この記事では、ワーキングホリデーに行くために必要になる費用の内訳と、目安となる金額について徹底解説していきます。少しでも費用を抑えるためのコツについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ワーキングホリデー(ワーホリ)に必要な費用の内訳
ワーキングホリデーを計画する際、概算の必要経費は100万円程度が目安と言われています。決して安くない金額ですが、その内訳はどのようになっているのでしょうか。ワーキングホリデーで発生する主な費用を5つご紹介します。不安な方はワーホリエージェントの利用をおすすめします。
ビザ申請費用
ワーキングホリデーで渡航する際には、当然ながらビザの申請が必要です。この費用は一般的に数千円から数万円程度で、国によって大きく異なります。例を挙げると以下の通り。- オーストラリア:約6万円
- 韓国:無料
- ニュージーランド:無料(観光税約2500円が別途必要)
- カナダ:約4万円 etc…
事前に各国の大使館や公式ウェブサイトを訪問し、正確な情報を確認するようにしましょう。ビザ申請に際しては登録料や税金といった費用が別途発生することもあるため、余裕を持った予算設定が大切です。
航空券代
ワーキングホリデーの中でも特に大きな費用の一つが航空券です。購入する時期や渡航ルート、予約のタイミング等によって価格は大きく変動します。早期予約割引やキャンペーンの利用有無により数十万円レベルで変わってくる場合も十分考えられるので、航空会社のウェブサイトや比較サイトはこまめにチェックしたいところです。海外留学保険
海外での病気やけがは、国内以上に高額な治療費がかかる場合があります。そのため、海外留学保険に加入しておくことは非常に重要です。渡航先によっては、ビザ申請の際の必須条件となっていることも。加入期間や補償内容により保険料は異なりますが、月数千円〜数万円程度を相場として検討してみましょう。外交や国際交流の拠点として設置される「領事館」でも当該保険への加入を推奨しているため、安心してワーホリを楽しむためにもぜひ加入しておくようにしてください。
学費
ワーキングホリデーで語学学校に通う予定がある場合、入学金や授業料といった「学費」も見積もらなければなりません。どこの学校に入学するか、長期滞在による割引やキャンペーンを利用するか等にもよりますが、数週間〜数ヶ月のコースなら数十万円程度と考えておくと良いでしょう。なお語学学校選びの際、学費の安さだけを判断基準にするのは少々注意が必要。学費を抑える代わりに、学習に必要な設備・教材が整っていない可能性もあるからです。費用面を重要視しながらも「ワーキングホリデーに赴く目的を達成できるかどうか」を念頭に置き、慎重に検討するようにしたいですね。
生活費(滞在費)
現地での生活費は「食費」「交通費」「住宅費」などを含めて、最も変動が大きい費用です。渡航先に選ぶ国や都市、その他ライフスタイル等によるところも大きいですが、毎月10万円〜20万円程度が目安。ワーキングホリデーの場合はアルバイトを通じて現地で収入を得ることも可能ですが、それでもある程度の予備費は確保しておいた方が安心して生活できるはず。特に最初の数か月はすぐに仕事が見つかるとは限りませんので、最低でも1〜2か月は無収入でも生活できる程度の余裕をもっておくといいですね。
【国別】人気な国のワーキングホリデー費用の目安
ワーキングホリデーに必要な費用は、国により異なります。ワーキングホリデーで行ける国は29ヵ国ありますが(2024年3月時点)、今回は、人気が高い4つの国の費用目安をご紹介します。以下はあくまでも費用の目安であり、暮らし方や学ぶ期間、アルバイトの給与額などによっても大きく異なるでしょう。費用を全額用意してから行くずとも、足りない分は渡航後のアルバイト代でまかなうという方法もあります。参考:一般社団法人 日本ワーキング・ホリデー協会
オーストラリアワーキングホリデー
オーストラリアのワーキングホリデー費用の目安:約136万円/年オーストラリアの給与水準は世界的に高いため、アルバイトでもある程度稼ぐことができ、滞在中に必要な費用にまわせます。特にシドニーやメルボルンなどの大都市なら、豊富な仕事先からアルバイト先を選ぶことが可能です。働く際は、一部指定地域以外のほとんどの地域において、1つの職場では最大6ヵ月までしか働けないことに気をつけましょう。
参考:オーストラリア留学
オーストラリアで高い収入を得たい方は、ワーキングホリデー中に専門資格を取得するのがおすすめです。専門資格があれば、職種別の賃金レートがあてはめられるため、一般的なアルバイトよりも高い収入を得られます。
参考:オーストラリア留学エージェントおすすめ
ビザ申請費用 | 約6万円 |
航空券代(往復) | 約15万円 |
海外留学保険代 | 約20万円 |
学費(4ヵ月間) | 約55万円 |
生活費(滞在費) | 約180万円 |
お小遣い | 約60万円 |
アルバイト収入 | +約200万円 |
カナダワーキングホリデー
カナダのワーキングホリデー費用の目安:約174万円/年カナダでは最長6ヵ月まで語学学校などへ通学できるため、6ヵ月で費用を計算しています。語学学校へ通う期間が長いほどかかる費用が増えますが、ワーキングホリデー中の就労制限がないため、稼ぎやすい環境と言えるでしょう。
ワーキングホリデー中にアメリカへ旅行に行きたいと考えている方は、プラスでアメリカへの旅行費用も用意しておくことをおすすめします。
参考:カナダ留学エージェントおすすめ
ビザ申請費用 | 約4万円 |
航空券代(往復) | 約15万円 |
海外留学保険代 | 約20万円 |
学費(6ヵ月間) | 約80万円 |
生活費(滞在費) | 約175万円 |
お小遣い | 約60万円 |
アルバイト収入 | +約180万円 |
イギリスワーキングホリデー
イギリスのワーキングホリデー費用の目安:約272万円/年ワーキングホリデー期間が1年と決められている国が多いなか、イギリスは最長2年間滞在できる国です。イギリスのワーキングホリデービザの取得には抽選制が導入されており、人気が高いため取得が困難でした。しかし、2024年からは定員が従来の4倍である6,000名に増員され、申請・審査方式が先着順になったため、ビザを取得できる可能性が増えました。
人気が高いことで、アルバイト先を探すのが他の国に比べて難しい可能性があるため、留学費用をある程度準備してから渡航するのが賢明です。
参考:イギリス留学エージェントおすすめ
ビザ申請費用 | 約22万円 |
航空券代(往復) | 約20万円 |
海外留学保険代 | 約20万円 |
学費(6ヵ月間) | 約110万円 |
生活費(滞在費) | 約240万円 |
お小遣い | 約60万円 |
アルバイト収入 | +200万円 |
ニュージーランドワーキングホリデー
ニュージーランドのワーキングホリデー費用の目安:約175万円/年ニュージーランドの物価は他の国と比べて安価なため、留学費用も抑えられる傾向にあります。他の国と同様にワーキングホリデー中のアルバイトは可能ですが、仕事先が豊富でない可能性があるため、見つけるのに時間がかかるかもしれません。
とはいえ、自然が豊かで観光・畜産で栄えているニュージーランドは、「のんびりと過ごせる」と人気です。
参考:ニュージーランド留学エージェント
ビザ申請費用 | 0円 |
航空券代(往復) | 約15万円 |
海外留学保険代 | 約20万円 |
学費(6ヵ月間) | 約100万円 |
生活費(滞在費) | 約180万円 |
お小遣い | 約60万円 |
アルバイト収入 | +約200万円 |
ワーキングホリデーの費用を計画する際の注意点
ワーキングホリデーを成功させるためには、慎重な費用計画が必要不可欠です。予期せぬ出費が発生したり、思うように資金を調達できなかったりする可能性も大いに考えられます。せっかく渡航したにもかかわらず「資金不足で帰国を余儀なくされた…」なんてことにならないよう、気を付けておきたい注意点についてご紹介します。- 一部の国では銀行の残高証明書を提出しなければならない
- ヨーロッパワーホリの場合現地での資金調達が難しい可能性も
一部の国では銀行の残高証明書を提出しなければならない
ビザの申請にあたって、一定以上の金額が銀行口座にあることを示す「残高証明書」が必要な国もあります。これは、申請者が現地で経済的に自立して生活できる証拠として求められるものです。残高証明書を提出しなければならない諸外国は以下の通り。
- カナダ
- オーストラリア
- イギリス
- アイルランド
必要な金額は国によって異なりますが、最低でも日本円にして50万円以上の残高を求められることがほとんど。「ワーキングホリデーだから現地で資金調達すればいい」と高をくくっていると、残高を証明できず渡航すらできないかもしれません。
ヨーロッパワーホリの場合現地での資金調達が難しい可能性も
ヨーロッパ諸国、特にフランス・イギリス・スペイン等は、世界中でも失業率が高い国として有名。国際統計をまとめる「グローバル・ノート」によれば、スペインの2022年の失業率は約13%で27位です。このことから、ヨーロッパ各国へワーキングホリデーに行った場合「そもそも職が見つからない」「首尾よく見つかってもすぐリストラされてしまう」といったように、現地での資金調達が思うようにいかないことが大いに想定されます。ヨーロッパワーホリの資金計画を立てる際には、アルバイトで稼ぐことに頼りすぎないことが賢明です。
ワーキングホリデーの費用を抑えるコツ
経費を抑えつつも、充実したワーキングホリデーを送るためには、いくつかのコツがあります。ここで紹介するような工夫で出費を減らし、資金面での不安を最小限にしましょう。- 航空券が安い時期を狙って渡航する
- 物価の安い国を渡航先に選ぶ
- 語学学校に通わず仕事を通じて習得を図る
- シェアハウスをする
- 自炊をする
航空券が安い時期を狙って渡航する
航空券の価格は、シーズンや曜日・購入する時期によって大きく変わります。オフシーズンや平日、早割などを狙って購入することで、費用を大幅に減らすことができるでしょう。キャンペーンやセール情報を逃さないようにするとともに、渡航者の多い春(4月〜6月頃)を避けるようにするといいですね。
物価の安い国を渡航先に選ぶ
ワーキングホリデーの費用を抑えたい場合、物価の安い国を渡航先に検討するのも非常に効果的です。宿泊費や食費といった日々の生活費を抑えることが出来るため、長期間の滞在が可能になったり、他の活動に回す資金を捻出できたりするようになります。ワーキングホリデーに行く目的をしっかりと満たせる範囲で、出来る限り物価の安い国を選ぶようにしてみてください。
参考:留学費用が安い国おすすめは?
語学学校に通わず仕事を通じて習得を図る
ワーキングホリデーでは、必ずしも語学学校に通う必要はありません。少しでも費用を抑えたいのであれば「語学学校なし」のプランを選択するのも手でしょう。最低限コミュニケーションを取れる程度の語学力があれば、語学学校に行かなくても仕事(アルバイト)を通じて現地の言葉を習得していくことも不可能ではありません。学校生活を通じた国際交流が出来なくなるというデメリットはありますが、出費を抑える方法の一つとしては有用です。
シェアハウスをする
シェアハウスを利用すれば、家賃を大幅に節約できるでしょう。例えば、1ヵ月9万円の部屋に一人暮らしをする場合はすべて自分で負担しなければなりませんが、3人で暮らせば1人あたり3万円で済みます。光熱費や食費も節約できるので、費用を抑えたい方におすすめの方法です。家具備え付きのシェアハウスを選べば、さらに無駄な出費を減らせます。自炊をする
節約を考えるのであれば、自炊は基本中の基本です。外食を減らして自炊を減らすことで、食費を大幅に節約できます。自炊は、節約のためだけでなく健康のためにも大切です。外食ばかりだと、健康面に悪影響を及ぼす可能性があります。とはいえ、外食をしないと現地の食文化に触れる機会を逃してしまうため、支出や健康面を考えたうえでたまにの外食を楽しむのがおすすめです。
ワーキングホリデーに行く際の注意点
長く滞在するワーキングホリデーの場合、旅行などの短期渡航よりも犯罪や事故に巻き込まれる可能性が高くなります。トラブルに巻き込まれるのを防ぐために、以下の点に気を付けてください。- 危ない地域などの情報を事前に収集しておく
- 緊急時の連絡先を把握しておく
- 貴重品の管理を徹底する
- 夜間の一人歩きは避ける
危ない地域などの情報はあらかじめリサーチしておき、近寄らないようにしましょう。しかし、どんなに気を付けていても、トラブルに巻き込まれるのを完全に防ぐのは難しいものです。トラブルに巻き込まれた場合を想定し、緊急時の連絡先は必ず把握しておいてください。貴重品の管理に注意したり夜間の一人歩きを避けたりするなど、安全対策をしっかりと行うことも重要です。
ワーキングホリデー制度を利用して海外に渡航した方々が事件・事故に遭うケースが増えているようで、外務省でも注意喚起を行っています。
参考:ワーキングホリデーはやめた方がいい?
ワーキングホリデーの費用は余裕をもって計画しよう!
当記事では、ワーキングホリデーにかかる費用の相場とその内訳をはじめ、資金計画の際の注意点や費用を抑えるコツについてまで、詳細に解説してきました。渡航する国や入学する語学学校、その他ライフスタイル等々…多くの変動要素はあるものの、ワーキングホリデーの費用相場は最低でも100万円程度と考えておけば妥当でしょう。通常の海外留学だと年間300〜400万くらいかかることを考えると、ワーキングホリデーのお手頃さが際立つはず。
一方で、ワーキングホリデーでの生活は現地での資金調達が重要になることは間違いありません。仕事が見つからなかったり、思いがけずリストラされてしまったりする可能性も考慮して、出来る限り余裕をもった資金計画を立てるようにしたいところですね。不安な方は留学エージェントへの相談をおすすめします。