この記事では「本当に動画編集でフリーランスになるのは厳しいの?」といった疑問を解消したうえで、フリーランスの動画編集者に手厳しい声が多い理由や、気になる収入面についてまで、詳細に解説していきます。
動画編集でフリーランスになるのは厳しい?
結論から言うと、フリーランスの動画編集者として生活していくことは決して不可能ではありません。もちろん最初から大きく稼いでいくことは容易ではありませんが、経験を積み重ねて実績を付けていけば、会社員以上の収入を得ることも難しくはないでしょう。参考に、大手クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」に掲載されている動画編集案件の単価相場を以下にまとめました。
項目 | 業務内容 | 単価 |
---|---|---|
YouTube動画作成・編集 | Youtube用動画15分尺の編集(テロップ・素材カット・SE) | 8,000円~/本 |
TikTok・短尺動画 | Tik Tok動画の撮影・文字入れ(カット・顔出しなし) | 3,000円~/本 |
映像編集・映像制作 | 企業紹介用ムービー(素材・絵コンテあり) | 120,000円~/本 |
映像撮影 | 商品宣伝用PRムービーの撮影(機材はお任せ) | 100,000円~ |
最も一般的なYouTube動画の編集作業でも、1本あたり8,000円程度。月30本こなせばそれだけで24万円の収入になります。YouTube以外にもTikTok用、企業紹介用、商品PR用など、需要はさまざま。自分の専門領域を広げていけば、さらなる高収入も狙っていけるはず。
なお、クラウドワークスのようなクラウドソーシングサイトは、運営側に手数料を取られる都合上、報酬単価が低くなる傾向にあります。実績を付けて企業との直接契約を勝ち取ることができれば、収入UPはさらに加速していくことでしょう。
「動画編集のフリーランスは厳しいからやめとけ」と言われる理由
ここからは、ネット上などで「動画編集のフリーランスは厳しい」「やめとけ」といった声が多数散見されている理由について探っていきます。参考:動画編集やめとけ
- 新規参入者が増えて仕事が取り合いになっているから
- 実績がないと低単価案件しか取れず消耗してしまうから
新規参入する動画編集者が増えすぎて仕事が取り合いになっているから
YouTubeの台頭が続き、動画広告市場も右肩上がりで成長している今、動画編集市場へ新規参入する人も急増しています。その結果、新規参入者同士で仕事の奪い合いが生じてしまっている状況です。ある程度実績があるならまだしも、これから動画編集スキルを身につけるような状態では、フリーランスになっても、競合に埋もれてしまうこと必至でしょう。「ライバルが多すぎる」という点は、動画編集フリーランスが厳しいと言われる特に大きな原因です。
実績がないと低単価案件しか取れず消耗してしまうから
フリーランスの動画編集者として市場に参入し、首尾よく案件が取れたとしても、実績のない最初期はお小遣いレベルの低単価案件ばかりになってしまうことも考えられます。1本4〜5,000円の案件だとしたら、毎日コツコツ月30本納品したとしても10万円ちょっと。とても生活していける金額ではないことが分かります。このことから「動画編集は稼げるどころか消耗するばかり」というイメージがつき、フリーランスは厳しい・やめとけといった声に繋がっているのでしょう。
フリーランスの動画編集者の収入・年収相場【月収100万レベルも可能?】
フリーランスの動画編集者の収入はかなり幅があり、相場としては一概に言えないところがあります。完全に業務委託として編集作業だけを請け負っている人もいれば、自分でYouTubeチャンネルを作って広告収入を得ている人もいたりと、働き方に差があるからです。厚生労働省が手掛ける職業情報サイト「jobtag」によれば、会社員として働く動画編集者(映像制作者)の平均年収は約580万円。フリーランスには会社員のような年収上限がないため、稼働時間や案件単価によって青天井で年収を伸ばしていくことも十分可能です。高い編集スキルを備えていたり、評判の高い動画を数多く制作してきた実績を有していたりすれば、月収100万円・年収1,000万円という高収入を狙っていくことも夢ではないでしょう。
参考:動画クリエイターの年収
フリーランスの動画編集者で稼げるようになるまでどれくらいかかる?
完全に未経験の状態からフリーランスの動画編集者になる場合、稼げるようになるまでに3か月〜6か月程度かかることが多いようです。動画編集者は編集スキルだけあればいいわけではありません。自分の実績をまとめたポートフォリオを作ったり、案件を獲得していくために営業活動をしたりと、諸々の準備作業が必要になることもあり、稼ぐまでにそれなりの時間がかかってしまうのです。- 動画編集スキルの習得:1~2か月
- 自主制作・ポートフォリオ作成:1~2か月
- ポートフォリオを元に営業活動:1~2か月
動画編集はじめて6か月目
副業での収入がようやく
発生しそうです✨🎉
Twitterでは早く結果を
出した人がもてはやされますが
私は自信がないと
踏み出せない性格でした🦉
だからあなたも1人ひとりの
ペースでいいと思います✨
人と比べる必要ないですね☀️
あなたの人生だもの😊
引用:https://twitter.com/manyon_5/status/1305083057288876032
動画編集のお仕事を始めて3か月が経ちました😊動画編集にどれくらいの時間を充てられるかにもよりますが、少なくとも「未経験者が数週間〜1か月程度で簡単に稼げるようになるものではない」ということだけは、あらかじめ留意しておく必要があるでしょう。
3か月で10万円の収入を得る事ができました🙌
まだPC代、スクール代にもなっていませんが、3か月前は収入0だったことを考えると、すごいなと自分で褒めときます🙌
家庭保育しながら夜中に良く頑張ったなと😂
引用:https://twitter.com/kanana42/status/1509397631902314497
参考:未経験から動画クリエイターになるには
未経験・実績なしからフリーランスの動画編集者になるには
未経験・実績なしからフリーランスの動画編集者を目指す方には、以下3つの方法のいずれかがおすすめです。- 独学で勉強する
- スクールでスキルを習得する
- 映像制作会社や広告代理店に転職する
参考:スキルなし・未経験からフリーランスになるには?仕事はあるのか
独学で勉強する
独学で勉強する場合は、無料動画や書籍を利用して、自分でスキルを身に着けるといいでしょう。独学であれば、費用があまりかからず好きな時間に学べます。とはいえ、独学だと「何を学べばいいのか」「学んでいることが正しいのか」分からなくなるため、初心者には向いていません。独学は、ある程度動画編集の基礎スキルが身についている人向けの方法と言えるでしょう。独学だとモチベーションの維持やスケジュール管理が難しく、挫折するリスクが高まるというデメリットもあります。時間がかかる上にスキルを習得できる保証がないため、確実に動画編集者になりたい方も避けた方がいいでしょう。
参考:動画編集独学
スクールでスキルを習得する
効率よくスキルを学びたいのであれば、スクールを活用するのがおすすめです。スクールなら、未経験者でも基礎から応用まで体系的に学ぶことができ、ポートフォリオも作成できます。ポートフォリオとは、フリーランスの作品集みたいなもの。ポートフォリオの出来が良ければ案件を獲得しやすくなるため、フリーランスの動画編集者には必要不可欠です。ポートフォリオの作成や添削を講師が一緒に行っているスクールであれば、質の高いポートフォリオを作成できるでしょう。
スクールは、独学に比べてモチベーションを保ちやすいのも特徴の1つ。講師や同じ目的に向かって努力する仲間がいることで、スキル習得に向けて励みやすくなるでしょう。
この記事では、おすすめの動画編集スクールの講座内容・料金を分かりやすく一覧で比較しています。未経験からの副業挑戦、在宅勤務(リモートワーク)、フリーランス独立など、自由な働き方を実現。買い切り型の動画編集講座や独学のメリット・デメリットなど、動画編集学校についてわかりやすく解説します。
この記事をcoeteco.jp で読む >映像制作会社や広告代理店に転職する
フリーランスの動画編集者になる方法として、映像制作会社や広告代理店に転職して、スキルを身につけるという選択肢もあります。動画編集に関する業務を行う企業に転職できれば、給与を得ながら動画編集のスキルを習得できるでしょう。とはいえ、企業にうまく転職できたとしても、未経験者が動画編集を任されるようになるまでには時間がかかるのが一般的です。動画編集のスキル習得につながるような仕事を任されるかどうかは転職してみないと分からないため、かなりリスキーな方法と言えるでしょう。動画編集フリーランスを目指す方におすすめスクール7選
「一日でも早くフリーランスの動画編集者として活躍していきたい」という熱意があるのであれば、動画編集者の養成を目的とした動画編集スクールを活用してみるのもおすすめです。当然受講料はかかってしまいますが、体系的なカリキュラムが用意されているため、独学で学ぶよりも遠回りすることなく、短期間で目標へと近づくことができます。参考:動画編集スクールフリーランス
デジハク
副業・フリーランス向け動画編集スクールとして高い評価を誇る「デジハク」。受講生の9割以上が未経験から学習をスタートしたにもかかわらず、8割以上が受講開始3か月以内に案件への着手を始めているとのことでした。案件獲得に向けたサポートが付帯していることも効いていると考えられます。
フリーランスの動画編集者として大成することができれば、スクール代を回収することも容易でしょう。「独学で進めることに自信がない…」「寄り道せず最短でフリーランスになりたい!」と考えているのであれば、オンラインスクールを活用して動画編集スキルを身につけてみてはいかがでしょうか。
studio US
studio USは、未経験から動画クリエイターを目指す動画制作オンラインスクールです。
カリキュラムは、動画視聴型のコンテンツであり、全ての講義をオンラインで受講できるため、現職に忙しい人でも動画編集に必要なスキルを自分のペースで習得できるでしょう。
また同スクールは、フリーランスとして活躍を目指す人にもピッタリ。
動画編集に必要な技術スキルはもちろん、営業やリテラシーについても学ぶことができます。また受講中は様々な課題を通じて動画作品を制作するため、卒業時にはポートフォリオも充実した状態になっているでしょう。フリーランス活動にむけてわざわざポートフォリオ作成から始める必要がないため、スムーズに活動をスタートできるでしょう。
MOOCRES
MOOCRESは、ゼロベースからプロの動画クリエイターを目指す動画制作スクールです。
After Effects中心のカリキュラムが用意されており、卒業後は単価の高い案件にも挑戦できます。もちろん、挫折が心配な人にも徹底した学習支援が用意されているため、最後まで必要な技術をしっかり学び通すことができるでしょう。
そんなMOOCRESでは、受講中に案件獲得までの一連の流れを体験できます。
案件獲得から顧客折衝、納品まで一貫して体験できる点は、卒業後のフリーランスや副業の道をリアルに体験できると評判です。
未経験からフリーランスの動画編集者を目指す人は、ぜひ受講を検討してみてください。
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座は、月々3,600円から受講できる動画編集スクールです。
本スクールの魅力は、下記の通り目的に合わせたコースが複数用意されている点。
- 動画編集副業コース
- 動画クリエイターコース
- 動画クリエイターコース
- Web動画クリエイターコース
『動画編集副業コース』に関しては、3ヶ月で動画編集に必要なスキルを習得できるため、短期間でフリーランススキルを身に付けたい人にピッタリ。
さらに、オンライン学習はもちろん、全国に点在する校舎で学ぶことも可能です。
自分のライフスタイルに合わせながらも最短期間で動画編集技術を学びたい人は、受講をおすすめします。
SHElikes
SHElikesは40以上のコースで豊富なスキルを学べるスクールです。「動画編集」のコースでは、初めて動画編集をする人でも、動画クリエイターを目指せるよう、基礎知識からじっくり学べる内容になっています。「モーショングラフィックス」のコースは、動画編集ツールAfterEffectsによるアニメーション動画の制作について学習可能。またSNSで動画を発信したいと考えている人向けの「SNS動画制作」コースでは、最後までみてもらえる動画を作るためのノウハウも学べます。
定額で学び放題であることに加えて、分からないところを講師に質問が可能。月に1回のコーチングを受けながら学べるため、挫折しにくいのも特徴です。
忍者CODE
動画編集でフリーランスを目指したいと考えているなら忍者CODEが向いています。受講後に5万円分の案件の紹介を受けられる「副業・案件獲得保証プラン」なら、未経験者が獲得しにくい実績を得た上で、副業や独立にチャレンジ可能です。講座内では課題のフィードバックを受けながら動画編集のスキルアップを目指すと同時に、実際の仕事をスムーズに進めるポイントも学べます。コツを知った上で取り組めるため、副業やフリーランスとしての成功率を高められるでしょう。
チャットによる1対1の個別サポートを、24時間いつでも無制限で利用できるのも特徴。受講期間中に活用することで、動画編集に必要なスキルを獲得しやすくなります。
MOVA
「MOVA」には、未経験からプロ動画クリエイターになりたい人をサポートするため、超実践的なカリキュラムが用意されています。プロの技術を学ぶのだから、教える講師は当然現役の動画クリエイターのみ。フリーランスに必要な技術・知識はもちろん、業界のリアルな情報を伝えています。超実践的なカリキュラムを謳うだけあり、撮影実習やロールプレイなどの学習を積極的に採用。学んだスキルを実際にアウトプットすることで使えるスキルに変えられます。どんなにスキルをインプットしても、現場で使えなければ意味がありません。
受講中から案件を獲得できるのも、MOVAの魅力の一つ。受講中だけでなく、卒業後も高単価案件獲得に向けてサポートしてもらうことが可能です。
案件が取れないフリーランスの動画編集必見!営業のポイント
案件を取りたいのであれば、以下のことに気を付けましょう。- ポートフォリオを作成する
- スキルを伸ばす
- 一定のジャンルに特化する
- 案件に応じて提案文を変える
ポートフォリオを作成する
自分のスキルを効果的にアピールするためには、ポートフォリオを作成する必要があります。ポートフォリオがないと、どれくらいのスキルがあるのかをクライアントにアピールできず、受注の機会を逃してしまうでしょう。ポートフォリオがあるかないかで、クライアントの信頼度も変わります。案件が取れないと悩んでいる方は、ポートフォリオを充実させてみるといいでしょう。とはいえ、質の低いポートフォリオでは、いくら作成しても意味がありません。案件獲得に役立つポートフォリオを作成したいのであれば、先にスキルを身につけることが大切です。スキルの習得からポートフォリオの作成まで独学でやると膨大な時間がかかるため、効率よく行いたい方は、ポートフォリオが作成できるスクールを活用しましょう。
スキルを伸ばす
基礎的なスキルだけではなく、高度なスキルを習得することで、よりクオリティの高い動画を制作できるようになります。スキルを伸ばすことができれば、今より挑戦できる案件が増え、案件受注の可能性を広げられるでしょう。スキルを伸ばすほど、他の動画編集者との差別化にも役立ちます。しかし、高度なスキルは、基礎的なスキルに比べて習得が困難なのが悩みどころです。高度なスキルを身につけたいのであれば、自分より優れた動画編集者に指導してもらうといいでしょう。
一定のジャンルに特化する
特定の分野に特化することで、その分野に知見がある動画編集者として認識され、クライアントから信頼を得やすくなります。ジャンルを絞って案件を受注すれば、どんどんそのジャンルの知見や実績がたまり、案件を効率よく獲得できるようになるでしょう。より自分の市場価値を高めたいのであれば、ライバルが少ないジャンルを選ぶのがおすすめです。案件に応じて提案文を変える
案件を獲得したいのであれば、テンプレ化せずに、クライアントや案件に適した提案文を作成するのがおすすめです。提案文に求められるのは、いかにクライアントの目を惹くかということ。クライアントの目をを惹くためには、他の応募者よりも熱意のある魅力的な文章を送ることが大切です。クライアントのもとには多くの提案文が届いているため、テンプレでは埋もれてしまいます。案件の概要やクライアントの要望を把握し、提案文に反映させられれば、案件獲得できる確率を上げられるでしょう。
フリーランスの動画編集は厳しいのかまとめ
当記事では「動画編集でフリーランスになるのは厳しい」と言われている理由とその真偽を解説したうえで、収入・年収相場や稼げるようになるまでに期間についてまで、詳細に解説してきました。動画市場が右肩上がりに成長しているのに比例するように、動画編集業界へ新規参入する人も急増している昨今。ライバルが多いため厳しい世界であることは確かですが、稼げないかと言われたら決してそんなことはないでしょう。
最初はなかなか稼げなかったとしても、正しい努力を継続していくことでどこかで低迷期を抜け出す瞬間が訪れるはず。「厳しい」「やめとけ」といった声に臆することなく、必要に応じて動画編集スクール等も活用しつつ、動画編集者というキャリアに挑戦してみてくださいね。