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「くもん」と「学研教室」の概要
くもん、学研教室、そのどちらも、多角的なアプローチで子どもたちの可能性を引き出そうと取り組んでいます。両者に共通しているのは、未来を生きていく子どもたちにとって、「自分で学ぶ力」や「自分で考える力」が大切な要素だととらえ、「自学自習」の力の育成を目指している点です。
くもんとは
くもんでは、指導者から解き方を教わるのではなく、子どもたち一人ひとりが自分の力で教材の問題と向き合う「公文式学習」を取り入れています。このアプローチでは、子どもたちは「高い学力」と「自分で学ぶ力(自学自習力)」を習得しながら、自分の学年のレベルを越えて難易度の高い課題へと進むことができます。対象教科は算数・数学、英語、国語で、幼児と小学生の会費は1教科あたり月額7000円台となっています。
参考:くもんの月謝は高い?
学研教室とは
学研教室では、問題を早くこなす力や正解を導き出す力だけでなく、知識をベースに試行錯誤しながら「自ら考える力」を身につけることを重視しています。使用する教材は、文部科学省の学習指導要領を網羅。学校の勉強がよくわかる構成となっており、保護者からもテストの点数や学力アップの声が寄せられています。主要教科に加え、読解・作文やプログラミングコースもあります。小学生の算数・国語コースの月謝は8800円です。
参考:学研教室
「くもん」と「学研教室」の違い
両者には、教室数や学習者の人数に大きな違いがあります。教育に取り組む姿勢においては同じキーワードを掲げつつも、学習方針や子どもたちが日々活用する教材などについては、それぞれのこだわりが強く反映されています。教室数
くもんは2021年3月時点で海外も含めて2万4500教室、学研教室は2021年3月時点の認可教室数1万5148教室を展開しています。全教科を合わせた学習者数は、くもんが370万人(2021年12月)、学研教室が34万7865人(2021年3月)となっています。教室数や学習者数と並び、両者の違いが色濃く見られるのが海外への展開です。学研教室は、日本を含む9つの国と地域に展開しています。対してくもんは、2021年12月時点で60の国と地域に教室を展開しています。
※くもんの教室数、学習者数は、日本・海外の実数の和より切捨て
学習方針
くもんも学研教室も「自学自習」をキーワードとして挙げており、くもんは「個人別・学力別学習」、学研教室は「個別指導、無学年方式」を採用していますが、それぞれ指導の方針に違いがあります。くもんは「スラスラできる教材からスタートし、やがては学年を越えて進んでいく」「現役東大生が小学生時代に通っていた学習塾は、3人に1人が『公文式』」と掲示しているとおり、学習の先取りによる基礎学力の向上が魅力です。
学研教室も先取り学習を導入しつつも、子ども一人ひとりに寄り添う指導に力を入れています。「先生の指導がとても熱心」「子どもの弱点をすぐ見抜いて苦手を補強するように指導してくれる」と保護者から高い評価を得ています。
教材の内容
くもんの教材は、創始者・公文公(くもんとおる)氏が息子のために作った約800枚の教材が原型です。それ以降、教室現場の声をもとに内容の検討を続け、より自学自習を進めやすいオリジナル教材として改善してきました。やさしい問題から難易度の高い問題へと、きめ細やかに上がっていく「スモールステップ」を採用しています。学研教室は、学校の勉強に対する理解に重きを置き、教材の中に学習指導要領の内容が網羅されており、教科数や学習レベルによって個人差はあるものの、1回約1時間の教室での学習量、家庭学習として取り組む宿題の量も無理なく適切だと評判です。
中学受験対策
くもんも学研教室も、中学受験に向けたカリキュラムや対策講座が組まれているわけではありません。とくに学研教室においては、中学受験というよりも、学習指導要領の内容をカバーした教材を使いながら、「学校の勉強がよくわかる構成」をセールスポイントの一つとしています。中学受験に向けて、小学3年生の2月から中学受験対策の塾に入るケースが多いため、そのタイミングを考慮して、入塾前まではくもんで算数を学び、くもんならではの先取り学習を生かすという家庭は少なくありません。
参考:中学受験対策ができるオンライン塾
【教科別】「くもん」と「学研教室」の違い
多くの問題に触れながら、反復トレーニングにより学力を高めていく、くもん。学習指導要領を網羅した教材を用い、学校の勉強への理解を深める学研教室。学習方針や教材にお互いの個性が反映されているのと同様、国語、英語、算数といった各教科においても、その内容にはさまざまな違いがあります。国語
くもんでは国語を「すべての学びの基礎」として位置づけています。たくさんの言葉や文章に触れる機会を創出し、読み書きする力、語彙力、文の構造を整理する力を養いながら、高度な読解力の習得を目指します。学研教室では、学校で学習する「漢字」「言葉のきまり」「読解」「表現」のすべてを網羅した教材を使用。教材には丁寧な解説がのっており、学校で学ぶ国語学習がよくわかり、高学年の学習に備えられます。
英語
くもんの英語学習は、教材と専用リスニング機器「E-Pencil」を用いて英語特有の発音やリズムに親しみながら、「聞く・読む・書く」の学習を通し英語力を身につけます。それらの学習が、小学生の英検3~5級合格者の3人に1人が「くもんの英語経験者」という実績につながっています。学研教室では、デジタルとプリントの教材を使い、「聞く」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「読む」「書く」という4技能5領域をバランスよく育成。2020年には「イード・アワード子ども英語教室」で、「効果がある英語教室」部門賞を受賞しました。
算数
くもんでは、速く正確に問題を解ける計算力を重視し、そのためのトレーニングを繰り返します。くもんの算数経験者は「計算力や数学的な考え方が身につきました」と振り返っています。学研教室では、算数と国語をすべての教科の基礎とらえ、算国同時学習を導入しています。そのなかで算数の教材には、学校で学習する算数の4領域、「数と計算」「図形」「測定・変化と関係」「データの活用」のすべてが盛り込まれており、学校の教科書の内容の理解が進みます。
「くもん」と「学研教室」のそれぞれのメリット
くもんでは「高い学力」と「自学自習力」を培いながら、できるだけ早い時期に高校教材を学習する力を身につけることを目標としています。日々の学びを通じて子どもたちには挑戦する力が養われ、積極的に学年の枠を越えた「先取り学習」に取り組むようになります。4人の子どもを東京大学理科三類に進学させたことで知られる「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんは、「(4人の子どもは)全員1歳ごろからくもんに通っていました」と言い、特に伸びた部分についてこう語ります。
「計算力と読解力はつきました。でも一番は、『勉強っていうのは楽しい』ってことかな。『コツコツと粘り強い力』とかよく言いますけれど、コツコツと粘ることは、楽しくなかったらやれません」
一方、学研教室の特長の一つは基礎から応用までしっかり身につけることのできる、バリエーション豊かな教材でしょう。学習指導要領の内容をすべてカバーしており、学校の授業に対する理解を深められる点は大きなメリットと言えます。
個別指導・無学年方式を採用しているため、自分のペースで先に進むこともできる上、一度立ち止まってじっくりと学習することも可能。先生たちのゆっくり、じっくり、手厚いサポートは子どもたちや保護者からとても評判です。
おすすめの通信教育
くもん、学研教室ともにそれぞれの魅力があるように、各ジャンルに特化した習い事には専門性という大きな強みがあります。とくに子どもたちの将来に向けては、意見を述べる力、頭の回転スピード、高い集中力、そして英語によるコミュニケーションスキルなど、長所を伸ばし、短所を補うことのできる習い事がおすすめです。参考:小学生向け通信教育おすすめ
進研ゼミ小学講座
得意を伸ばし苦手をカバーできるのは進研ゼミ小学講座です。学年を超えた学びに取り組めるため、得意な科目はどんどん先へ進めますし、苦手な科目はさかのぼって学び直せます。専用のタブレットを使った学習では、レッスンが自動提案されるのも特徴です。実力に合わせたレッスンにすぐに取り組めるため、自然と学習習慣を身につけられます。
赤ペン先生からのコメントも意欲につながるポイントです。ほめや励ましで、子どもの「もっと頑張ろう!」という意欲を引き出します。
スマイルゼミ小学生
優れたタブレット教材を利用して、自分のペースで学習を進めたいというお子さんには、スマイルゼミ小学生がおすすめ。国語・算数・英語・理科・社会に加え、漢検ドリル、計算ドリル、プログラミングまで幅広く学ぶことができます。学習状況に合わせた個別のアドバイス、学習計画のもとでの時間管理と振り返りによって、お子さんの「学びたい」という気持ちを引き上げる効果が期待できます。保護者向けには専用アプリも用意されており、学習内容を一目で確認できるのも嬉しいところです。
続けられるか不安な人のために、2週間の無料お試し期間が用意されているので、興味のある人は申し込んでみましょう。
東進オンライン学校小学部
子どものペースで学習に取り組むには東進オンライン学校小学部が向いています。算数、国語、理科、社会を、基礎から応用まで学べる内容です。よりレベルの高い学習に取り組みたいと希望する場合、3~6年生なら演習充実講座を選ぶと良いでしょう。算数は中学生や高校生の内容につながる思考力を養う問題に挑戦できますし、国語では実践的な長文読解に取り組めます。
また夏休みには、読書感想文や自由研究などに役立つ授業も行っています。
ピグマキッズセレクト ウィズダムアカデミー
3歳から小学6年生までを対象とした、習い事・送迎サービスつきの民間学童として注目を集める「ウィズダムアカデミー」。「ピグマキッズ」では、まだ長い文章を読むことに慣れていない子どもたちに対しても、文中の大事な言葉を的確に把握する方法を丁寧に指導していきます。教材は大手学習塾のSAPIX(サピックス)が開発した小学1年生から4年生向けのものを使用。子どもたちが楽しみながら考えられるような問題が多数揃っており、「論理的思考力」「記述力」を段階的に習得していくことができます。
また、身近な事柄を短文で表現する授業を実施することも。文章を書くことへの苦手意識を取り除いていく取り組みもしています。
そろタッチ ウィズダムアカデミー
「ウィズダムアカデミー」が習い事としている「そろタッチ」は、iPadのアプリを使用して「そろばん式暗算」(イメージ暗算)を身につけることができます。アプリには20種類以上のゲームがあり、子どもたちはそれぞれのレベルとペースに合わせて、楽しみながらハイレベルな暗算力を習得することができます。毎日継続して取り組んでいくと、約2年間で暗算上級レベル(暗算3級相当)に到達できるカリキュラムが組まれています。小さなころから暗算力を培うことで、数字に対する自信も体得することができ、算数や数学はもちろん、他教科の学びにおいても土台にもなるでしょう。
同時に、努力が成長につながることを実感できたり、やり抜く力を自然と育むこともでき、多様なジャンルへのチャレンジ精神が植えつけられます。
ラボ・パーティ
創業55年以上の指導実績を持つ英語スクール「ラボ・パーティ」では、「たくさんの英語を聞き、耳から自然に言葉をつかみとっていく」ことを大事にしています。たとえば「はらぺこあおむし」「かいじゅうたちのいるところ」といった良質の絵本教材の英語版を用い、英語と日本語の朗読CDを聞きながら、子どもたちは英語と触れ合いを深めていきます。絵本を通して英語に親しむと、続いては子どもたち同士で絵本の世界をイメージした寸劇づくりに取り掛かります。「テーマ活動」とよばれるこの取り組みでは、英語の歌の歌唱も導入されており、定期的に発表会も行われます。
英語による言葉と音楽、そして自らの体を使った表現力が身につくのはもちろん、仲間とアイデアを出し合うクリエイティブ力、さらにはチームワークも育まれます。
くもんと学研教師の違いは?まとめ
くもんと学研教室は、その歴史や実績、綿密に練られた学習法が証明するように、これまで数多くの子どもたちの学ぶ力を育んできました。そのなかで、昨今の教育現場では中学受験の激化、英会話の必要性、アクティブラーニングの導入など、時代とともに環境や求められる力が変わりつつあります。家庭や保護者が掲げる方針とともに、子どもたちの将来を見据え、一人ひとりの能力や適性にマッチした習い事をぜひ探してみてください。
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