結論として、職業訓練(ハローワーク)で動画編集を学ぶことは不可能ではありません。この記事では「職業訓練ではどの程度の動画編集スキルが学べるのか?」「動画編集を職業訓練で身につけるメリット・デメリットは何か?」といった疑問について、徹底解説していきます。
動画編集を学べる職業訓練・ハローワークは確かに存在する【数は少ない】
動画広告市場が右肩上がりで成長を続けている今、動画編集者が貴重な人材であることは間違いありません。その需要に応えるため、国も動画編集の重要性を認識し、職業訓練(ハローワーク)にも動画編集を学べるコースが出てきています。全国のハローワークにおける動画編集の教育訓練はまだまだ数が少なく、希望者も集中していることから競争率は比較的高めとなっています。必ずしも自分の希望するコースを受講できるとは限らないため、その点には十分留意すべきでしょう。
受講する際の申込書には「受講を決めた理由」「これまでの求職状況」「受講後どんなキャリアを歩みたいか」など、自身のやる気を示せる項目が並んでいます。少しでも合格確率を上げるべく、丁寧に記載するようにしたいところです。
職業訓練(教育訓練給付制度)対象の動画編集スクールもある
職業訓練というと「国が公的に提供しているものだけ」と考えてしまいがちですが、中には民間の動画編集スクールにもかかわらず、職業訓練の給付金対象となっているところも存在します。給付を受けられる民間スクールとして代表的なものが、資格取得・キャリアアップ向けの講座を数多く展開する「ヒューマンアカデミー」。未経験からでも動画編集スキルを着実に身につけられる「動画クリエイター講座」の中の一つ「Web動画クリエイター総合コース」では、受講料の最大20%(最大10万円)もの補助が受けられるのです。一般的に、国が運営する職業訓練よりも学べる内容が濃く、サポート体制やキャリア支援なども手厚い傾向にあるのも魅力。
なお、あくまで補助が受けられるだけで、少なからず受講費は発生してしまうのは注意したいところ。それでも「職業訓練よりもっと専門的な内容を学んでいきたい」と考えているのであれば、民間の動画編集スクールを活用してみるのも決して悪くはないでしょう。
職業訓練・ハローワークで学べる動画編集の内容
受講料無料が大きな魅力の職業訓練(ハローワーク)ですが、具体的にはどの程度の動画編集スキルを学ぶことができるのでしょうか。ここでは、東京都より委託を受ける「テラハウスICA(キャリア開発研究所)」が開講している「クリエイターのためのLP・動画ステップアップ科」を例に、受講内容をまとめてみました。-
Web制作の基礎
HTML/CSS、jQuery、レスポンシブデザイン -
Webデザインの基礎
Photoshop、Illustrator、AdobeXD -
動画編集スキル
Adobe Premiere Pro -
Web制作実習
身につけたスキルの集大成
動画編集はWeb制作分野の一つということもあり、大抵の職業訓練ではサイト設計の基礎であるHTML/CSSといった言語や、Webデザインに欠かせないPhotoshop・IllustratorといったAdobe製品に関するカリキュラムも組み込まれています。動画の編集技術だけでなく「作成した動画をどう公開していくか」「どのように次の仕事に活かしていくか」といった観点まで、幅広く学習できることでしょう。チームでの共同制作や成果物の報告会などが用意されているコースもあるので、コミュニケーション力やプレゼン力も養えます。
もちろんハローワークであることから最終目標は就職であり、それに付随した書類添削・面接対策といった就職サポートも受けられます。各コースによって多少カリキュラムの違いはあれど、おおよそ受講料無料とは思えないほど充実した訓練期間を過ごせることでしょう。
職業訓練・ハローワークで動画編集を学ぶメリットデメリット
ここでは、職業訓練(ハローワーク)で動画編集を学ぶメリットデメリットを両面から見ていきます。いざ受講が始まってから「何か思っていたのと違う…」なんてミスマッチを感じてしまうことのないように、良い点悪い点はそれぞれよく確認しておきましょう。職業訓練・ハローワークで動画編集を学ぶメリット
職業訓練(ハローワーク)で動画編集を学ぶ最大のメリットは、国が用意する手厚いサポート「求職者支援制度」を享受できることです。本制度の大まかな内容は以下の通り。- 受講料無料で動画編集スキルを一から学ぶことができる
- 就職に向けた種々のサポートが受けられる
- 月10万円の給付金がもらえる
会社を辞めてキャリアチェンジに向けて動き出すとなると「経済的に困窮してしまうのではないか」「次の就職先が見つからないかもしれない」といった、さまざまな不安が付きまとうかと思います。そんな時に職業訓練(ハローワーク)を活用すれば、スキル習得から就職支援、さらには経済面の補助まで一括でフォローしてもらえるのです。
独学で闇雲に動画編集を学んでいくより、圧倒的に効率が良く精神的にも安定することはまず間違いないでしょう。要件を満たしているのであれば、ぜひ職業訓練は活用したいところ。
職業訓練・ハローワークで動画編集を学ぶデメリット
もちろん、職業訓練で動画編集を学ぶことにデメリットもあるのが事実。まず、そもそも受講するための競争が激しく、ハードルが高いことが挙げられます。受講を希望する人たちはどんどん増えている一方で、全国的に見て利用可能な施設はまだまだ限られているため、受け入れ人数に制限があるのです。また「カリキュラムが基礎的な内容に留まってしまうことが多い」というのも気になるところ。実務で使われるような実践的なスキルまでカバーしきれていないこともあり、いざ就職できても業務についていけない、なんて事態に陥る可能性もゼロではありません。
これらのデメリットが気になるようであれば、民間の動画編集スクールを活用するのも一つの手です。受講料はかかってしまうものの、先述した通り給付金対象となっているところもあり、ある程度の負担は軽減できます。国の職業訓練と違いオンラインで学べる場合もあるので、焦らず自分のペースで進めていけるでしょう。
おすすめの動画編集スクール4選
ここでは、コエテコがおすすめする動画編集スクールを紹介します。デジハク
デジハクは、未経験からオンライン完結でスキルが身につく動画編集スクールです。
受講生の9割以上が未経験スタートし、卒業後は各業界で活躍しています。
なお受講の方法は、動画視聴型。
AdobeソフトのPremiere Pro・After Effectsをメインに学習を進めていきます。カリキュラムは、基礎から分かりやすく体系化されているため、迷わずに学習を進めていくことができるでしょう。
また各講座終了後は、動画制作の課題が用意されています。課題を通じたアウトプット作業に取り組むことで卒業後には、確かなスキルが身に付いている状態となるでしょう。
受講中に不明点があれば、現役フリーランスクリエイターのサポートを受けることも可能。他にも課題添削を受けたり、受注した制作案件の相談なども気軽にできるため、都度不安や躓きを解消しながら学び深めていくことができるでしょう。
MOOCRES
MOOCRESは、未経験から4ヶ月で動画クリエイターへの成長を目指す、動画クリエイター養成スクール。
最大6名の超少人数クラスで現役クリエイター講師から、高単価クリエイターを目指せるAfter Effects中心のカリキュラムをベースにした指導を受けます。リアルタイム受講ができるため、勉強仲間が欲しい人や仲間と共に切磋琢磨しながら学び進めたい人にピッタリ。
校舎は東京・大阪・名古屋にありますが、オンラインでも受講できます。
またMOOCRESのカリキュラムでは、実際のクライアントワークにも取り組めます。受講中に案件獲得〜納品完了まで体験できるため、副業やフリーランスへの道をリアルに体験できるでしょう。
卒業時点で副業やフリーランスとしての仕事獲得のイメージを具体化できている状態になります。そのため卒業後は時間を無駄にすることなく効率的に活動をスタートできるでしょう。
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座は、日本でも数少ないアドビ システムズ株式会社の「プラチナスクールパートナー」に認定された動画編集スキルを身に付けられるスクール。
月々5,200円から受講できるリーズナブルな価格の他、現役動画クリエイターが監修した映像講義や質問回数無制限、受講前から就転職までを徹底サポートしてくれるカウンセリングなど手厚い学習支援が魅力です。
そんなヒューマンアカデミー動画クリエイター講座には、次の3つのコースが用意されています。
- 動画クリエイターコース:動画の基礎を学んで業務に活かす
- 動画クリエイター総合コース:就職・転職できるスキルを身につける
- Web動画クリエイター総合コース:Web制作技術も学べる
動画編集スキルを学ぶ目的が明確になっている人は、自分の学習目的に応じたコースを選択できる、ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座がおすすめです。
studio US(スタジオアス)
ソフトの使い方を一から丁寧に勉強してプロの動画クリエイターになりたいと考えている人には、studio USがおすすめです。動画編集が未経験の人でも、900本以上の動画教材を利用して基礎から実践まで学ぶことができ、分からない箇所はいつでも講師に質問できます。
受講中に制作する動画は最大50本にのぼるため、自然と実践的なスキルを身につけられるでしょう。スキル習得後は、スクールを通してお仕事の依頼を受けることも可能です。動画編集に関するスキルはもちろん、リテラシーやセールスなどのビジネススキルも身につけることができ、フリーランスとして活躍するための土台を固められます。
動画編集職業訓練校まとめ
当記事では、動画編集者へのキャリアを歩み始めようと考えている人に向けて「職業訓練でも動画編集を学べるコースは出てきている」という内容をはじめ、具体的な学べる内容や職業訓練のメリットデメリットについてまで、詳細に解説してきました。まだまだ全国的に数は限られているものの、職業訓練(ハローワーク)に動画編集コースが登場してきているのは確かです。受講料無料なうえ月10万円の補助が受けられるなど至れり尽くせりなので、独学で進めるよりもぜひ国の制度を活用するようにしましょう。
一方で「競争率が高い」「基礎的な内容が中心」といったデメリットもあるので、必要に応じて民間スクールなどを利用してみるのもおすすめです。昨今は給付金対象となっている民間スクールも続々と出てきていますので、費用を抑えつつも実務レベルの高いスキルを習得していけるはずですよ。