この記事では、NFTとイーサリアムの関係性やNFTを作れるイーサリアム以外のブロックチェーンなどをわかりやすく紹介します。
NFTとイーサリアムの関係性
NFT作品を作る際には、イーサリアムと呼ばれるプラットフォームが必要です。イーサリアムの最大の特徴は「スマートコントラクト」を利用できること。スマートコントラクトとはブロックチェーン上に保存された改竄が不可能なプログラムで、NFTの取引のルールが定められています。この「改竄不可能な」取引履歴により、NFTは誰が発行したものかを誰でも確認できて、「定められた取引のルール」に従いさえすれば誰でも取引ができるという特性により、NFTは資産としての価値を得ることができるようになったのです。これによって、アート作品やゲーム内のコンテンツ、音楽やゲーム内の家などのデジタルコンテンツがインターネット上で高値で取引されるようになりました。
NFTゲームのなかでも注目を集めたのは、2017年にリリースされたCryptoKitties(クリプトキティーズ)です。CryptoKittiesにはイーサリアムが活用されており、ゲーム内の猫を売買することができます。
イーサリアムの3つの特徴
ここでは、イーサリアムの3つの特徴を説明します。ビットコインと比較して、スマートコントラクトを利用してDapp(s)を作りやすい
ビットコインが売買や取引に使われる通貨や資産として作られたのに大して、イーサリアムはスマートコントラクトという分散型の取引ルールを定めるプラットフォームとして作られました。このブロックチェーンプラットフォームの名称がイーサリアムであり、イーサリアム上で取引に使われる通貨がETH(イーサ)ですが、日本では通貨についてもイーサリアムと呼ばれています。スマートコントラクトを用いて作られた分散型アプリケーションをDapp(s)と言い、世界中でさまざまなDapp(s)がイーサリアム上に作られています。代表的なもので規格も定められているものに、トークンを発行して資金を調達する仕組みであるICO、仲介者なしに資金の貸し借りをする仕組みであるDeFi(ディーファイ)、そしてデジタルデータを取引可能にするNFTなどがあります。
参考:ビットコインはやめた方がいい?
他のスマートコントラクトチェーンと比較し、人気がある
イーサリアムは、以下の点で非常に人気があります。- 時価総額
- 所有者も多い
- 開発者も多い
積極的なアップデートが行われている
イーサリアムに限らず、ブロックチェーンには取引の承認に時間がかかり大量の処理に向いていない、利用者が増えると手数料が高額になってしまう、データが肥大化しやすいなど、さまざまな課題があります。そこでイーサリアムは課題解決のためのロードマップを用意しており、開発者コミュニティが大変活発かつ精力的に活動しています。その結果、イーサリアムは他のブロックチェーンと比べて大規模な改修が行われるなど、周辺技術の開発も盛んに行われるようになりました。
なお、ビットコインは取引の承認のために「マイニング」と呼ばれる大量の計算を行なっていますが、2022年にはイーサリアムではこの計算による承認(プルーフ・オブ・ワーク)から所有比率に応じた検証者による承認(プルーフ・オブ・ステーク)への移行が予定されています。
NFTで取引をする際、ガス代という手数料がかかる
NFTの売買を行う際、ガス代と呼ばれる手数料が必要となります。イーサリアム上で取引を行う際、ガス代が発生することが特徴です。発生したガス代は、マイニングと呼ばれる取引データを承認する作業を行うマイナーと呼ばれる人に振り込まれます。ガス代の単位はGweiであり、1Gweiあたり0.000000001イーサリアムと言われています。なお、要求する処理スピードに伴い、ガス代は変動します。高速で取引を完了させたい場合はガス代は高くなり、処理スピードが遅めならガス代は安くなります。
ガス代は常に変化しており、安いタイミングを見計らって取引しても良いでしょう。また、NFT取引のプラットフォームによっては、NFT発行の時や自分のウォレットにNFTを移す時のみガス代がかかり、購入時にはガス代がかからないこともあります。
Coincheckでは、出品時及び購入時のガス代が無料ですので、利用してみるのも良いでしょう。
NFTを作れるイーサリアム以外のブロックチェーン
NFTは、イーサリアム以外のブロックチェーンでも作ることが可能です。ここでは、NFTを作れるイーサリアム以外のブロックチェーン3種類を説明します。Polygon(Matic)
Polygonは、Proof of Stakeと呼ばれる方式が採用されているブロックチェーンです。Polygonは、手数料が高騰したり処理遅延したりするイーサリアムの問題を解決するブロックチェーンとして誕生しました。安価で高速処理が可能なPolygonは、NFTのなかでも扱いやすいブロックチェーンであると高い評価を得ています。そのため、多くのNFTマーケットやNFTゲームにおいても、Polygonは採用されています。時価総額ランキングは2022年5月時点で21位であり、価格は右肩上がりに上昇している傾向があります。このような背景から、世界中の投資家や企業からPolygonは注目を集めています。
FLOW Blockchain
FLOW Blockchainは、「CryptoKitties」と呼ばれるNFTを利用したゲームを作成したDapper Labsが開発したことで有名です。FLOW Blockchainは、デジタル資産を扱うことを目的に開発されており、高速処理できることが特徴です。環境負荷が少ないProof of Stakeによって生成されているFLOW Blockchainには、以下の特性があります。
- アカウントと鍵ペア(公開鍵)を分離できる
- アカウントを作成する際にトランザクションが必要
- 世界のどこでも数秒で決済を完了できる
Polkadot
2020年にブロックチェーン同士をつなぐことを目的として開発されたのは、Polkadotです。上場したばかりにも関わらず、注目度の高さから時価総額ランキングは2022年5月時点で10位となっています。非中央集権型と呼ばれる情報漏洩や不正アクセスのリスクを軽減するために、ユーザー同士が個人情報を分散管理できることをPolkadotは目指しています。また、高速処理を可能にするために、PolkadotはParachainと呼ばれる並列化されたブロックチェーンが採用されています。セキュリティ性能が高いPolkadotは多くの投資家からも信頼を得ており、様々なブロックチェーンゲームやアプリが利用するプラットフォームがPolkadotを利用するなど今後の利用拡大が期待されています。