とはいえ、多くの教室は2年くらいで完結するカリキュラムを組んでおり、しばらく経つと「もっと難しいことがしたいのに……」とモチベーションが下がってくるお子さんも。
そんなお子さんにおすすめなのがロボットやプログラミングの大会です。学んだ結果が目に見える形で残るので達成感がありますし、グローバルな大会も多く、国際交流のきっかけにもなります。
今回は世界的に有名なレゴ®︎ブロックを使用したロボットプログラミングの大会「FLL(First LEGO League、ファースト・レゴ・リーグ)」について参加資格や難易度を詳しく解説します。
FLLとは?
FLLは正式名称を「FIRST LEGO League(ファースト・レゴ・リーグ)」といい、9歳〜16歳(日本でいうところの小・中学生)を対象とした世界最大規模の国際的なロボット競技会です。主催はアメリカのNPO法人FIRSTと、みなさんご存知、デンマークの玩具メーカーLEGO(レゴ)社。
日本では2004年から開催されており、2021年時点では110か国、約35,140チームが参加しています。
競技は自律型ロボットを組み立てて課題をクリアする「ロボットゲーム」と、大会テーマに合わせて研究発表を行う「プレゼンテーション」に分かれており、これらの順位を総合して総合優勝が決定されます。
ロボットの技術力はもちろん、研究能力やプレゼン能力などを幅広く問われるため、現在開催されているロボット大会の中ではもっとも難易度が高く、王道のイベントと位置付けられることが多いです。
FLLの大会の内容は?
FLLでは1つの「ロボットゲーム(ロボット競技)」と3つの「プレゼンテーション」を行います。出場チームは「ロボットゲーム」「プレゼンテーション」の両方に参加する必要があり、どちらか一つだけ参加することはできません。それぞれについて見ていきましょう。
「ロボットゲーム(ロボット競技)」とは?
ロボットゲームでは、自律型ロボットで2分30秒の間に与えられたミッションの解決を目指します。自律型ロボットとは、フィールドの状況をロボット側で判断し、適切に動けるロボットのこと。ラジコンのように人間がコントローラーで動かしてはいけません。
使われるフィールドはあらかじめ発表されており、10個程度のミッション(「水を運ぶ」「ブロックを積む」など)が与えられ、クリアしたミッションの難易度に応じてポイントが加算されます。
ミッション時間は限られているため、10個すべてをクリアするのはかなり難しくなります。簡単な課題をいくつもこなし、堅実に点数を稼ぐのか、高度な課題に挑むのか。作戦力も問われます。
プレゼンテーションとは?
プレゼンテーションは次の3つの種目に別れています。コアバリュー
発表内容:チームの紹介、チームワーク、FLL活動で学んだことなどロボットデザイン
発表内容:ミッションを解決するための作戦、 ロボットの構造とプログラミングと技術力プロジェクト
発表内容:指定されたテーマに関する調査と研究から導き出した独自の着眼点と改善策、結論FLLの「プレゼンテーション」はかなり本格的な内容となっており、ちょっと調べただけの発表では勝ち抜くことができません。
インターネットだけでなく、図書館に行ったり、詳しい人に話を聞いたり……といった綿密な準備が求められます。
参加資格は?
FLLに参加するためにはチーム登録をする必要があります。2人〜10人でチームを組む必要があるため、個人では出場できません。また、成人のメンターが一人必要です。
メンバーの年齢は9歳〜16歳(4月時点で小学4年生〜高校1年生)で、チーム登録後、1チームあたり35,200円(税込)の登録料を支払ってFLLミッションキットを受け取ります。
なお、全国大会に出場時には別途チーム登録料の25,300円(税込)がかかり、オンライン大会の場合にはチーム登録料が19,800円(税込)かかります。
対象年齢が合わない方は、6歳〜10歳対象の「FLL Jr.」か、15歳〜18歳対象の「FRC」への参加を検討してみてください。
2019年度大会について
2019年のFLLは8月2日〜10月14日に参加募集が行われました。テーマ発表も同じタイミング(8月)で、このスケジュールは基本的に毎年変わらないものと思われます。参加を検討している方は、8月ごろに公式サイトをこまめにチェックするようにしましょう。2019年度のテーマは「CITY SHAPER(都市を設計する)」で、大会日程は以下の通りです。
東日本大会
2019年12月14日(土)、2019年12月15日(日)東京工業大学 大岡山キャンパス西日本大会
2019年12月8日(日)名古屋 名進研ホール九州大会
2019年12月15日(日)福岡 KTCおおぞら高等学院福岡キャンパスFIRST LEGO League 2019-2020 日本大会
2020年2月16日(日)東京工業大学 大岡山キャンパスFIRST LEGO league Open International Japan 2020 世界大会
2020年5月7日~10日 名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)直近の大会はどのような形式で行われた?
FLLの直近の大会は、予選大会が2021年12月11~12日、19日にオンラインにて行われます。それぞれのチームは、予選大会のいずれか1日に参加する必要があります。全国大会
FLLの全国大会は、2022年2月20日に東京工業大学大岡山キャンパスで行われる予定です。しかし、状況次第でオンライン大会に変更される予定もあるため、公式サイトをチェックしておきましょう。世界大会
2022年4月下旬から7月上旬にかけて、米国、他未定の開催地で世界大会が開かれます。ワールドフェスティバル、インターナショナルオープンを開催予定であり、現地でのオフライン大会の開催が予定されています。メンターミーティング
2021年11月7日13:00~15:00に、参加チームのメンター・コーチ向けの参加説明会が行われます。ミーティングでは、大会のルールや大会参加に関する詳細説明が行われる予定です。FLLの公式サイト
大規模なロボット大会は、モチベーションやプログラミングスキルの向上にもつながります。大会の詳細を確認したうえで、参加を検討してみましょう!FLLの公式サイトはこちら。まとめ:王道ロボット大会にぜひチャレンジ!
FLLで使用するロボットはレゴ®︎マインドストームEV3。ロボットプログラミングに挑戦したことのない子、「電子工作」と言われるとちょっと尻込み……といった子でも、レゴブロックなら抵抗なく取り組んでいけますよね。全世界から4万人以上が参加するFLLなら、たとえ優勝は難しくても絶対に良い思い出になるはず!
まずは気軽にエントリーしてみませんか?お子さんが成長する上で、きっと役に立つ何かが残せるはずです。