しかし中には驚くほど授業料が安い塾もあり、なぜサービスを安く提供できるのか気になることもあるでしょう。
そこで今回は、授業料が安い塾について、その理由や注意すべき点などを解説します。
授業料が安い塾がある理由
塾を継続する上で大切な要素はいくつかありますが、塾代も重視すべき項目です。なるべく授業料が安くて良い塾を探したいところですが、一方で他の塾と比較して授業料が安い場合、講師の質や学習支援の手厚さに対して不安を感じることもあるでしょう。
まずはなぜ授業料を安くできるのか、その理由を解説します。
オンラインで運営しているから
授業料が安い塾の多くは、オンライン授業などなるべくコストのかからない運営方法を採用しているケースが大半です。近年普及してきたオンライン塾では、教室を持たないことで家賃や光熱費などの固定費や管理費を抑えています。このように、運営費用のコストカットに努めることで安価な授業料を実現している塾もあります。
別の事業で利益を出しているから
塾の中には大手グループの傘下に属しているケースもあります。安定した経営基盤により、安価で質の良い授業を提供できている場合もあります。また、別事業で利益を出しているため塾事業には利益を求めず、授業料を安くしていることも。
全国展開の大手塾が新形態として始めたオンライン塾なども、その規模を活かすことによって授業料を抑えられている場合もあります。
塾の公式ホームページなどで運営会社の事業を調べてみると、塾とは全く無関係な事業を運営しているケースも珍しくありません。
口コミや評判で生徒を募り広告宣伝費を抑えているから
個人経営の塾などでは、テレビCMやWEB広告などの広告宣伝費を抑えることで授業料を安く設定している場合もあります。知名度が高くないのに運営が成り立っている塾は、口コミや在校生からの評判で生徒が集まっていることも多く、熱心な指導が期待できるかもしれません。
授業料が安くても入塾を控えるべき塾の特徴
塾の授業料に規定やルールはなく、それぞれの塾が個別に設定しています。そのため、提示された金額だけで良し悪しを判断することはできません。塾選びの際は、同じように授業料が安くても良い塾がある一方で、入塾を控えるべき注意したい塾があることも念頭に入れておきましょう。
ここでは、授業料が安くても入塾を控えるべき塾の特徴を紹介します。
季節講習費などの追加オプションを執拗に進められる
基本の授業料は安いものの、季節講習費や教材費など追加オプションの料金を高く設定している塾もあります。授業料が安いと思っていても、ほとんど強制的に追加費用がかかって結局費用が高額になるケースもゼロではありません。
個別説明会や無料お試し授業に行った際に、オプションを執拗に勧められる場合は注意したほうが良いでしょう。
講師の質が低い
授業料が安い塾の場合、学生アルバイトや経験の少ない講師を安く雇うことで人件費を抑えていることもあります。全国展開の大手塾などネームバリューがある塾でも、教室によっては講師の質に疑問が残ることもあるでしょう。
いくら授業料が安いといっても、質の良い授業を受けられないために学習成果が表れないようであれば意味がありません。
入塾を検討する際には、体験授業などを通じて在籍講師の質もしっかり確認しましょう。
1コマの時間が短い
塾の公式ホームページや広告などに記載されている授業料は1コマごとの金額を提示しているケースもあります。授業料が安いと思って入塾したものの、1コマあたりの時間が十分でなく複数コマの選択を求められ、結局は授業料がかさんでしまうことも起こり得ます。
あらかじめ受けたい科目数や1受講あたりの時間目安を計算し、授業料の概算を見積もってもらいましょう。
学習支援やサポート制度が十分ではない
塾のサポート制度と言えば、欠席時の振替授業無料や好きな時に学習できる自習室の提供、メンターによる個別の学習進捗サポート、授業動画が見放題などさまざまです。授業料の安い塾の中には、必要最低限のサポートしか提供していなかったりサポートを受けるために追加費用がかかったりすることも。
求めるサポートは人によって異なるため、事前にサポートの種類や充実度を確認しておきましょう。
オンライン塾と対面塾の違い
インターネットが普及している昨今、塾選びでは「オンラインか対面か」で悩むシーンもあるでしょう。安い塾を選びたいご家庭に向け、オンライン塾・対面塾のメリットや特徴について詳しくご紹介します。オンライン塾の特長
オンライン塾は、オンラインでの授業を提供している学習塾です。スマホやパソコン・タブレットなど、カメラとマイクが付いたデジタルデバイスがあれば受講できます。オンライン塾のメリットは、自宅で質の高い授業を受けられること。通塾の必要がないため、保護者も子どもも時間に追われる心配がありません。オンデマンド型であれば学習時間のしばりもなく、ご家庭の都合に合わせた効率的な学習が可能です。
注意点は、学習に対するモチベーションの維持が難しいこと。自宅での学習は緊張感に欠ける上、勉強の妨げになる誘惑も少なくありません。自主的に勉強できる子どもでないと、思ったほどの学習効果を得られない可能性があります。
対面塾の特長
対面塾は、生徒と講師が直接顔を合わせて授業に臨む学習塾です。集団・個別式があり、集団塾は学校の授業スタイルと変りません。教室に「学習する」という雰囲気が醸成されやすく、子どもは緊張感を持って授業を受けられます。対面塾のメリットは、生徒と講師がリアルタイムでコミュニケーションを取れること。生徒は分からないことをすぐに質問できるので、学習が止まる心配がありません。
また講師は生徒の様子がよく見えるので、子どもが学習を理解しているのか・どこが分からないのかの把握が容易です。ブラウザ越しではかなわない質の高いコミュニケーションにより、生徒の気持ちや学習レベルに寄り添った授業が可能となります。
対面塾のデメリットは、通塾の手間がかかること・家庭の都合を優先しにくいことです。
対面塾では、授業時間が厳密に決まっています。塾に遅れないよう、他の都合を塾に合わせなければなりません。塾が遠距離の場合は保護者の送迎が必須となるため、保護者も塾に合わせた予定の作成が求められます。
質が高くて安い塾を選ぶポイント
「塾 安い」などで検索すると、安かろう・悪かろうの塾がヒットするリスクがあります。塾を選ぶときは基準を設定し、料金だけを見ないことが大切です。質が高く、かつ料金に納得できる塾を選ぶコツをご紹介します。
長く塾を運営している
塾選びでは「創業年」もチェックしてみてください。学習塾はさまざまあり、質が悪いものは淘汰されます。長期間安定して運営を続けている塾は、一定レベル以上の教育の質が担保されていることがほとんど。創業したばかりの塾と比較すると、サービスの信頼性は高いといえます。
また運営期間が長い塾は、地域や業界とのコネクションが強固になる傾向です。受験についても実績に基づくデータを保有しているケースが多く、指導の質・情報の質に信頼が置けます。
特に中学受験・高校受験・大学受験では、情報の量や質が受験の成否を左右することが少なくありません。老舗の塾ならではの高精度な受験テクニックやノウハウ・豊富な受験情報が、心強い味方となってくれるでしょう。
体験授業に参加できる
実際のところ、どれほど多くの口コミや紹介記事も実体験にはかないません。塾を選ぶときは体験授業に参加して、子どもとの相性を測りましょう。体験授業でチェックしたいポイントは、以下のとおりです。
- 授業が分かりやすいか
- 生徒・講師間のコミュニケーションは活発か
- 教室または授業の雰囲気がよいか
- 学習環境・設備は適切か
- 料金システムに納得できるか
- 通塾ルート・時間は適切か
- 保護者や子どもへのサポートがあるか
ただし上記をクリアした安い塾でも、子どもが嫌がっている場合はおすすめできません。
子どもが嫌がる塾は、すなわち子どもとの相性が悪いということ。「行きなさい」「行きたくない」という不毛なやり取りで消耗したくないなら、まずは子どもの意見を確認するのがおすすめです。
高校生は大学受験の情報を入手できるかチェックする
高校生は、大学受験に強い塾を選ぶことが大切です。近年は受験システムが複雑化しており、志望大学ごとに対策を練ることが必須となっています。受験情報の有無が合否に影響を与えるシーンは多く、「大学受験で情報弱者にならないこと」は非常に重要です。
志望大学が決まっていない場合は、受験対策特化チームを持つような大手塾がおすすめ。マイナーな大学についても情報を持っているケースが多く、子どもの学力や希望に合う大学を提案してもらえます。
一方志望大学をすでに絞り込んでいる場合は、その大学の合格実績が豊富な塾を選びましょう。合格者が多いということは、受験に通用する情報やノウハウを持っているということ。大学受験に向けて、効率的に学力を高めていくことが可能です。
小学生・中学生は家から近くの塾を選ぶのがおすすめ
小学生・中学生は、通塾にかかる時間が短い塾がおすすめです。公共交通機関を利用する場合でも、20~30分以内で探しましょう。家から遠い塾を選んでしまうと、送迎に時間と手間がかかります。特に小学校高学年や中学生は、遅い時間に授業が設定されることが少なくありません。帰宅に時間がかかると必然的に食事や入浴・就寝が遅くなり、子どもの成長に悪影響を及ぼすリスクがあります。
ただしレベルの高い中学・高校を目指す場合は、近所の塾では物足りないかもしれません。多少遠方でも学習支援が充実している塾の方が、受験するときのアドバンテージは大きくなります。
安い塾を選ぶときは、家庭のニーズや志望校との兼ね合いを熟慮してください。
5教科の授業に対応している
受験のために塾に通う場合は、主要5教科に対応できる塾がおすすめです。国語や数学特化の塾は安価ですが、学力がアンバランスになってしまうリスクがあります。受験での合格率を高めるなら、学力に大きな凸凹が発生しないようにすることが大切です。
「うちの子どもは数学以外は得意」「英語だけが悪い」などの場合は、特化型ではなく個別指導の塾を選択しましょう。個別指導の塾なら、学習プランは個々の学力に合わせて最適化されます。「数学重視」「国語重視」で進めつつ、試験前は5教科をフルで学ぶ……などが可能です。
授業料が安いおすすめ塾
ここでは、授業料が安いおすすめ塾を紹介します。最近ではオンライン塾も増えてきています。
そら塾
そら塾は、圧倒的にリーズナブルな料金と充実したサポートで人気のオンライン個別指導塾です。
そのコストパフォーマンスの高さは、システム利用料やテキスト費用、振替授業料などの追加料金を含めても他社の授業料と同等になるほど。
講師は首都圏有名大学の学生中心ですが、先生満足度94.3%と高い評価を得ているため、授業の質も担保できていると言えるでしょう。
また、オンライン塾でありながらも塾生が集える講師駐在のオンライン自習室が解放されており、仲間と切磋琢磨して学習を進められる環境が用意されているのも特徴です。
塾名 | そら塾 |
対応学年 | 小学生・中学生・高校生 |
費用 | 5,400円(税込)~/月 |
対応教科 |
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サポート内容 |
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トライのオンライン個別指導
トライのオンライン個別指導は、質の高いサービスで有名なトライの家庭教師で培ったノウハウを活かしたオンライン個別指導塾です。
低価格で高品質な授業が提供されることはもちろん、120万人の指導実績に基づく「トライ式学習法」を基にした指導を全国どこからでも受講できる点が魅力。
また、生徒1人ひとりに対して正社員の教育プランナーが担当につき、学習をサポートしてくれます。具体的には学習計画の立案や地域の受験情報の提供、進路相談など。
年会費・更新費が不要なこともあり、気軽に試してみることができるでしょう。
塾名 | トライのオンライン個別指導 |
対応学年 | 小学生・中学生・高校生 |
費用 | 入会金:11,000円(税込) 【一例】
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対応教科 | 相談可 |
サポート内容 | Zoomによる双方向授業 |
ナビ個別指導
ナビ個別指導は、1対2の個別授業を基本とする学習塾です。オンライン授業にも対応しており、全国どこからでも質の高い授業を受けられます。学習スタイルは、学校の授業を先取りして進めていく予習方式。授業では予習型授業向けに開発されたオリジナルテキストを使用して、より一歩進んだ内容を学んでいきます。学校での授業がスムーズに頭に入り、子どもの自己肯定感・やる気を維持しやすい仕組みです。
またナビ個別指導は、「ほめて伸ばす」ことを重視しているのも見逃せないポイント。講師は子どもの小さな頑張りを見逃さずほめてくれるので、子どもの学習モチベーションが下がりません。
勉強が楽しくなることで、子どもは自主的に勉強に取り組むようになります。
塾名 | ナビ個別指導 |
対応学年 | 小学生・中学生・高校生 |
費用 | (週1回)
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対応教科 |
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サポート内容 |
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授業料の安い塾は、安い理由を調査することが大切!
学習習慣を身につけ成績向上を実現するためには、何よりも学習を継続することが不可欠です。無理なく通塾を継続するためには、なるべく授業料が安くて良い指導が受けられる塾を選びたいもの。
しかし安い塾の中には、通塾を検討すべき塾もあります。塾選びの際は安さの理由を確認するとともに、学習支援の手厚さや通塾にかかるトータル費用を確認しておくことも大切です。
ぜひ今回の記事を参考に、高いコストパフォーマンスを期待できる安い塾を探してみてください。