「グラフィックデザインを副業にしたら、どれくらい稼げるのか?」気になるポイントと、実際に収入を得るまでのステップを解説!ぜひ参考にしてください。
グラフィックデザインとは?
グラフィックデザインとは、主に紙媒体、ポスターやちらし、雑誌や広告、パッケージといった印刷物のデザインのことです。では、副業でグラフィックデザインを行った場合、稼げるのでしょうか?
その回答の前に、グラフィックデザインの定義じたいが変化しつつあることを把握する必要があります。
グラフィックデザインとWebデザインの違い
印刷物を主な対象としているグラフィックデザインに対して、Webデザインはその名のとおり、Webサイトのデザインを主に行います。共通するスキルは多いものの、グラフィックデザインでは印刷や色校正など、紙媒体ならではの知識も必要となります。最近はWebデザインを「グラフィックデザイン」と呼ぶこともよくあります。またWebデザイナーやクリエイター全般を「グラフィックデザイナー」と称することも増えており、境界線はあいまいになりつつあります。
紙媒体も、デジタルメディアも映像コンテンツ制作もするデザイン事務所では、総じて「グラフィックデザイン」としているケースは少なくありません。
一方で、印刷業界では「グラフィックデザイン」は、明確にWebデザインと分けて考えるところも依然として残っています。こうした状況を把握した上で、グラフィックデザインの副業について見ていきましょう。
参考:Webデザイン副業
副業でグラフィックデザイン「稼げるの?」
グラフィックデザインの仕事を副業として、一定の収入を得るのは簡単ではありません。美大などでデザインの基礎知識をすでに学んでいる場合や卓越したセンスがあり独学でも作品が評価されているような特別なケースをのぞいて、まったくの未経験ですぐにグラフィックデザイナーとして副業をこなすのは、かなりハードルが高いです。
しかし、前述した通り、グラフィックデザインの範囲は非常に広くなっています。高い報酬を得るのは難しいけれども、クリエイティブな仕事としては需要が高いので「仕事を得る」ことは可能です。
グラフィックデザインに限定すると案件は少ない
クラウドソーシングのサイトで「グラフィックデザイン」で検索してみると、以下のような案件がありました。- 子供向けスクールのチラシをデザイン(ラフ案あり) 5,000円〜10,000円
必須スキル:Illustrator - 商品ラベルデザイン 30,000円
必須スキル:Illustrator
グラフィックデザインに限定すると案件数は多くありません。Webデザインでは500~800の案件がヒットしますが、グラフィックデザインは20件もありません。
とはいえ「何をWebデザインとするか、グラフィックデザインとするか」で違うので必ずしも仕事がないわけではありません。
グラフィックデザインといっても、紙媒体に限らず、幅を広げれば仕事は充分にあります。
グラフィックデザインを副業にして5万円稼ぐためには
月にして、20,000円〜30,000円程度を目安にするのであれば、未経験からでもグラフィックデザインを副業として稼ぐことはさほど難しくはありません。5,000円くらいのデザイン案件は多くありますし、これらを複数受注し週末に作業をすれば、数万円の収入には届くかもしれません。もし副業で50,000円から100,000円といった収入をめざすのであれば、最初はクラウドソーシングで実績を作る、デザイン事務所や広告関係の会社でアルバイトをしながら経験を積み人脈を作る、といったプロセスが必要になるでしょう。
コンテストで入賞した経歴や、コンペで案件を獲得した実績などがあれば、単価はさらにアップします。有名な商品のパッケージデザインや大手企業のポスターといったグラフィックデザインの仕事になると、かなり高額な報酬を得られるでしょう。
グラフィックデザインを副業にするためのステップ
ステップ1:スキルの習得ステップ2:ポートフォリオの作成
ステップ3:実務経験を積む
ステップ4:仕事を受注する
ステップ1:スキルの習得
まずはスキルの習得が必要です。少なくともIllustrator、Photoshopといったグラフィック作成ソフトを学びましょう。印刷物も対象にするのであればInDesignのスキルも必要です。
また、デザインの基礎を学ぶことでさまざまな仕事で役立つでしょう。加えて、印刷知識、タイポグラフィ、またコーディング等のスキルをひと通り得ておくと大きな強みになります。
参考:Illustratorが学べるスクール
参考:Photoshopが学べるスクール
ステップ2:ポートフォリオの作成
ポートフォリオは、クライアントに自分のスキルを示すための重要なツールです。スクール等で作成した作品でもいいので、ポートフォリオを作ります。ひとつずつ小さな仕事でも積み上げながらポートフォリオを充実させていきましょう。
ステップ3:仕事を受注する
グラフィックデザインの勉強をしても、最初はなかなか仕事がとれないかもしれません。実績のない未経験者は、仕事を得る機会じたいが少ないのがネックです。そこで、まずは身内や知人の名刺、SNS用の画像、チラシなどを手掛けてみましょう。スクールでスキルを学んだ場合、スクールから仕事を紹介してもらう方法もあります。
スクールを通じて発注するクライアントは、受講生の経験が少ないことを理解しているため、初めての案件でも取り組みやすいことが多いです。また、スクールの講師が最初の案件をサポートしてくれる場合もあります。
このように、スクールのネットワークとサポートを上手に活用するのも良い方法です。
クラウドソーシング系は初心者にとっては案件が取得しやすいメリットがあります。しかし、相場よりかなり安い案件も多く、玉石混交です。最初の実績づくりと割り切るか、今後必要となるスキルを得られる仕事を「取捨選択」することがポイントになります。
SNSも積極的に活用したいですね。
最近は、InstagramやX、Linkedlnkからクリエイターを探す企業担当者やクライアントが増えています。SNSとポートフォリオと結びつけて、クライアント側からアプローチしやすい環境を整えておきましょう。SNSはいわば自分自身を売り込む、広告活動です。
副業でフリーランスとして仕事を得るには、自ら動いて案件を取りに行く、営業をかけていくことが必要です。
参考:デザイナー向けフリーランスエージェント
ステップ4:実務経験を積みステップアップしていく
高単価の案件を得るにはやはり「経験」「実績」が重要です。クラウドソーシングなどで地道に経験を積み上げながら、コンペやデザインコンテストにも挑戦してみましょう。
デザイン関連のオンラインコミュニティやフォーラムに参加し、互いに情報交換をしながら協働して仕事を得る方法もあります。
グラフィックデザインで副業をする際の注意点
確定申告について
副業で年間20万円を超える収入を得たら、確定申告をする必要があります。本業とは別に、副業のグラフィックデザインにおける収入は「雑収入」になります。もし20万円にならない場合にも、住民税の申告は必要です(確定申告をすれば、住民税の申告は必要ありません)。副業での収入に関連する税務関係等の手続きは滞りなく行わなくてはなりません。
確定申告については詳しい動画解説や、書籍も出ています。また自治体や税務署の窓口では相談を受け付けているので、わからないときには早めに相談すると安心です。
著作権の取り扱いに注意
デザインのようなクリエイティブな仕事では、著作権のトラブルが少なくありません。特に紙媒体では、成果物の著作権について厳格です。副業としてフリーランスで仕事を受注する際には、著作権の知識も身につけておきましょう。納品した時点でクライアント側に成果物の著作権が譲渡される契約はよくあります。この場合には納品後、たとえ自分の作品であっても勝手にSNSなどで使用することはできません。
著作権に関しても詳しいガイドや書籍がありますから、トラブルを避けるためにも一読しておくことをおすすめします。
グラフィックデザイン案件を探せるエージェント
ここでは、副業エージェントやデザイナーにおすすめのフリーランスエージェントを紹介します。クラウドワークステック
クラウドワークステックは、日本最大級のクラウドソーシングサービス「CrowdWorks」を運営する株式会社クラウドワークスが提供するフリーランス向け案件紹介サイトです。フリーランスのエンジニアやデザイナーなどの働き方にマッチした仕事を中心に取り扱っており、稼働日数や求められるスキル、報酬など、さまざまな条件から希望にマッチする求人を探すことができます。
クラウドワークステックの魅力は、リモートワークが9割以上を占める点。
掛け持ち稼働が可能になる週3・4案件も豊富に取り扱っているため、自分次第で希望のワークスタイルを実現できるでしょう。
さらに、通常の案件紹介サイトとは異なり、クラウドワークステックが企業とワーカーの懸け橋となってくれます。エージェント的な役割も持っているため、本格的にフリーランスとして活動を始めたいと考えている人にもおすすめのサービスです。
※案件紹介は、下記条件に該当する方に限る場合があります。
・ITエンジニア:週3日以上稼働、実務経験2年以上
・Webデザイナー:週4日以上稼働、実務経験3年以上
YOUTRUST
YOUTRUST(ユートラスト)は、友人や知人とのつながりを可視化し、自らの可能性に気づける刺激や機会が得られるキャリアSNSです。通常のスカウトサービスとは異なり、つながりを持つ人からスカウトが届くため、他のサービスと比較するとスカウトの信用度は高いと言えるでしょう。
また、YOUTRUSTでは、これまでのつながりに限らずサイト上に公開されているイベントやコミュニティへの参加により新たなつながりを構築していくことも可能です。普段の生活やビジネス環境では出会えない人と出会えるきっかけを得られるのもYOUTRUSTの魅力。
活用次第で、グラフィックデザイン案件獲得のフィールドを広げていくことができるでしょう。
※一都三県・大阪・京都・兵庫県に在住で〜35歳の方が対象。
グラフィックデザインを学んで副業にしよう!おすすめスクール3選
ここではおすすめのグラフィックデザインスクールを紹介します。デジタルハリウッドSTUDIO|Webデザイナー専攻 超実践型就職・転職プラン
- 副業・転職に特化したカリキュラム
- 実案件の課題で充実したポートフォリオがつくれる
- オンラインと対面授業の両方を組み合わせて受講できる
デジタルハリウッドSTUDIO|Webデザイナー専攻 超実践型就職・転職プランは、副業や転職を見据えた実践的なカリキュラムが特徴となっています。
特に、実際の案件をスクールで行いながら学べる点に注目!多くの課題を制作するので充実したポートフォリオがつくれます。
コペンカレッジ
- デザイン基礎のコースのほか「グラフィック専攻」コースがある
- グラフィック専攻ではタイポグラフィやパッケージデザインなども学べる
- 女性向け
コペンカレッジは、女性のキャリア構築支援に力を入れています。デザイナーとして必要な基礎を学んだ上で、グラフィックかWebデザインかを選択できるため、より専門的なスキルや知識を習得できます。
RaiseTech(レイズテック)デザインコース
- Webデザインをメインとしながら印刷知識もしっかり習得できる
- しっかりしたポートフォリオの作成
- デザイナーとしての働き方やSNSの活用なども学べる
レイズテックでは、リアルタイム授業と録画授業の両方で学習ができます。本業が多忙な方でも、自分のペースで学べるので続けやすいのが魅力です。
また、Webデザイン系のスキルだけでなく、フォントや色についての基礎知識、印刷工程などもしっかり学べるので、紙媒体の仕事にもつなげやすいカリキュラムとなっています。
グラフィックデザインを副業にするために最初の一歩を踏み出そう
副業としてグラフィックデザインの仕事を行うにあたっては、効率的な時間管理を心がけ、本業と副業のバランスを取ることも重要です。副業でどれくらい収入を得たいのか、あるいは最終的に独立しフリーランスで生計を立てたいのか、めざすゴールによってプランは変わってきます。
最初からプールに飛び込むのではなく、まず片足から水につけて少しずつ慣らしていきくように、キャリアプランをたてていきましょう。本業があるからこそ、焦らず仕事に取り組めるメリットもあります。
まずは最初の一歩を踏み出すこと、アクションを起こすことが大切です!
ちなみに、こんな成功例もあります。
グラフィックデザイン独学で2年!17歳のグラフィックデザイナー
2021年「人気職業ランキング」にランクインする「グラフィックデザイナー」。でも、具体的な仕事内容を知らない人が多いのでは。今回、インタビューする"高校生クリエイター"のコンドウハルキさんは、平均月収が約50万円にも及ぶグラフィックデザイナー。彼はどのようにして現在のレベルにたどり着いたのでしょうか? 母親の英恵(はなえ)さんとのエピソードも交え、赤裸々に語ってもらいました。
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