英会話の効率的な上達法は？最短で身につけるコツを解説

英会話を上達させるためにまず知っておきたい心得

英会話を習得・上達したいと考えたとき「単語や文法の知識さえしっかり身につければいいんじゃないの？」と考える人も少なからずいるかと思います。しかし英会話は、机上で勉強するような英語とはまた別物。正確な発音・自然な表現といった、英会話ならではの技術を身につけることも非常に大切です。

英会話の上達には、行き当たりばったりな学習ではなく、正しい学習手順を踏むことが不可欠だということをまず頭に入れておきましょう。

英会話初心者が陥りがちな学習法の誤解

英語学習・英会話初心者の間では、学習方法に関する以下のような誤解がしばしば見受けられます。

• 単語や文法を覚えるだけで英会話も自然とできるようになる
• すべてを完璧に理解しなければならない
• ネイティブのように話さなければならない　etc...

先に述べた通り、英会話を行うには単語・文法といった知識だけでは不十分。それらをリアルタイムでどのように組み合わせて使うかというスキルが求められるため、単語や文法だけを勉強しても英会話の実力は必ずしも伸びないでしょう。

また、初心者であればあるほど「完璧な英語を話さないと恥ずかしい」「確実に正しい表現で話さないと…」と、100％を追い求めてしまう傾向にあります。重要なのは完璧さよりもコミュニケーションがスムーズに図れるかどうか。最初からネイティブのように流暢に話す必要はありません。誤解を恐れずに自分の思っていることを伝える勇気があれば、英語力は自然と伸びていくはずです。

英語教育のエキスパートである嶋津幸樹さんも、英語力を向上させるために必要なこととして、以下のように語っています。

まずは前提として、「英語を学ぶ」ことを目的にしてはいけません。大切なのは、英語を使って何を行うかです。わかりやすく言えば、「英語で議論できるようになること」が重要だと考えています。

英語に限らず、背景の異なる人と議論するのはとても難しいものです。とくに日本にいると、そうした人々と英語で議論する機会はほとんどありません。これはもう、苦労することは覚悟のうえで、当たって砕けるほかないですね。

引用：（取材）嶋津幸樹さん｜英語教育エキスパートが教える、IELTSの本当の価値とは？

英会話の上達のために身につけたい能力

英会話が上達するためには、以下3つの能力を身につけておきたいところです。

• リスニングスキル
• 発音スキル
• 英文作成スキル

リスニングスキル

リスニングスキルが身についていないと、英語を聞き取ることができません。相手が何と発音しているのかわからなければ、なんと伝えればいいのかもわからず、会話が成り立たないでしょう。英会話上達のためには、リスニングスキルを身につけて正しく発音を聞きとることが大切です。

とはいえ、聞き取る力があっても、聞き取った英語の意味を理解できなければ意味がありません。英語を聞き取る力はもちろん、意味を理解する力も身につけておきたいところです。
関連記事：英語リスニングアプリおすすめ

発音スキル

リスニングスキルが身について相手が何を言っているのか理解できるようになったら、次に必要となるのは発音スキルです。発音スキルがないと、うまく英語の音を発音できず相手に理解してもらいにくいでしょう。相手に自分の言いたいことをきちんと伝えるためには、発音スキルが必要不可欠です。正しい発音がわかればリスニングスキルの向上にもつながるため、発音スキルをしっかりと身につけておきましょう。
参考：英語発音アプリ

英文作成スキル

英語の上達を目指すのであれば、英文作成スキルの習得も欠かせません。英文作成スキルとは、自分の伝えたいことや思いを文章で表すスキルのことです。文章で伝えなければならない場面も多々あるため、必ず身につけておきましょう。

英文作成スキルを身につけることは、頭の中にある英語をアウトプットするためにも重要です。スムーズに頭の中から英語の文章をアウトプットできるようになれば、より円滑なコミュニケーションを取れるようになるでしょう。アウトプットスキルを高めれば、リスニングスキルの向上にもつながります。
参考：英語添削サービス

英会話の効率的な上達法を5ステップで解説

ここからは、英会話を効率的に上達させるための具体的な方法を5つのステップで解説していきます。「何から始めて良いかわからない」「どうすれば上達するのか具体的な道筋が見えない」という人は、ぜひこの手順に沿ってまずは学習に取り掛かってみてください。英会話力を着実に身につけていくためのヒントとなるでしょう。
参考：英語を話せるようになりたい方は何から始める？

STEP1．目標設定を行う

英会話を学ぶ理由・目指すレベルは、当然ながら一人ひとり異なります。「旅行で通用するレベルの英語力を身につけたい」「ビジネスでネイティブともスムーズにコミュニケーションを取りたい」「語学テストで高得点を出したい」等々…きっと英会話を始めようと考えたきっかけがあるはず。

まずは自分の目指すゴールを明確にして、いつまでにその目標に到達するのかを決めるといいでしょう。現状のレベルを鑑みて、目標達成までにはどれくらいの時間が必要なのかを理解することが、英会話学習の第一歩となります。具体的な目標が定まっていれば学習計画も詳細に立てられるようになるので「次は何をするんだっけ？」と迷子になることなく、高いモチベーションを維持したまま取り組んでいけるでしょう。

STEP2．単語・文法等の土台を固める

次に意識しなければならないことが、単語や文法といった基礎学習です。先に「単語や文法だけでは英会話上達に不十分」という話をしましたが、英会話学習を行ううえでの土台としてはやはり単語・文法も欠かせません。

特に文法に関しては、英文を正しく理解し、会話表現を生み出すための心臓部的存在。理解が難しい部分は繰り返し学び、頻出する形・フレーズを体に染み込ませるといいでしょう。

また、少なくとも日常英会話で常用される単語は覚えておきたいところです。海外の英語力測定サイト「Test your vocab」等の情報によれば、日常英会話に最低限必要な英単語数は約3,000語。中学〜高校レベルまでの知識は備えておく必要があると言えそうです。

ー英語力を向上させるためには、やはり基礎的な部分をしっかり身につけることが大事なのでしょうか？

そうですね。まずはしっかり文法や語彙などの基礎的な土台を固めて、「聞く・読む」をある一定のレベルまで引き上げていく。そのうえで、アウトプットのフェーズに移行し「話す・書く」の練習を積んでいくべきだと思っています。

SNSの影響もあってか、英語が得意な人のやり方を真似して難易度の高い勉強法を取り入れてしまう人も少なくありません。しかし、自分のレベルに合っていない勉強に手を出してはいけません。背伸びして勉強しても、しんどいだけでそれほど上達につながらないことが往々にしてあります。

引用：（取材）Haruさん｜独学でTOEIC990点！人気英語YouTuberに聞いた、留学なしで英語を習得する方法とは？

STEP3．英会話の基礎力を鍛える

英語を理解するうえでの土台が固まったら、いよいよ英会話のスキル習得に取り掛かっていきます。英会話はリーディングからスピーキングまで総合的なスキルが求められるため、学ぶべきことが多くて挫折してしまいがち。楽しくできる範囲でコツコツと学習を進めていきましょう。

英会話力を鍛えるための具体的な学習方法は以下の通りです。あくまで一例なので、自分に合った方法を探ってみてください。

• 日常英会話でよく使うフレーズを身につける
• 英語の音楽や映画でリスニング力を養う
• シャドーイングでスピーキング力を向上させる
• 英語の記事・ニュース・書籍でリーディング力を強化する
• とにかく英文を書いてライティング力をつける

日常英会話でよく使うフレーズを身につける

日常生活の中でよく使用するフレーズを集中的に学ぶことで、実際の会話でスピーディに反応できたり、自然な会話の流れを作り出したりすることができます。また、英会話で起こりがちな「何を言えばいいのか分からない」という悩みも、お決まりのフレーズを準備しておくことで対応が可能になるでしょう。

英語の音楽や映画でリスニング力を養う

英語が自然な形で使用されている音楽や映画といったコンテンツを利用すれば、適切なアクセントや表現が身に付きます。初めは理解できない部分もあるかと思いますが、繰り返し聞くうちに耳が慣れてくるはず。慣れるまでは字幕と合わせて視聴して、徐々に字幕なしで視聴するようにレベルを上げていくといいですね。

シャドーイングでスピーキング力を向上させる

聞いた内容を同時に発音する「シャドーイング」は、自然なリズムやイントネーションを身につけるのに非常に役立ちます。もちろんいきなり長文で行うのは難易度が高いので、まずは、ある音源を数秒再生してシャドーイング、といったスモールステップから始めてみましょう。慣れてきたら、再生時間を増やしてチャレンジしてみてください。
参考：シャドーイング教材

英語の記事・ニュース・書籍でリーディング力を強化する

英語の文章を読むことは、新たな単語や表現を覚えるだけでなく、英語の文法や構文の流れを理解するのにも非常に有効です。Webを活用して英語の記事やニュースを見てみることはもちろん、海外小説等を進んで読む習慣を持ってみるのもいいでしょう。

とにかく英文を書いてライティング力をつける

ライティングは英会話とは無関係に思われがちですが、自分の頭の中の考えを整理し、論理的に表現するための練習としてはうってつけ。教科書やテキストの文章を書き写したり、英語で日記をつけたり等、どんな方法でもいいので英語で文章を書く習慣をつけてみてください。ライティング力が高まり、会話においても適切な表現がスムーズに構築できるようになるでしょう。

STEP4．学んだ知識をアウトプットする

インプットだけで満足することなく、積極的に知識のアウトプットも図っていきましょう。机上での勉強だけで英会話を習得することは不可能に等しいため、実際に声に出してコミュニケーションを取っていくことが非常に大切です。たどたどしい英語を話すことに最初は抵抗を感じるかもしれませんが、ぜひ恥ずかしがらず声に出していきましょう。

昨今はスマホ向けのアプリも充実しており、スピーキングに特化したものも多数提供されています。一人でもアウトプットに取り組んでいくことは十分可能でしょう。

より実戦に近い状態で練習したい人は、英会話スクールや英会話カフェに参加してみると良いでしょう。スクールに通う時間を確保できない人は、オンライン英会話やAI英会話アプリを活用してみることをおすすめします。

STEP5．学習を習慣化・定着化する

インプット・アウトプットの回し方が分かったら、後は学習を習慣化して定着させるだけ。とはいってもそこが難しいという人も多いかと思います。おすすめは、毎日のルーティンの中に英語学習を取り入れる方法です。例を挙げると以下の通り。

• 朝の通勤時間に聞いているニュースやポッドキャストを英語にしてみる
• 寝る前に読む本を英語の小説に代えてみる
• 日記を英語で書いてみる
• SNSへの投稿を英語にしてみる　etc…

「机に向かってしっかり勉強しなきゃ」と肩ひじ張ってしまうと、忙しかったり疲れたりしているときは特に「英会話の勉強、面倒くさいな…」となってしまい逆効果。英会話に触れる時間が憂鬱になってしまっては本末転倒なので、自分の生活を見返し、ストレスなく英会話学習を取り込めるところがないか探ってみるといいでしょう。英会話が生活にすっかり溶け込んだら、もう習得出来たも同然です。
参考：英語を話せるようになりたい

なかなか英語が上達しない人の特徴

「勉強しているのになかなか英語が上達しない」という方は、以下のような特徴が見られます。

• 英語学習の習慣が身についていない
• 英語を使うことに抵抗がある
• 勉強の方法が間違っている

英語学習の習慣が身についていない

英会話の習得は、一般的に約2,400〜2,700時間かかるといわれています。英語学習の時間が短すぎる・少なすぎる場合、なかなか英語は上達しません。英語が上達しない方は、そもそも英語学習の習慣が身についておらず、単純にインプットの量が足りていない可能性があります。

英語を使うことに抵抗がある

英会話の上達には、インプットだけでなくアウトプットも重要です。恥ずかしい・自信がないなどの理由でリスニングや英語を話す機会が少ないと、英語習得は遠のきます。

英語を使うことに抵抗がある方は、流暢に話せなくてもいいので、とにかく「伝える」ことを重視して英語を使ってみることが大切です。

勉強の方法が間違っている

自己流の間違った英会話学習を続けていると、いくら勉強しても思うように英語力は伸びません。正しい勉強方法は、独学では見つけにくいものです。勉強時間を確保しているのに英語力が伸びないという方には、英会話スクールの活用をおすすめします。英会話スクールに入会すれば、英会話のプロから効率よく知識・スキルを学べます。

 英語の上達が早い人の特徴

英語の上達が早い人には、以下のような特徴があります。「英語力を効率的に上達させたい」と考えている方は、ぜひ実践してみてください。

• 隙間学習を取り入れている
• 積極的に英語を使用している
• 英語学習の目的がはっきりしている

隙間学習を取り入れている

1日に5分、10分でも英語学習を行う習慣が身についている人は、英会話の上達が早い傾向にあります。毎日10分英語学習を行う方の場合、1週間で1時間10分、1ヶ月で35時間勉強できるという計算です。隙間時間でも、コツコツ続ければ膨大な時間になります。

隙間学習を取り入れている方は、時間を無駄にせず効率的に学習できているため、早く上達できるでしょう。
参考：英語学習アプリ

積極的に英語を使用している

恥ずかしがらずに積極的に英会話を楽しんでいる人は、自然と英会話の上達が早くなります。上達が早くなる理由は、英語の使用に消極的な人に比べ、アウトプットの機会が非常に多いからです。積極的に英語を使用できる人は、少ないチャンスをしっかり英語習得に活かせているため、早く上達できる傾向にあります。

英語学習の目的がはっきりしている

具体的な目標があると、学習計画を立てやすかったりモチベーションを保ちやすくなったりするのがメリットです。目標が定まっていないまま学習をスタートすると、いつまでに何をしたいかが決まらず、だらだらと勉強してしまう可能性があります。英語学習の優先順位を高く保ち学習時間を確保するためにも、具体的な目標が必要です。

英会話初心者の上達におすすめの勉強方法

日経メディカルは、英語を学習している人たち346人に対し、2021年に「英語学習に関する意識調査」を行いました。「英語の学習についてどのような方法で取り組んでいるか」と質問したところ、以下のような結果が出たそうです。

• 参考書など市販されている教材で自己学習…40.3％
• スマホアプリ学習…30.3％
• WEBサイトやYouTubeなどのオンラインストリーミング…26.9％

年代別に解答率を調べると、30代以下と40代が特にスマホアプリやオンライン環境を活用して学習を行っていることがわかりました。

ここでは、若い層で多く活用されていたスマホアプリでの学習、参考書での独学、YouTubeなどのオンラインストリーミングの3つに絞り、どんな勉強方法か詳しくご紹介します。

参考：日経メディカル「「英語」学習方法と転職に関する意識調査」

参考書などの本を使って独学で学ぶ

参考書などの本を使う勉強方法は、質が高い情報を求めている方や、英会話を体系的に学びたい方におすすめです。インターネットの情報よりも信ぴょう性が高く、順序立てて学べるでしょう。

本を選ぶ際は、自分のレベルに合わせて選ぶことが大切です。難しすぎると勉強が進まず、簡単すぎると上達につながりません。

英会話関連の本はビジネス系の本が多いので、仕事関連で英会話の上達を目指す方にもおすすめです。

スマホアプリで学習する

スマホアプリで学習する最大のメリットは、手軽にいつでも始められることです。スマホさえあれば学習できるため、すき間時間を活用したい方にも向いているでしょう。無料で利用できるスマホアプリが多く提供されており、費用負担がないのもメリットの1つです。

アプリにより利用できる機能や学習できる内容が異なるため、1つだけでなくいくつか利用したり他の勉強方法と併用したりするのもいいでしょう。参考：無料英会話アプリおすすめ

YouTubeなどのオンラインストリーミングを利用する

YouTubeなどのオンラインストリーミングも、スマホアプリを活用した勉強同様、手軽に学べておすすめです。さまざまなシーンや目的、レベルに合わせた動画が公開されているため、自分の希望に合うものを選んで視聴しましょう。

動画なので、英会話の流れがわかりやすく、見るだけでインプットできます。無料で視聴できるのも、オンラインストリーミングの魅力の1つです。

英語で日記を付ける

英語で日記を付ける習慣を作ると、毎日英語のアウトプット学習ができます。日記の内容は、その日の出来事や食事の内容、出掛けた場所についてなど、何でも構いません。大切なのは、日記の内容ではなく英語で毎日日記をつけるという作業を行うかどうかです。日記として残しておけば、後から見返して楽しむこともできます。

英会話教室を利用する

英語を習得するためには、インプットとアウトプットどちらも欠かせません。英会話教室に通うことで、インプットした内容を効率的にアウトプットでき、英語を話す訓練を行えます。オンラインで完結するオンライン英会話スクールなら忙しい方でも通いやすく、隙間時間で上達を目指せるでしょう。英会話教室なら、自分では気づきにくい発音や文法のミスにも気付けます。

英会話上達にはオンライン英会話スクールもおすすめ

「独学での英会話学習に限界を感じている…」「もっと効率よく、最短で身につけたい！」と感じた場合には、思い切ってオンライン英会話がおすすめです。

大抵のスクールにはネイティブの講師が在籍しているため、よりリアルな英会話環境に身を置くことができ、自己学習とは比べものにならないほどグングン成長していけるはず。また、自分では気づけないミスや弱点を洗い出し、的確なフィードバックやアドバイスを貰うこともできるので、さらに効果的な学習が可能になります。目標とする英会話レベルまで遠回りすることなく、一直線で進んでいけること請け合いでしょう。

もちろん受講料は決して安いものではありませんが、ネイティブスピーカーと直接話す機会が得られること・初心者でも迷わない専用のカリキュラムが用意されていることなどを踏まえると、十分利用する価値はあると言えます。自分に合ったスクール・講師を見つけるためにも、まずは無料体験レッスンなどから始めてみるといいですね。

自分に合った英会話の上達方法を見つけよう！

当記事では「英会話を身につけたい！」「今よりも上達したい！」と考えている人に向けて、英会話学習の心得をはじめ、効率的な上達法5ステップについてまで、詳細に解説してきました。

会話の技術だけでなく、文法や単語の知識まで結集させる必要のある英会話は、決して一筋縄で上達できないことは確かです。しかし、学習の手順はある程度明確化されているため、そのステップに沿って愚直に取り組んでいけば、誰でも自分の目指す英会話レベルにたどり着くことは可能でしょう。そのためにも、まずは具体的な目標を設定することが大切です。

どうしても独学ではモチベーション的に厳しい…という場合でも、今はオンライン英会話等のサービスや英会話スクールも充実しています。道筋は一つではありませんので、自分に合った学習方法を見つけて、ぜひ楽しむことを忘れずに英会話に取り組んでみてください。