技術スキルは勤務時間外に育つ!仕事の外で勉強するエンジニアのキャリア戦略
変化の早い技術の世界では、日々の業務だけでは追いつけないことも多く、自らの意思で学び続ける姿勢が欠かせません。「好きだからこそ学ぶ」――それこそが、エンジニアに最も必要な資質であるとも言えます。
この記事では、仕事の外で学ぶことがなぜエンジニアの技術力を支え、未来のキャリアを切り開いていくのか、その実態とヒントを掘り下げていきましょう。
「成長するエンジニア」の共通点は?
成長し続けるエンジニアに共通するのは、最先端技術からニッチな分野まで、興味を持ったことに対して地道に学び続ける姿勢です。それを裏付ける、興味深い調査結果をご紹介します。スキルアップ研究所が2025年1月に公表した「エンジニアのリスキリングに関する実態調査」です。

この調査によると、エンジニアの約半数が「就業時間外でスキルアップに取り組んでいる」と回答しています。
さらに「自らのエンジニアとしての技術を向上させることに関心はありますか」という質問に対しては、9割超の人が「ある」「どちらかといえばある」と回答しており、エンジニアのスキルを磨くことに対する熱量が伝わってきます。
このことからも分かるように、成長し続けているエンジニアの多くは、仕事の外でも自分なりの学びを積み重ねています。業務中に得られる経験はもちろん重要ですが、「それだけでは足りない」と感じ努力する人が、次のステージへと進んでいるのかもしれません。
技術は仕事時間だけでは磨けない
エンジニアとして働いていると、業務の中で技術を学べる機会は確かに多くあります。タスクをこなすなかで、新しいライブラリや設計パターンに触れることもありますし、最近ではAIを使ってコードを書く場面も増えてきました。私も業務でAIエージェントを活用していますが、「へえ、こんな書き方があるんだ」と驚いたり、「こんな便利なモジュールがあるのか」と新たな発見をすることもしばしばです。
ただ、そうした気づきをその場でじっくり掘り下げられるかというと、実際のところはなかなか難しいものです。「もっと理解したい」「動作の仕組みを調べてみたい」と思っても、目の前のタスクを優先しなければなりませんし、納期までにテストを終わらせる必要もあります。
結果として、手を動かせるのは業務が終わった後や、仕事が始まる前の朝の時間になることが多くなります。でも、そういった時間こそが貴重なインプットとなり、業務の中でも、あるいは業務外でも、自分でも気づかないうちに力になっていると感じます。
「健全な公私混同」の話
以前、エンジニアのキャリアについてのカンファレンスで、登壇者の一人が「健全な公私混同」という言葉を使っていたのがとても印象的でした。「技術を深めたい」という気持ちがあると、自然とプライベートな時間にも学びが広がっていきますが、それは誰かに強制されたわけではなく、ブラック残業でもなく、純粋に「好きだから」「楽しいから」「もっと知りたいから」取り組んでいるもの。今も昔も、多くのエンジニアがそうやって技術を高め合ってきたんですよね。
勤務時間の枠だけにとどまらず、仕事の外でも“好き”を突き詰めていく姿勢こそが、エンジニアにとって未来へとつながる大きな強みになるのでしょう。
エンジニアが仕事の外でスキルを伸ばすには?
エンジニアが勤務時間外でスキルアップするには、スクールや勉強会、独学などの方法が効果的です。やみくもに手を動かすだけではなかなか成果につながらないため、効率的にスキルを伸ばせる方法を選びましょう。スクールに通う
学びの手段として、最も分かりやすく成果につながりやすいのがスクールの活用です。カリキュラムが整っており、プロの講師が指導してくれるため、学習の方向性に迷うことが少なく、効率よく技術を習得できます。冒頭で紹介したエンジニアのスキルアップに関する調査でも、「リスキリングに取り組めない理由の多くは“時間のなさ”にある」とされています。つまり、エンジニアにとって勉強時間の確保は大きな課題なのです。
その点、スクールに通うことで「強制的に学ぶ環境」が手に入り、学習に集中しやすくなります。お金はかかりますが、それは「時間をお金で買う」という考え方にも通じます。また、受講料を払っているぶん「元を取らなきゃ」という意識が働き、モチベーション維持にもつながるでしょう。
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勉強会やカンファレンスに参加する
「勉強はしたいけど、モチベーションが続かない」――そんな方におすすめなのが、勉強会や技術カンファレンスへの参加です。同じようにスキルアップを目指す仲間との交流は刺激になりますし、有識者による視座の高い話からは、多くの気づきが得られます。私自身、ライター副業を始めてから技術カンファレンスに触れる機会が増えましたが、聞けば聞くほど知見が積み重なっていて、毎回感動しています。たとえ今の業務に直結しない内容でも、最新技術や業界のトレンドを知ることは、エンジニアとしての視野を広げるうえで非常に重要です。
書籍やオンライン教材で独学する
一人でコツコツと学ぶのが得意な人には、書籍やオンライン教材を通じた独学がおすすめです。仕事が終わったあとや通勤時間、休憩時間など、スキマ時間を活用して少しずつ学びを積み重ねることで、確実に知識が蓄積されていきます。私は技術書を読むのが好きで、よく書店や電子書籍で新しい本を手に取っています。今読んでいるのは『ハッキングを始める本』。子どもたちには「何読んでるの…?」とドン引きされましたが、普段はなかなか関われないセキュリティ領域について学べるのがとても面白いです。
最近はChatGPTを活用することで、環境構築の疑問やエラーの原因もその場で質問できるようになり、独学のハードルがグッと下がったと感じています。生成AI時代、独学する人にとっては、自分のペースでじっくり学べる、いい時代が来たなあと実感しますね。
私の場合──ライター副業で強制的に学ぶ
私は現在、エンジニアとして働く一方で、副業としてライターの仕事もしています。実はこの「書く」という仕事が、技術スキルを磨くうえで大きな役割を果たしてくれているのです。例えば技術カンファレンスのレポートを書く際には、登壇者の発言を正確に理解し、背景にある技術や用語を掘り下げて調べる必要があります。またAIやプログラミング言語、開発ツールに関する記事を執筆するときも、自分が知らなかった分野に関する勉強が不可欠です。
こうした作業を繰り返すうちに、自然と技術への理解が深まり、知識の引き出しが増えていくのを実感しています。
もちろんすべての人に副業が合うわけではありませんが、私のように「強制的に学ばざるを得ない環境」を作り出すという意味でも、エンジニアが副業に挑戦してみる価値は十分あると思います。
2018年に副業禁止が解禁されて以降、会社員(正社員)として働きながら副業に取り組み、収入UPを図る人は増えてきています。今はまだ取り組んだことがなくても、興味・関心を持っている人は少なくないはず。そこで生じるのが「どの副業がおすすめなのか」という悩み。せっかく始めるからには、確実に収入を増やせる副業を始めたいと思うのは当然のことです。この記事では「正社員におすすめの副業」を5つご紹介します。
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「仕事の外の学び」で未来のキャリアを広げよう
エンジニアとしてキャリアを築いていくうえで、日々の業務だけに頼った学びにはどうしても限界があります。だからこそ「仕事の外」での学びが、技術力や専門性を深めるうえで欠かせません。スクールに通って体系的に学ぶのも、仲間と交流しながら刺激を受けるのも、一人でじっくりと知識を積み重ねていくのも、すべて立派なスキルアップの手段です。副業やアウトプットの場を持つことで、学びを実践に結びつけるチャンスも広がります。
何をどう学ぶかに正解はありません。大切なのは、「今の自分にとって何が必要か」を見つめ直し、自分なりのペースで学び続けること。変化の激しい時代だからこそ、仕事の枠を超えた学びによって、将来のキャリアの可能性を広げましょう。
WRITERこの記事を書いた人
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