プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

2020年、プログラミング教育が小学校で必修化!内容・現状を徹底解説

2020年、ついにプログラミング教育が小学校で必修化されます。目前に迫っているものの「あまりよく分からない」という人も多いでしょう。

「何をするの?」「本当に必要なの?」「全員がエンジニアになるってこと?」とモヤモヤしている方がほとんどかもしれません。

このコラムでは、プログラミング教育の必修化が盛り込まれた「学習指導要領」の中身を見ていきながら、「なんで必修化したの?」「本当に可能なの?」「先生たちは教えられるの?」について詳しく解説します。


そもそも「学習指導要領」って?


プログラミング教育の必修化は「学習指導要領」改訂の一部として実施されます。

「学習指導要領」とは、全国どこで教育を受けても授業にバラつきが出ないよう文部科学省が示しているカリキュラム編成基準のこと。

年間の標準授業時数が定められているほか、各教科の目標や大まかな教育内容が定められています。

「この県では習うけど、隣の県では習わない……」ということが起こらないように、全国の学校はこれに従って授業を組み立てるのです。

学習指導要領に定められた1年間の授業時数(授業は45分)

1年生 2年生 3年生 4年生 5年生 6年生
国語 306
315
245 245 174 175
算数 136 175 175 175 175 175
理科 - - 90 105 105 105
社会 - - 70 90 100 105
※出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年公示)」p. 12 の一部を抜粋

「学習指導要領」の改訂は約10年ごとに行われており、前回の改訂は平成20~21年。そこから約10年が経過したため、今回の改訂が行われます。

ただし、改訂後すぐに授業内容が変わるわけではなく

約1年間は「周知・徹底」の期間、さらに数年間*1の「移行期間(子どもが学ぶ内容が抜け落ちないようにするためのクッション期間)」を経て実施となります。

*1) 幼・小・中・高によって年度にズレがある。小学校では、2017年度が「周知・徹底」期間、2018年~2019年度が「移行期間」、2020年度から「全面実施」となる。

今回の「学習指導要領」の中身は?


小学校の新学習指導要領は2017年の3月に公示されました。

そこには「情報活用能力の育成を図るため、各学校において、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること」と示されています。

ちょっと難しい表現ですが、「パソコンやタブレットを学校で用意し、勉強にも取り入れていきましょう」という意味だと理解すればいいでしょう。



プログラミング教育についての具体的な学年・授業内容に関しては、

文科省の「小学校プログラミング教育の手引(第一版)」に「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく場面(5年・算数)」が示されています。

ただし、算数や理科に限らず

「様々な教科・学年・単元で取り入れ」
「各学校の創意工夫により、様々な単元等で積極的に取り組む」

ことが望まれており、明確に「この内容」と決められているわけではありません

それぞれの学校である程度、自由に実施することができる一方で、

ITに詳しくない先生・保護者にとっては「どんな内容なの?」と不安になっているのが現状かもしれません。


そもそも、どうして必修化?


そもそも、なぜ小学校でプログラミング教育が必修化したのでしょうか。

必修化が検討されたのは、学習指導要領改訂に向けた中央教育審議会の議論でした。

生活がどんどんデジタル化し、AIなどの新たな技術が生まれる中で、10年先の未来すら予測することが難しくなってきています。

そんな時代の子ども達に望ましい教育とは?と考えると

「コンピュータを受け身ではなく、積極的に活用する力」「プログラミング的思考(論理的思考力)」が求められる

という結論になったのです。



実際に小学校の新学習指導要領では、以下の2つの学習活動が定められています。

ア 児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動

イ 児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動

これも難しい表現ですが、

「ア」はタイピングなどコンピュータの基本的な活用スキル

「イ」はコンピュータを動かすための考え方(=論理的思考力)を身につけること

と捉えればよいでしょう。

コンピュータがますます社会に浸透する中で、コンピュータを使いこなすための力を育もうというわけです。

本当に可能なの?「一人一台タブレット」はどうなっている?


さて、必修化することは決まったとして、今後小学校ではどのような変化が起こるのでしょうか。

必修化と合わせてよく耳にするのが「一人につき一台のタブレット端末を配備」ではないでしょうか。

コンピュータの活用といっても、そもそも子どもが触れるコンピュータがなければどうしようもないですよね。

学校内でのICT(情報通信技術)環境の整備はどうなっているのでしょうか。



平成29(2017)年8月の「学校におけるICT環境整備の在り方に関する有識者会議 最終まとめ」を見てみると、

平成25(2013)年6月の「第2期教育振興基本計画」では、次のような環境が目標として定められていました。

(2013年6月の目標)
教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数3.6人(3.6人に1台のコンピュータ)
電子黒板・実物投影機の整備
超高速インターネット接続率及び無線LAN整備率100%
……(略)

ところが平成28(2016)年3月の調査では、以下のような数値にとどまっています。

(2016年4月の実態)
教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数6.2人(6.2人に1台のコンピュータ)
電子黒板の整備率21.9%
実物投影機の整備率42.8%
ネットワーク(有線及び無線LAN)校内LANは87.7%、無線LANは26.1%

3年間で整備が少しずつ進んでいるものの、まだまだ目標とは遠い状態です。

そのため2017年の「最終まとめ」では、「最終的には『1人1台専用』が望ましい」としながらも

「各クラスで1日1授業分程度を目安とした学習者用コンピュータの活用が保障されるよう、3クラスに1クラス分程度の学習者用コンピュータの配置を想定することが適当」

と目標をゆるめています。

「本当は『1人1台』が理想だけれども、最低限、授業のときに1人1台使えるように配置しましょう」ということですね。



先生たちは教えられるの?


プログラミングの必修化に向けて、学校教育の現場や保護者からは不安の声があるのも事実です。

ある程度自由な授業ができるのは魅力でもありますが、具体的な内容が見えづらいため

「ITにあまり詳しくないので、教えられないかも」という先生がいたり、

「わが子がついていけるかどうか不安」という保護者がいたりするのです。



こうした不安の声に対し「未来の学びコンソーシアム」という組織が設立されました。

文科省・総務省・経産省が連携をとり、学校関係者、自治体関係者、教育/IT関連企業/ベンチャー企業などと共に設立した、官民協働の組織です。

ここが出している「小学校プログラミング教育必修化に向けて」という冊子には、ねらいとして

「教師がプログラミング教育に対して抱いている不安を解消し、安心して取り組めるようにする」

と書かれています。実際に不安の声が上がってきているのですね。

未来の学びコンソーシアムのサイト。実際の指導案などが紹介されている。


「未来の学びコンソーシアム」のWebサイトでは実際の授業事例などが紹介されています。

算数や理科だけではなく、図画工作や社会科の授業にプログラミングを取り入れた例などがあります。

「各学校の創意工夫により、様々な単元等で積極的に取り組む」ため、このような事例を紹介することで不安を取り除こうとしているのが現状なのです。

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