こうしたNFT化されたアート作品やコンテンツを取引するのがNFTマーケットプレイス(取引所)です。
今では一般ユーザーも気軽に出品できる取引所もあります。一方でスポーツや音楽、アートなどに特化したマーケットプレイスもあります。そして取引のできるプラットフォームは年々増えており、続々と新規企業が参入しています。
今回はNFTを取り扱うマーケットプレイスの中から、日本円でも利用できるところと海外でも有名なプラットフォームを厳選してご紹介します。あわせてNFTマーケットプレイスを利用する際の注意点等も掲載しているので参考にしてください。
*本記事は暗号資産等の専門家による監修を受けた上で執筆・公開しています。
*2022年6月更新
NFTマーケットプレイス一覧
主な取扱い ジャンル |
利用できる 暗号資産 |
円の対応 | 販売手数料 | |
海外 | ||||
OpenSea | アート ゲーム トレーディングカード ミュージック その他 |
イーサリアム(ETH)/ WETH、USDC、およびDAI | なし | 2.5% |
Rarible | アート ゲーム ミュージック 写真 |
イーサリアム WETH | なし | 2.5% |
SuperRare | アート | イーサリアム | なし | 3% |
Nifty Gateway | アート | イーサリアム | クレジットカード | 5%+30セント |
国内 | ||||
Adam byGMO | アート | イーサリアム | クレジットカード 銀行振込 |
3%〜5% |
NFT Studio |
アート | Polygon(Matic) | クレジットカード (ドル建て) |
未公開 |
Coincheck NFT(β版) | アート ゲーム トレーディングカード ファッション |
イーサリアム ビットコイン他 | なし | 10% |
ユニマ | アート 動画 |
—— | クレジットカード 銀行振込 |
15〜30% |
nanakusa | アート 音楽 動画 |
イーサリアムPolygon(MATIC) | クレジットカード | イーサリアム 約1200円、 Polygon 0.37円 |
HABET | デジタルトレーディングカード | —— | クレジットカード | 0円 |
LINE NFT | NFTアイテム | LINK | LINEPay | 0円 |
NFTのマーケットプレイス/取引所とは

NFTによって、1点モノであることが証明されたデジタルデータや作品等を出品・販売・購入できるのがマーケットプレイスです。NFT市場ではこうした取引所をマーケットプレイスと呼ぶことが多いですね。
扱うアイテムはさまざまですが、マーケットプレイスによって取扱品目が違います。NFTアートに特化したマーケットプレイスもあれば、多品目を扱うマーケットプレイスもあります。
NFTとは
NFTとは(Non Fungible Token)を略した言葉です。改ざんが困難なブロックチェーン技術によって、デジタルデータの希少性を担保し、所有者や履歴を記録し、データやアイテムをひとつの資産として所有することができます。NFT取引所/マーケットプレイスでできること
NFTマーケットプレイスでできること- NFTを作成し出品(発行)する
- 作成したNFT作品を販売する
- NFT作品を購入する
- 購入したNFT作品をさらに販売(二次販売)する
*承認されたクリエイターのみ出品できるマーケットプレイスもあります。
円が使えるおすすめNFTマーケットプレイス
Coincheck NFT(β版) (コインチェック NFT(β版))

- ユーザー同士でNFTと暗号資産の交換取引ができる
- Coincheckの口座を持っていればネットワーク手数料無料で取引できる
- 『CryptoSpells』『The Sandbox』『The Meebits』『Decentraland』『Otherside』5タイトルのゲーム内アイテム取扱可能
仮想取引所であるCoincheckの口座があれば、NFTの出品・購入・保管が可能であり、さらに出品・購入にかかるネットワーク手数料(Gas代)も無料です。
2022年5月には、アルゴリズムや数学的手法などから生まれる偶然性を取り入れ作られるアート作品『Generativemasks』が出品され話題になりました。取扱タイトルも日々増えており、注目のマーケットプレイスのひとつです。
Adam by GMO(アダム バイ ジーエムオー)

- イーサリアムのほか日本円にも対応
- 二次販売も可能
- 口座振込やクレジットカード払いもできる
Adam by GMOでは、K-1動画、YouTuberヒカルなど人気のコンテンツ、多くのデジタルアート作品を取り扱っています。また二次販売も行っています。
NFT Studio(NFT スタジオ)

- SNSからもログインできる
- クレジットカード決済が利用できる
ブロックチェーンゲームの「クリプトスペルズ」を運営している日本のCryptoGamesが運営するマーケットプレイスです。SNSからログインできることや暗号資産を利用しなくても使えるので、初心者にも使いやすいプラットフォームとなっています。
STU48のトレーディングカードが初出品されるなど話題のアイテムが豊富です。
ユニマ

- オークション形式
- クレジットカードや銀行振込による日本円での決済が可能
- デジタルアイテムをユニマ内でNFTに生成しそのまま販売できる
著名作家の初稿ゲラ(作家が最初に出した原稿で担当編集者のコメント等が入っている)の販売、キャンディキャンディで有名な漫画家いがらしゆみこさんのコンテンツ、さらに位置情報連動型ゲーム「駅メモ! Our Rails(略称:アワメモ!)」で駅のオーナーになる、など興味深いアイテムが出品/出品予定です。
nanakusa(ナナクサ)

- 著作権や真正性が保護されたNFT作品(アートや音楽、動画など)を自由に購入可能
- 購入した作品はマーケット内で二次販売できる
- 決済はETH(イーサリアム)、Polygon(MATIC)の他に、クレジットカード決済あり
さらに購入した作品はマーケット内で二次販売可能なため、収益化の手段としても有効です。決済はETH(イーサリアム)、Polygon(MATIC)の他に、クレジットカード決済でも購入可能です。
HABET(ハビット)

- デジタルトレーディングカードを自由に「発行」「売買」「閲覧」できる
- 世の中に一枚しかないユニークカード、シリアル番号付きのカードセットを購入できる
- HABET独自の技術により、NFT発行手数料0円
HABETでは、クリエイター、インフルエンサー、アイドル、アスリート、アーティスト、ゲーム、アニメなど幅広いジャンルの人物やキャラクターのデジタルトレーディングカードを自由に「発行」「売買」「閲覧」できるようになります。
HABETでは、世の中に一枚しかない「ユニークカード」、シリアル番号付きのセット(10枚、50枚、100枚)である「シリアル」のカードを購入可能です。HABET独自の技術により、NFT発行手数料0円で利用できます。「Yahoo!ネット募金」と連携し、「より良い未来をITで支援」。HABET を利用することで環境、社会への貢献にもつながります。
LINE NFT (ライン)

- NFTを発行、保有・管理、取引できる場を一気通貫で提供
- 友だちにLINEギフトを贈るような感覚で、NFTを送り合うことができる。
- LINE Payで日本円による簡単決済
登録するには、日本の電話番号を認証させたLINEアカウントが必要です。加入商品を売買する場合、「LINE Pay」または「LINE BITMAX」のサービス加入も必須となります。
LINEでは、NFTを発行、保有・管理、取引できる場を一気通貫で提供しています。また、LINEを通じて友だちにLINEギフトを贈るような感覚で、NFTを送り合うことができます。
日頃からLINEを使っていれば、そのアカウントを使って手軽にNFT取引が始められます。
海外のおすすめNFTマーケットプレイス
OpenSea(オープンシー)

- NFT最大級のマーケットプレイス
- さまざまなジャンル・コンテンツを網羅
- 2017年リリース、総出品数も非常に多い
OpenSeaは扱うジャンルが幅広いのも特徴です。アート以外にもゲーム、トレーディングカード、中には仮想空間でのデジタル不動産といったものも。使用できるのは暗号資産(仮想通貨)のため、円や通貨による購入はできません。
Rarible(ラリブル)

- デジタルアート作品を主にしている
- RARIトークンが付与されるとさまざまな特典がある
Raribleは2020年リリースでOpenSeaほどの市場は持っていませんが、人気もあり拡大しているNFTプラットフォームのひとつです。デジタルアートを中心に、扱うアイテムもさらに広がっています。
SuperRare(スーパーレア)

- 厳選されたクリエイターのみによる出品
- NFTアートとして高いクオリティをもつ
Nifty Gateway(ニフティ ゲートウェイ)

- EthereumブロックチェーンのERC標準に基づくNFTの閲覧と売買ができる
- ウォレットは必要なく、 アカウントのみで取引を開始可能
- 定期的にクリエイターから限定版のNFTが発表され、希望者は期間限定で購入できる
Nifty Gatewayではウォレットは必要なく、通常のウェブアプリケーションのようにIDとパスワードを決めてアカウントを作って取引を開始できます。
定期的にクリエイターから限定版のNFTが発表され、希望者は期間限定で購入できます。なお、Nifty GatewayにてクリエイターとしてNFTを発行するには申請が必要です。
NFTマーケットプレイスを利用するときの注意点

① マーケットプレイスの利用規約をしっかり読もう
② 偽物が売られていることもある
③ 投資的な意味合いで購入する場合は特に注意が必要
マーケットプレイスの利用規約をしっかり読もう
マーケットプレイスには利用規約が記されています。売買により金銭的な取引きをするわけですから、プラットフォームの規約をしっかりと読み、理解することはとても大切です。「子どもが書いた絵が何十万円とかで売れたんだって!」
「だったら自分の作品も出してみるか」
よくわからないまま安易に出品したり、あるいは購入したりするのはおすすめできません。NFTの知識を学び、少なくとも利用規約を理解した上で使用しましょう。購入の際にはアイテムに付属してくる権利(ロイヤリティなど)についても必ず確認しましょう。
偽物が売られていることもある
上記はOpenSeaに出品している The Sandbox公式のツイートです。実際にこのような「偽物」が売り出され、何度か問題になっています。何かを購入する際には充分な情報を得てからにしましょう。
NFTは最初はハードルが高く感じますが、登録をしてしまうと手軽で便利なために、「これいいな」と簡単に購入してしまうケースも少なくありません。
残念ながらこうした偽物のトラブルも発生していますので注意が必要です。
投資的な意味合いで購入する場合は特に注意が必要

NFT市場は日々推移していることを念頭に置いておこう
大好きなアーティストやクリエイターを支援するような意味で作品を購入する分にはともかく、それらをいずれ二次販売(転売)して利益を得る、いわゆる投資的な考えで購入をするなら慎重に行いましょう。
他の投資と同じく、NFTも暴落したり、価値が下がったりすることは当然あります。
もちろん逆にNFT作品やコンテンツが何十倍もの値段で取引されたり、高値で売れることもあります。特に高く売れた作品は話題性があるため、「一攫千金」とばかりに夢を見てしまいがちです。そこは冷静になること、注意して利用することが必要です。
nanakusaのハッキングについて
今回のNFTマーケットプレイス一覧表には入れてありませんが、国内初のNFTマーケットプレイスがnanakusaです。公認アーティストやクリエイターによる作品が中心でクオリティが高く、またクレジットカード決済もできるなど便利な点が人気でしたが、2021年8月〜9月にハッキングされNFTが流出する騒ぎがありました。nanakusaは運営会社がSBIグループに買収され、今後名前も変わる予定です。セキュリティも強化されリブランディングするとのこと。今後の改善に期待したいところです。
NFTは注意深く利用しよう
nanakusaに限らず、ハッキングのような被害は絶対にないとは言えません。NFTは現在もまだまだ発展途中であり、システムにせよ法規制やコンプライアンスにせよ、確立されていない部分もあります。自分の作品を出品するにしても、あるいは作品を購入するにしても、さまざまなリスクがあることはきちんと把握しておきましょう。
これまで資産として認識されづらかったデジタルデータやコンテンツに価値が付与され、著名人でなくとも自分の作品を売り出すことも可能になりました。買う側としては価値あるものを発掘する楽しさもあります。
夢のあるマーケットであるからこそ、取引をする際には各NFTマーケットプレイスの特徴やシステムを理解した上で利用するようにしたいですね。