母だってプログラミング専用こどもパソコン「IchigoJam(イチゴジャム)」で遊んでみたい!

母だってプログラミング専用こどもパソコン「IchigoJam(イチゴジャム)」で遊んでみたい!
子どものプログラミング教室を探しているとよく見かける「IchigoJam(イチゴジャム)でプログラミング!」の言葉。子ども用に開発されたという、この小さなパソコンが気になっていた方は多いでしょう。

IchigoJamってどんなものなの?
どんなことができるの?
家庭でもできるの?


これらの疑問を検証するために、元教員で2児の母であるライターが、IchigoJamを組み立てて遊んでみることにしました。

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IchigoJamはプログラミング専用の子どもパソコン!


2014年に公開されたIchigoJamは、BASIC言語によるプログラミングを手軽に楽しむために開発されたコンピュータ基盤です。

小学生でもはんだ付けをして組み立てる安価なボード型コンピューターとして、子ども向けプログラミング教室やイベントなど様々な場所で活用されています

基盤が完成したら、キーボードやテレビ画面、電源に接続するだけでプログラミングを始められます。キーボードからBASICプログラムを入力すれば実行してくれます。

ビジュアルプログラミング言語とテキスト言語

シンプルでわかりやすいために、初心者向けといわれることの多いBASICプログラムはテキスト言語の1つです。テキスト言語はキーボードでアルファベットや数字を入力することでプログラミングができます

対してScratch(スクラッチ)やプログラミンに代表されるビジュアルプログラミング言語は、キーボードからコードを入力する必要がありません。操作するのはマウスです。

コードの書かれたブロックをドラッグ・アンド・ドロップして組み合わせることでプログラムをつくります。


イベントや教室で人気のIchigoJam

IchigoJamで使用されるBASIC言語は、プログラミング言語の基礎を学ぶことができると言われています。

プログラムが安易なことや本体が安価に入手できることなどから、子ども向けのプログラミングイベントに取り入れやすいようです。多くのプログラミング教室で活用されていて、小学生でも簡単に挑戦できると人気のIchigoJamです。

IchigoJamで遊ぶ準備をしよう

はんだ付けで電子工作ができるキットを購入し、IchigoJamが本当に小学生でも始めやすいのかを検証します。「わが子なら何歳から遊べそうかな?」という母親視点でも考えてみます。


■購入したもの
・こどもパソコン「IchigoJam」プリント基板ハーフキットS(IC部分ははんだ付けしてくれてあるので、抵抗やLEDなどの電子部品をはんだ付けすることができる)
・PS/2対応キーボード
・microUSB端子付きの5V電源ケーブル
※これらは全てPCN(プログラミングクラブネットワーク)から購入しました。

丁寧な梱包から出てきたのは、可愛らしいイチゴ色の筒型ケースと部品の袋が2つ。イチゴ色ケースにはケーブル類と一緒にイチゴ色キーが配列されたふにゃふにゃキーボード(US配列)が入っていました。

キータッチまでふにゃっと柔らかい感触が、なんとも個性的なキーボードです。JIS配列のIchigoJamとは記号の配列が違うため、キー配列を変えるシールも付属されていて、子どもや初心者への温かい配慮を感じました。

■準備したもの
・ビデオ入力端子がついたテレビのモニター
・卓上ライト
・卓上ゴミ箱

家庭でお子さんと一緒にする場合、作業をする場所や時間の余裕に加えて、そばで見守る大人の存在が必須だと強く感じます。

部品を確かめながら

『こどもパソコン「IchigoJam」プリント基板ハーフキットS』を開封すると、プリント基盤と一緒に細かい部品が20個出てきました。部品一覧表と20個の部品を卓上ライトで照らして確かめます。


右端の上に4つ並んでいる部品が、電流の値を調整してくれる「抵抗器」です。学生時代の古い記憶の中に、抵抗の値は帯の色で違いがあると知っていましたので、何度もよく見て並べておきました。

抵抗器の下にある2本足の部品は「セラミックコンデンサ」です。こちらも小さく記されている数値が「106」と「15」の2種類ありました。

上の真ん中にある赤い部品は「赤色LED」で、部品一覧表には「※向きあり、足が短い方が内側」と書かれています。これらの部品は数値や取り付け方向に注意が必要です。

なんと部品の多いこと! はんだ付けをしている間に部品をなくしてしまわないために、お盆のような浅い入れ物があればいいかもしれません。

電子部品一つひとつにはそれぞれに大切な役割があるんだね…というお話を子どもにするならココだと感じました。

はんだ付け体験


はんだ付けの経験は中学生以来でしたが、準備から部品のはんだ付けが全て終わるまで30分かかりました。

気になる電子工作の難易度ですが、個人の体感としては「まあまあ難しい」と言えます。こどもパソコン「IchigoJam」プリント基板ハーフキットSのはんだ付けは、多くの小学生には大人の手助けが必要だと思います

手先が器用で工作がかなり好きな小学校中学年以上なら一人でできるかもしれませんが、中学生でも大人の手助けが必要な場合があると予想できます。


写真のキラキラ光っている部分がはんだ付けした部分です。部品同士が近いので、はんだごてはこて先が細めの電子工作用を準備した方がいいですね。実家から借りてきたはんだごては、やや太めだったので細かい作業への緊張感が増しました。

卓上のゴミ箱は、ニッパーで切り取った破片をすぐに処理できるので準備していてよかったです。

自分で組み立てたIchigoJam で遊ぼう 

キーボードとテレビ画面、電源をつないだらIchigoJamのスイッチを「ON」。


キーボードに電源ランプが付き、テレビ画面に「OK」と出ました。思わず「わぁ!」と感動の声が出ました。

「LED1」と打ってからエンターキーを打てばLEDが光るはずです。

「LED1」

しばらく待ちましたが、LEDはピクリともしません。

「もしかして…」よく確認してみると、LEDの向きが逆でした。順方向の電圧がかかることで発光するLEDは、反対向きに付けてしまっては光りません。

ドキドキしながらはんだを溶かしてLEDを外し、正しい向きを確認して再度付けました。この付け替え作業には1時間以上かかりました。これでようやく本当にプログラミング専用こどもパソコンIchigoJamの完成です。

打ち間違いも学習の機会に

気をとり直して、プログラミングコードを入力します。

「LED1」

LEDが光りました。「良かった!」安堵の気持ちで次のステップへ進みます。頭に「行番号」をつけることで、いくつかの命令を順番に実行させます。LEDライトを1秒間だけ点灯させるというプログラムを入力しました。

10 LED1
20 WAIT 60
30 LED0

実行は「RUN」と打ってエンターキーです。



ところが、ここでもLEDライトは点滅を開始せず、画面には「Syntax error」と出ました。どうやらプログラムの書き方に間違いがあるようです。

画面をよく見てみると、「RUN」と打つはずが「RUNN」になっていました。正しく「RUN」と打って実行させてみると、



LEDライトはプログラムの通り、1秒間だけ付いて消えました。

思ったように動かない原因が部品の不具合やプログラムの打ち間違いにあることは、経験することでより実感できますね。思い描いた目的のためにプロセスを組み立てる「論理的思考力」が実践的に鍛えられそうです。

また、失敗によって次に気をつけることを考えられるのは、「問題解決能力」を高めるチャンス。知的好奇心いっぱいの子どもたちにぜひ体験してもらいたいものです。

PS/2対応キーボードセットに同封されていたIchigoJam入門テキストには、「はんのうそくどゲーム」「かわくだりゲーム」など、プログラムを打ち込めばすぐに遊べるゲームが紹介されています。プログラムの例を見ながら打ち込んでいくことで、キーボード操作やコマンドに慣れていくことができそうです。

また、プログラムを入力して作れるコンピュータゲームや、電子工作で拡張して作るおもちゃなどが紹介されているIchigoJamの解説本はいくつも出版されています。

これからもきっと色々な失敗をするだろうけれど、この小さなパソコンで子どもと何ができるかとワクワクしてきます。

ところで、わが家のクリスマスツリーは、夕方になると自然にキラキラと輝き出します。

24時間ごとに6時間点滅を続ける機能がついたLEDライトが飾られているからです。小さなリモコンの中では、さらに小さな部品が働いてくれているのだろうなと、しみじみと感じます。

まとめ


はんだ付けで組み立てられるプログラミング専用こどもパソコン「IchigoJam」の電子工作には、少々難しい部分もあり大人の見守りが不可欠だということがわかりました。

プログラミングに関心の高いお子さんが、テキスト言語でのプログラミングを基礎から学びつつ、色々と試して遊ぶことができそうです。お子さんの体験が、お父さんお母さんにも刺激になって、親子で楽しめるといいですね。

※IchigoJamはjig.jpの登録商標です。

【参照】
LEDの発光原理|パナソニック
Scratch|MITメディアラボ ライフロングキンダーガーテングループ
プログラミン|文部科学省
IchigoJam|jig.jp
IchigoJam組み立て方・説明書・読み物|jig.jp

(画像引用)
IchigoJamフリー素材|jig.jp

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  • 質問 良質な子ども向けプログラミングスクールを選ぶには、どのような点に注意すればよいですか?

    答え 良質な教室を見抜く際のポイントは、①教室のカリキュラムの質 ②先生に「遊びを学びへ導く力量」があるか ③保護者の方の納得感 の3つです。カリキュラムの質を見抜くのは難しいですが、教室全体を見渡して「ただ遊んでいるだけに見える」「子どもが夢中で取り組んでいない」と感じたのなら、注意が必要です。たとえば同じゲーム作りのカリキュラムでも、サンプルゲームで遊んで終わらせるか、その子の興味をじょうずに「乱数」や「関数」といった学びに結びつけられるのかは、先生の能力次第。体験教室で少しでもプラスの雰囲気を感じたなら、よりくわしい話を聞くなどして、保護者の方の納得感を大切にしてください。

  • 質問 子ども向けプログラミングスクールにはどのような種類がありますか?

    答え 大きく分けて、①ロボット系 ②ビジュアルプログラミング系 ③クリエイター系 ④パソコン教室系 の4種類があります。ロボット系は、大会出場をめざす教室が多く、お子さまのモチベーションを保ちやすいメリットがあります。一方教材費が高額で、入会費だけで数万円になることも。ビジュアルプログラミング系は、小さなお子さまでもゲーム感覚で学べますが、初級以降のカリキュラムが用意されていない教室も。クリエイター系はカリキュラムの自由度が高いぶん、お子さまの得意をのびのびと伸ばしたいご家庭におすすめです。パソコン教室系は、4種の中でも料金が安いのが特徴です。それぞれにメリットとデメリットがあると理解しましょう。

  • 質問 子ども向けプログラミングスクールはなぜこんなに高いのですか?

    答え たとえば英会話やそろばん教室は、先生1人にたいして数十名の生徒がつくのが一般的な光景です。この場合運営側は、先生の人件費を大人数の生徒からの月謝で相殺できるため、運営コストを安く抑えられ、月謝も安く設定できます。しかしプログラミング教室は、お子さま一人ひとりの感性を発揮させてクリエイティビティを磨くことを目的とし、また進みの早い子と遅い子の差も出やすいため、少なくとも4人の生徒にたいして1人の先生が必要です。そのため運営コストが高く、受講費も高額になりやすいです。「所詮子どもの習いごと。受講費は安く抑えたい」という方は、教材レンタルのある教室でお子さまの反応を見てみるのもよいでしょう。

  • 質問 子ども向けのプログラミング教材で、代表的なものは?

    答え プログラミング教室で採用されている割合がもっとも高いのは、「Scratch(スクラッチ)」をはじめとするビジュアルプログラミング教材です。コーディング不要、かつブロック遊び感覚でプログラミングの概念を理解できるため、いわゆる「お勉強的」な雰囲気が好きではないお子さまでも、ゲーム感覚で自然にスキルを身につけられます。Scratchでは、世界中のユーザーが作った作品を遊んだり、お子さま自ら作った作品を世界に公開したりすることも可能です。ロボット系の教材に比べて、購入費用(導入費用)が安いことも特徴です。

  • 質問 ロボット教材でプログラミングを学ぶメリットとデメリットは?

    答え ロボット教材でプログラミングを学ぶメリットは3つあります。1つ目は、大会やコンテストの開催が多く、お子さまが努力してレベルを上げる必要があるために、スキルが習熟しやすいこと。2つ目は、自分で組み立てたロボットをプログラミングして動かすため、お子さまが夢中になりやすいこと。3つ目は、数学や物理学といった理系の知識が自然と身につくことです。とくに3つ目は、低年齢のうちに身につけると中学・高校の勉強で役立つ、と評価する保護者の方が多いようです。

  • 質問 ビジュアルプログラミング(Scratchなど)でプログラミングを学ぶメリットとデメリットは?

    答え メリットは、全体を通してビジュアルプログラミングを採用する教室の割合が多いためロケーションを選びやすいこと、ロボットよりも教材費が安いため、入会金をはじめとする受講費を安価に抑えられること、またコーディングの必要がないため、小さなお子さまでもゲーム感覚でプログラミングの概念を身につけられることです。デメリットは、見方によってはお子さまが「遊んでいるだけ」に見えるため、保護者の方がメリットを感じにくいこと。また、初心者向けのカリキュラムを主軸とする教室が多いため、もしお子さまがのめり込んで「もう一歩先を学びたい」と思ったときに、中級・上級の内容を学べないこと(教室を変える必要があること)です。

  • 質問 オンラインと対面授業、どっちを選ぶと良いですか?

    答え ご家庭の状況やお子さまのタイプによって異なります。オンライン授業に向いているのは、有名教室のレッスンを受けたいけれどそもそも教室が近くにない……という地方在住の方や、すでに複数の習いごとをしており特定の曜日に通うのが難しい方、大勢の中では気後れしやすいお子さまなど。対面授業が向いているのは、学校以外の居場所がほしい/作ってあげたい方や、お子さまの積極性を伸ばしたい方、周囲の子と切磋琢磨しながらスキルを伸ばしてほしい方などです。また、送迎の有無も重要なポイント。保護者の方が送迎に疲弊して退会するケースは少なくないようです。「無理なく送迎できるかどうか」も、判断基準にするとよいでしょう。

  • 質問 子どものうちからプログラミングを学ばせるメリットは?

    答え プログラミング教育はまだ歴史が浅く、実際にプログラミングを学んだ子が将来どうなったかのデータはほぼないため、あくまでも推測にはなりますが、プログラミング力は算数や数学の成績と相関すると考えられています。そのため、年長〜小学1年生ごろに良いプログラミング教室に出会い、その後数年にわたって通い続けることができれば、理系科目の成績が伸びるのと同時に、「物ごとを数値で考える力」に長けた、AI時代に活躍できる人材になれる可能性があります。