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※画像は2018年開催のものです
「西暦2050年までに、人間のサッカー世界チャンピオンチームに勝てるロボットチームを作る!」ことを目標に、1997年から開催されている「ロボカップジュニア」。
世界35カ国から競技者が集うため、ロボットの技術を競いあうだけではなく、異文化コミュニケーションできる場としても貴重な大会だといえるでしょう。
この記事では、ロボカップジュニアの特徴や直近の大会の様子について詳しく解説します。
ロボカップジュニアとは?
ロボカップジュニアは、ロボカップアジアパシフィック委員会が主催する大規模なロボットコンテストです。ロボカップジュニアには、子どもの探求心を引き出す3つの競技テーマが設定されています。- サッカーリーグ
- レスキューリーグ
- OnStageリーグ
「ロボカッパー(ロボカップに出場する選手たちの呼び名)」は、まず全国各地で行われる「ノード」大会にエントリーします。ノード大会を通過したチームは、さらに全国23カ所で行われる「ブロック」大会で、日本大会への出場権をかけて競い合います。
2019年の日本大会「ロボカップジュニア・ジャパンオープン」は、4月28日から和歌山県和歌山市で2日間にわたって開催。
みごとジャパンオープンを勝ち抜いたチームには、「ロボカップジュニア世界大会」への出場権が与えられます。世界大会では40を超える国々から選出された200近いチームが参加して、熱い戦いが繰り広げられました。
ジャパンオープンでは、世界大会出場をめざす「ワールドリーグ」と同時に、「NIPPONリーグ」が開催されます。
こちらのリーグには、小学生ロボカッパーもたくさん活躍しており、ロボットプログラミングを始めたばかりのお子さんでも、気軽に挑戦できます。
ロボカップジュニアの競技内容は?
ロボカップジュニアには、3種類の競技内容があります。それぞれの競技内容について、詳しくみていきましょう。サッカーリーグ
サッカーリーグは本名での参加となり、2対2でサッカー対戦を行う部門です。自身で自立型ロボットを設計し、プログラミングを行う必要があります。ロボットがボールを追いかけ、色分けされたゴールにボールを運ぶことができれば得点を得られます。なお、サッカーリーグは、学年を問わず19歳以下の2~4名のチームで参加することが定められています。
試合は、前半と後半が10分ずつ行われ、前半と後半の間には5分間のハーフタイムが設けられています。試合開始時間に遅刻した場合、30秒につき1点のペナルティを受けるため、遅刻しないよう注意しましょう。
試合中はチームメンバーがロボットに触るなど、干渉してはいけないなどのルールが細かく定められています。
レスキューリーグ
レスキューリーグでは、ロボットが障害物を回避したり傾斜路を通過したりして、避難ゾーンの被災者(人の形を模したシール)に正しいパフォーマンスを行うことで得点が得られます。競技時間は8分となり、チームのキャプテンが競技終了を宣言すれば、競技を終えることが可能です。
ロボットは、市販のものやハードウェア素材を組み立てたものを使用しても構いません。しかし、メンバーが主体で設計して組み立てる必要があります。クラス1、2規格のレーザーのみ使用可能など定められているため、詳しくはルールをチェックしておきましょう。
OnStageリーグ
OnStageで使用するロボットには、サイズが定められていません。OnStageでは、「大きさよりもインタラクティブシステムが優れているか」が得点を得られるポイントとなります。制作するロボットは、5mmまでのフロアの凹凸に対応できるような構造にしましょう。ステージ上におけるロボットのパフォーマンスがスコアの40%、ロボットに関するプレゼンがスコアの30%、インタビュー審査がスコアの30%を占めます。
つまり、ロボットの制作だけではなく、OnStageリーグでは高いプレゼンテーションスキルも求められます。
リーグの違い
ロボカップジュニアは、大会の参加実績や競技レベルにより、「ワールドリーグ」と「日本リーグ」の2つに分類されています。2つのリーグについては、以下で説明します。ワールドリーグ
世界大会への出場をかけ、日本代表となるチームを決めるリーグです。ワールドリーグで上位になったチームのみ、世界大会出場への推薦が受けられます。日本リーグに比べ、経験者向けのリーグです。日本リーグ
ワールドリーグに比べ経験者が少ないため、初心者向けのリーグと言えます。過去に一度も日本大会に出場したことがないチーム向けのリーグで、世界大会への推薦は受けられません。初めてロボカップジュニアに参加するチームは、日本リーグで経験を積んだりスキルを磨いたりしてから、ワールドリーグへ出場する方法がおすすめです。
ロボカップジュニアの参加資格は?
2023年度以降のロボカップジュニアは、中学生以下(ブロック大会参加時の学年)が参加可能です。なお、過去のジャパンオープンで日本リーグに参加したチームに所属した選手は、同一競技での日本リーグへの出場は不可となるため注意しましょう。
ロボカップジュニアの参加費用
ロボカップジュニアの活動を支えている「一般社団法人ロボカップジュニア・ジャパン(RCJJ)」は、会員が運営している団体です。会員でなくてもロボカップジュニアの活動には参加できますが、会員になると、さまざまな特典が受けられます。参加費用と会員特典の詳細は、以下の通りです。
正会員 | 20歳以上の個人 | 5,000円(税込) | RCJJの運営に参加 ジャパンオープンのメンター参加料が1チーム目のみ無料 |
1/1~12/31 |
ジュニア個人会員 | 2018年度より暫定的休止中 | |||
ジュニア団体会員 | 教育関連団体 |
一口30,000円(税込) | ジャパンオープンでPR活動が可能 | |
法人会員 | 教育関連団体以外の法人 | 一口50,000円(税込) |
なお、2024年11月時点で会員募集は行われていません。
参考:ロボカップジュニアジャパン「会員募集」
直近の大会はどのような形式で行われた?
直近では、2021年11月25~29日に愛知県国際展示場のAichi SkyExpoで「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」が開催されました。入場料は無料で、会期中には12,000人を超える人が来場し、ロボットたちの熱戦を見守りました。テーマは、「Next Door with Robots ~ロボットと共に、その先へ~」。未来への可能性と高い技術を感じさせるロボットたちが、しのぎを削りました。
ロボットエキスポでは「スマートライフカフェ」を営業しており、人協働ロボットの「COBOTTO」が和菓子を調理する様子や抹茶を点てる様子をみることもできます。実際に試食・試飲体験もできますが、数に限りがあり先着順となるため注意しましょう。
人気が高い大会であるため、来場する際には大会公式サイトから事前入場登録をしておくと良いでしょう。なお、2021年の大会はライブストリーミングサイトを利用して、自宅から競技観戦もできました。
ロボカップジュニアの競技ルール
チームの人数・チームメンバーの数・メンバーの役割・無線通信の使用ルールなどは、競技内容や競技会によって異なります。ロボカップジュニアに参加する場合には、必ず自分が参加する競技のルールを把握しておくことが大切です。実際の競技会でどのルール(何年のルール)を適用するかは、競技会により異なるので、実施要項をしっかり確認しましょう。
以下は、各競技のルール一例です。
競技内容 | ワールドリーグ | 日本リーグ |
---|---|---|
サッカーリーグ |
サッカーオープン/サッカーライトウェイト2023年ルール |
サッカービギナーズ2023年ルール |
レスキューリーグ |
レスキューライン2023年ルール レスキューメイズ2023年ルール レスキューシミュレーション2023年ルール |
レスキュー・ライン・エントリー2024年ルール レスキュー・メイズ・エントリー2024年ルール |
OnStageリーグ |
OnStage2023年ルール |
OnStage2023年ルール |
ロボカップジュニア・ジャパンオープンの2024年大会詳細
2024年に開催予定のロボカップジュニア・ジャパンオープンの詳細を、以下に示します。大会名 | ロボカップジュニア・ジャパン オープン 2024名古屋 |
入場料 | 無料(事前登録不要) |
会期 | 2024年3月22日(金)~24日(日) |
会場 | 名古屋市国際展示場 ポートメッセ名古屋 第3展示館 |
開催競技 | サッカーリーグ レスキューリーグ OnStageリーグ |
主催 | ロボカップジュニア・ジャパン オープン2024名古屋大会開催委員会 |
後援(予定) | 経済産業省、文部科学省、(一社)人工知能学会、(一社)日本ロボット学会 |
開催委員会事務局 | 名古屋市経済局イノベーション推進部次世代産業振興課内 TEL:052-972-2419 Email:a2419@keizai.city.nagoya.lg.jp |
参考:ロボカップジュニア・ジャパン オープン 2024名古屋
ロボカップジュニアの公式サイト
大規模なロボット大会は、モチベーションやプログラミングスキルの向上にもつながります。大会の詳細を確認したうえで、参加を検討してみましょう!ロボカップジュニア・ジャパンの公式サイトはこちら。ロボカップのジュニア部門、ロボカップジュニアジャパンの公式サイト。次世代のリーダーの担い手となるための基礎基本を身につけられる協同学習の場を提供し、競争の先にある協調を目指します。
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ワールドクラスのロボットを見ることができるのも、ロボカップジュニアならでは。大会内では、子ども向けのプログラミング体験やロボット操作体験なども楽しめます。気軽に参加したり観戦したりしやすい大会であるため、お子さまがロボットに興味があるならロボカップジュニアに足を運んでみましょう。