「英語が怖い」は行動すれば消える。YouTuber華音さんが語る、"昨日の自分"と比べる学習法
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今回お話を伺った方
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人気英語系YouTuber
華音氏YouTubeチャンネル「華音チャンネル(Kanon)」を運営する英語系YouTuber。1993年11月3日石川県生まれ。高校2年時にニュージーランドへ1年間留学後、アメリカ・カリフォルニア州の大学でmusical theatre(ミュージカル演劇)を学ぶ。大学卒業後はイギリスに滞在し、文化や英語を「体験しながら学ぶこと」をテーマに、英語のリアルな使い方を紹介する動画を数多く制作。YouTube登録者数は約36万人(2025年10月時点)を誇り、ネイティブとの自然な会話を通して“生きた英語”を届けている。動画は美しい発音とエンタメ性が高く評価され、学習者が英語を“楽しんで話せる”マインドを養えるとして支持を集めている。
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「留学先で孤独になったらどうしよう」
英語学習や海外への挑戦には、そんな尽きない不安がつきまといます。
SNSで目にする華やかな成功例と自分を比べては、焦りを感じる人も少なくないでしょう。
英語・留学をテーマに発信するYouTuberの華音さんは、そんな悩める学習者と同じ視点から、「行動すること」の大切さを伝えます。
この記事では、彼女自身が直面した言葉の壁や友人関係の悩みをどう乗り越えたのか、その原体験から導き出された「他人ではなく昨日の自分と比べる」思考法、そして今すぐ始められる英語学習のコツを詳しく紹介します。
すべては「人とつながる楽しさ」から始まった - 活動の原点

一番のきっかけは、留学を通して「価値観が大きく変わり、人とつながる楽しさを心から実感したこと」です。
高校時代のニュージーランド留学や、アメリカ、イギリスでの生活を通して、英語で世界中の人と出会い、多様な文化に触れることができました。
最初は「国も文化も違うから、分かり合えないかもしれない」と心のどこかで壁を作っていたんです。
でも、実際に話してみると、人はみんな同じことで笑い、感動し、涙を流す。
文化や背景が違っても、人間としての根っこは同じなんだと気づいた瞬間、コミュニケーションの本当の楽しさを知りました。
その「根っこは同じ」という実感は、大きな発見ですね。他に、海外で得た重要な気づきはありましたか?
「失敗に対する考え方の違い」も衝撃的でした。
日本では失敗を恥ずかしいことだと捉えがちですが、海外では「人は人、自分は自分」という文化が根づいていて、間違えても「気にしないでいいよ」「次に活かせばいいじゃん」とすごく寛容なんです。
この文化に触れたことで、「失敗を恐れて何もしない」という日本人特有のブレーキが外れました。
こうした経験から「人とつながるって温かい」「コミュニケーションは怖くない」と心から思えるようになり、この気づきをもっと多くの人に伝えたい、という思いが今のYouTube活動の一番の原動力になっています。
華音です! このチャンネルでは、世界を旅したり、人に突撃インタビューをしたり、気になることを検証したり、興味のあるものなんでも動画にしています! このチャンネルを登録すると...生きたリアルな英語に触れて!人も英語、自分も大好きになる! 誰とでも友達になれる感覚が身に付くので、世界がもっと身近に感じられる!って言えるようなチャンネル目指してますw どんと飛び込んでおいで〜! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Hi, I'm Kanon! On this channel, I travel the world, conduct impromptu interviews with people, test out interesting things, and create videos on anything that piques my curiosity! By subscribing to this channel, you'll immerse yourself in real, living English!
https://www.youtube.com/@kanonchannel >
なぜ私たちは英語に挫折するのか?「他人との比較」という最大の罠
多くの視聴者さんから英語学習の相談が寄せられると思いますが、特に10代、20代に共通する悩みは何だと感じますか?
圧倒的に多いのが「自分の英語が拙くて恥ずかしい」「間違えるのが怖い」という悩みです。
「完璧じゃないと話してはいけない」「相手に迷惑をかけてしまう」というプレッシャーを強く感じている方が本当に多いですね。
これは、周りと違うことを恐れる日本の文化的な背景も影響しているように感じます。
SNSで他の学習者のキラキラした姿を見て、自分の成長の遅さに落ち込んでしまう、という声もよく聞きます。
そうした「他人との比較」の罠から抜け出すには、どう考えれば良いのでしょうか?
すごくよく分かります。私も昔は人と比べてばかりで、そのたびに「自分なんてダメだ」と落ち込んでいました。
でも、比べる対象は他人ではなく「昨日までの自分」なんだと考えるようになってから、気持ちがすごく楽になったんです。
人それぞれ能力も環境も違います。そんな相手と比べても苦しくなるだけです。
大切なのは、まず「今の自分」を丸ごと受け入れて、そこから「とにかくやってみること」。
不思議なことに、行動を始めると、他人のことが気にならなくなるんです。
ダイエットの例が分かりやすいのですが、「あの子は細くていいな」と悩んでいる時って、大抵自分は何もしていない(笑)。
でも、実際に運動を始めると、意識が「他人」から「自分」に向かいますよね。
英語も同じで、努力を始めると、自然と自分の成長に集中できるようになるんです。
なるほど!他人と比較してしまうのは、実は行動が止まっているサインかもしれない、と。
まず動くことが、比較の罠から抜け出す最良の薬なのですね。
その通りです。だから、まずは「今の自分でもいいんだよ」と認めてあげてほしい。
その上で小さな一歩を踏み出せば、比べる相手は自然と“昨日の自分”になります。
私自身、最初はまったく話せませんでしたが、そうやって続けることで今があります。
「人と比べるより、自分の成長を比べる」。これが、学習を続けるための一番のコツだと思います。
留学でぶつかった「言葉より高い壁」
華音さんご自身の留学経験についてお伺いします。渡航前に描いていた理想と、現地で直面した最大のギャップや、最も辛かったことは何でしたか?
私にとって最も大変だったのは、実は英語力そのものよりも「友達づくり」でした。
ミュージカル女優を目指して留学したのですが、周りは自己主張が強く華やかな学生ばかり。
そんな中で、自分から積極的に発信しないと輪に入ることができず、最初は本当に苦労しました。
「日本人だから」「アニメが好きだから」という理由ではなく、一人の人間として本音で語り合える仲間が欲しかったので、すごく悩みましたね。
その困難な状況を、どのように乗り越えられたのですか?
ここでもやはり「とにかく動くこと」でした。
どんなに英語が間違っていても、恥ずかしくても、授業が終わった瞬間や休み時間に、チャンスを見つけては話しかけに行きました。
そうやって行動して気づいたのは、人は“鏡”のような存在だということです。
自分が心を閉ざしていると相手も壁を作りますが、こちらがオープンに笑顔で話しかければ、相手も同じように心を開いてくれる。
この相互作用を実感できたことで、コミュニケーションへの恐怖が消えていきました。
この経験から、私は「やる気が出るのを待つのではなく、動くからやる気が出る」と考えるようになりました。
気持ちが乗らない日でも、まずは動いてみる。行動が次のエネルギーを生むという感覚は、留学で得た最大の学びです。
今日からできる!英語が“勉強”から“使うもの”に変わる、たった1つの習慣
マインドセットのお話、非常に参考になります。
次に、具体的な学習法についてです。
もし読者が「たった一つだけ」新しい習慣を始めるとしたら、最も効果的な方法は何でしょうか?
私が一番おすすめしたいのは、「独り言英会話」です。
英会話は、その場の状況や感情で言葉を選ぶ“生き物”です。この実践的な感覚を養うのに、独り言は最適なんです。
例えば、通勤中に見える景色を英語で実況中継してみる。
「A woman in a red coat is walking a dog.(赤いコートの女性が犬を散歩させているな)」とか。
夜寝る前に「Today, I was so busy, but I enjoyed talking with my colleagues.(今日は忙しかったけど、同僚と話せて楽しかったな)」と一日を振り返るのもいいですね。
ポイントは、完璧を目指さずに、とにかく口に出すこと。
言いたい単語が出てこなくても、考えながら話すプロセス自体が、頭の中に英語の回路を作るトレーニングになります。
この小さな習慣の積み重ねが、英語が瞬時に出てくる瞬発力に繋がるんです。
逆に、多くの学習者がやりがちだけど「これは遠回りだ」と感じる非効率な学習法はありますか?
もったいないなと感じる学習法は3つあります。
1. インプットだけで満足してしまうこと:単語帳やリスニングだけで「勉強した気」になるのは危険です。知識は使ってこそ血肉になります。インプット(聞く・読む)とアウトプット(話す・書く)は必ずセットで行いましょう。
2. 完璧を求めすぎること:「文法が…」「発音が…」と気にして黙ってしまうのが一番もったいない。英語はテストではなく、コミュニケーションのツールです。まずは「伝えること」を目指しましょう。
3. 受け身すぎること:「誰かに教えてもらう」「聞き手にまわる」という姿勢だけでは伸び悩んでしまいます。自分から話す機会を作ったり、好きな海外ドラマで表現を盗んだり、「自分で学びを作る」という主体的な姿勢が成長の鍵です。
この3つの罠を避けるだけで、学習効率は劇的に変わるはずです。
英語は頭で覚えるものではなく、自分の中に生きていく感覚で使っていくものだと思っています。
あなたの世界は、一歩踏み出した先に広がっている
今後の活動の展望についてお聞かせください。
これまではYouTubeでの発信が中心でしたが、今後はより直接的に、英語で誰かの夢を支えるような活動――例えば英語コーチングなどにも挑戦したいと考えています。
これまでモータージャーナリストやイベントMC、通訳など「言葉で伝える」現場を数多く経験してきました。
その中で培った「伝える力」を、今度は「人の挑戦を後押しする力」に変えていきたいです。
また、"しゃべる仕事”においても、これまで以上にプロとして最前線で活躍できるように、自分の表現力を磨き続けたいです。
発信・教育・表現――この3つの軸で、より多くの人に言葉の力を届けていくことが、今の私の目標ですね。
最後に、英語の目標に向かいたいけれど不安で動けない、という読者の背中を押すメッセージをお願いします。
私がこれまでの経験を通して確信しているのは、「踏み出してみないと見えない世界が、必ずある」ということです。
どんなに情報を集めても、頭で考えても、行動してみないと本当に知ることはできません。
初めて留学した時も、YouTubeを始めた時も、怖くてたまりませんでした。「うまくいかなかったらどうしよう」「失敗したら恥ずかしい」と。
でも、勇気を出してやってみたら、想像をはるかに超える多くの人が応援してくれ、思いがけないチャンスが舞い込んできました。
そして何より、自分の世界が本当に広がったんです。
失敗は“遠回り”ではなく“経験”です。
うまくいかなくても、その一歩が確実にあなたを強くし、次のステップに繋げてくれます。
「話せるようになってから話す」のではありません。「話すことで、話せるようになる」のです。
怖くてもいい、完璧じゃなくてもいい。
どうか、その一歩を恐れないでください。あなただけの景色は、きっとその先に大きく広がっています。
\華音さんのSNSはこちら/
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本日はよろしくお願いします。
まず、華音さんが「英語」や「留学」をテーマにYouTubeで発信を始められた原点について教えてください。
どのような経験が、今の活動に繋がっているのでしょうか?