隠れたニーズを見つけ出せ!ビジネスのお供「データマイニング」
※ 本コンテンツにはプロモーション(PR)が含まれています。また、詳しい最新情報については公式サイトをご確認ください。
「データマイニング」とは、大量のデータを統計的に分析することで、隠れた法則性を見つけ出すことです。コンピュータは、人間の力では到底扱えないような大量のデータを扱うことができます。
また、人間の目は意外とだまされやすく、思い込みや先入観によって、見えているはずの結果が見えない場合もあります。コンピュータを使えば、余計な知識に惑わされず大量のデータから結果を取り出すことができるのです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」は、単なることわざではない
分かりやすくするために、「風が吹けば桶屋が儲かる」をもう少し具体的にしてみましょう。あるスーパーが、天気のデータと商品の売れ行きデータを大量に保有していたとします。そして、これをデータマイニングすると、なぜか風の強い日に桶の売れ行きがいいことが判明したとします。売り場の担当者は、風の強い日には目立つところに桶を置いておくことにし、近くにガムを置いておくことにしました。
メインの商品に合わせて「ガムもついでに買っておこう」としてほしいわけですね。この作戦は功を奏し、風の強い日には、スーパーの売り上げがアップしました!
めでたしめでたし……というわけですが、まさにこれがデータマイニングとその活用事例です。人間の目では、「風」と「桶」を見つけ出すことはできなかったでしょう。その二つに関係があるなんて、普通は考えつかないからです。
これはあくまでもたとえ話ですが、実際のビジネスでも、隠れたニーズやチャンスが見つかる例があります。ビジネスを大きく成長させてくれる手立てとして、データマイニングに関心が高まっているのです。
いろいろなデータマイニング
データマイニングのうち、ウェブ上にあるデータを対象としたものを「ウェブマイニング」と言います。ただしこの「ウェブマイニング」という言葉は、最近になって仮想通貨のマイニング(発掘)にも使われ始めたため、どちらを指しているのか間違えないように注意が必要です。
また、テキスト(文章)を対象としたものは「テキストマイニング」と言います。テキストマイニングは、口コミなどを分析し、商品やサービスがどのように評価されているのかを明らかにするために行われます。
それでも「原因」を明らかにするのは人間
こんなにも便利なデータマイニングですが、一点、注意しておかなければならないことがあります。それは、「コンピュータは原因を教えてくれない」ということです。もう一度「風が吹けば桶屋が儲かる」に戻りましょう。そもそもなぜ、風が吹くと桶屋が儲かるのでしょうか。
風が吹けば、土ぼこりが立ちます。土ぼこりが目に入ると、失明する人が多くなります。(当時)目の不自由な人は三味線を弾いて身を立てるしかなかったため、三味線が売れるようになります。
この三味線は猫の皮でできているため、猫が大量に殺されてしまうことになります。猫がいなくなるとネズミが増え、増えたネズミは桶をかじるため、桶が売れるようになります。
実は「風が吹けば桶屋が儲かる」には、これほどの因果関係が隠されていたのです。一方でコンピュータが与えてくれるのは「風の強い日に、桶が売れている」という事実でしかありません。
「なぜ桶が売れるのか?」については、まだまだ人間が考える必要があるのです。
単純な結果をもとに「風の日は、桶を多く仕入れておこう」とするのは、確かにデータマイニング活用の一例ではあります。しかし「なぜ売れるのか?」を理解すれば、より効率的な戦略が立てられるかもしれません。
たとえば「風の日に舞う、ひどい土ぼこり」が原因のひとつだと分かれば、「桶」よりも「目薬」を売り出した方が、利益が出るかもしれません。
また、「ネズミがかじる」というポイントに着目すれば、同じくかじられやすいアイテムを桶の隣に並べておくこともできます。単に「桶を多く仕入れておく」よりも、効率のよいビジネスになりますよね。
もちろん今後は、AIなどの発達により、因果関係まで教えてくれる技術が登場するかもしれません。しかし現状でデータマイニングを本当に活用するためには、コンピュータや統計への理解だけでなく、ビジネスの理解やマーケティングの知識が必要になるのです。
疑似相関には注意
データマイニングを行って相関・因果関係を考える場合には、疑似相関と呼ばれるものに注意しましょう。デジタル大辞泉によると、「擬似相関」は「二つの事象に因果関係がないにもかかわらず、あるように見えること」という意味になります。たとえば、「街を歩いている半袖を来ている人の割合」と「アイスクリームの売上」が同じように増えているとしましょう。これはもちろん、前者が増えたから後者が増えたわけではなく、後者が増えたから前者が増えたわけでもありません。どちらも、「気温が上昇して暑くなった」から起きたことだと考えられます。そのため、アイスクリームの売上を増やしたいために「街に半袖の人を増やそう!」と言うのは誤りになります。
相関だけに囚われると、適切に因果を判断することができなくなります。データマイニングを行う際は、十分に気をつけるようにしましょう。
まとめ
データマイニングは、データという名の鉱山からビジネスチャンスを採掘(マイニング)するイメージから名付けられました。もっとも、実際はこんなに簡単な話ではなく、データの整理や下処理に時間がかかってしまいます。魔法の技術というわけにはいかないのです。それでもデータマイニングはビジネスに新たな視野を与え、チャンスをもたらしてくれるかもしれません。今後の展開に、ますます期待が高まります。
WRITERこの記事を書いた人
RECOMMENDこの記事を読んだ方へおすすめ
-
E資格は意味ない?理由や実態と取得するメリット5選
近年、AIの進化・注目度の高まりは留まるところを知りません。経済産業省からは「2030年にAI・IT人材は約80万人不足する」とのデータまで出ている状況。そんなAI関連資格として「E資...
2024.12.26|コエテコ byGMO 編集部
-
海外のITエンジニアの年収相場|世界で働くエンジニアの給与を紹介
グーグル(Google)、アマゾン(Amazon.com)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)の4社がGAFAと呼ばれる企業はいずれも米国を代表するIT企業であ...
2025.02.21|Yukiko
-
データサイエンティストはなくなる?将来性や生き残りに必要なスキルを解説
DX推進等を目的にビッグデータの活用が進む現代、データ処理のプロである「データサイエンティスト」は多くの現場で活躍しています。一方で「そのうち仕事がなくなる」「やめとけ」といった声が散...
2025.01.24|コエテコ byGMO 編集部
-
ディープラーニングとは?実用例も簡単に解説!
ディープラーニングはビジネスをはじめ、社会の様々な分野に影響を与えています。 しかし、ディープラーニングとはどんなものなのか?と聞かれると良く分からない方も多いでしょう。どのような技...
2024.08.15|コエテコ byGMO 編集部
-
2020年、IoTの世界市場規模は1.7兆ドルになる!?
近年、いろいろな“モノ”にインターネットをつなげて、より利便性を追求し、生活の質を向上させる「IoT」呼と呼ばれる技術が注目を集めいています。この記事では「IoT」がもたらす影響につい...
2022.04.12|コエテコ byGMO 編集部