私自身、育休中に保育士資格を取得しました。最初は「保育士資格を取るぞ!」と意気込んで始めたものの「どこから手をつければいいの?」「本当に私にできるの?」と不安に押しつぶされそうになったのを覚えています。この記事を読んでいるあなたも、同じように「忙しい中で勉強なんて無理かも」と感じているかもしれませんね。
保育士を目指す道には、独学、通信教育、専門学校、大学などさまざまな選択肢があります。それぞれにメリットやデメリットがあり、ライフスタイルや学習スタイルによって向き不向きが異なります。
本記事では、それぞれの方法を詳しく比較し、あなたにぴったりの学び方を見つけるヒントをお届けします。忙しい毎日でも、効率よく夢に向かって進むための手助けになれば幸いです。
保育士資格取得への第一歩を、ここから一緒に踏み出しましょう!
保育士資格ってどんな資格?
まずは保育士資格について簡単におさらいしておきましょう。保育士資格は厚生労働省が管轄する国家資格で、保育園や認定こども園、児童福祉施設などで必要とされる資格です。この資格を取得することで、子どもたちの健やかな成長を支え、保護者のサポートをするという重要な役割を担えるのです。教育的な視点を持ちつつ、一人ひとりの個性に寄り添い、家庭や地域と連携するスキルも求められる専門職です。そのため、資格取得には保育理論や児童福祉、発達心理学など幅広い知識が必要です。
資格を取得した後は、保育園以外にも児童福祉施設、病院内保育、企業内保育、さらにはフリーランスとしても活躍でき、多彩なキャリアパスが広がります。
保育士資格は一度取得すれば生涯有効!ライフステージが変化しても、再就職や復職の際に活用できる点が大きな魅力ですよね。
保育士資格の難易度は?
保育士資格は国家資格であり、取得には一定の努力が必要です。しかし、計画的に学習を進めれば多くの方が合格を目指せる資格でもあります。ここでは、試験の合格率をもとに、難易度について詳しく解説します。合格率で見る難易度
保育士試験の合格率は約20〜30%。たとえば近年の合格率は以下の通りです。年度 | 合格率 |
---|---|
令和2年度 | 24.2% |
令和3年度 | 20.0% |
令和4年度 | 29.9% |
令和5年度 | 26.9% |
この合格率を見ると「難しそう」と感じるかもしれませんが、筆記試験には「科目合格制」があり、一度合格した科目は3年間有効です。そのため、すべてを一度に合格する必要はありません。
半分ずつなど小分けにして勉強するという手段もあり!一発全科目合格が必要な資格もありますが、保育士資格取得は自分のペースで進められます◎
独学も可!資格取得ルートは2つ
保育士資格を取得する方法は、次の2つです。・国家試験を受ける
・指定保育士養成施設を卒業する
どちらが適しているかは、あなたの性格や状況により異なります。以下、それぞれの特徴を詳しく解説します。
国家試験を受験する
・費用が安い(教材費・受験料のみで数万円)
・合格率は20〜30%。簡単ではない!
・コツコツ学習を続ける忍耐力が求められる。
国家試験受験は、年齢を問わず誰でも挑戦できる方法です。試験は年2回(4月と10月)実施され、筆記試験と実技試験の2段階で構成されています。
参考:独学で保育士
受験資格
保育士試験の受験資格は以下のいずれかを満たす必要があります。1. 学歴基準
大学・短大・専門学校卒業者:保育に関係のない学部でも可。
高等学校卒業者:児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で実務経験2年以上、かつ総勤務時間2,880時間以上が必要。
平成3年3月31日以前に高等学校を卒業している場合は、経験不要。
2.実務経験基準
高校未卒業の場合でも、児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験があれば受験可能。
受験資格にはさまざまなルートがあり、人によって該当する条件が異なります。詳しくは以下のリンクから、どのルートで受験できるかをご確認ください。
試験内容
保育士試験は筆記試験と実技試験によっておこない、筆記試験で全科目合格すると実技試験を受けられます。筆記試験
筆記試験の試験科目は以下です。- 保育原理
- 教育原理
- 社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験は9科目で構成されており、各科目で満点の60%以上の得点が必要です。この基準をすべての科目で満たすと、筆記試験が合格となります。ただし、『教育原理』と『社会的養護』はセットで評価され、両方の科目で満点の60%以上の得点を取る必要があります。そのため、どちらかが60%以上の得点を満たしていても、もう一方が60%未満の場合は不合格です。
実技試験
実技試験の試験科目は以下です。3つの分野のうちから2つを選ぶ選択制です。分野 | 内容 |
---|---|
音楽表現に関する技術 | ピアノやアコーディオン、ギターのいずれかを使用し、課題の2曲を弾き歌いする。 |
造形表現に関する技術 | 45分間で指定されたテーマに基づき、子どもたちとの関わりを表現した絵を描く。 |
言語表現に関する技術 | 4つの課題の中から1つを選択し、3歳児クラスの子どもに話すことを想定して、伝わりやすく語り聞かせる。 |
音楽表現と音楽表現の課題(曲やお話のタイトル)は「受験申請の手引き」で発表されます。そのため、試験本番までに十分に練習することも可能です。
試験科目を見ると、「ピアノは弾けないし、絵も苦手…」と感じる方もいるかもしれませんね。でも大丈夫!練習次第でスキルを磨けますし、自分の得意分野を選べる柔軟さがあります!
ちなみに私は音楽表現と言語表現を選択。ピアノは実に20年ぶりに練習しましたが、なんとかなりました……!
2. 指定保育士養成施設を卒業する
・仲間と学び合えるため、モチベーションを保ちやすい。
・国家試験のプレッシャーがない!
・学費は高額になりやすい。(年間50万円以上が一般的)
・時間的な負担が大きい。
もう一つの方法は、厚生労働省指定の保育士養成施設(専門学校や大学)を卒業することです。このルートでは国家試験を受ける必要がなく、所定のカリキュラムを修了することで資格が自動的に取得できます。
指定保育士養成施設のカリキュラムは、保育理論の授業に加えて、現場での実習が充実しており、実践的なスキルをしっかりと身につけられます。また、授業を通じて仲間と学び合う機会があり、学習を継続するモチベーションを保ちやすいのも魅力です。
結局あなたに合う学び方はどれ?
「どの方法が自分に合っているのかわからない…」そんな方のために、それぞれの学び方について詳しくご紹介します。費用や学習時間だけでなく、それぞれのメリット・デメリットを知ることで、自分に合った方法を選ぶ参考にしてください。独学
独学は、特に費用を抑えたい方や、自分のペースで進めたい方に向いています。好きな場所、好きな時間に学習できるため、仕事や育児などと両立しやすいのも魅力です。ただし、他の学習スタイルと異なり、質問や相談ができる相手がいないため、不安を抱えやすい点に注意が必要です。また、学習スケジュールを自分で管理しなければならず、途中でペースが崩れると挫折につながることも。
費用:1〜3万円(教材費・資格受験費のみ)
市販の参考書や問題集を購入するだけで済むため、非常に経済的です。
学習時間:100〜150時間
試験範囲が広いため、計画的な学習が必要です。毎日コツコツ取り組むことがポイント。
- 自分のペースで進められる。
- 費用を抑えられる。
- 学びながら他の仕事や家事との両立が可能。
デメリット
- 法改正や試験範囲の変更情報を自分で収集する必要がある。
- わからない箇所を自己解決しなければならないため、時間がかかることも。
- モチベーションを維持するのが難しい。
向いている人
- コツコツ努力できる人
- 自分を追い込むのが得意な人
- 費用を抑えたい人
通信教育
独学の自由さに、専門的なサポートが加わるのが通信教育です。特に、保育士試験では法改正や最新情報が試験範囲に反映されることが多いため、専門的な指導を受けられる通信教育は安心感があります。参考:保育士を目指せる通信講座
費用:5〜15万円
学習時間:100〜150時間
メリット
- 法改正や試験範囲の変更情報が提供されるため、最新情報を確実に把握できる。
- わからない部分を質問できるサポート体制がある場合が多い。
- 模擬試験や添削課題を通して、自分の弱点を把握しやすい。
デメリット
- 独学より費用が高い。
- 進捗管理は自分で行うため、自己管理能力が必要。
向いている人
- 独学では不安がある人
- 最新情報や模擬試験を活用したい人
- 一人で頑張るのも得意だけれど、少しサポートが欲しい人
私は実技対策のみ通信講座を使いました♪苦手なところだけ使うのもアリ!
専門学校・大学
保育士資格取得と実践的なスキル習得を同時に目指せるのが専門学校や大学です。講師や仲間との交流を通じてモチベーションを保ちながら、体系的に学べます。費用:年間50〜100万円
学費は高額ですが、卒業後のキャリアサポートや現場実習の機会を含むため、費用対効果は高いといえます。
学習時間:2〜4年
長期にわたる学習で、基礎から応用までじっくり学べます。
メリット
- 現場実習が充実しており、即戦力として活躍できるスキルが身につく。
- 同じ目標を持つ仲間と学べるため、挫折しにくい。
- 講師から直接指導を受けられるため、疑問をすぐに解消できる。
デメリット
- 費用が高額で、経済的負担が大きい。
- 学校生活を送る時間的な余裕が必要。
- 他の仕事や家事との両立が難しい場合もある。
向いている人
- 実践的なスキルをじっくり学びたい人
- 保育の現場で即戦力として活躍したい人
- 仲間と学び合いたい人
忙しい人でもできる!効率的な学び方
「忙しくて時間がない…」と感じる人でも、以下のポイントを意識することで、効率的に資格取得を目指せます。とにかく学習範囲が広い保育士資格!「とりあえずテキストを買って読んでみよう〜」と勉強し始めると、年2回の試験に間に合わない可能性も……。
無計画な勉強では時間を無駄にしてしまう可能性もあるため、ポイントを押さえた効率的な学習を心がけましょう!
1. 隙間時間を活用する
忙しい人にとって「まとまった時間を確保する」のは難しいもの。通勤時間や昼休み、家事の合間など、隙間時間を積み重ねることで、学習時間を生み出せます。スマホアプリや音声教材を活用すれば、手軽に学習を進められます。 例:
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2. 学習計画を細分化する
保育士試験は、試験科目ごとに範囲が決まっているため、計画的に進めることが重要です。「今週は保育原理を終わらせる」「1日1科目に絞って復習する」といった小さな目標を立てると、効率よく進められます。例:
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小さな目標をクリアするたびに達成感が得られ、学習のモチベーションが続きやすくなりますよ!
3. サポートを活用する
一人で勉強するのが難しいと感じる人は、通信講座やSNSなどを活用してみましょう。特にSNSでは、同じ目標を持つ仲間と励まし合うことで、学習のモチベーションが高まります。また、部分的に通信講座を利用する方法もおすすめです。例:
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まとめ:保育士への第一歩を踏み出そう!
保育士資格を取得する方法は一つではありません。独学、通信教育、指定養成施設といった多様な選択肢があり、どの道を選んでも「子どもたちの未来を支える」というゴールは変わりません。重要なのは、自分に合った学び方を見つけ、無理なく進めること。そして資格を取ることがゴールではなく、その先にどんな未来を描くかが大切です。子どもたちの成長を支え、保護者をサポートしたいという気持ちを大切にしながら、一歩ずつ前進していきましょう。
保育士資格がなくても、保育補助として働けるケースもあります。たとえば、資格取得を目指しながら現場経験を積む人や、パートタイムで働く人などです。
保育士資格を持つことでより専門的な業務を任されたり、キャリアの幅が広がったりするため、資格の取得を目指すメリットは非常に大きいと言えるでしょう。