今注目のE資格!エンジニアの転職に有利って本当?

今注目のE資格!エンジニアの転職に有利って本当?
ITエンジニアの中で今注目されている「E資格」。転職に有利な資格ということを聞きますが、本当かどうか気になっている人も多いでしょう。

そこで今回は、E資格が転職に有利かどうかについて、詳しく解説します。合わせて、E資格の取得方法やおすすめの職種についても紹介します。ぜひ最後まで読み進めてみてください。

E資格とは?

E資格とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施している資格であり、ディープラーニングの理論の知識および実装する能力があることを認定する資格です。

日本ディープラーニング協会で実施している資格には、E資格の他にもG検定があります。E資格はエンジニア向けの資格である一方、G検定はエンジニア以外のビジネスパーソン向けの資格となっており、ターゲットとする範囲が異なります。

取得方法

E資格を取得するには、まず受験資格を得たあとに試験を受験し、合格する必要があります。受験資格とは、「JDLA認定プログラムを試験日の過去2年以内に修了していること」です。

JDLA認定プログラムとは、日本ディープラーニング協会があらかじめ定めた基準・シラバスを満たす教育プログラムです。このプログラムは、大学や民間事業者で提供されています。

受講価格や期間、講座形態(オンライン・ハンズオン)、演習の題材・教育方法は各提供元によって異なります。また、ディープラーニングの技術は日進月歩であるため、シラバスが頻繁に改定されます。そのため、受験する回のシラバスに沿った講座内容であるか、事前に確認しましょう。

E資格の試験要領は、以下のとおりです。
  • 試験時間:120分
  • 出題形式:多肢選択式100問程度
  • 試験会場:申込時に希望の試験会場を選択
  • 受験費用:一般33,000円(税込)、学生22,000円(税込)、会員27,500円(税込)
試験内容・勉強方法などの詳しい内容は、こちらの記事を参照ください

E資格の難易度は?合格者による勉強方法などを詳しく解説

企業におけるDX化の推進などに伴って、AIやディープラーニングの知識の必要性が高まっており、これらの開発知識があることを証明する資格、JDLAのE資格(エンジニア資格)に注目が集まってきています。しかしE資格という言葉はIT業界では耳にすることはあるものの、比較的新しい資格のため、実際にどのような資格であるか知っている人はまだ少数派と言えます。そこで今回は、E資格について概要や難易度・勉強方...

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E資格取得者におすすめの職種

E資格取得者が必要とされる職種にはさまざまなものがありますが、ここでは特におすすめの職種を紹介します。それは、データサイエンティスト・機械学習エンジニア・データアナリストの3つの職種です。それぞれの職種について、どのような仕事内容であるか具体的に見ていきましょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、ビッグデータを分析することにより新たな商品やサービスを生み出す仕事です。

ITの発展やDX化の推進に伴って、膨大な量のデータが発生しています。これらの大量のデータの分析を効率的に行うためには、AIの利用が必要不可欠です。そのため、データサイエンティストには、ディープラーニングのスキルが必要となり、E資格を取得した人には適した職種といえます。

また、AIによるビッグデータの分析は、今後もしばらくは多くの企業・業種から依頼が途絶えないことが予想されます。そのため、データサイエンティストの需要も当面は続くと思われます。

機械学習エンジニア

機械学習とは、ビッグデータをコンピュータに解析させることにより、コンピュータ自身がそのデータの傾向やパターン・法則性などから、ある予測や判断などができるようにする方法です。機械学習はデータ解析技術のひとつであり、機械学習の代表的な手法がディープラーニングとなります。

機械学習エンジニアとは、コンピュータに機械学習させるためのシステム設計やプログラミングを担当業務とする仕事です。そのため、機械学習エンジニアになるためには、AIやディープラーニングのスキルが必要となり、E資格の資格を持つことは非常に有利に働きます。

従来は、金融やIT企業など一部の企業・業種などでディープラーニングを活用したビッグデータ分析が行われていました。今後はこれらに加えて、さまざまな業種(たとえば医療・製造業・物流など)でもデータ分析のニーズが高まる見込みです。
そのため、機械学習エンジニアの需要は今しばらくは続くものとみられています。

データアナリスト

データアナリストとは、ビッグデータを解析した結果を元に、今後対応しなければならない具体的な課題の設定や、課題に対する解決策の提供を主に行う仕事です。データサイエンティストと類似の職種ですが、データアナリストはクライアント寄りの職種であり、一方、データサイエンティストはシステム寄りの職種といった違いがあります。

データアナリストもビッグデータの解析を行うため、ディープラーニングのスキルが必要となってきます。そのため、この職種でもE資格は大いに役立ちます。

データアナリストの求人も比較的多く、今後も当分はニーズがあると予想されるため、活躍が期待できる職種といえます。

転職に有利か?

結論から先に言ってしまうと、E資格を所持していると転職活動が有利になります。各企業では生き残りのためにDX化の推進を加速しており、AIやディープラーニングといったスキルは必要不可欠です。

そのため、AIやディープラーニングのスキルを備えた、AIエンジニアの需要が高まっており、優秀なエンジニアの確保に躍起となっています。こういったことから、AIやディープラーニングのスキルがあることを証明するE資格を保持している人材は、売り手市場となっています。

ディープラーニングに関する実務未経験者の転職

つぎに、実際に転職するにあたって具体的にどのような点が有利に働くのか、ディープラーニングの実務未経験者の転職・実務経験者としての転職に分けて、さらに詳しく紹介します。

まずは、未経験者の転職のケースです。採用する企業側からすると、未経験者よりも即戦力となる経験者の獲得ニーズの方が高いです。

そのため、実務未経験者が実務経験者に対抗するには、経験に変わる自分の強みをアピールしていく必要があります。この強みのひとつに技術力があり、E資格は技術力を証明する資格であるため、この資格を持つことによって企業側に大きくアピールすることが可能です。

ディープラーニングに関する実務経験者の転職

AIエンジニアとして一定の経験があるだけでなく、さらにE資格を保持しているエンジニアは、企業側からすると最も欲しい人材です。そのため、転職にあたっては引く手あまたとなり、自分が目指していた企業よりも、もっと好待遇の企業から採用されることも充分可能です。

転職エージェントの活用

実務未経験者・経験者を問わず、転職を更に有利にするために、転職エージェントを活用することをおすすめします。

転職エージェントとは、転職希望者と採用を検討している企業の間に立ち、転職の成功を支援するサービスのことです。各企業の求人動向や、豊富な転職ノウハウを持ったキャリアアドバイザーが、転職希望者ひとりひとりの転職活動をサポートしてくれます。

そのため、自力で転職活動を行うよりも、転職エージェントを活用した方が、自分のニーズ(待遇条件・仕事内容など)に合った転職先を、より効率的に探すことができます。

E資格を活用して転職するための手順

つぎに、E資格を活用した転職手順を詳しく見ていきましょう。手順としては、職務経歴書作成・情報収集・求人に応募の3点となります。

職務経歴書作成

転職活動において、最初にやるべきことは職務経歴書やポートフォリオの作成です。ポートフォリオとは、エンジニアやクリエイターが自分の実績・力量・スキルなどをアピールするための「作品集」のことです。

具体的には、自己紹介・今までの経歴・保有スキル・実績としての成果物をまとめたものとなります。実績としての成果物としては、自分の保有している技術やスキルが分かるような創作物が望ましく、AIエンジニアであればディープラーニングを活用したプログラミング(Pythonを利用)などが良いでしょう。
また自分の今までの職歴やスキルを整理することは、今後のキャリアプランを考えるためにも役立ちます。

ポートフォリオ作成にあたっては1点注意があります。それは前職の業務の中で製作したプログラムを、そのまま利用することは避けることです。前職を退職した際に、機密保持契約の観点から、業務で製作・知りえた情報を漏らすことはできないという取り決めをしていることが多いためです。

また、プログラムなどの製作物の著作権は、基本的に前職の会社に帰属するため、勝手に利用すると著作権違反となる恐れもあります。

採用する企業側からみると、職務経歴書やポートフォリオを見ることによってその人の技術力が分かり、また自社に必要とするスキルを兼ね備えているかが確認できるため、重要視されています。

転職希望者からみると、職務経歴書やポートフォリオをきちんと製作しておくことによって、自分のスキルを効果的に企業側にアピールできるといったメリットがあります。
参考:厚生労働省マイジョブカード

情報収集

職務経歴書・ポートフォリオの作成とともに、転職先の情報収集も行いましょう。自分にとって相応しい会社であるか、求人情報に掲載されている待遇・環境・社風・事業内容・必要とされている人材のスキル(AIやディープラーニングの知識を必要とされているか)の他に、会社情報などで今後の事業展開の計画などの情報を積極的に収集しましょう。

現在の就業条件とともに、エンジニアとしてのスキルアップの可能性や、会社の将来性なども勘案して、ミスマッチを防ぐことが大切です。

求人に応募

職務経歴書・ポートフォリオの作成および情報収集が終わったら、実際に自分が転職したい会社の求人に申込みましょう。採用活動にあたっては、基本情報技術者など自分が持っている資格とE資格も取得しており、AIやディープラーニングのスキルがあることを積極的にアピールすることが大切です。

まとめ

今回は、E資格が転職に有利か?という点を中心に紹介してきました。企業のDX化に伴い、AIやディープラーニングのスキル保持者が引く手あまたであり、転職に有利な資格ということが分かったかと思います。

また、転職するにあたっては職務経歴書・ポートフォリオ作成および情報収集が大切ということも紹介してきました。エンジニアとしてのキャリアアップ・転職を考えている方はぜひE資格を取得してみてはいかがでしょうか。

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