データサイエンティストの仕事内容や1日のスケジュールは?キカガクに取材

データサイエンティストの業務内容とは? 株式会社キカガク
AIやデータ活用などのワードが注目される昨今、「データサイエンティスト」の職業に興味をお持ちの方もいるでしょう。しかし、データサイエンティストのライフスタイルや仕事内容がわからなければ、学ぼうにも一歩を踏み出せないという方もいるはず。

そこで、今回はデータサイエンティスト兼インストラクターとして活躍されている、キカガクの木下 涼さんに取材。
  • どんな業務内容?
  • なるのは難しい?
  • やりがいを感じる瞬間/大変なところは?
など、データサイエンティストのリアルを詳しく伺いました。

*  木下さん自身は、データサイエンティスト兼講師として活躍されており、一般的なデータサイエンティストの業務比重はあまり多くありません。ただ、社外のデータサイエンティストの評価や育成、評価項目の作成などにも携わり、幅広い企業のデータサイエンティストの仕事内容や働き方、人物像にも明るいです。そんな木下さんに、リアルなデータサイエンティストのお仕事内容を伺いました!

データサイエンティスト兼講師!「キカガク」技術統括マネージャー木下さんの仕事内容と1日のスケジュール

キカガク 技術統括マネージャー・木下 涼さん


ー本日はよろしくお願い致します。まず、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?

私は株式会社キカガクの技術統括マネージャーとして、データサイエンティストの業務や、スクール事業のインストラクターを務めております。

他にも、各企業様のデータサイエンティストの育成や、育成のためのロードマップ作成、評価指標の作成、面談など、データサイエンティストという職業に幅広く様々な観点から関わっています。今日はデータサイエンティストというお仕事について分かりやすくお伝えできればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!

データサイエンティストを目指したきっかけ

私は大学院からデータサイエンスや機械学習に関する研究を始めました。データサイエンティストを志望したのは、コーディングがあまり好きではなく、データ分析をしてビジネスサイドの人と関わる仕事の方が向いていると思ったからです。

以前は英語教員を目指していたのですが、それでは年に数十人ほどの生徒としか関わることができず、そこまで多くの人の人生を良くしていくことはできません。「データの力でビジネスや社会の仕組み自体を変えられれば、もっと多くの人生や学びを変えていけるのでは」と考え、教育データの分析や活用方法を学べる、データサイエンス領域の大学院への進学を決意しました。

データサイエンティストの1日のスケジュール

データサイエンティストは、在宅ワークでフレックスタイム制で仕事をしている方が多く、柔軟な働き方がしやすい職業です。

私も同様で、在宅ワークかつフレックスタイムで仕事をしています。この前提の上で、スケジュールについてお伝えしていきます。

データサイエンティスト兼講師・木下さんの1日の例(在宅・フレックスタイム制)
10:00〜11:00 社内ツールの確認・案件の進捗確認
11:00〜12:00 データ分析①
12:00〜13:00 お昼休み
13:00〜15:00 データ分析②
15:00〜16:00 社外担当者との打ち合わせ
16:00〜17:00 データ分析③
17:00〜18:00 社内勉強会
18:00〜19:00 タスクの整理・案件の進捗確認

朝一番に打ち合わせを行うので、30分ほど前に起床・準備をして、打ち合わせでその日のタスクや仕事内容を整理します。その後はデータ分析など、データを取り扱う業務を午前中に行います。

午後は外部との打ち合わせです。分析したデータや、案件の進捗状況の報告等をして「次はこんな感じで分析しましょう」という深いディスカッションがメインです。打ち合わせの合間の時間を活用し、データ分析を進めていきます。

一般のデータサイエンティストの方は、だいたい10時〜19時でお仕事をされている方が多いです。

データサイエンティストの仕事内容

一言でいうと、データを活用して、ビジネス成果に結びつけるお手伝いをする仕事です。

最近は、単純なデータ分析であれば、比較的どなたでもできる体制が整ってきました。ChatGPTなど生成AIの技術によって、この流れは加速しています。そんな時代の中でデータサイエンティストとして活躍するには、データ分析の結果から、どれぐらいビジネス成果に結び付けられるかが非常に重要です。

というわけでここからは、データサイエンティスト兼講師として仕事をしている私の業務内容について、1つずつご紹介していきます。

データサイエンティスト兼講師のメイン業務①テストデータ等の分析

1つ目は、テストデータ等の分析です。受講生の方々には、弊社のプラットフォーム上でデータサイエンティストとしての知識力や技術力等を測るテストを受けてもらったり、講義動画を見てもらったりしています。そのデータを分析し、プラットフォームを改善していくのが、私の業務の一つです。

そのデータから、弊社が提供しているテストにどのぐらいの意味があったのか、テストの難易度が適正だったのかを分析し、内容のブラッシュアップや、より良いテストづくりにつなげています。同じように、講義動画の視聴履歴から離脱する人が多いポイントを抽出し、動画の内容をわかりやすく整えていきます。

データサイエンティスト兼講師のメイン業務②学習ログのデータ分析

続いては、学習ログのデータ分析です。私たちは、「受講者さん全員に活躍してもらいたい。そのためにも、途中でスクールをドロップアウトしてしまう人をゼロにしたい」という強い思いで運営しています。

その目的を達成するために、eラーニングの学習ログから、事前に学習が止まってしまいそうな方や、つまずいてしまいそうな方を自動的に見つけるデータ分析を行っています。その人が本格的につまずく前にピックアップし、講師がフォローをすることで、ドロップアウト率の低減につなげたいと考えています。

データサイエンティスト兼講師のメイン業務③データサイエンティスト向けの講義作成

3つ目は、データサイエンティスト向けの講義の作成です。私自身のデータサイエンティストとしての経験から「データサイエンティストとして活躍するのに、本当に必要な講座」を考えて作成しています。そして、先程のテストデータの分析等と同様に、講義資料の満足度やスキル習得率などのデータから、随時改善を加えています。

①〜③まで、どれも教育を提供する弊社ならではの業務内容ではありますが、データ分析をして改善する流れは、通常のデータサイエンティストの仕事と同様です。データサイエンティストを目指す方向けのスクールで、データサイエンティストの仕事をしているという感じですね。なお、企業のデータサイエンティストの仕事では、「ビジネスサイドに改善案を提案する」というのも、メイン業務となってきます。

データサイエンティストに必要なスキルや心構え

数学的知識や統計学

まず、数学的知識や統計学です。ただ、高い数学力や技術力は一つの要素であり、「あれば良いな」というイメージです。知識として基本的なところの理解は必要ですが、そこまで高い能力は必要とされないケースが多いため、他の能力と比べると優先度は低いです。

新しい手法やツールに対する好奇心

それよりも、新しい手法やツールに対する好奇心は、なくてはならない大事な要素です。知識・技術が日々アップデートする業界ですので、そこについていけないと、現場で活躍し続けるのは難しくなってきます。データサイエンティストとなった後も学習は欠かさずに、常に新たな知識をキャッチアップしていくことが大切です。

ビジネス的な視点

次は、ビジネス的な視点です。データサイエンティストの仕事を、「難しいデータ分析や良いモデル(データから結果を出す仕組みを作ること)づくりができれば良い」と勘違いされている方もいます。ですが、データ分析もモデル開発も、それ自体が目的ではなく、あくまでもその先のビジネス課題の解決やビジネス目標達成のために行うもの。そこを忘れてしまうと、やっただけで意味のないものとなってしまいます。

コミュニケーションスキル・プレゼンテーションスキル

最後は、コミュニケーションスキルとプレゼンテーションスキルです。仕事上、ビジネスサイドの方と直接やり取りをする機会も多いですし、ビジネスサイドとエンジニアサイドとの間に入り、様々な職種の人との橋渡し的な役割を担うこともあります。そのため、その職種ならではの思考法や用語を理解し、円滑にコミュニケーションを取れる能力が必要です。

また、せっかくデータ分析をしても、いかにビジネスにとって役に立つものであるかを伝えられなければ、活用に至らず、成果にも繋がりません。だからこそ、自分の分析とビジネス成果を繋げるためのスキルとして、プレゼンテーション能力も重要だと考えています。

ー様々な能力やスキルが必要なんですね。やはり、データサイエンティストになるためのハードルは、かなり高いものでしょうか?

ハードルはそこまで高くないと思います。データ分析をして結果を出すという最初のハードルは高いかもしれませんが、そこさえ乗り超えてしまえばその先の進歩はめざましく、実務で活躍できるレベルまで成長できるでしょう。

むしろビジネスをよく知っている方であれば活躍できるので、多くの方に門戸が開かれている職だと思いますよ。

データサイエンティストのやりがいは?苦労するのはどんなこと?

ーお仕事でやりがいを感じるのは、どのようなときですか?

データ分析の結果がビジネス成果につながったときですね。特に、データ分析にあまり詳しくないビジネスサイドの方に「この成果はすごいね」「ぜひ取り入れてみよう」と理解いただけたときは、とても嬉しいです。

これに関連して、過去に学習した技術をデータ分析で活用できて、実際に成果に繋がったときには、大きなやりがいを感じます。私自身も日々データサイエンスの学習をしていますが、学んだことがすぐに成果に直結することはなかなかないんです。しかし、「点と点がつながる」ように、いままで学習してきたことの点とビジネスでの成果という点が一気に繋がる瞬間があるんです。この瞬間にやりがいを感じるデータサイエンティストも多いと思いますよ。

また、私はデータサイエンティストの育成にも携わっていますので、自分が関わった方がデータサイエンティストやデータ分析の分野で活躍している姿を見ると、非常にやりがいを感じますね。

ー逆に、大変なのはどのようなところでしょうか?

データ分析をしてからビジネス成果につながるまでには、ラグがあります。データ分析をしても、自分のデータ分析がどのぐらい役に立っているのかわからない。それが合っているかどうかもわからない。このように、自分の仕事の成果を判断するまでに時間がかかるのが、データサイエンティストの仕事の難しさだと思います。

また、データサイエンティストは近年出てきた比較的新しい職業です。そのため、「どうなったら良いデータサイエンティストなのか」という評価軸が存在していません。どういう方向に成長していくべきなのかが見えにくいのは、難しい点だと感じます。

未経験でもチャレンジ可能?心がけるべきこととは?

ー未経験からデータサイエンスを学ぶにあたって、気をつけるべきことを教えていただけますか?

0から1の学習が圧倒的に大変で、脱落しやすいポイントです。そこを乗り越えるための工夫を、必ずしていただきたいですね。

中には「学んでいて楽しい」と一人で勉強を続けられる方もいるかもしれませんが、難しいと感じる方も多いと思います。例えばコミュニティに所属するなど、他の方と一緒に学んだり、困ったときに助け合えたりする環境を整えておくのがおすすめです。

私自身も一緒に学ぶ仲間と支え合うことで、辛い時期を乗り越えられました。一人だったら、途中で心が折れてしまったかもしれません。

未経験で始める方は教材ベースでなく、課題ベースで学習していく方法が良いでしょう。例えばやりたいことや自分の目標があり、「こういうデータ分析をしてみたい」「こういう予測をしてみたい」というところからはじめて、そこに必要な技術や情報をキャッチアップしていくのがおすすめです。なんのために自分が勉強しているのかが明確になるので、学習に向かいやすくなると思います。

ー「こんな心がけで勉強したほうが良い」というものはありますか?

勉強を目的にしないことですね。勉強が目的になってしまうと、一つのコンテンツがわからなければ嫌になって投げ出してしまうことに繋がります。

最終的に自分がやりたいことや分析してみたいこと、成し遂げたいことを意識しながら勉強していくのがおすすめです。

ー初心者さんがつまずくのは、どのようなところでしょう?また、その時の乗り越え方についても教えていただけますか?

プログラミングをしていてエラーが出たときですね。エラーの原因がわからなかったり解消できなかったりするところで、ほとんどの方がつまずきます。

そこを乗り越えるためには、「プロのデータサイエンティストであってもエラーは常に生じるもので、解決も難しいものである」という認識を持つことです。データサイエンティストとして仕事をしていく以上、エラーは一生つきまとうものです。エラーを解消するプロセスも仕事の一部だと認識できれば、気持ちも楽になり、乗り越えることができると思います。

私たちもたくさんのエラーを経験してきたことで、ポイントや対処法がわかるようになりました。もちろん、受講生に解決方法のアドバイスもしますが、エラー解消のために自分自身で試行錯誤した経験が何よりも大切であるということは、必ず伝えるようにしています。

ニーズが高まっているデータサイエンティスト。興味のある方は、今こそチャレンジを

ーデータ分析やAI活用など注目度も高いかと思いますが、ニーズの高まりも感じますか?

ものすごく感じています。「データサイエンティストの職種じゃなくても、データ分析の基礎をつかんでおきましょう」というスタンスの企業様が増えてきました。そういう流れが高まっているので、データサイエンス領域の知識をつけるのは、需要が高く、価値のあることだと思います。

実際にスクールにも、業務で改善したいことがあるから学んで活かしてみたいという方、自己研鑽として学びに来る方が、データサイエンティストとして転職することを目的に来られている方と同じぐらいいらっしゃいますね。

ーデータサイエンスやAIを学びたいと思っている方に向けて、メッセージをいただけますか?

データサイエンス領域は変化の真っ只中にあり、新しく学習を始めたい人にとっては今こそチャンスの時代だと思います。

データサイエンティストの能力を1から10とすると、1から9までは技術の力で速く到達できます。これまで一生懸命勉強してきた方にすぐに追いつくこともできますし、もっと言えば追い越すことだってできる状況です。

専門家に負けない成果を出せる時代でもありますので、悩んでいる方はぜひ一歩踏み出していただきたい。そしてその方を全力でサポートしたいと、強く思っています。

データサイエンティスト仕事内容を理解して、ぜひキカガクへ!

今回、データサイエンティストのお仕事内容や1日のスケジュールを教えていただいた木下さんは、データサイエンティストとして活躍しながら、キカガクの講師もされています。AIやデータサイエンスと聞くと「難しそう」と感じてしまいがちですが、木下さんを始めとした経験豊富なプロの講師が伴走してくれるので、未経験者の方も安心です。


さらに、長期コースでは多種多様な講座が期間無制限で見放題の特典も。手厚い転職支援も受けられるため、本気でデータサイエンティストへの転職を目指したい方、転職成功後も新たな知識や技術を学んで活躍し続けたい方におすすめです。


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