集団塾に向かない子の特徴

集団塾は、講師が教壇に立ち、カリキュラムに沿って指導をする特徴があります。学校のようにクラス分けがあり、一斉に授業が進められていくため、集団の場が苦手な子や、自分のペースで学習したい子にとっては向かず、ストレスを感じやすいでしょう。

「集団」や「大勢」の場が苦手な子

集団塾では、講師1人に対して複数の生徒が一緒に授業をするため、講師から質問されたり、大勢の前で発表したりするときがあります。わからないところがある場合には、手を挙げて質問しなければならないシーンもでてくるでしょう。

大勢の場に緊張してしまうタイプの子どもにとっては「質問したいのにできない」「当てられるのが、つらい」「発表するときに噛んでしまう」などの現象が起こり、塾の環境そのものがストレスとなっている可能性があります。

集団や大勢の場が苦手な子どもには、個別で学べる教育サービスがリラックスでき、向いているといえるでしょう。

周りが気になってしまう子

周りが気になってしまう子も、集団塾向きではありません。周囲の刺激が多く、授業に集中できなくなりやすいからです。お子さんが、以下のような項目にあてはまる場合、集団塾が成績の伸び悩みの原因になっているおそれがあります。

• 周りからの視線が気になって仕方がない
• さまざまな音が聞こえてきて気が散ってしまう
• クラスメイトの振る舞いが気になって集中できない　など

集団塾では、講師の声をはじめ、他の生徒の動きや掲示物など、さまざまなものが見える・聞こえるなかで、問題を解いたり、ノートにまとめたりしなければなりません。

たとえば、家で「掃除機の音が気になる」「テレビの音と光が気になる」「貧乏ゆすりが気になる」などで勉強に集中できない傾向が見られる場合には、集団塾ではなく、静かな環境で学べる教育サービスが適しているでしょう。

競争が苦手な子

競争が苦手な子にとっても、集団塾は向いていません。集団塾のなかには、競争心をあおることで学習意欲をあげようとするところもあります。たとえば、「テストの成績を公表する」などです。

成績を見て「悔しい！」「もっと頑張る！」と、自分を鼓舞できる負けず嫌いなタイプの子どもであれば問題ありませんが、競争が苦手な子にとっては酷であり、自信を失ってしまいかねません。自信がなくなると、おのずとモチベーションも下がります。

自信や、やる気を失くしてしまうと、勉強そのものが嫌になってしまうことも考えられるので、自分のペースで進められる教育サービスを検討したほうがよいかもしれません。

自分のペースで勉強したい子

集団塾での学習は、生徒の理解度に関係なく一斉に進められていきますが、内容を理解するスピードは子ども一人ひとり異なります。1度で理解できる子どももいれば、何度もテキストを読み直して理解する子どももいるのです。

わからないところがあっても、そのまま先へ進んでいってしまうスタイルは、何度も読んで理解する子どもにとっては「かけ足」に感じ、だんだん授業についていけなくなりかねません。

基礎的な部分でつまずいている子どもや、しっかり理解するまで先に進めないタイプの子どもの場合も、授業速度についていけなくなる可能性があるため、集団より個別で学べるほうが向いているでしょう。

集団塾に向いている子・伸びる子の特徴

ここでは、集団塾に向いている子・伸びる子の特徴を紹介します。
下記特徴に当てはまる場合、集団塾の利点や特徴が活きる可能性が高く、入塾することで成績・学力アップが期待できるでしょう。

競争心の高い子

競争心が高く、自分の順位や成績に興味・関心を示す子は、集団塾に向いている可能性が非常に高いでしょう。

集団塾では、模試や定期テストの成績が公開・掲示されることもあり、他の子どもに向けても自分の順位や成績が明確に示される場面もあります。このように多くの生徒が同じ教室で学び、互いに切磋琢磨する環境が整っているため、競争心が強い子は「次はもっと上を目指そう」と自然にモチベーションが高まると期待できます。

しかし思うように順位や成績が上がらず、自信を喪失してしまう子も少なくありません。順位や成績に左右され過ぎないよう、保護者が適宜フォローに努めることも大切です。

主体的に学習を進められる子

集団塾では、多くの生徒に対して授業を行います。全生徒に対して目が行き届くわけではない上に、生徒1人ひとりに対して細やかな声かけやサポートが提供されることもありません。そのため、生徒には、主体的な学習が求められます。

積極的に質問したり、意見を述べたりと、主体的に学習を進められる子は、自分の疑問点をその場で解決し、理解を深められるでしょう。反対に「分からない箇所はないか」と都度確認が必要な子は、学習状況や進捗を適宜確認してくれる個別指導塾のほうが向いているかもしれません。

目標を明確に設定できている子

目標を明確に設定できる子も、集団塾に向いていると言えるでしょう。

その理由として、集団塾では定期的に模試やテストが行われ、その結果がフィードバックされます。模試の結果から「次の模試で数学の点数を10点上げる」といった具体的な目標を掲げることができる子は、日々の学習に対するモチベーションも高い状態を維持できるため、成績もどんどんと伸びるでしょう。

初めのうちは、保護者と一緒に次の目標を考えてみるのも1つです。
目標を掲げる習慣が身に付けば、小学生でも自然と1人で目標を設定し、勉強に励むようになるでしょう。

「うちの子は集団塾に向いていないかも？」悩んだときの判断基準

「成績が思ったより伸びない」「うまくやっているのか不安」など、塾に通わせている保護者の身としては、心配になるものです。悩んだ際は、意欲的に塾に通っているか、成績は伸びてきているかを改めて確認してみてください。

意欲的に塾に通っているか

行きたくなさそうな表情をしたり、足取りが重くなったりしていないか、さりげなく確認してみましょう。「仕方なく通っている」ような言動が見られる場合は、集団塾に対して何か悩みやトラブルを抱えているかもしれません。

たとえば、「塾の雰囲気が合わない」「授業についていけなくて、落ち込んでいる」というケースでは、塾に通うのが嫌になり、授業にも意欲的に参加できなくなってしまいがちです。意欲の低下は、成績にも影響してきます。

子どもの様子を確認するなかで「最近、元気がないな」と感じた際には、塾の変更も検討してみるとよいかもしれません。

成績は上がってきているか

頑張って授業を受けているにもかかわらず、なかなか成績が伸びない場合は、なんらかの問題を抱えている可能性が考えられるでしょう。たとえば、上述のように周囲の音が気になって集中できない、などです。

もちろん、子どもの体調によってたまたま成績が伸び悩んでいるだけの可能性もあるため、一概には言えませんが、「環境」などが原因の場合は、自分ではどうしようもなく、子ども本人もつらい思いをしている可能性があります。

集団ではなく、個別に受けられる環境に変えることで、成績がグッと伸びるかもしれません。

集団塾以外に検討したい教育サービス

教育サービスには、集団塾のほか、個別指導塾やオンライン家庭教師などがあります。また、人間関係が苦手なタイプの子どもや、決まった時間の確保が難しい子どもには、通信教育やタブレット学習などの方法もあります。

個別指導塾

個別指導塾は、生徒2人～3人に対して講師が1人つき授業を行うスタイルの塾です。「わからないところを丁寧に教えてもらえる」「苦手なところを重点的に教えてもらえる」など、生徒のペースに合わせて授業が受けられるところが、個別指導塾の魅力です。

個別指導塾は、個別で学習を見てほしい子をはじめ、人前で質問や発言をするのが苦手な子、自分のペースで学習を進めたい子に向いているでしょう。

また、マンツーマンで学習を見てほしい際には、家庭教師に依頼する選択肢もあります。
参考：個別指導塾おすすめ

オンライン家庭教師

オンライン家庭教師は、その名のとおりオンラインのため、全国どこからでも指導が受けられます。自宅と離れた地域であっても希望する教師を指定できるので、「経験豊富な教師を選ぶ」「子どもと相性がよさそうな教師を選ぶ」ことも可能です。

授業のペースも、子どもに合わせてもらえます。たとえば「学年を遡って復習し直したい」などにも対応してもらえるので、基本的なところでつなずいていた子どもも、成績が上がる確率が高まるでしょう。

オンライン家庭教師は、周囲に塾や予備校がない子どもや、部活があり塾に通えない子どもなど、幅広い子どもに適しています。
参考：オンライン家庭教師おすすめ

通信教育・タブレット学習

勉強に苦手意識がある子どもや、空いている時間が日によって変わる（習い事などで）子どもの場合、通信教育やタブレット学習が向いています。通信教育やタブレット学習は、自分の好きな時間を活用できるからです。

近年は、レベルに合わせた教材を配信してくれるものや、AIが学習結果を分析してくれるものもあり、効率よく学習できる工夫が施されています。タイマーがついており、メリハリをつけた学習も可能です。

勉強に苦手意識がある子や、空いた時間に自分のペースで進めていきたい子どもは、通信教育やタブレット学習を検討してみてはいかがでしょうか。
参考：小学生向け通信教育
参考：中学生向け通信教育

集団塾と個別指導塾で迷った際の決定方法

集団塾と個別指導塾で迷った際の決定方法としては、次に紹介する方法が挙げられます。

体験授業を受ける

集団塾と個別指導塾のどちらが子どもに合っているかを判断する方法としては、体験授業が有効です。
体験授業では、授業の進行や講師の教え方、教室の雰囲気を実際に体験できます。集団塾と個別指導塾どちらのほうが適しているか、子どもは肌感覚で比較できるため、入塾後のミスマッチを防止できるでしょう。

なお、保護者としては、子供が質問しやすい環境が用意されているか、授業のペースが適切か、授業スタイルが子どもの性格に合っているかなど、実際の受講をイメージしながらマッチ度を図りましょう。

入塾後のカリキュラムを確認する

塾選びの際には、入塾後のカリキュラムを詳細に確認することも重要です。

集団塾では、予め設計されたカリキュラムに沿って授業が進められることが多いため、子どもの学習ペースや理解度に合っているかを事前に確認しておきましょう。
一方、個別指導塾では、生徒一人ひとりの習熟度や目標に合わせたオーダーメイドのカリキュラムが提供されます。そのため、個別指導塾を選ぶ場合は、カリキュラムの組まれ方や学習進捗の管理方法も併せて確認しておきましょう。

集団塾を考える人によくある質問

続いて、集団塾を考える人によくある質問を紹介します。

人見知りでも集団塾は可能？

人見知りの子どもでも集団塾に通うケースは珍しくありません。ただし、集団塾が子どもに合っているか、慎重に検討する必要があるでしょう。
その理由として集団塾では、多くの生徒が一緒に授業を受けます。他の子の目が気になり、自由に質問や発言ができなくなってしまうケースも散見されます。このように、積極的に授業に参加できない懸念がある点も十分考えられるでしょう。

“他の子どもと一緒に学習する”という集団塾の特徴がデメリットに働いてしまう可能性が高い場合、集団塾の利用は見送ったほうが良いかもしれません。

高校生はいつから塾に通うべき？

高校生が塾に通い始めるきっかけは、下記の通りです。

• 大学受験を見据えた3年生頃から
• 定期テスト対策
• 普段の授業フォロー など

塾に通い始めるのに最適と言われる時期は、目指す大学や個々の学習状況、学力レベルによって異なります。
大学受験に向けては高校3年生からでも遅くはありませんが、国公立大学や難関大学を志望する場合は、高校1年生の春からなど、早い時期に通い始めたほうがベター。早い時期から塾に通い始めることで、基礎学力をしっかりと固め、受験対策に必要な時間を十分に確保できるでしょう。

また定期テスト対策や普段の授業のフォローなどを目的に入塾を検討する場合は、勉強の遅れが生じないうちから通い始めることを推奨します。
参考：大学受験対策でいつから塾に行くべき？

集団塾に向いていない子は別の教育サービスを利用して成績を伸ばそう！

集団塾に向かないタイプの子どもは珍しくありません。また、集団塾を利用しなくても、成績は伸ばせます。成績を伸ばすには、子どもに合った教育サービスを選ぶことが重要です。

「集団塾に向かないかも」と思ったときには、改めてどのようなスタイルのものが子どもに合うのか見つめ直し、できるだけ早めに相性がよさそうなところを見つけてあげましょう。