この記事では、日本のeスポーツ市場が世界から遅れをとった理由やeスポーツ人口について解説します。
eスポーツにはどんな種目があるの?
eスポーツとは、コンピューターゲームを競技として捉えた場合の名称のことです。eスポーツには、主に以下のような種目があります。1.MOBA
2.FPS(シューティングゲーム)
3.バトルロイヤル
4.対戦型格闘ゲーム
5.RTS
6.カード対戦ゲーム
ゲーム種目にはシューティングゲーム、格闘ゲームや、カード対戦ゲームなどがあります。現在では国際オリンピック委員会(IOC)がeスポーツをスポーツ活動と認める発言をしており、eスポーツがオリンピック競技になる可能性もあるとされています。
日本のeスポーツ市場が後れをとる背景とは
日本でのゲームの始まりは1970年代頃で、家庭用ゲーム機やゲームセンターのアーケードゲームが主流でした。ゲームを利用して友人との交流を楽しむという文化があった日本では、パソコンを使用せずに十分にゲームをプレーできる環境がありました。それに対し、世界ではインターネットを通じてコミュニケーションできる、パソコンを利用したゲームが主流です。スーパーファミコンやニンテンドースイッチなど、世界でも大人気のゲームを続々と発信している日本でeスポーツが広まらないのは、パソコンの普及率に原因があると考えられています。
13〜15歳の子どもがパソコンを利用しているのは日本では30.3%ですが、アメリカでは84.3%といわれています。eスポーツは無料で利用しやすいものが多くありますが、そもそもパソコンを所持していないためにプレーできない若い世代も多くいることが現状です。こうした背景から、2020年での世界におけるeスポーツ市場はおおよそ1.1兆円といわれていますが、日本は76億円ほどに留まっています。
日本のeスポーツ市場の拡大を阻む法律
世界では1億円以上の優勝賞金が用意されるeスポーツの大会が盛んに開催されていますが、日本では以下のような法律により高額な賞金を出せない現状があります。- 著作権法
- 刑法(賭博罪)
- 興行場法
- 景品表示法
- 風俗営業法
しかし、十分な賞金が出されなければトッププレーヤーの育成が難しい側面があり、日本国内でのeスポーツの盛り上がりも欠ける部分があるといえます。
ゲームを「遊び」だと捉える風潮
子どもが学校から帰ってきてゲームを長時間楽しんでいたら、日本の家庭の多くでは保護者が「ゲームなんかしないで勉強しなさい!」と子どもを叱るでしょう。「ゲームは勉強の妨げになる」という古い価値観は、日本の家庭に根付いているといえます。eスポーツがもたらす多くのメリットには、集中力の向上や想像力・コミュニケーション能力を育む点などが挙げられます。しかし、家庭のなかでeスポーツのメリットやプロリーグで活躍するeスポーツ選手の努力などは知ることが難しいケースもあるでしょう。
また、日本にはeスポーツを「スポーツ」だと認識しない世代が一定層いることも、eスポーツの成長を阻む要因になっています。「汗水流さないゲームをスポーツとは呼べない」と否定的な意見が聞かれるのも、日本の文化的な側面だといえるでしょう。
ゲームのインストールなど設定が難しい
カセットを挿入すればゲームが始められる家庭用ゲーム機に慣れていた日本人にとって、パソコンを利用するeスポーツのゲームは、始めるまでのハードルが高いといえるでしょう。eスポーツのタイトルのなかには、パソコンが高スペックでないと十分に楽しめないものもあります。パソコンのセットアップやソフトのインストールなど、プレーするまでにいくつものステップをクリアする必要があります。パソコンの普及も世界と比較して遅れをとっている日本では、いくつものステップをクリアしてeスポーツを始められる人はほんの一握りだといえるでしょう。