ビットコインはやめたほうがいい？本当なのか仮想通貨を徹底解説

「ビットコインはやめたほうがいい」は本当なのか

インターネットなどでよく目にする「ビットコインはやめたほうがいい」というのは、本当なのでしょうか。

結論を先に申し上げると、本当ではありません。仮想通貨に関する正しい知識を身に付け、しっかりとコツさえつかめれば、ビットコインは初心者であっても資産運用の一つとして有益なものと言えるでしょう。

そもそも日本は投資そのものに対して消極的な傾向があり、仮想通貨の印象をひときわ悪くしている面が否めません。

日米に拠点を持つ仮想通貨取引所「bitFlyer」が過去に実施した日米アンケートによると、日本で仮想通貨の印象が「ポジティブ」と答えた人はわずか22%で、「ネガティブ」と答えた78%を大きく下回っていることが分かりました。これに対して、米国は「ポジティブ」が76％、「ネガティブ」が24％となっており、日本とはほぼ逆転している状態です。

（株式会社 bitFlyer調べ）

とはいえ、先行き不透明な現代にあって、投資は有益な資産形成手段の一つです。このため政府は、投資に対する意識改革を図るべく「資産運用立国実現プラン」を立ち上げ、家計と企業、経済を連動させることによって「成長と分配の好循環」を実現しようとする取り組みが始まっています。
参考：資産運用立国について｜金融庁

ビットコインはやめたほうがいいと言われる5つの理由

ビットコインが「やめたほうがいい」と言われる理由には、主に以下の5つが挙げられます。

• 理由1：価格変動（ボラティリティ）が激しく大損するリスクがある
• 理由2：ハッキングや詐欺の標的になりやすい
• 理由3：税金の仕組みが複雑で税率が高い
• 理由4：ブロックチェーンなど専門技術の理解が難しい
• 理由5：24時間365日取引可能で精神的に疲弊しやすい

それぞれの理由について詳しく解説していきます。

参考：仮想通貨はやめとけ？

理由1：価格変動（ボラティリティ）が激しく大損するリスクがある

ビットコインの最大の特徴の一つが、極めて高い価格変動性（ボラティリティ）です。

株式市場のような値幅制限がないため、1日で数十パーセントの価格変動が起こるケースも珍しくありません。

たとえば、2021年4月には約700万円の過去最高値を記録した後、同年7月には約300万円台まで急落しました。

また、2022年11月にはFTX取引所の破綻により、わずか数日で約300万円から200万円台まで暴落するなど、短期間での大幅な価格変動が頻繁に発生しています。
関連記事：ビットコインの価格推移

上記のような激しい価格変動により、短期間で投資資金の大部分を失うリスクがある点が、「やめたほうがいい」と言われる最大の理由です。

理由2：ハッキングや詐欺の標的になりやすい

ビットコインはデジタル資産であるため、サイバー攻撃やハッキングの標的になりやすいという特徴があります。

過去には多くの仮想通貨取引所がハッキング被害に遭い、利用者の資産が盗まれる事件が発生しています。

また、ビットコインの人気に便乗した詐欺も多発しており、特に以下のような手口が報告されています。


消費者庁でも暗号資産に関するトラブルについて注意喚起を行っており、安易な勧誘に応じないよう呼びかけています。

参考：暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください!｜消費者庁

理由3：税金の仕組みが複雑で税率が高い

ビットコインの利益は税法上「雑所得」として扱われ、最大55%という非常に高い税率が適用されます。

上記は、株式投資やFXの一律20.315%と比べると大幅に高い税率です。

さらに、課税タイミングが複雑で以下のような場合に税金が発生します。


また、損益通算や繰越控除ができず、他の投資で損失が出ても相殺できません。

国税庁の資料によると、確定申告も複雑になりがちで、税務処理の負担が大きい点も問題視されています。

関連記事：お金の勉強
参考：国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて」
参考：国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」

理由4：ブロックチェーンなど専門技術の理解が難しい

ビットコインを理解するには、ブロックチェーン技術やマイニング、ハッシュ関数などの専門知識が必要とされます。

上記の技術的な仕組みを理解せずに投資を行うのは、リスクを正しく判断できないため危険です。

特に以下の概念は初心者には理解が困難とされています。


上記の技術的な複雑さが初心者にとって参入障壁を高くしている点も「やめたほうがいい」と言われる理由の一つです。

理由5：24時間365日取引可能で精神的に疲弊しやすい

ビットコインは、株式市場と異なり24時間365日いつでも取引が可能です。

上記の特徴は、利便性の高さがある一方で、常に価格変動を気にしてしまい精神的なストレスを感じやすいという問題があります。

特に以下のような状況に陥りがちです。


上記のような状態が続くと、睡眠不足や精神的な疲労につながり、日常生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

投資に対する冷静な判断力も失いがちになるため、結果的に大きな損失を招くリスクも高まります。

デメリットだけじゃない！ビットコイン投資のメリットと将来性

ビットコインにはたしかにリスクがある一方で、多くのメリットや将来性も秘めています。

投資判断を行う際には、デメリットだけでなく、以下のポジティブな側面についても十分に理解しておくことが重要です。

• 少額から投資を始められる
• インフレヘッジとしての価値
• 世界中で利用できる決済・送金手段
• 技術革新による将来への期待

少額から投資を始められる

ビットコインの大きなメリットの一つは、少額から投資を始められる点です。

多くの国内仮想通貨取引所では、数百円から数千円程度の少額でビットコインの購入が可能です。

株式投資の場合、銘柄によっては数十万円の初期投資が必要になるケースもありますが、ビットコインなら学生や新社会人でも手軽に始められます。

上記の敷居の低さは、資産運用初心者にとって大きな魅力と言えるでしょう。

また、多くの取引所では積立投資機能も提供されており、毎月一定額を自動的に購入する「ドルコスト平均法」による投資も可能です。

上記のシステムにより、価格変動リスクを軽減しながら長期的な資産形成を行えます。

インフレヘッジとしての価値

ビットコインは、発行上限が2,100万枚に設定されており、インフレヘッジとしての価値が期待されています。

なぜならば、法定通貨と異なり、中央銀行の新たな発行により供給量が無制限に増加するリスクがなく、希少性が保たれる仕組みになっているからです。

近年、世界各国で金融緩和政策により通貨供給量が増加してインフレへの懸念が高まっており、供給量に上限があるビットコインは「デジタルゴールド」とも呼ばれ、価値保存手段としての役割が注目されています。

世界中で利用できる決済・送金手段

ビットコインは国境を越えて24時間365日利用できる決済・送金手段としての価値も持っています。

従来の国際送金では、銀行を経由する場合には高い手数料と長い処理時間が必要でしたが、ビットコインなら比較的低コストで迅速な送金が可能です。

実際に、海外では給与の一部をビットコインでの受け取りを選択できる企業や、ビットコインによる決済を受け入れる店舗も増加しています。

日本国内でも、一部の家電量販店やオンラインショップでビットコイン決済が導入されており、実用性が徐々に高まっています。

また、銀行口座を持たない人々にとって、スマートフォンがあれば利用できるビットコインは重要な金融インフラとしての役割も果たしています。

技術革新による将来への期待

ビットコインの基盤技術であるブロックチェーンは、金融業界だけでなく、さまざまな分野での応用が期待される革新的な技術です。

改ざん不可能で透明性の高い取引記録を実現するこの技術は、今後の社会インフラの基盤となる可能性があります。

さらに、機関投資家による参入も相次いでおり、ビットコインの資産クラスとしての地位が確立されつつあります。

米国では複数のビットコインETF（上場投資信託）が承認され、個人投資家だけでなく機関投資家からの資金流入も期待されています。

上記のような技術的な進歩と制度的な整備により、ビットコインは単なる投機対象から、本格的な投資資産へと進化していると考えられます。

おすすめのビットコイン取引所4選

ここでは、おすすめのビットコイン取引所をご紹介します。

ビットフライヤー

ビットフライヤー（bitFlyer）は、国内ビットコイン取引量で9年連続No.1を誇る信頼性の高い仮想通貨取引所。
初心者から上級者まで幅広いユーザーに支持されており、使いやすさと高いセキュリティが魅力です。

販売所での売買手数料やbitFlyer Crypto CFD（差金決済取引）の取引手数料、一部の銀行からの振込手数料が無料となっており、コストを抑えて気軽に取引を始められます。

また最短5分で口座開設が可能で、仮想通貨取引の第一歩を迅速に踏み出せます。

さらに、創業以来一度もハッキング被害を受けていないという高いセキュリティ水準も特徴。

次世代セキュリティ技術を導入しており、ユーザー資産の安全を徹底的に守っています。

万が一の際にも安心なサポート体制が整っており、取引に不安を感じる方にも安心して利用できるでしょう。

Coincheck

Coincheckは、東証プライム市場上場企業であるマネックスグループを親会社に持つコインチェック株式会社が経営している仮想通貨取引所です。

ビットコインであれば500円から取引を始められ、取引所の取引手数料が無料となっているため、初心者にもおすすめの取引所となっています。

アプリのダウンロード数No.1という実績を持ち、すっきりとしたシンプルなデザインと操作性のいいインターフェイスによって、初心者にも使いやすいのが魅力です。

また取り扱い通貨数が国内最大級なので、豊富な種類から気になるものを選んで取引を始められます。

DMM Bitcoin

DMM Bitcoinは、DMM.coｍグループの株式会社DMM Bitcoinが運営する仮想通貨取引所です。

レバレッジ取引を行える仮想通貨の種類が国内最大級で、現物取引・レバレッジ取引の両方を行いたいと考えている人には特におすすめの取引所となっています。

取引ツールの使いやすさにも定評があり、取引スタイルに合わせて2つのモードを使い分けることができます。

シンプルな「STモード」は初心者向け、従来の高性能な「EXモード」ではPC版取引システムに匹敵する機能を搭載しています。

GMOコイン

GMOコインは、信頼と実績のGMOインターネットグループが運営する仮想通貨取引所です。

これまでの豊富な金融サービスの経験を生かし、堅牢なセキュリティと管理体制によって、大切な資産を守るための安全な取引環境を提供しています。

ビットコイン（BTC）はもちろん、人気のアルトコインを含む26種類の通貨を扱っています。

仮想通貨販売所、取引所はもちろん、暗号資産FX、つみたて暗号資産など豊富な商品が揃っているので、自分の取引スタイルに合ったものを選ぶことができるでしょう。

あなたはどっち？ビットコイン投資が向いている人・向いていない人

ビットコイン投資を始める前に、自分がビットコイン投資に向いているかどうかを判断しておきましょう。

投資スタイルや性格によって、ビットコイン投資の成功率は大きく変わってきます。

以下で紹介する特徴を参考に、自分がビットコイン投資に向いているかどうかを客観的に判断してみましょう。

ビットコイン投資が向いている人の特徴

余剰資金に余裕があり、長期的な視点で投資できる人は、ビットコイン投資に向いています。

価格変動が激しいビットコインは短期的には大きく下落するケースもありますが、長期的に保有することでリスクを分散できる可能性があります。


また、新しい技術やトレンドに興味があり、デジタル資産の将来性を信じられる人もビットコイン投資に向いています。

仮想通貨市場は発展途上の分野であり、技術革新による価値向上の可能性を理解できるかどうかが重要です。

ビットコイン投資が向いていない（やめたほうがいい）人の特徴

生活資金や借金をしてまで投資しようとする人は、ビットコイン投資をやめた方がよいでしょう。

ビットコインは価格変動が激しいため、生活に必要な資金を投資に回すと、日常生活に支障をきたす可能性があります。

さらに、税金の仕組みを理解せず、確定申告の準備ができない人もビットコイン投資には向いていません。

仮想通貨の利益は雑所得として最大55%の税率が適用されており、税務処理を適切に行う必要があります。

投資を始める前に、自分がどちらのタイプに当てはまるかを冷静に判断し、向いていない特徴が多い場合は、まず投資の基礎知識を身につけたり、リスク許容度を高めたりしてから検討するのがおすすめです。

【初心者必見】ビットコインで失敗しないための5つの鉄則

ビットコイン投資で失敗しないためには、以下の5つの鉄則を守ることが重要です。

• 必ず余剰資金で少額から始める
• 「現物取引」から始め、レバレッジ取引は避ける
• 信頼できる国内の仮想通貨取引所を選ぶ
• 二段階認証を設定しパスワードを厳重に管理する
• SNSなどの情報を鵜呑みにせず一次情報を確認する

上記のポイントを押さえておけば、初心者でもリスクを最小限に抑えた投資が可能になります。

必ず余剰資金で少額から始める

ビットコイン投資で最も重要なのは、生活に必要な資金とは別の余剰資金で始めることです。

家賃や食費、光熱費などの生活費や、緊急時に備えた貯蓄とは完全に分けて投資しましょう。

ビットコインの価格は24時間365日変動し続けており、短期間で大きく下落する可能性があります。

生活資金で投資してしまうと、価格が下がった際に精神的なプレッシャーを感じ、冷静な判断ができなくなってしまいます。

初心者の方は、まず月収の5〜10%程度から始めるのがおすすめです。

多くの国内取引所では数百円から投資を始められるため、最初は1,000円〜10,000円程度の少額から様子を見ながら始めてみましょう。

株式投資の方が一般的にはリスクが低いと言われてるため、心配な方は下記記事もご覧ください。

関連記事：AI株価予想アプリランキング
関連記事：株シミュレーションアプリおすすめ

「現物取引」から始め、レバレッジ取引は避ける

仮想通貨取引には「現物取引」と「レバレッジ取引」の2種類があります。

初心者は必ず現物取引から始め、レバレッジ取引には手を出さないようにしましょう。現物取引であれば、最悪の場合でも投資した金額を失うだけで済みますが、レバレッジ取引では投資額を超える損失が発生する可能性があります。

まずは現物取引で経験を積み、市場の動きを理解してから次のステップを検討しましょう。

信頼できる国内の仮想通貨取引所を選ぶ

ビットコイン投資の成功には、安全で信頼できる取引所選びが欠かせません。

海外の取引所よりも、日本の法律に基づいて運営されている国内取引所の選択を強く推奨します。

関連記事：ビットコインは今買うべき？
参考：金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」

金融庁・財務局の登録業者か確認する

必ず金融庁・財務局に登録された仮想通貨交換業者を利用しましょう。

登録業者は厳格な審査を通過しており、利用者保護のための法的要件を満たしています。

金融庁のWebサイトでは、暗号資産交換業者登録一覧を公開しているため、利用予定の取引所が登録されているか必ず確認してください。

セキュリティ対策が強固か確認する

取引所のセキュリティ対策も重要な選択基準です。

取引所を選ぶ際は、以下の項目を確認しましょう。


上記の対策が整っている取引所を選べば、ハッキングや不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。

二段階認証を設定しパスワードを厳重に管理する

アカウントのセキュリティ強化は投資家自身の責任です。

取引所のアカウント開設後は、必ず二段階認証を設定しましょう。

二段階認証には以下の方法があります。


最も安全性が高いのは、認証アプリを使用した方法です。

SMSは電話番号の乗っ取りリスクがあるため、可能な限り認証アプリを選択してください。

パスワード管理については以下の点に注意しましょう。


参考：パスワードの作り方

SNSなどの情報を鵜呑みにせず一次情報を確認する

SNSやYouTube、個人ブログなどの情報を鵜呑みにせず、必ず一次情報を確認する習慣をつけましょう。

仮想通貨市場では、誤った情報や意図的な操作を目的とした情報が拡散されるリスクがあります。

以下の信頼できる情報源の例を参考に、信用できる情報か精査しましょう。


特に「必ず儲かる」「今すぐ始めないと損」といった煽り文句を使った情報には注意が必要です。

投資にリスクはつき物であり、確実な利益を保証する投資は存在しません。

また、著名人を装った偽アカウントによる投資勧誘も頻発しています。

DMで投資話を持ちかけられても絶対に応じず、公式アカウントの認証マークを確認するなど、慎重に判断してください。

情報収集を行う際は、複数の信頼できるソースから情報を取得し、自分なりに分析・判断する意識が重要です。

他人の意見に流されず、自分の投資方針に基づいた決断を心がけましょう。

ビットコインに関するよくある質問

Q. 今からビットコインを始めても儲かりますか？

ビットコインに限らず、投資において「確実に儲かる」ということはありません。

投資には必ずリスクがともない、元本割れの可能性があると理解しておきましょう。

ただし、ビットコインは以下のような特徴から、長期的な価値向上が期待されています。重要なのは、余剰資金で少額から始め、長期的な視点で投資を行えるかどうかです。

短期的な利益を狙うのではなく、分散投資の一部として位置づけることをおすすめします。

Q. ビットコインの税金はいつ発生しますか？

ビットコインの税金は、利益が確定したタイミングで発生します。

具体的には以下の場合に課税対象となります。税率は雑所得として総合課税の対象となり、他の所得と合算して計算されます。

年間の所得金額に応じて15％から55％の累進税率が適用されるため、大きな利益を得た場合は税負担も重くなります。

なお、年間の雑所得が20万円以下の場合（給与所得者）は確定申告が不要ですが、20万円を超える場合は確定申告が必要となります。

詳細については国税庁の暗号資産に関する税務上の取扱いをご確認ください。

Q. どの仮想通貨取引所がおすすめですか？

仮想通貨取引所を選ぶ際は、金融庁に登録された仮想通貨交換業者から選ぶことが最も重要です。

以下の観点から比較検討をおすすめします。特に初心者の方は、操作が分かりやすく、少額から取引を始められる取引所を選ぶことが大切です。

また、複数の取引所に口座を開設してリスクを分散させるのも有効な手段です。

取引所選びで迷われた場合は、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧を参考に、登録業者の中から自分に合った取引所を選択しましょう。

「ビットコインはやめたほうがいい」は本当？まとめ

インターネットなどで「ビットコインはやめたほうがいい」と言われることもありますが、ビットコインを初めとする仮想通貨は、資産運用の一つとして将来性の高いものであり、必ずしも「やめたほうがいい」と忌避されるべきものではありません。

ボラティリティが高い、技術面が難しい、ハッキングリスクがある、税金の仕組みが難しいなどといったネガティブな側面はあるものの、正しい知識を身に付け、リスクを回避して運用することで、安定した資産として将来的に活用していけるでしょう。ビットコイン(仮想通貨)以外に株シミュレーションなども検討してみてもいいでしょう。