結論から言うと、動画編集業界において資格は必要ありません。資格取得に長い時間をかけても、案件獲得時にプラスに働くことは稀と言ってもいいでしょう。
この記事では、動画編集に資格が必要ない理由をはじめ、資格よりも重要なことや身につけたいスキルについて解説していきます。参考程度に、動画編集に関連性のある資格もいくつかまとめてみました。
動画編集に資格は必要ない?
冒頭でも説明した通り、動画編集者として仕事を獲得していくうえで、資格や検定がなくても困ることはまずありません。というのも、医師や税理士といった資格必須の職業と違い、動画編集者に必須の資格はないからです。
現状の動画編集業界において、資格を持っていることが評価されて案件獲得につながることはほぼないと言っていいでしょう。各種求人サイトでも、必須条件に資格を記載している会社は見受けられません。
これから動画編集の世界に入ろうとしている人は、資格取得に貴重な時間とお金を費やすことなく、後述する「資格取得よりも大事なこと」に注力することをおすすめします。
動画編集資格おすすめ3選
動画編集において資格は必須ではありませんが、もちろん関連する資格・検定がないわけではありません。「直接仕事につながることは少なくても、やはり何か資格は取っておきたい」という人におすすめの資格をご紹介します。
アドビ認定プロフェッショナル
アドビ認定プロフェッショナルは、その名の通り「Adobe(アドビ)」が提供するデザインソフトの扱い方・基礎技術が学べる、Adobe社公認の資格です。この資格では、以下3つのソフトを取り扱います。
- Premiere Pro
- Photoshop
- Illustrator
これから動画編集を始めるという人はもちろん、すでに少し勉強を進めているという人も、知識定着のために挑戦してみて損はないはずです。
動画編集検定
動画編集検定は、一般社団法人日本動画編集協会が提供している、数少ない「動画編集に特化した資格」です。動画編集で仕事を獲得していく技能があるかどうかを、客観的に評価することができます。
編集スキルだけでなく、実際に仕事をしていく上での契約関係の知識も学べるため、独立を考えている人の土台作りにも役立つことでしょう。
当資格を取得すれば、一定以上の動画編集スキルを有していることを証明できるのは確か。一方で、現状は企業がこの資格を必須としているケースはほとんどありません。
CGクリエイター検定
CGクリエイター検定は、公益社団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS)から年2回開催されている、動画編集の中でもCGクリエイターに特化した資格です。CGについての基礎知識から2D・3DCGの制作手法、さらには魅力的に見せるための構図やカメラワークまで学べます。獲得しようとしている仕事、希望している企業がCG寄りなら、知識のアピールになるかもしれません。一方で、動画編集するうえでのスキル・ソフトの取り扱い等が学べるわけではないため、やはりそこまで重要視されないケースがほとんどでしょう。
参考:3DCGスクール
動画編集をするうえで資格よりも大事なこと
動画編集者として活動していくために、資格よりもずっと大事なことが複数あります。身につけておきたいスキルと併せて3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。- 編集技術
- 構成力
- 実績(ポートフォリオ)
編集技術
動画編集に用いるソフトを満足に扱えるようになり、実務で使える編集技術を身につけることこそが、動画編集者に最も求められているスキルです。動画編集業界は「実力主義」の世界。いくら専門資格を有していたとしても、企業が求めるクオリティの動画を作れなければ意味がありません。
資格あり・技術そこそこの人よりも、資格なし・技術ありの人の方が、圧倒的に任される仕事は多いです。
資格勉強に時間を割くよりも、その分独学やスクールを活用してガンガン編集技術を磨いたほうがいいでしょう。より早く現場で活躍できる人材になれるはずです。
参考:動画編集独学
構成力
動画編集技術と同じくらい、魅力的な動画に仕上げるために重要なのが「構成力」です。どんな動画でも、以下のような「動画を作る目的」があるかと思います。
- 新規顧客獲得
- 自社商品の販売促進
- チャンネル登録者数の増加 etc...
動画編集者はただ動画を編集していればいいと思われがちですが、いくら秀逸な動画編集スキルを備えていたとしても、動画の構成が陳腐であれば視聴者の心には響きません。
普段から優れた動画をたくさん見る等して、構成力を磨く癖をつけるとよいかと思います。
実績(ポートフォリオ)
資格が重要視されない動画編集業界において、自分の動画編集技術の証明に最も有効なのが「実績(ポートフォリオ)」です。企業に応募する場合でも個人で仕事していく場合でも、クオリティの高い実績を提示することで採用確率はグッと上がります。「動画編集に関するこんな資格を持っています!」よりも「〇〇というソフトを使って、こんな動画を自主制作してみました!」とアピールしたほうがよほど効果的。
ある程度の編集技術・構成力を身につけたら、あとは実績づくりに注力していくようにしましょう。
なお、作成した動画を個人のホームページやSNSにポートフォリオとして掲載していれば、企業から直接声がかかることもあるかもしれません。
【資格より重要】動画編集業界で仕事を獲得していくための3Step
未経験から動画編集業界に参入していくまでの道のりを3Stepでまとめました。資格なしでも十分実現していけるキャリアパスとなっているので、これから動画編集を始めたいという人は必見です。参考:未経験から動画クリエイターになるには
Step1.独学orスクールで基礎知識を習得する
まずは「動画編集とはどういうものか」「どういう動画編集ソフトを使ってどんな作業をする必要があるのか」といった基礎知識を身につけましょう。書籍などを使って独学で身につける方法もありますが、おすすめは「動画編集スクール」です。
受講費はかかってしまうものの、独学と違い本当に必要な知識だけを最短で学ぶことができるため、費用対効果が非常に高くなっています。
資格勉強のための書籍、資格受験費、その他独学のための書籍等を買うお金があるのであれば、スクールに投資したほうが圧倒的に効率的でしょう。早ければ数か月〜半年程度で基礎は十分身につくはずです。
参考:動画編集独学
この記事では、おすすめの動画編集スクールの講座内容・料金を分かりやすく一覧で比較しています。未経験からの副業挑戦、在宅勤務(リモートワーク)、フリーランス独立など、自由な働き方を実現。買い切り型の動画編集講座や独学のメリット・デメリットなど、動画編集学校についてわかりやすく解説します。
この記事をcoeteco.jp で読む >Step2.副業として動画編集案件に取り組む
スクールで培った知識と作成してきた実績をもとに、まずは副業としてクラウドソーシングサイト等で案件を獲得していくのがおすすめです。知識とスキルだけでいきなり独立してしまうと、実績が伴わず案件が獲得できない→収入が得られない→動画編集にもまともに取り組めないといった負のループに陥ってしまいます。
動画編集業界は「実績命」なところが強いため、本気で動画編集で食べていくのであれば、まずは個人でどんどん実績を積み上げていきましょう。本業という収入の柱があることで、精神的にも安定しながら動画編集に打ち込めます。
参考:動画編集副業
Step3.副業経験をもとに独立or企業の動画編集者へ
副業案件で実績を積み、即戦力で活躍できる人材にまで成長できれば、企業に就職して動画編集を本業にしていくことも十分に可能です。個人で仕事を受けるというスタイルがピッタリ来た人は、副業が軌道に乗ったらそのままフリーランスになるのもあり。昨今はYouTube等の動画プラットフォームが非常に活発なこともあって、フリーの動画編集者として働く人も増えています。個人でも実績さえ積み重ねていけば、会社勤め以上の高収入も狙っていけるでしょう。
参考:動画編集フリーランス
資格取得も目指せるおすすめ動画編集スクール5選
動画編集の基礎知識・ソフトの使い方を最短で身につけるためには、独学よりもスクールに通ったほうが圧倒的に効率的。しかしスクールも多種多様で迷ってしまうかと思うので、価格・サービス面で特におすすめな動画編集スクールを紹介します。studio US
studio USは、未経験者向けの動画編集オンラインスクールです。動画編集に必要なソフトの使い方などの基礎からきちんと学べるため、未経験者でも着実にスキルを習得できます。分からないことがあっても、チャットで常時質問できるため、心配はいりません。気軽に質問・相談できるシステムにより、未経験者でもスムーズに学習を進めやすいでしょう。動画編集のスキルを身につけられれば、同スクールを通して案件を受けることも可能です。
同スクールでは、以下のスキルが身につきます。
- Adobe Premiere Pro
- Adobe After Effects
- Adobe Photoshop
- Adobe illustretor
- Cinema 4D
デジハク
デジハクは、動画編集未経験の人に特化したオンライン限定のスクールです。受講生の9割以上が未経験から挑戦し、副業やフリーランスとして活躍するまでに至っています。動画編集にはAdobe社の「Premiere Pro」等のソフトが必要不可欠ですが、デジハクでは全300本以上の講座で基礎から体系的に身につけていくことが可能です。視聴期限もなくオンライン講座になっているため、隙間時間で効率的に学習を進められるでしょう。
講座の中で作成した動画は、そのままあなたの「ポートフォリオ」として、転職や案件応募に活かしていけるのもポイント。分からないことがあっても動画編集経験者の講師がマンツーマンでサポートしてくれるため、最短で動画編集を仕事にしていけるはずです。
ムークリ
最大6人の少人数制クラスで学び、4ヶ月で初心者からプロを目指せるのはムークリです。高単価な案件の獲得につながるアニメーション動画を作れるAdobe After Effectsを中心に学びます。身につけた動画制作スキルを使い仕事を獲得できるよう、現場で求められる企画力や構成力について学ぶ講座があるのも特徴です。現役クリエイターの講師からは、営業や集客の仕方も教われます。
4ヶ月の受講期間中に案件獲得から納品までの一連の流れを体験できるのもムークリならではです。1件の案件受注を保証しているため、「動画制作を副業にしたい」「フリーランスとして動画制作したい」という場合には、実際の仕事の流れをサポートを受けながら体験できます。
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座
ヒューマンアカデミー動画クリエイター講座は、月々3,600円から始められるリーズナブルな動画編集スクールです。動画編集についてしっかり学べるポイントが満載なので、未経験からでも動画編集スキルが身につきます。受講前から就・転職までカウンセラーがサポートしてくれるため、動画編集について知識・スキルがなくても心配いりません。映像講義は、現役動画クリエイター監修で実践的な内容。見放題なので、理解できるまで繰り返し見たり後から復習として見返したりすることが可能です。受講中に制作できるポートフォリオは、就・転職時や案件探しをする際に有利に働くでしょう。
全国に23校舎あり、オンラインでも通学でも好きな学び方を選択できます。
DMM WEBCAMP 動画クリエイターコース
DMM WEBCAMPでは、動画編集に関する知識をトータルで学ぶわけではなく、以下4つのコースから好きなものを選んで受講できるのが特徴。コース分けしてあることで、より専門的な部分まで踏み込んで習得可能です。
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Premiere Pro
Premiere Pro の扱い方・実務で使う機能について -
After Effects
After Effectsの基本的な使い方・効果的な動画編集方法について -
構成書の理解
クライアントからの構成書を元に動画を編集・作成する方法について -
動画製作工程の実践
計画、構成、編集、納品までをトータル的な知識について
動画編集資格まとめ
当記事では「動画編集に資格が必要ない理由」「資格よりも重要なこと・身につけたいスキル」をはじめ、おすすめの動画編集スクールについてまで詳細に解説してきました。未経験から何かに挑戦する際、資格さえあれば有利になると思いがち。しかし動画編集に関しては、資格よりも「編集技術」と「実績」の方がよっぽど重要です。
資格取得にかけるお金・時間があるのなら、それをそのままスクールの受講に充てることをおすすめします。遠回りすることなく、最短で動画編集者として活躍できるようになりますよ。