eラーニングを用いた学習・研修法やeラーニングを提供するシステムはどんどん多様化・高度化しており、今後も進化が予想されます。
需要の高まりに伴い利便性が求められる中で、既存のコンテンツでは物足りず、「こんなコンテンツがあったら良いのに」「自社の研修プログラムをもっと広めたい」などの理由から、オリジナルコンテンツ販売を考え始める人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、eラーニングの基本から、オリジナルコンテンツを販売する際に注目頂きたいポイント、知っておきたいシステムの選び方などをお伝えします。
eラーニングの種類と特徴
eラーニングとはelectric(電子的な)とlearning(学び)を合わせた造語です。主にパソコンやタブレットなどの電子機器とインターネットを使用した学習のことを指します。
管理者側がLMS(学習管理システム)を利用して教材を配信したり、受講者の学習状況や成績を一元管理することができるため、企業の研修や学校などの学習機関での導入が進んでいます。
また、eラーニングとひとことで言っても、配信方法・教材の種類は様々です。
学習方法は、資料アップロード形式・アニメーション形式・動画講義形式などが挙げらます。
また配信方法は、録画映像によるオンデマンド配信型とリアルタイムのライブ配信型があり、用途によって使い分けされています。
eラーニングでのリスキリングを政府も推進
近年日本では、IT人材不足が問題視されています。政府による人材育成推進のためのICT技術習得支援サイトの立ち上げや、自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進など、IT人材育成に向けて積極的な動きが見られます。
その一環として、社会人向けリスキング講座をeラーニングで提供する大学や、社会人の学び直しに役立つ情報を提供するポータルサイトなども多く展開されるようになりました。今後もeラーニングを使った学びは、学生だけではなく幅広い層に広がっていくことが予想されます。
参考:コエテコカレッジBLOG『社会人が有用なビジネスの種、実務的な知識・技術を学ぶ場!| 東京理科大学オープンカレッジ』
参考:コエテコカレッジBLOG 『思い立ったら「マナパス」へ!|社会人の学びを応援する文部科学省のポータルサイト』
eラーニングを導入するメリット
続けてeラーニングを導入するメリットをお伝えします。どのような利点があるのか理解を深めることで、eラーニングをより効果的に活用できるでしょう。
場所や時間を選ばず自由に学習できる
eラーニングの最大のメリットは、何といってもいつでもどこでも好きなタイミングで学習できることでしょう。テレワークなど働き方の選択肢が広がる中で、時間や場所にとらわれない学習方法は多様な場で活用できると考えられています。
受講者側も時間・場所の制限がなくなるため、eラーニングを活用することで、日本国内のみならず世界中から同じ講座を受講することもできるでしょう。
学習履歴が残せるため、受講者の理解度に合わせて進められる
eラーニングの多くは、繰り返し受講し学習理解を深められます。分からないところを理解できるまで何度も見直す、聞き取れなかったところを再度聞き直すなど、自由に学習に取り組める点はeラーニングならではの利点です。
また講座提供側も受講者の学習進捗や成績管理ができるため、受講者の理解度に合った講座や講義の展開も容易になるでしょう。
費用と時間の削減につながる
eラーニングの導入は、学習に費やす費用や時間の削減にも大きく寄与します。例えば企業の研修では、受講者と講師のスケジュール調整や受講進捗管理などの手間も、一度システム化してしまえば大幅に減らすことができます。また研修を実施するための会場費や講師への依頼費なども削減できるでしょう。
さらに対面式の講座を開講している講師・クリエイターの場合、受講者管理や集客にかかる手間や費用を削減できます。
eラーニングのデメリットと注意点
続けてeラーニングのデメリットや注意点をお伝えします。eラーニングを導入する際は、デメリット面もしっかり理解しておくことが大切です。
実技型学習には向かない
eラーニングの特徴として、オンライン上で画面を通したコミュニケーションとなる点が挙げられます。そのため受講者による実習や実技が必要な学習には、向いていないといわれています。
しかし近年のeラーニング需要の高まりを受け、WebカメラやVRを駆使して実技演習をフォローできる技術も広まりつつあります。
また実技教材を事前に配布し、画面を通し同時に学ぶスタイルも取り入れられつつあります。
学習のアウトプット方法に工夫が必要ですが、実技を必要とする学習も工夫次第でeラーニング化を図ることができるでしょう。
モチベーションの維持が難しい
eラーニングは個々が自発的に学習に取り組む必要があるため、進め方や理解度も個人の裁量に寄るところがあります。そのためeラーニングのデメリットとして、ただ流し見をしただけで知識が身に付かないまま受講が完了するケースが出てきてしまう懸念も考えられます。
学習の目的にもよりますが、理解度を図るテストや双方コミュニケーションが可能なリアルタイム講座を挟むなど、受講者のモチベーション低下を防ぐ工夫が必要です。
端末などの環境が必要
eラーニングを受けるためには、オンライン学習ができる端末やネットワーク環境が必要となります。自宅にWi-fi環境がない場合、手軽にeラーニングを受講できず学習の機会が制限されてしまう可能性があります。
また端末についても、システムによってはパソコンユーザーのみに視聴が制限されているケースもあります。
スマートフォンやタブレットでのeラーニング受講者は年々増えているため、LMSを導入する際はスマートフォンやタブレットなどパソコン以外の端末にも対応したシステムなのか確認しておくことが大切です。
eラーニングのトレンド
IT環境の変化に伴いeラーニングシステムは日々進化をしています。本項目では、eラーニングの最新のトレンドをご紹介します。
動画教材
現在主流となっているeラーニングは、講義を録画した動画教材です。従来のテキスト型学習では頭に入りづらい内容も、動画教材であれば高い視覚効果で記憶に残りやすく、効率的な学びを得られるでしょう。
学習できる内容は座学ばかりでなく、機械操作手順・接客・調理など実技を伴う学習などにも幅広く取り入れられます。
講座ビジネスの観点においても、リアルタイムのeラーニング講座販売だけではなく、事前に録画・編集した録画動画教材を販売できるシステムやビジネスは注目を高めています。
リアルタイム講座の場合、実施時間・受講時間に制限がかかってしまう点がネックになっているケースが多々ありました。
その点録画動画教材販売できるシステムの場合、受講者はいつでもeラーニング講座を受講でき、講師はいつでも自身のeラーニング講座を販売できます。
より双方のニーズに合ったeラーニング学習・販売を実現できるでしょう。
コミュニケーション型学習
“一方通行”というeラーニングの課題点をクリアするため、講師や他の受講生とコミュニケーションを図れるシステムを搭載したサービスも人気を集めています。例えばチャット機能やSNSを連携させることで、講義内でコミュニケーションを活発化させている事例もあります。
また少人数のチームを作りディスカッションする時間を設け、より深い理解が得られるような工夫が施されている講座もあります。
AIの活用
教育現場では、AI(人口知能)を活用したeラーニングシステムが注目されています。講義の途中に入る質問に答えることでより知識を定着させるなど、これまでの受け身学習にはない学びが得られます。
またAIが受講者の苦手問題を分析してくれるシステムもあります。
AIを活用すれば、受講者1人ひとりに合った学びを即時に提供できるため、より効果的な学びが期待出来るでしょう。
コンテンツ販売はこんな方におすすめ
企業のIT化・DX化に伴うeラーニングの普及を背景に、特に海外ではオリジナルコンテンツを商品化し販売する動きが活発化しています。eラーニングに触れる機会が増えるにつれ、日本でも新たな事業の一環として自社のノウハウや教材を外部にも提供したいと検討する企業、自身のセミナー・講座をコンテンツとして販売したいと考える講師・クリエイターも増えつつあります。
ここでは、コンテンツ販売をおすすめしたい人をご紹介します。
自社のノウハウやスキルをパッケージ販売したい
自社で蓄積されたノウハウやスキルを社外にも広く提供・販売したいと考える企業は、コンテンツ販売の検討をおすすめします。具体的には、社内向けの研修資料などを社外向けに修正し、販売に繋げます。
企業認知や企業ブランドにも寄与し、既存事業にも良い影響を期待できるかもしれません。
対面セミナーをオンライン化したい
リモートワークの定着やオンライン会議ツールの普及、新型コロナウイルスの影響から、時間や場所を選ばないオンラインセミナーを選択する受講者が増えています。受講者の動向変化から、従来の対面式セミナーをオンライン化したいと考える講師・クリエイターも多いのではないでしょうか。
受講形式を対面からオンラインに切り替える場合、同じ学びを提供できるのか検討する必要があるでしょう。
オンラインでも十分に従来通りの学びを提供できる講座・講義内容であれば、オンライン化することにより様々なエリアに在住する受講希望者に自身の講義やセミナーを提供できるようになるでしょう。
適切なシステムを選ぶことがポイント
実際にコンテンツを販売するにあたっては、適切なシステムを選ぶことが肝要です。本項目では、eラーニングを提供する際のシステム選びのポイントをお伝えします。
サポートがしっかりしている
eラーニングを提供するシステムを選ぶ際は、サポート体制がしっかりしているサービスを選びましょう。特に海外のサービスは、知名度が高いものの日本語に対応していない場合もあります。
システムの中には、自身の講座に適したコンテンツ構成や販売方法の提案まで細やかなサポートを提供してくれるサービスもあります。
特に初めて講座販売に取り組む場合は、専任の担当者が付く・24時間電話での質疑を受け付けているなど、分からないことがあればすぐに確認・解決できるサービスを選びましょう。
料金システムが見合っているか
システムを選ぶにあたり、料金システムは外せないポイントです。eラーニング学習を提供するシステムは、サービスごとに料金が大きく異なります。
同じシステムでもプランによって使える機能やサービス、サポートの手厚さが変わる場合もあります。
システム導入の目的や講座の内容を鑑み、料金システムが見合った金額なのか、比較・検討しましょう。
機能が充実している
システムによっては、コンテンツ作成・販売以外にも、SNS連携やレビュー機能、ダウンロード機能など様々な機能を設けているものもあります。上手く活用することでより集客がスムーズになるなどメリットがあります。
後に機能不足に悩むことがないよう、導入にあたっては各サービスの機能をしっかり調べておきましょう。
eラーニングとは? 特徴・メリット・デメリット まとめ
今回はeラーニングの特徴・トレンドやメリット・デメリット、またeラーニング講座を提供・販売するシステムの選び方をお伝えしました。eラーニングの普及と進化は今後も進んでいくことが予想され、それに伴いオリジナルコンテンツを商品化し、販売するビジネスはより活発化すると予想されます。
eラーニングのトレンドを押さえ、最適なシステムを選んだ上で、いち早くコンテンツ販売に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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