YouTube登録者約50万人!イングリッシュおさるさんが教える、英語学習の「正しい努力」とは
-
今回お話を伺った方
-
株式会社LEC 代表
イングリッシュおさる氏株式会社LECの代表として、英語のオンラインスクールを運営。YouTubeチャンネル「英語コーチ-イングリッシュおさる」「YouTubeマーケターおさる」も運営し、登録者数約48.7万人(2025年6月現在)を誇る。日本国内で独学し、TOEIC970点・英検1級を取得した経験をもとに、英語の基礎知識や挫折しない勉強法を発信し、幅広い世代の学習者から高い支持を集めている。
-
一方で、「何から始めればいいのか分からない」「なかなか上達しない」と悩む声も少なくありません。
インターネット上には無数の情報があふれていますが、その多くは断片的で、時には誤解を招くこともあります。
とくに英語学習のように、継続がカギとなるテーマでは、自分に合った正しい学習法を見つけることが欠かせません。
今回お話を伺ったのは、登録者数約48.7万人(2025年5月現在)を誇る人気英語YouTuber「イングリッシュおさる」さん。
日本国内で独学し、TOEIC970点・英検1級を取得した経験をもとに、英語の基礎知識や挫折しない勉強法を発信し、幅広い世代の学習者から高い支持を集めています。
本記事では、留学なし・独学で英語を習得したイングリッシュおさるさんだからこそ語れる、効果的な英語学習アプローチについて詳しく解説していただきました。
さらに、発信活動に込めた思いや、「英語が人生を変える力」についてもたっぷりとお届けします。
これから英語を学びたい方にとって、きっと新たなヒントが見つかるはずです。

イングリッシュおさるさん。普段はお面姿ですが、素顔で取材に応じていただきました!
なぜ英語を学んでも話せない?教育とサービスの問題点とは

ー日本国内で独学し、TOEIC970点・英検1級を取得したイングリッシュおさるさんが、日本の英語教育に感じる課題はありますか?
日本の英語教育で課題だと感じるのは、アウトプット重視の指導がまだまだ足りていない点です。
最近は試験内容も少しずつ改善されてきていますが、依然として学校教育は読み書き中心。「話す」「聞く」といった実践的なスキルが育ちにくい構造のままです。
社会に出てから本当に求められるのはアウトプット能力ですが、実際に学校で学んでいるのはインプット中心。
そのため「英語を勉強してきたはずなのに、実際には使えない」と感じる人が多い現状につながってしまっています。
ー日本以外の国では、アウトプットを重視した学習はもっと進んでいるのでしょうか?
僕自身、大学時代にいろいろと研究したのですが、アジア圏の中でも韓国はかなり英語教育が進んでいますし、ヨーロッパではすでにアウトプット中心の学習が当たり前になっています。
いわゆる「アクティブラーニング」というスタイルですね。
日本でも、最近になってアウトプット重視の学習法が取り入れられ始めていますが、海外に比べるとまだまだ遅れていると感じます。
むしろ海外では、「英語は話してこそ意味がある」という感覚が強く、読み書きが苦手な人もいるくらいです。
ーやはり実際に使うとなると「話せる力」が重要なんですね。
そうですね。明治時代に欧米の書物を翻訳するスキルが必要とされていたことから、その文化がそのまま日本の英語教育に残ってしまっています。
しかし今は、翻訳はAIができる時代。求められているのは、リアルな場面で使える英語力です。
ー日本と世界の英語教育に乖離がある状況を改善して、国際的な競争力を高めるためには、何が必要だとお考えですか?
「試験のあり方」を変えないと、教育現場は変わらないと考えています。
たとえば大学入試が読み書き中心であれば、高校もそれに合わせた教育をします。高校がそうなら中学も同様。
つまり、試験が変わらないと教育全体の流れも変わらないのです。
英語は「実技」の側面が強い教科なのに、今の日本ではまだ「座学」として評価されがちです。もっとスピーキングやリスニングなどのアウトプットを評価対象に入れていかないと、実践的な英語力は育たないでしょう。
前向きな動きも少しずつ出てきていますが、本格的な改革はまだこれからだと思っています。

ー続いて、英語学習サービスの現状についてもお伺いします。民間サービスに関して、課題だと感じていることはありますか?
英語学習サービスにも大きな課題があると感じています。それは、学習者がやり切れる仕組みになっていないことです。
英語の習得には、ものすごく時間がかかりますし、地道な継続が不可欠です。それなのに世の中には「3ヶ月で話せる」「6ヶ月で仕事に使える」と謳う英語学習サービスが数多くあります。しかし、実際はそんなに簡単なものではありません。
その結果、多くの学習者が「思っていたより大変だ」と感じてモチベーションを失い、途中で挫折してしまう。この期待と現実のギャップこそが、最大の壁だと感じています。
初心者には「趣味レベルの習得を目指す内容です」とあらかじめ伝え、経験者向けの内容であれば「中・上級者向けです」と明示するなど、最初に期待値をしっかり調整することが大切だと考えています。
僕自身の講座では、最初から「6ヶ月じゃ無理です」とはっきり伝えています(笑)。
設定している6ヶ月は、あくまで最低保証期間。その後もずっと一緒に学んでいきましょう、というスタンスです。
イングリッシュおさるさんが教える、正しい英語学習のアプローチとは?
ーイングリッシュおさるさんご自身も、独学で英語力を高めてこられたご経験がありますよね。これから英語を学び始める方にとって、どのようなアプローチが効果的だとお考えですか?アウトプットも大切ですが、それを活かすにはまず基礎がしっかりしていることが前提です。
特に初心者の方には、「英単語・英文法・発音」の3つを、3ヶ月〜半年ほどかけて丁寧に積み上げていくことをおすすめします。
まず単語については、中学英語で習う語彙を完璧に覚えることが第一です。そのうえで、日常会話でよく使われる高校レベルの単語も、少しずつ習得していくと良いです。
文法に関しては、難解な構文やマニアックな知識に手を出す必要はありません。中学・高校で学ぶ基本的な文法ルールを正しく理解し、応用できるレベルまでしっかり身につけるだけで十分です。
発音については、発音記号を見て読めるようになることを一つの目標にすると良いでしょう。
たとえば「æ(ア)」のような記号を見て、自然に正しい音が出せるくらいが理想です。すべての発音を完璧にする必要はありませんが、基本の音を押さえておくだけで、リスニングやスピーキングが格段に楽になります。

ーアウトプットも大事とのことですが、基礎学習とはどのようにバランスを取っていけばいいのでしょうか??
理想はインプットとアウトプットを同時に進めることですが、実際にはバランスの取り方が非常に重要です。
特に初心者のうちは、8〜9割をインプットに充て、残りの1〜2割をアウトプットに回すくらいがちょうどいいと思います。
そして、レベルが上がるにつれて、徐々にアウトプットの比率を高めていく。この「バランスのグラデーション」を意識することが大切です。
スポーツでも、初心者はまず基礎をしっかり固めてから、徐々に実戦練習を増やしていきますよね。そして、どんなに上達しても基礎練習は続けます。
英語もまったく同じで、一見地味な基礎を丁寧に積み重ねることこそが、結果的には一番の近道になるのです。
最初からアウトプットだけに偏ってしまうと、土台がないまま実戦に出るようなものなので、すぐに壁にぶつかってしまいます。だからこそ、焦らず着実に基礎を積み上げていくことが大切です。
英語資格の効果的な活用方法とおすすめの勉強法を紹介!
ー資格取得は英語力向上に役立つのでしょうか?英語試験に向けた学習は、英語力を高めるうえで非常に有効だと考えています。
特に初心者にとっては、「今何を学べばいいのか」を明確にしてくれる優れたマイルストーン(道しるべ)になります。
さらに、試験を通過することで、自分の英語力が一定の基準に達しているかどうかを客観的に判断できるという点も、大きなメリットです。
おすすめのステップは、「英検2級→TOEIC」の順番で取り組むこと。
英検2級では、基礎単語・文法・発音の力をしっかりと身につけられますし、TOEICもその延長線上で準備できるため、試験を通じて英語の土台を着実に築いていけます。
試験勉強を避けてしまうと、「何を目指せばいいのか」が見えにくくなり、かえって時間がかかってしまうこともあります。だからこそ、英語試験は“時間短縮ツール”として、とても有効な存在です。

ー英検対策をするうえで、おすすめの参考書や問題集があれば教えてください。
英検対策でおすすめなのは、「でる順パス単」です。この1冊をしっかりやり込めば、合格点の8〜9割は狙えます。
あわせて取り組みたいのが過去問題集。直近2〜3年分を繰り返し解き込めば、出題傾向にも自然に慣れていきます。基本的には、この2冊だけで十分です。
英語学習も受験勉強と同じで、あれこれ手を出して中途半端に終わってしまうと、なかなか結果につながりません。
大切なのは、知識を「知っている」だけで終わらせず、「使えるレベル」にまで定着させること。これが合格への最短ルートです。
英語学習YouTube発信の原点と広がるキャリア
ー「イングリッシュおさる」として発信を始めたきっかけは?大学卒業後は、高校の英語教師として2年間勤務していました。担当していたクラスには、英語に積極的な生徒もいれば、なかなか前向きになれない生徒もいて、対応にはいつも試行錯誤していました。
僕自身も学生時代は、興味のない授業ではすぐに眠くなってしまうタイプだったので(笑)、やる気の出ない気持ちもよくわかります。
だからこそ、「本気で学びたい」と思っている人には、しっかりと力をつけてもらいたいという気持ちが次第に強くなっていきました。
やがて少人数に教えるよりも、日本中の人に英語を届けたいと思うようになりました。多くの人が「この動画を見れば英語ができるようになる」という状態を目指して、発信を始めたのがきっかけです。
教員時代には、30人×2クラス=60人に教えていたのが、今では何万人、何十万人という規模にまで広がりました。あのとき思い切って始めて、本当に良かったと思っています。
もちろん、シンプルに「お金を稼ぎたい」という気持ちもありましたし、親孝行もしたかった。
今では2か月に1回くらい、親と旅行に行ったり食事に出かけたりして、少しずつ恩返しもできているかなと思います。
ーYouTubeではどういったテーマの動画が多いのでしょうか?

基本的には、「英文法完全攻略」や「英単語完全攻略」といった、基礎に特化したコンテンツが中心です。それに加えて、英語そのものだけでなく、効率的な学習法についての発信も行っています。
僕自身、日本で英語を身につけた経験があるので、日本人にとって現実的で再現性のある学び方を伝えたいという思いがあります。
ーコンテンツを制作するうえで、意識していることはありますか?
YouTubeチャンネルでは、「一本の動画で全体像がつかめる」ことを意識して動画を作っています。
たとえば「中学英語完全攻略」は、英語学習を始めたばかりの人が最初に学ぶべき内容を1本の動画にギュッと詰め込んだ構成にしています。
忙しい人や始めたばかりの人は、「どれを選べばいいのか」「何から始めればいいのか」が分からないことが多いと思うんです。でも、「この1本だけでOK」と言われたら、すごくラクですよね。
実際に、動画を止めながら何度も見返して、ノートにまとめてくれている方も多くいます。留学前や英語を始めるタイミングで「おさるさんの動画、見ました!」と声をかけてもらえることもあり、本当にうれしいですね。
英語に打ち込んだ4年間が、人生を大きく変えるきっかけに
ー英語を本気で学んだことで、ご自身の人生が大きく変わったと感じていますか?間違いなく、人生に大きな影響を与えました。
僕は小学校から高校まで、ずっとバスケットボール一筋。中学時代には全国大会にも出場し、家系的にも運動神経にはかなり恵まれていたと思います。
しかし、大学進学のタイミングで「自分はプロでは食べていけない」と冷静に判断し、英語一本に絞る決断をしました。
そこからの大学4年間は、毎日10時間、英語の勉強に没頭しました。夏休みや春休みはもちろん、普段も家庭教師のアルバイトの時間以外はすべて英語学習に充てました。
最初は完全に手探りで、とにかく試行錯誤を重ね、うまくいった方法を少しずつ積み上げていきました。遠回りもたくさんしましたが、そうした経験を経て、自分なりの「効率的な学び方」を確立できたと思っています。
その結果、現在はオンラインスクールの運営やYouTubeでの動画配信など、英語を基盤としたキャリアを築けるようになりました。
もし大学時代に本気で英語に向き合っていなかったら、今の人生はまったく違ったものになっていたはずです。

ー最後に、英語を始めたい読者へメッセージをお願いします。
まず大切なのは、自分がどのレベルの英語力を習得したいのかを明確にすることです。たとえば「旅行で使えれば十分」という人と、「ネイティブのようにペラペラになりたい」という人では、やるべきことも学び方もまったく違います。
そのうえで、目標に合った学習に集中すること。そうすれば、遠回りせずにゴールにたどり着けますし、余計な時間やお金をかけずに済むはずです。
そしてもうひとつ、大事なのは基礎を大切にすること。最初は遠回りに見えても、基礎を徹底的にやることが、実は一番の近道になります。
英語を始めるのに遅すぎることはありません。ぜひ、自分に合った学び方で、一歩を踏み出してみてください。
【元英語教師国産バイリンガル】 英語学習開始6ヶ月でTOEIC900・3ヶ月英会話習得・2ヶ月英検1級を取得。色々な教材を試し挫折するが、独学が英語学習において最強ということに気づき、超短期間&超効率で成果にフォーカスした英語コーチングをしています。
https://youtube.com/@englishosaru?si=-i1ci8_hmnZ0F4-v >
WRITERこの記事を書いた人
英語学習ガイド
-
おすすめオンライン英会話
-
おすすめ英語コーチング
-
おすすめ英会話スクール
-
英語の勉強法
-
英語学習Q&A
-
海外で英語を学びたいと思ったら
-
コエテコ編集部ライターによる体験談
RECOMMENDこの記事を読んだ方へおすすめ
-
TOEICは独学でできる?人気英語YouTuber Haruさんに聞いた、効率的な勉強法を徹底解説!
独学でTOEIC高得点は本当に可能?留学なし・独学で990点を達成した人気英語YouTuberのHaruさんに、効率的な勉強法やスコアアップのコツ、TOEICを指標に勉強するメリットに...
2025.05.26|高山志帆
-
文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」とは?返済不要の奨学金制度で高校生・大学生に留学のチャンスを
文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」は、官民協働で日本の高校生・大学生を支援する奨学金プログラム。約1万人以上を世界に送り出した実績を持つこのプログラムについて、プロジェクトディレ...
2025.05.26|Shelly
-
ネイティブキャンプの教材「初心者には難しい」は本当?実態を直接取材|いつでも・どこでも・何度でもレッスンできる
英語学習におすすめなのは、オンライン英会話サービスのNative Camp(ネイティブキャンプ)です。レッスン予約が不要で、1日のレッスン回数の制限もなし!自分のペースやモチベーション...
2025.05.26|安藤さやか
-
トライズ(TORAIZ)の効果は?1日3時間×1年の1,000時間学習をやり遂げられるトライズの魅力を直接取材
1日3時間×1年でも96.1%が継続!英語コーチング「トライズ」の効果や挫折しにくい仕組みを、代表・三木氏への直接取材をもとに詳しく解説します。
2025.05.30|安藤さやか
-
留学情報館の評判・口コミは本当?直接取材|留学前〜留学後まで手厚いサポートで目標達成を目指せる
「本当に信頼できる留学エージェントはどこ?」と疑問を持つ方に向けて、15,000人以上のサポート実績を誇る「留学情報館」のサービス内容やサポート体制を徹底取材。実際のサポートの流れや選...
2025.05.30|安藤さやか