「そもそもプログラムって、どこで、なんのために使われてるの?」と疑問に思う方もおられるでしょう。
普段あまり目にする機会がないだけで、プログラムは私たちの生活のありとあらゆるところで役立っています。
ここでは、プログラムでどんなことができるのかについて見ていきましょう。

パソコンは「言わなきゃ分からない」
いまや1人に1台と言われるスマートフォンは、電話やメール、カメラやインターネット接続など、その他にもたくさんの機能をもった現代の便利ツールです。でもちょっと考えてみてください。スマートフォンがいくら万能でも、皆さんがしたいことを「命令」しなければ動きませんよね?
「友達とランチに行きたいけど、適当なお店ないかしら?」と思って、検索ワードを入力するからこそ、スマートフォンは答えを返してくれるのです。
決してスマートフォン自らが意志を持って、「このお店がよさそうですから、今日お友達とランチにでも行ったらどうですか?」と勧めてくるわけではありません。

スマートフォンもパソコンも機械です。
機械は電気を流せば動きますが、それだけでは何もしてくれません。
機械がわたしたちの思い通りに動くのは、そのように「プログラム」されているからなのです。
プログラムは、機械が「私たちがしてほしいように動く」ための「魔法の呪文」のようなものなのです。
「言わなくてもわかる」サービスも、中身はプログラムされている
いまや身のまわりにある機械のほとんどは、プログラムで動いているといっても過言ではありません。電車だって運転手さんが発車のタイミングや、ブレーキの指示をしていますが、その裏では、つねに最適な速度を維持できるようにプログラムされているのです。

「でもAIスピーカーなんて、まるで自分で話しているようだけど…」と思う方もいるでしょう。
機械そのものの意志で動いているかと思わせるほど、技術は進歩しています。
たとえばインターネットの検索サイトに文字を入力すると、その文字に続く候補が自動的に表れますよね。
これは『サジェスト機能』とよばれるものです。これも一見、パソコンやスマートフォンが自分の意志で表示しているように見えますが、その裏では膨大なデータをもとにして、その言葉から連想される単語を表示するようにプログラムされているのです。
こんなにある!プログラムで動く身近なものたち
全自動洗濯機

その昔、画期的な製品として登場した電気洗濯機ですが、今ではコンピューターを内蔵して、より使いやすく、より便利になっています。
「標準コース」や「手洗いコース」、「節約コース」などボタン1つ押すだけで、洗濯物の重さから水の量や洗濯時間を自動で計算して、最適に仕上がるようにしてくれます。
プログラムによって、手洗いコースならこの水量、節約コースならすすぎは1回など、あらかじめ指定されているのです。
ロボット掃除機

重い掃除機を抱えて部屋から部屋へ移動するのは、たいへんですよね。
いまや掃除機は自分で動く時代です。壁や段差を感知するセンサーで障害物をよけながら、自由自在に家中を動き回って、隅々までキレイにしてくれます。
まるで自分の意志で動いているかのように見えるこの動きも、あらかじめプログラムに書きこまれているからできることなのです。
エアコン

年々、進化するエアコン(エアーコンディショナー)。
まわりの温度や湿度を読み取って、自動で温度調節するのはもちろんのこと、部屋のどこに人がいるかを感知して、ムダなく快適な室温にしてくれます。
自動で内部をお掃除するようにプログラムされている機種もあり、より省エネでより便利に進化しています。
自動改札機

今では主流になった自動改札機。
ICカードやスマートフォンを機械にかざすだけで、瞬時に情報を読み込んで、素早く処理してくれます。
足し算や引き算など、計算はコンピューターが得意とするところ。
素早く正確な計算も、プログラムが可能にしているのです。
AIスピーカー(スマートスピーカー)

スマートフォンの音声認識機能を使われたことがあるでしょうか。
調べたい事柄をキーボードで入力する代わりに、声に出して言うだけで検索ができる便利な機能です。
声やイントネーション、話し方は老若男女、人それぞれ違いますが、たとえば「明日の天気は?」と誰が聞いても、スマートフォンが天気予報を教えてくれるのは、人工知能の技術が使われているからなのです。
この機能がさらに進化したのがスマートスピーカーです。
スピーカーに話しかけるだけで、いろいろな家電を操作できるようにプログラムされています。
まとめ
身の回りには、昔は手動だったものが電気で動くようになり、さらにはコンピューターを内蔵することによって、より使いやすく、より便利に進化したものがたくさんあります。いったい次はどんなものが、どんなふうに進化するのでしょうか?
これからもプログラムによって、わたしたちの「こんなことができたらいいな」は、次々と叶えられていくことでしょう。そんな新しい時代に適応するためにも、子どもの頃からのプログラミング教育が必要なのです。