今回は、Webデザインの模写の手順やメリット、注意点を紹介します。Webデザインのスキルを上げたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
Webデザインの模写の目的
模写とは、お手本をまねて写し取ることです。Webデザインにおける模写は、お手本のデザインと同じものを再現することを指します。しかし、単純に同じものを真似して作ることが目的ではありません。まずはWebデザインの模写で何を学ぶのかを把握してから、実践していきましょう。デザインの構成や要素を学ぶ
模写するときは、デザインの写真やテキスト、配色、余白などの構成要素をじっくり観察しましょう。構成要素はそれぞれ意味があり、ルールに基づいて作られています。写真とテキストの位置関係や、余白の使い方、テキストと背景の色の差など、Webデザイナーが施した工夫があるはずです。「なぜこのようなデザインになっているのか」と分析しながら模写することで、良いデザインの共通点が学べます。模写によって目を養い、クオリティの高いWebデザインが作れるよう目指しましょう。
デザインツールの使い方を学ぶ
実際にWebデザインの模写をしてみると、参考書では学ばなかった加工の仕方や表現の仕方が出てくることがあります。デザインツールのスキルは、手を動かして練習しないと上達できません。わからないところは検索しながら、少しずつツールの使い方を学ぶことが大切です。また繰り返し模写をすることで、ショートカットキーを覚えたり、新たなデザインツールの機能を覚えたりします。使えるツールの幅は広がり、今よりも作業スピードの向上が期待できるでしょう。
Webデザインの模写の手順
続いて、模写の手順について解説します。参考にするWebサイトを探す
まずは、模写するWebサイトを探します。探すことに時間がかかるともったいないので、日頃から参考になると思ったデザインをブックマークしておきましょう。はじめは複数ページのWebサイトよりも、1ページで完結するランディングページの模写をおすすめします。模写するデザインのワイヤーフレームを作成する
ワイヤーフレームとは、Webページのレイアウトを決める設計図のことです。お手本となるデザインの構成要素を紙に書き出していきましょう。実際に紙に書き出すことで、各コンテンツの配置や大きさがわかるようになります。デザインを観察する
ワイヤーフレームを作成したら、次はお手本となるデザインを観察します。観察するべきポイントは以下の通りです。- テキストの大きさや行間
- フォントの種類
- 配色
- 要素と要素の余白
- レイアウト
- 写真
デザインツールで模写する
お手本となるデザインをよく観察できたら、模写に入ります。模写するデザインをスクリーンショットで撮影し、見比べながら作成しましょう。スクリーンショットをデザインツールで開き、画像を下敷きにして模写する方法もあります。デザインを記憶して、ワイヤーフレームのみを参考にしながら模写するのもいいでしょう。どの方法であっても最後まで模写することが大切です。Webデザインのスキルを上げるためにも、中途半端にならないようにしましょう。
Webデザインを模写するメリットとは?
模写をしなくても、Webデザインのスキルは伸ばせます。しかし、模写は実際に手を動かしながら効率的にWebデザインが学べる方法です。さらには以下のようなメリットがあるので、挑戦してみる価値はあるでしょう。Webデザインの基本を学べる
実際のWebサイトを模写することで、参考書などでインプットしたWebデザインの知識をアウトプットできます。学んだ内容は、実際にやってみないと自分のスキルとして定着しません。学んだ内容を定着させるためにも、Webデザインの基礎を学んだら模写をいくつか実践してみましょう。
プロのテクニックを学べる
世に出回っているWebサイトは、基本的にプロのWebデザイナーが制作したものです。なかでも大手の企業サイトを模写すれば、高度なテクニックが学べるでしょう。模写の際は、できる限り元のサイトに近づくように、じっくりと観察します。どんな点が優れているのか、良いデザインの共通点は何かといった部分を学ぶことで、Webデザインのスキルは大幅に向上するはずです。本格的に学びたい方にはWebデザインスクールがおすすめです。
Webデザインの知識が増える
Webデザインは、レイアウトのパターンが限られてしまうと同じようなサイトになってしまいます。仕事をするうえで、デザインの引き出しは多くもっておくことが大切です。さまざまなデザインを模写することで、制作できるデザインの幅を広げられます。「最近デザインがパターン化されてきたな」と感じた場合は、模写で引き出しを増やしましょう。模写は初心者のみならず、経験者にも有効な手段です。
Webデザインの模写での注意点
模写はWebデザインが上達する近道ですが、注意したい点があります。以下の注意点を頭に入れておきましょう。できる限り元のWebデザインに近づけるようにする
できる限り元のWebデザインに近づけるよう努力しないと、自分のスキルにはなりません。画像やフォントにおいてはまったく同じものを用意できない場合がありますが、レイアウトや余白の使い方などは妥協しないようにしましょう。よく観察しないと見落としがちな部分まで、1pxのズレも出ないよう再現することで、自分のスキルにつながります。
著作権に気をつける
模写したWebデザインを自分が制作したものとして公表するなど、著作権を侵害するような行為には気をつけましょう。基本的には、SNSなどに模写をアップすることは避けたほうが無難です。どうしても練習記録としてSNSにアップしたい場合は、模写していることを明記し、出典を記載しましょう。また、面接の際に模写したWebデザインを実績として出すことは、あまりおすすめできません。もちろん模写はスキルアップにつながります。しかし、どこまでを自分で作って、どこからが参考サイトのものなのかが判断できません。あくまでも勉強の一環として模写に取り組みましょう。
まとめ
模写は、Webデザインのスキルアップに有効な方法です。Webデザインの基本が学べるだけでなく、プロの優れたテクニックや引き出しを増やせます。著作権など注意すべき点はありますが、初心者から経験者まで試してほしい練習法です。はじめてWebデザインを模写する場合は、時間がかかるかもしれません。しかし最後までやりとげることで、自分のスキルが向上します。まずは自分の好きなデザインから、模写に挑戦してみましょう。