して備えておくべき基礎知識を問う内容となっています。

そのため、特定の学歴や実務経験といった受験資格は設けられておらず、学生から社会人まで幅広い層が挑戦しやすい試験です。

IT分野の学習をこれから始める方や、ITに関する知識を体系的に身につけたいと考えている方にとって、最初の一歩として最適な資格と言えるでしょう。

「情報Ⅰ」必修化とITパスポートの重要性

2022年度から高等学校においてプログラミングや情報セキュリティなどを学ぶ「情報Ⅰ」が必修科目となりました。

これは、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進展し、AI(人工知能)などの新しい技術が社会に浸透する中で、全ての国民がITリテラシーを高める必要性が増していることを背景としています。

このような教育改革の流れの中で、ITパスポート試験の重要性も一層高まっています。

実際に、政府の「AI戦略2021」(令和3年6月統合イノベーション戦略推進会議決定)においても、高校教育におけるITリテラシーの向上とITパスポート試験の活用が促されています。

「情報Ⅰ」で学ぶ内容とITパスポート試験の出題範囲には共通点も多く、高校生が学習成果を測るための一つの指標としても活用されています。

社会人にとっても、変化の速いIT分野の知識をアップデートし続ける上で、ITパスポートで問われる基礎知識は不可欠です。

ITパスポートを取得する意義とは?

ITパスポート試験は、ITに関する専門的な技術を問うものではなく、あくまで基礎知識を測る試験です。

そのため、「取得しても意味がないのでは?」という声を聞くことがあるかもしれません。
関連記事:ITパスポート試験は無駄?意味ないと言われる理由とメリットを解説

しかし、ITパスポートを取得することには大きな意義があります。

最大の意義は、ITに関する幅広い基礎知識を体系的に習得できる点です。

テクノロジ系の知識(コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、セキュリティなど)はもちろんのこと、ストラテジ系の知識(企業活動、経営戦略、マーケティング、法務など)やマネジメント系の知識(システム開発、プロジェクトマネジメントなど)もバランス良く学べます。

これらの知識は、IT業界で働く人だけでなく、あらゆる業種・職種でITを活用して業務を遂行する上で土台となります。

また、ITパスポート試験の学習を通じて、情報セキュリティやコンプライアンスに関する正しい知識を身につけることは、企業や組織の一員として活動する上でのリスク管理意識を高めることにも繋がります。

変化の激しい現代社会において、ITの基礎知識は、もはや「教養」の一部と言っても過言ではなく、ITパスポートはその基礎力を証明する有効な手段となるのです。

ITパスポート試験の出題範囲と合格基準

ITパスポート試験の出題範囲と合格基準

ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての人々が備えておくべき基礎的な知識を問う国家試験です。

この章では、試験の具体的な出題範囲、合格するために必要な基準、そして最新のシラバス変更点について詳しく解説します。

これらの情報を正確に把握することが、効率的な学習と合格への第一歩となります。

試験形式と出題分野(ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系)

ITパスポート試験は、コンピュータを用いたCBT(Computer Based Testing)方式で実施されます。

試験時間は120分間で、四肢択一式の問題が合計100問出題されます。

出題分野は大きく分けて「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つで構成されており、それぞれの分野からバランス良く出題される点が特徴です。

各分野の出題数と主な内容は以下の通りです。
分野 問題数 主な内容
ストラテジ系 35問程度 企業活動や経営戦略、システム戦略、法務など、IT経営に関する幅広い知識が問われます。具体的には、PDCAサイクル、SWOT分析といったフレームワーク、知的財産権や労働関連法規などの法律、情報セキュリティポリシーの策定、さらにはビッグデータやAI(人工知能)といった最新技術の活用戦略などが含まれます。
マネジメント系 20問程度 IT管理に関する知識が中心となり、システム開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメントなどが主なテーマです。システム開発の工程(要件定義、設計、プログラミング、テストなど)や開発手法(ウォーターフォールモデル、アジャイル開発など)、プロジェクトの品質管理・コスト管理・納期管理、ITILに基づいたITサービスの運用・保守といった内容を学びます。
テクノロジ系 45問程度 IT技術の基本的な理論やコンピュータシステムの仕組みに関する知識が問われます。コンピュータを構成するハードウェア(CPU、メモリ、補助記憶装置など)やソフトウェア(OS、ミドルウェア、アプリケーションソフトウェアなど)の種類と役割、データベースの基礎(関係データベース、SQLなど)、ネットワーク技術(LAN、WAN、TCP/IPプロトコルなど)、情報セキュリティ技術(暗号化、認証、マルウェア対策など)といった、ITの根幹をなす幅広い基礎知識が必要です。
試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公開しているシラバス(情報処理技術者試験における知識・技能の幅と深さを体系的に整理し、学習の目標、出題範囲や具体的な到達目標、内容を詳細にまとめた資料)に基づいて出題されます。

全国47都道府県に設置されているCBT試験会場で、年間を通じて複数回実施されており、受験者は自身の都合の良い会場と日時を選択して受験することが可能です。
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受験手数料は7,500円(消費税込み)です。

合格点と採点方式(IRT方式)について

ITパスポート試験に合格するためには、総合評価点と分野別評価点の両方で所定の基準を満たす必要があります。

具体的な合格基準は以下の通り定められています。

総合評価点:600点以上 / 1,000点満点
分野別評価点:各分野それぞれ300点以上 / 1,000点満点
・ストラテジ系:300点以上
・マネジメント系:300点以上
・テクノロジ系:300点以上

特に注意すべき点は、ITパスポート試験の採点方式にIRT(Item Response Theory:項目応答理論)方式が採用されていることです。

IRT方式とは、単純な正答数に基づいて得点を算出する古典的なテスト理論(素点方式)とは異なり、各問題の難易度や識別力(受験者の能力をどれだけ正確に測れるかを示す指標)といった特性と、受験者一人ひとりの解答パターンを統計的に分析し、より精緻に能力を評価して得点を算出する仕組みです。

そのため、「1問10点」といった単純な配点はなく、例えば100問中60問正解したからといって、必ずしも総合評価点が600点になるわけではありません

このIRT方式の導入により、異なる時期に異なる問題セットで受験したとしても、受験者間の能力評価の公平性が担保されやすくなります。

また、総合評価点が600点以上であっても、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野のうち、いずれか一つでも分野別評価点が300点に満たない場合は不合格となります。

したがって、特定の分野だけが突出して得意であっても合格は難しく、苦手分野を作らずに全分野をバランス良く学習し、それぞれの分野で一定水準以上の知識を習得することが合格への不可欠な条件となります。

【最新情報】シラバスVer.6.2・Ver.6.3・Ver6.4への変更点と対策

ITパスポート試験の出題範囲や内容は、IT技術の急速な進展や社会環境の変化に対応するため、定期的にシラバスが改訂されています。

受験を検討する際には、IPAの公式サイトで公開されている最新のシラバス情報を必ず確認し、変更点に対応した学習を心掛けることが極めて重要です。

古いバージョンのシラバスに基づいた学習では、新たに追加された範囲に対応できず、試験で不利になる可能性があります。

シラバスVer.6.2の主な変更点(生成AI関連など)

2024年4月から、ITパスポート試験のシラバスはVer.6.1からVer.6.2に改訂されました。

この改訂における最も大きな特徴は、生成AI(ジェネレーティブAI)に関する項目や用語例が大幅に追加・拡充された点です。

これは、OpenAI社のChatGPTやGoogle社のGeminiをはじめとする生成AIサービスの急速な普及と、ビジネスや社会生活への広範な影響を反映したものです。

なお、このシラバス変更に伴う出題数、出題形式、合格基準の変更はありませんが、学習すべき範囲は確実に広がっています。

シラバスVer.6.2で追加・変更された主な項目や用語例には、以下のようなものがあります。

ストラテジ系に追加された主な項目・用語例
・生成AIの活用事例(文章の添削・要約、新規アイデアの提案、科学論文の執筆支援、プログラミングコードの生成、画像・音楽・動画の生成など)
・AIを利活用する上での倫理的・法的・社会的注意点(著作権法や産業財産権関連法規、個人情報保護、プライバシー侵害のリスクなど)
・統計的バイアス(選択バイアス、情報バイアス、生存者バイアスなど、データ収集や分析における偏り)
・エコーチェンバー現象(SNSなどで自分と似た意見ばかりが強調され、異なる意見が遮断される状態)
・フィルターバブル(アルゴリズムにより提供される情報がパーソナライズされ、利用者の思想や価値観が固定化・先鋭化する現象)
・デジタルタトゥー(インターネット上に公開された情報が半永久的に残り、消去が困難であること)
・マルチモーダルAI(テキスト、画像、音声など複数の種類のデータを統合的に処理できるAI)
・ディープフェイク(AI技術を用いて作成された精巧な偽動画や偽音声)
・ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報や誤った情報を、もっともらしく生成する現象)


テクノロジ系に追加された主な項目・用語例
・AI技術の基礎(自然言語処理、音声認識・合成、静止画・動画の認識・合成など)の考え方と特徴
・機械学習における過学習(訓練データに過度に適応し、未知のデータに対する予測性能が低下する現象)とその対策
・事前学習モデル(大量のデータで事前に訓練されたモデル)、ファインチューニング(事前学習モデルを特定のタスクに適応させるための追加学習)
・畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network、主に画像認識に用いられる深層学習の手法)
・大規模言語モデル(LLM:Large Language Model、大量のテキストデータで学習された自然言語処理モデル)
・プロンプトエンジニアリング(AIから望ましい出力を得るために、入力(プロンプト)を工夫する技術や手法)

これらの新しい用語や概念について、それぞれの基本的な意味、具体的な活用例、そして利用する上でのメリット・デメリットや注意点を体系的に理解しておく必要があります。

特に生成AIは、今後のビジネスシーンでの活用が一層期待される分野であるため、ITパスポート試験の対策としても、また実務知識としても、しっかりと学習しておくことが望ましいです。

2024年10月からのシラバスVer.6.3で追加された項目

さらに、IPAからは、2024年10月の試験からシラバスVer.6.3が適用されることが発表されました。

このバージョンアップでは、現代社会の重要な動向やITを取り巻く新しい課題をより一層反映した項目が追加されました。

シラバスVer.6.3で追加された主な項目・用語例
・リスキリング(技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学び直すこと)
・各種ハラスメントの理解と対策(パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント、カスタマーハラスメントなど、職場における人権尊重の観点から)
・環境関連法規(地球温暖化対策推進法、プラスチック資源循環促進法など、企業の環境配慮責任に関連して)
・インボイス制度(適格請求書等保存方式、消費税の仕入税額控除に関する新しい制度)
・NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン、ブロックチェーン技術を基盤としたデジタル資産の一種)
・メタバース(インターネット上に構築された三次元の仮想空間、およびその関連サービス)

これらの項目は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、サステナビリティ(持続可能性)への意識の高まり、新しい働き方や価値観の変化といった現代的なテーマに深く関連するものが多く含まれています。

繰り返しになりますが、試験対策を始める前には、IPAの公式サイトで公開される最新版のシラバス内容(変更箇所表示版なども含む)を必ず確認し、試験範囲を正確に把握した上で、適切な教材を選び、効率的な学習計画を立てることが合格への近道です。

参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構「試験要綱・シラバスについて

シラバスVer.6.4について

シラバスVer.6.4では以下の用語があります。

シラバスVer.6.4の用語例
ストラテジ系
・APIエコノミー(自社のサービスやデータをAPIとして公開し、他社のサービスと連携することで、新たな価値やビジネスモデルを創出する考え方)
・クラウドファンディング(インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する仕組み)
・デザイン思考(製品やサービスの開発において、利用者(ユーザ)の視点に立って課題の本質を探り、解決策を見つけ出すための思考法)
マネジメント系
・アジャイル(「俊敏な」という意味を持つ、短期間で「計画→設計→実装→テスト」のサイクルを繰り返す開発手法。シラバスVer.6.3以前から記載はあったが、その重要性が増し、内容が拡充された)
・DevOps(開発担当(Development)と運用担当(Operations)が緊密に連携し、ソフトウェアやシステムの開発・導入を迅速かつ効率的に行うための考え方や仕組み)
テクノロジ系
・ノーコード/ローコード(プログラミングコードを全く、あるいはほとんど記述することなく、アプリケーションやシステムを開発できるツールやプラットフォーム)
・RPA (Robotic Process Automation)(これまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作を、ソフトウェアのロボットによって自動化する技術)
出典:IPA

ITパスポートの合格率と難易度!どれくらい難しい?

ITパスポートの合格率と難易度を多角的に分析

ITパスポート試験は、情報処理技術者試験の中でもエントリーレベルに位置づけられていますが、その合格率や難易度は受験を検討している多くの方が気にするポイントです。

この章では、最新のデータや他の資格との比較を通じて、ITパスポートの難易度を多角的に分析し、「難しい」と言われることがある理由についても掘り下げていきます。

最新の合格率推移と「難しい」と言われる理由

ITパスポート試験の合格率は、比較的高い水準で推移していますが、それでも「難しい」と感じる受験者がいるのはなぜでしょうか。

ここでは、最新の合格率の動向と、試験の特性から見えてくる難しさの要因を解説します。

年度別合格率の動向

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表している統計資料によると、ITパスポート試験の年度別合格率は以下の通りです。

年度 受験者数 合格者数 合格率
2020年度 131,788人 77,512人 58.8%
2021年度 211,145人 111,241人 52.7%
2022年度 231,526人 119,495人 51.6%
2023年度 265,040人 133,292人 50.3%
2024年度 273,905人 134,617人 49.1%
引用元:情報処理技術者試験 統計資料(IPA)

上の表の通り、合格率は概ね50%台を維持しており、国家試験の中では比較的高い合格率と言えます。

しかし、油断は禁物です。

ITパスポート試験はITに関する幅広い基礎知識を問うため、IT初学者にとっては学習範囲が広く感じられることがあります。

また、総合評価点だけでなく、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の各分野でもそれぞれ300点以上の基準点を満たす必要があるため、苦手分野を作らないバランスの取れた学習が求められます。

これが「難しい」と感じる一因となっている可能性があります。

さらに、採点方式にIRT(項目応答理論)方式が採用されているため、単純な正答数だけでなく、問題の難易度に応じた評価点が算出される点も、一部の受験者にとっては結果が予測しづらく、難しさを感じる要因となるかもしれません。

シラバス変更は難易度に影響する?

ITパスポート試験のシラバスは、IT技術の進展や社会情勢の変化に対応するため、定期的に改訂されます。

例えば、2024年4月からはシラバスVer.6.2が適用され、生成AIに関する項目などが追加されました。

このようなシラバスの変更は、試験の出題範囲が拡大することを意味し、対策すべき学習内容が増えるため、実質的な難易度が上がると感じる受験者もいるでしょう。

過去のシラバス変更時においても、合格率に多少の変動は見られるものの、大幅に低下するわけではありません。

しかし、新しい技術や用語に対する理解が求められるようになるため、常に最新のシラバスに対応した学習が必要です。

特に、ITに馴染みの薄い方にとっては、新しい概念を理解するための追加の学習時間が必要になる可能性があります。

したがって、シラバス変更直後は、対策が追いついていない受験者が増えることで、一時的に合格率が変動することも考えられますが、しっかりと最新情報に対応した教材で学習すれば、十分に合格は可能です。

他の資格と比較したITパスポートの難易度

ITパスポートの難易度を客観的に把握するために、他の人気資格と比較してみましょう。

ここでは、ファイナンシャル・プランニング技能検定2級(FP2級)と宅地建物取引士(宅建)を例に挙げます。

試験名 平均的な合格率の目安 主な試験内容 ITパスポートとの比較ポイント
ITパスポート 約50%~60% ITの基礎知識(ストラテジ、マネジメント、テクノロジ) 基準
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級 学科:約40%~50%
実技:約50%~60%
金融資産運用、不動産、ライフプランニング、税金など FP2級もITパスポートと同程度の合格率ですが、専門分野が異なります。FP2級は金融や生活設計に関する深い知識が求められます。
宅地建物取引士(宅建) 約15%~17% 権利関係、法令上の制限、宅建業法、税・鑑定評価など 宅建はITパスポートと比較して合格率が大幅に低く、難易度が高い国家資格です。法律に関する専門的な知識と深い理解が必要です。
※合格率は実施年度や回によって変動しますので、あくまで目安としてください。

FP2級との比較

ファイナンシャル・プランニング技能検定2級(FP2級)は、金融や不動産、税金など、お金に関する幅広い知識を問う資格です。

合格率は学科試験と実技試験で異なりますが、それぞれ50%前後で推移しており、ITパスポートの合格率と近い水準にあります。

ただし、FP2級は専門的な計算問題や法律知識も含まれるため、学習内容の質は異なります。

ITパスポートがITの基礎知識を広く浅く問うのに対し、FP2級は特定の専門分野についてある程度の深さが求められると言えるでしょう。

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コエテコ byGMO 編集部
コエテコ byGMO 編集部

2025/08/26

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宅建との比較

宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引の専門家としての知識を証明する国家資格です。

合格率は例年15%~17%程度と、ITパスポートに比べてかなり低い水準です。

宅建試験は、民法や借地借家法などの法律に関する深い理解や、複雑な事例問題への対応力が求められるため、一般的に難易度は高いとされています。

ITパスポートがITの入門資格であるのに対し、宅建は専門性の高い資格と言えます。

これらの比較から、ITパスポートは他の専門的な国家資格と比較すると、合格率が高く、比較的挑戦しやすい難易度であると位置づけられます。

しかし、ITに関する知識が全くない初学者にとっては、覚えるべき用語や概念が多く、相応の学習時間が必要となる点は留意すべきです。

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受験者数・合格者数の推移と今後の展望

近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やIT人材の需要の高まりを背景に、ITパスポート試験の受験者数は増加傾向にあります。

IPAの統計資料によると、受験者数と合格者数は以下のように推移しています。

年度 受験者数 合格者数
2018年度 95,187人 49,221人
2019年度 103,812人 56,323人
2020年度 131,788人 77,512人
2021年度 211,145人 111,241人
2022年度 231,526人 119,495人
2023年度 265,040人 133,292人
2024年度 273,905人 134,617人
引用元:情報処理技術者試験 統計資料(IPA)

受験者数、合格者数ともに顕著な増加が見られ、ITリテラシーの重要性に対する社会的な認識の高まりを反映しています。

特に、高等学校での「情報Ⅰ」必修化により、若い世代のITに対する関心が高まり、ITパスポート試験を受験する学生層も増加しています。

企業においても、社員のIT基礎力向上のための推奨資格として導入するケースや、採用時にITパスポートの取得を評価する動きも見られます。

今後も、社会全体のデジタル化が進む中で、ITパスポートの価値はますます高まると予想されます。

ITを利活用するすべての人にとって、基礎的なIT知識を体系的に習得できるITパスポートは、キャリアアップやスキルアップの第一歩として有効な資格であり続けるでしょう。

受験者層の拡大に伴い、競争が激化する可能性も考慮し、しっかりと対策を講じることが重要です。

ITパスポート試験に合格するメリット

ITパスポート試験に合格するメリット

ITパスポート試験に合格することは、単に資格を得るだけでなく、現代社会で求められる多様な能力を養い、キャリア形成において多くの利点をもたらします。

この章では、ITパスポート試験合格によって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

ITに関する基礎知識が体系的に身につく

ITパスポート試験合格の最大のメリットは、ITに関する幅広い知識を体系的に習得できる点です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が示すように、この試験は「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験」と位置づけられています。

「ITの勉強を始めたいけれど、何から手をつければ良いかわからない」という方にとって、ITパスポートの学習は最適な第一歩となるでしょう。

具体的に習得できる知識は多岐にわたり、以下の表に示すように、現代のビジネスに不可欠な要素を網羅しています。

知識カテゴリ 主な学習内容
ストラテジ系 ・企業活動の基本
・経営戦略論
・マーケティング手法
・会計・財務の基礎
・知的財産権や個人情報保護法などの法務知識
・情報システム戦略やシステム企画の考え方
マネジメント系 ・システム開発のプロセスや手法(ウォーターフォール、アジャイルなど)
・プロジェクトマネジメントの基礎
・ITサービスマネジメント
・システム監査の概要
テクノロジ系 ・コンピュータの仕組み
・OSやソフトウェアの基礎
・データベース技術
・ネットワーク技術(LAN、WAN、インターネット)
・情報セキュリティ技術(暗号化、認証、マルウェア対策)
・AI(人工知能)、ビッグデータ
IoT(モノのインターネット)といった最新技術の概要
これらの知識は、特定の専門職だけでなく、あらゆるビジネスパーソンにとってデジタル社会を生き抜くための必須教養と言えます。

ITパスポートの学習を通じて、これらの知識をバランス良く学ぶことで、IT技術が社会やビジネスにどのように活用されているかを理解し、適切に対応できる能力の基盤を築くことができます。

ビジネスシーンで役立つ知識とスキルを習得できる

ITパスポート試験で得られる知識は、IT分野に限定されるものではありません。

日々の業務遂行やキャリアアップに直結するビジネススキルも同時に習得できる点が、この資格の大きな魅力です。

例えば、情報セキュリティに関する知識は、企業の機密情報や個人情報を適切に取り扱うための意識を高め、情報漏洩リスクの低減に貢献します。

また、企業コンプライアンスや関連法規の知識は、法令を遵守した行動を促し、企業全体の信頼性向上に繋がります。

プロジェクトマネジメントの知識は、業務の計画立案、進捗管理、チーム内連携を円滑に進める上で役立ちます。

これらの知識は、部署や役職を問わず、組織内での円滑なコミュニケーションや問題解決能力の向上に寄与し、ビジネスパーソンとしての総合的な市場価値を高めることでしょう。

ITパスポートの学習は、まさに現代のビジネスシーンで求められる実践的な知識とスキルを養うための効果的な手段と言えます。

就職・転職活動で有利になる可能性がある

ITパスポート試験の合格は、就職活動や転職活動において、自身のITリテラシーや学習意欲を客観的に示す有効な手段となります。

特にIT業界を目指す学生や未経験からIT関連職種へのキャリアチェンジを考えている方にとっては、ITに関する基礎知識を有していることの証明となり、選考過程で好印象を与える可能性があります。

企業側から見れば、ITパスポート合格者は、情報セキュリティやコンプライアンスに関する基本的な理解があると期待できるため、入社後の教育コストを抑えられるというメリットも考えられます。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の公式サイトでも言及されている通り、一部の企業や省庁では、新卒採用のエントリーシートでITパスポートの合格やスコアを確認したり、採用面接時に情報セキュリティに関する素養を確認するために合格証の提示を求めたりするケースが増えています。

ただし、IT専門職やエンジニアを目指す場合、ITパスポートはあくまで入門レベルの資格であるため、さらに上位の資格(基本情報技術者試験など)の取得や、実務経験、ポートフォリオの充実が求められることも理解しておく必要があります。

それでも、ITパスポートを取得していることは、IT分野への関心と学習の第一歩を踏み出している証として、多くの採用担当者に前向きに評価されるでしょう。

自身のキャリアプランに応じて、ITパスポートを効果的に活用することが重要です。

ITパスポート合格に必要な勉強時間と効率的な学習法

ITパスポート合格に必要な勉強時間と効率的な学習法

ITパスポート試験の合格を目指す上で、「どのくらいの勉強時間が必要なのか」「どのような学習法が効率的なのか」といった疑問は多くの方が抱くものです。

この章では、ITパスポート合格に必要な勉強時間の目安、独学の可否、そして具体的な学習ステップについて詳しく解説します。

さらに、短期合格をサポートする教材についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
関連記事:

合格に必要な勉強時間の目安は?独学でも可能?

ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は、受験者のITに関する知識レベルや学習スタイルによって大きく変動します。

一般的には、IT初学者の方であれば約100時間から180時間程度、情報系の学習経験がある方やIT関連業務に携わっている方であれば50時間から100時間程度が目安とされています。

しかし、これはあくまで目安であり、より短期間で合格する方もいれば、さらに時間を要する方もいます。
関連記事:ITパスポートに落ちた!不合格は恥ずかしい?受からないのか徹底解説


SNSなどでの合格者の声を見てわかった傾向
・学習期間としては、1ヶ月から2ヶ月程度で集中的に勉強された方が多いです。
・総勉強時間としては、20時間から50時間程度で合格したという報告も見られますが、これはある程度IT知識がある方のケースと考えられます。
・勉強方法としては、過去問を3回から5回分繰り返し解いたり、テキストや問題集を2周から3周したりと、反復学習を重視する方が多いようです。
・中には、過去問演習のみで、10時間程度の学習で合格したという方もいますが、これは基礎知識が既にある場合や、試験の傾向を掴むのが得意な方の例と言えるでしょう。

ITパスポート試験は、独学でも十分に合格を狙える国家試験です。

市販されている参考書や問題集が非常に充実しており、オンラインの学習サイトやアプリも多数存在します。

実際に独学で合格した方の体験記もインターネット上で多く見つけることができるため、学習計画を立てる際の参考になるでしょう。

自分のペースで学習を進めたい方や、費用を抑えたい方にとって、独学は有効な選択肢となります。
関連記事:【ITパスポート独学】おすすめテキスト4選!勉強方法を徹底解説

おすすめの勉強ステップ:インプットとアウトプットの重要性

ITパスポート試験の学習において最も重要なのは、知識をインプット(理解・記憶)し、それをアウトプット(問題演習などで実践)するサイクルを繰り返すことです。

どちらか一方に偏ることなく、バランス良く進めることが合格への近道となります。

以下に、具体的な勉強ステップをご紹介します。

参考書・テキストでの基礎固め

まず取り組むべきは、参考書やテキストを丁寧に読み込み、試験範囲全体の知識を体系的に理解することです。

ITパスポート試験はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と幅広い分野から出題されるため、各分野の基本的な用語や概念をしっかりと押さえる必要があります。

知識が全くない状態でいきなり過去問に挑戦しても、なぜ間違えたのかが理解できず、学習効率が悪くなってしまいます。

焦らず、一つ一つの項目を確実に理解することを心がけましょう。

図解やイラストが豊富なものや、平易な言葉で解説されているものなど、自分にとって分かりやすい参考書を選ぶことが大切です。

過去問演習のポイント

参考書で一通り基礎知識をインプットしたら、次は過去問題集や問題演習を通じてアウトプットを行います。

過去問を解くことには、以下のような多くのメリットがあります。

知識の定着度を確認できる
実際の試験の出題形式や傾向を把握できる
時間配分の感覚を養える
自分の苦手分野を特定できる

ITパスポート試験では、過去に出題された問題と類似した問題が繰り返し出題される傾向があります。

そのため、過去問演習は非常に効果的な対策となります。

最低でも直近3~5年分の過去問には取り組み、間違えた問題や理解が曖昧な箇所は、解説を熟読し、参考書に戻って関連知識を再確認するという作業を徹底しましょう。
参考:ITパスポートは過去問だけで受かる?何年分解くべきか徹底解説

繰り返し解くことで、問題のパターンや引っかかりやすいポイントが見えてきます。

模擬試験での実践練習

試験日が近づいてきたら、本番同様の形式・時間で模擬試験に挑戦しましょう。

ITパスポート試験はCBT(Computer Based Testing)方式で行われるため、パソコンでの操作に慣れておくことも重要です。

模擬試験を通じて、120分という試験時間内で全100問を解き切るための時間配分や、緊張感のある中での解答ペースを体感することができます。

市販の問題集に付属している模擬試験や、オンラインで提供されている模擬試験サービスを活用し、最低でも2~3回は実践練習を行っておくと、本番で落ち着いて実力を発揮しやすくなります。

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用語集や解説を読んで理解度チェックの練習問題、ランダム出題、5問ずつ、一問一答など自分に合った出題形式が選べるので、学んだ内容が定着しやすくなります。
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本番のCBT試験に近い状態で模擬試験を受けることができます。時間を計って実践するのが効果的です。
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購入者からのレビュー

コエテコカレッジITパスポート対策講座では、実際に教材を購入して利用した方のレビューをいただいております。

使い勝手や勉強方法についても書かれていますので、ご購入の際のご参考にしてください!以下はいただいたレビューの一部を抜粋したものです。
「正解以外の選択肢に関しても手厚く解説されているため、1問ごとの情報量が充実しており、とても勉強になりました」 「回答と解説が一緒に書いてあり覚えやすかった」 「キーワードなども太字・赤字で目に飛び込むように工夫されていたので、学習が進めやすかったです」 「書籍での学習と違い、年度別や分野別のランダム出題で問題が解けるのが便利です」 「似たような問題がランダムで満遍なく現れて、徐々に正答率が上がるのが実感できて、問題を解くモチベーションが上がりました」
など、解説文の充実度や視覚的な分かりやすさを評価する声を多くいただいています。コエテコカレッジITパスポート対策講座の他のレビューはこちらからご確認できます。
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ITパスポート試験の難易度や合格率・勉強時間まとめ

ITパスポートはITに関する基本的な知識が身についていることを証明する資格です。

試験は3分野から出題され、総合評価点600点以上かつ、分野別評価点が各300点以上で合格となります。

ただし、採点方式にIRT方式が採用されているため、受験者の回答結果に基づいて評価点が算出されることに注意が必要です。

ITパスポートの合格率は50%台を推移しており、国家試験の中では比較的取得しやすいと言えるでしょう。独学でも十分合格が可能です。

一般的に勉強時間は約100時間と言われますが、勉強方法や元々持っている知識量によって差があります。

試験問題は過去問の類似問題が出題される傾向があるため、参考書を読むだけでなく、過去問を多く解くことがITパスポート合格の鍵です。

最短で合格するためにも教材選びは慎重に行いましょう。

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