プログラミングで「開け!宇宙のとびら!」~第4回 宇宙時代到来!でもその前に「AI(人工知能)時代」への心構えはできていますか?~

プログラミングで「開け!宇宙のとびら!」~第4回 宇宙時代到来!でもその前に「AI(人工知能)時代」への心構えはできていますか?~

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みなさん、こんにちは! 『子どもの理科離れをなくす会』代表の北原達正です。

最近、自動車のアクセルとブレーキの踏み間違えなどによる交通事故が頻繁に起きています。

わたしの住む滋賀県の大津市でも、保育園児が巻き込まれる痛ましい事故がありました。ほんの一瞬の不注意のせいで、尊い命が奪われてしまったことが残念でなりません。

このような事故を防ぐために、急ピッチで導入が進められているのが「自動運転装置」です。

どこまでを自動で行うかによって6つの段階に分かれており、たとえばアクセルやブレーキなど、運転の一部のみを支援する「レベル1」の装置は、すでに多くの車に取り付けられています。

AI技術をもつ人材が求められている

自動運転の技術はAI、すなわち「人工知能」の発達とともに発展してきました。AIは今後ますます必要とされる技術です。

この流れを見越して、東北大学は来年度から、理系、文系関係なく新入生全員を対象にAIの基礎を学ぶ授業を必修化することを発表しました。これに続く大学が出てくることは間違いなく、AI時代に向けた動きはすでにあちこちで始まっています。

社会がIT化する一方で、十分な技術をもった人材は圧倒的に不足しており、人材確保のために企業の取り組みも加速しています。

ソニーは来春の新入社員から、AIなど極めて高い技術を持った人材の初任給を、最高で730万円に引き上げると発表しました。

もしかすると保護者の方々の中には、ご自身は人工知能などとは無縁だと思っている方もおられるかもしれません。しかし、わたしたちが特別だとは感じないほど、AIはすでに生活の中に入り込んでいるのです。

お子さんが大きくなる頃にはなおさらAIは当たり前になっているはずです。「必要になってから学べばいい」というのでは、遅いのです。

AI時代に宇宙は学びの場になる

わたしは「宇宙」に対して強いあこがれを持っています。
子ども時代には毎晩、星空を眺めながら、「あの先はどうなっているのだろう」と、思いを馳せたものです。

憧れの対象でしかなかった宇宙も、現在では「ビジネス」の場になりつつあります。すでに多くの国や大学で、たくさんの宇宙プロジェクトが動いており、「宇宙産業」とよばれる分野は、この5年で数倍の規模に拡大しています。

わたしが代表を務める『子どもの理科離れをなくす会』でも、今年から「宇宙プロジェクト」が始動しました。小学4年生から大学院生までのメンバー 20名が、現在、準備を進めており、10月に高度35000m以上の「成層圏」に自作の観測機を打ち上げます

『子どもの理科離れをなくす会』の宇宙プロジェクトが始動しました!


観測するテーマは様々で、すべて子どもたちのアイデアによるものです。このプロジェクトを通して、子どもたちにはアイデアを実現する力を養ってほしいと考えています。

得られたデータは「MATLAB(マトラボ)」という、自動運転システムの開発や宇宙産業など世界的なビジネスでも使われている分析ソフトを使って解析し、得られた結果は科学系論文雑誌やシニアのコンテストで発表する予定です。

このプロジェクトで子どもたちが行うことは、大学など研究の場で研究者や技術者が取り組んでいることと何ら変わりありません。

プロジェクトの経験を通して10年後の自分をイメージすることこそが、学習の最高のモチベーションになると考えています。

プロジェクト1号機を開発する東日本メンバー。遠隔地のメンバーはネットで参加する。


「ググれ」ばなんでもわかる時代だからこそ、解決できない課題を与えたい

分析ソフトの「MATLAB」はアメリカのMATHWORKS社の製品で、AIやディープラーニングなどが必要な実務の現場で広く使われているものです。

宇宙や未来、そしてAI人材の育成に対するわたしの想いに共感していただいた同社のご厚意によって、この度、無償でご提供していただけることになりました。

MATLABはエンジニアや研究者にも使われている数値解析ソフト



この取り組みにたいして、「小学生にそんな無茶なことをさせて…」と、いぶかしがる声もあります。しかし、一見無茶な課題に向きあわせることで、自分の能力の未熟さを感じ、次のステップに進むための原動力にしてほしいのです。

そして、自分でもできることはないか、少し勉強すれば手が届きそうなことは何かを、自分で考えてほしいのです。

答えのない課題を解決するために試行錯誤する姿は、もはや立派な研究者です。「必要な知識は自分で調べて勉強する」という中には、行列や三角関数など高度な数学の知識も含まれます。

わたしが長年見ている限りでは、小学生高学年ぐらいならこのような知識を使える子はたくさんいます。AIも同じです。必要な場面さえ大人が用意してあげれば、子どもたちは驚くべき能力で、その技術を身につけていきます。

いろいろなセンサーで成層圏の環境を測定する。過酷な環境に耐えられるように試行錯誤する子どもたち。


海外に目を向ければ、中学校で画像解析の基本を教えている国もありますから、あながち無茶なことではありません。

そして何よりも、自分の作った観測機が宇宙で正常に動くのかというドキドキ、ワクワク感は、60年前に初めて人工衛星を打ち上げたソ連やNASAの科学技術者と同じ感覚でしょう。

科学は無味乾燥な机上の空論ではなく、こんなにも興奮するものだということをぜひ味わってほしいのです。

次の宇宙プロジェクトに参加するのはキミたちだ!

アポロ11号が人類で初めて月の石を持ち帰ったのは1969年のことです。

あれからちょうど50年たった今年、「はやぶさ2」が無人で地球外物質を採取することに初めて成功しました。これからAI技術はさらなる発展を遂げ、宇宙開発も加速度的に進むことでしょう。

夏合宿では、ドローンを使った予備実験を行った。


宇宙時代、AI時代に活躍できる人材の育成を目指して、『子どもの理科離れをなくす会』は単なるロボット教室、プログラミング教室ではなく、学んだ技術が子どもの夢や未来につながるような指導を行います

わたしのように宇宙に憧れを抱いていたというお父さん、お母さん、そしてお子さんに課題解決の機会を与えたいと願っている保護者の方がおられましたら、ぜひホームページをのぞいてみてください。

スペースバルーンプロジェクトに挑む西日本メンバー

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