Webデザイナーの就職は厳しい？成功させるコツも解説

Webデザイナーの就職が厳しいといわれる理由

Webデザイナーは、クリエイティブな職種であり、技術や実力を求められるため、とくに未経験から目指す人にとっては、厳しいものになりがちです。

• 技術が求められるから
• 実力を求められる世界だから
• Web業界は流動的だから
• スキルを得るまでに時間がかかるから

技術が求められるから

Webデザイナーは、技術が求められます。「Photoshop」や「Illustrator」などの専用ソフトを使用して、Webサイト制作をするのが仕事のため、デザインやコーディングができる力が必要です。

なかには未経験から応募できる求人もありますが、大半は実務経験者向けのものとなっています。 Webデザイナーへの就職を目指す際は、自分でWebサイトを構築できるような最低限のスキルを身につけておきましょう。

実力が求められる世界だから

どの企業でもそうですが、実力のある人材や即戦力になる人材が求められています。そのなかでも、WebデザイナーやWebライターなどのクリエイティブ職は、学歴や職歴より実力が重視されやすい傾向があります。

たとえば、Webデザイナーであれば「どのようなサイトを作れるのか」「どのようなスキルがあるのか」が重視されやすい、といった具合です。

右も左もわからない状態から採用してもらうのは難しいため、少しでも知識やスキルを身につけ、自分の作品（ポートフォリオ）を提示できるようにしていきましょう。

Web業界は流動的だから

IT業界・Web業界は成長が著しく、常に変化し続けています。今後も、時代に合わせてどんどん進んでいくでしょう。時代の進化に伴って、求められるニーズも変わってきます。

「求められるニーズが変化する ＝ 求められる技術も変化する」ため、Webデザイナーは、常にニーズに合った技術を身につけていかなければなりません。

日々勉強し続けることが苦痛な人にとって、Webデザイナーは厳しい職だと感じやすいでしょう。
参考：IT業界はやめとけ？

スキルを得るまでに時間がかかるから

スキルを得るまでに時間がかかる点も、Webデザイナーへの就職は厳しいといわれている理由です。

たとえば未経験者が、「Photoshop」（写真・画像の加工や、色の調整などができるソフト）を使えるようになりたいと思っても、1日、2日で使いこなせるようになるものではありません。

また他のソフトや、場合によってはHTMLなどのコーディングスキルも必要になります。そのため、スキルを習得するまでに最低3か月はかかるといわれています。指導者側の人材不足もあり、企業にとって未経験者の採用は難しいといえるでしょう。

ライバルが多いから

Webデザイナーは、注目の高まりとともに、「なりたい」と思う人が増えている職種です。
またリモートワークや在宅勤務が一般化する中、Webデザイナーに転身し、自由度の高い働き方を叶えたいと考える人も増加の一途をたどっています。

好条件の求人は倍率が高く、他のWebデザイナーと差別化を図れるような強み・スキルがなければ思うような収入も叶えられないでしょう。
Webデザイナーとして安定した収入を叶えるためには、他のデザイナーと差別化できるプラスアルファのスキルも身に付けていきましょう。

Webデザイナーが就職するために必要な資格・スキルとは

Webデザイナーには、必須の資格はありません。とはいえ、Webやデザインに関する資格試験はあるため、資格を取得するのもよいでしょう。スキルを示せる1つの判断材料になり、就職に活かせるかもしれません。


続いて、Webデザイナーに必要なスキルには、以下のようなものがあります。


Webサイトを構築するための基礎知識やスキルのほか、取引先がどのようなイメージを求めているのかを聞き取る「ヒアリングスキル」や、最近のデザインのトレンド、最新技術などの情報を集める「情報収集スキル」などがあると活躍できるでしょう。

Webデザイナーは就職先によって厳しさが異なる？

Webデザイナーだけに限った話ではありませんが、就職先によって働き方や求められる能力が異なります。それぞれ特徴が異なるため、就職・転職後のギャップを減らしたい方は、あらかじめ把握しておいてください。
参考：Webデザイナーはやめとけ？

Web制作会社

Web制作会社の主な仕事内容は、クライアントのニーズに合うWebサイトを制作することです。クライアントを満足させることが目的なので、納期が近かったり作業量が膨大だったりする場合は、残業が増える傾向にあります。

残業の量は、Web制作会社の形態や規模にもよるため、気になる方は、会社のホームページや求人票などで確認してみるといいでしょう。

アプリ開発会社

アプリ開発会社でWebデザイナーが働く場合は、アプリケーションデザイナーとしての役割を求められます。アプリケーションデザイナーは、アプリ開発における操作性や見やすさなどのデザイン部分を担当するのが一般的です。アプリ開発の業務を円滑に進めるためには、プログラミングの知識が必要となります。アプリ開発会社に就職・転職したいと考えているのであれば、プログラミングの知識も身につけましょう。

広告代理店

広告代理店で働くのであれば、デザインだけではなく、マルチに仕事をこなせなくてはいけません。なぜならば、広告代理店は企業マーケティングに深く携わるのが業務であり、マーケティングを行うためには他部署やクライアントとのやり取りが必要不可欠だからです。コミュニケーションスキルはもちろん、さまざまなニーズや不足の事態に柔軟に対応できる能力も求められるでしょう。

主な仕事内容は、自社やクライアントのWebサイトの制作や更新、操作性の向上などです。マルチにこなせる方でないと、業務をスムーズに進められない可能性があります。

一般企業

残業の少なさを重視して就職先を選びたい方には、一般企業がおすすめ。一般企業なら、ある程度の人員が確保されていて効率よく業務を行えるシステムになっていることが多いため、残業は少なくて済む可能性が高いでしょう。とはいえ、残業の量や頻度は企業によるため、事前に確認が必要です。デメリットとして、部署異動でまったく別の業務を任される必要があることも、把握しておくといいでしょう。

一般企業に就職する場合、Web担当やネットショップ担当となり、サービスや商品の購入につながるようなWebサイトの作成、ネットショップの運営を任されることが多いようです。

フリーランス

フリーランスなら、時間や場所を選ばず好きなように働けます。自由度の高さを求める方には、最もおすすめの働き方だと言えるでしょう。とはいえ、実績がなければ案件を獲得するのは難しいのが現実です。全くの未経験者であれば、案件をとるのはほぼ不可能だと言っても過言ではありません。フリーランスのWebデザイナーとして活躍したいのであれば、実績を積むことをおすすめします。

未経験からフリーランスのWebデザイナーになるためには、独学もしくはWebデザインスクールでスキルを身につけることが大切です。スキルが身に付いた状態であれば、案件も獲得しやすくなるでしょう。独学は難しいと感じる方は、スクールを活用するのが効率的です。スクールによっては、実績作りができたり案件獲得や就職までサポートしてもらえます。

厳しいといわれるWebデザイナーの就職を成功させるコツ

Webデザイナーへの就職成功のカギは、「ポートフォリオの作成」です。ほかのコツとあわせて紹介します。

なぜWebデザイナーになりたいのか説明できるようにする

どんな職種への就職も同じですが、Webデザイナーへの転職・就職を成功させるためには、なぜWebデザイナーになりたいのかを説明できるようにしておくことが大切です。
Webデザイナーになりたいと思う理由は、面接でも高確率で聞かれます。
面接で質問された時、自分の言葉でなりたい理由を伝えられるようにしておきましょう。

その時、面接官に納得感を与えられるような回答でないと、内定には至りません。
理由を伝える背景には、熱意や意欲も測られています。Webデザイナーになりたい理由を伝える時は、さらにその先の目標も一緒に伝えましょう。

実務経験を積む

Webデザイナーは、スキルが重視される職業です。

そのため正社員に拘らず、業務委託案件などにも取り組み実務経験を積むのも1つです。
数回だけだったとしても実案件に取り組んだ実績を持っていれば、他のWebデザイナーと差別化を図ることができるでしょう。また自ら案件獲得に取り組んだ積極的な姿勢を評価してもらえる可能性もあります。

小さな案件でも良いので、ぜひ実案件の獲得にも挑戦してみましょう。

スキルを身につける

前述の通り、Webデザイナーは実力が重視される傾向にある職業です。
そのため、自分でスキルを磨き続けることも大切です。

独学でスキルを磨く方法としては、専門の参考書を読む、セミナーに参加する、Webデザインスクールを活用する、などの方法があります。また公共機関が提供している職業訓練などを活用するのも良いでしょう。
スキルを学ぶ方法は色々とあるため、ぜひ積極的に自身のスキルを磨いていきましょう。

ポートフォリオを作る

ポートフォリオとは、自分のスキルや実績をまとめた作品集のようなものです。「名刺代わり」ともいえるかもしれません。 デザインは、言葉ではなかなかイメージしにくいものですが、作品を見せることでデザインスキルや作品の雰囲気を伝えやすくなります。

採用担当者も、目で見て判断できるため「見やすいサイトだな」「素敵なサイトだな」と思ってもらえると、採用される可能性が高まるでしょう。転職エージェントのプロフィール欄などに添付しておくと、スカウトを受けられる可能性もあります。

ただ、ポートフォリオは大量に作品を載せればよいというわけではありません。重視すべきは、量より質です。よりよい品質の作品を心がけて、自信のあるものを載せるようにしましょう。

さまざまなタイプの作品に触れる

さまざまなタイプの作品に触れましょう。あらゆるタイプの作品に触れることで、新しいアイデアが思い浮かんだり、バリエーションをもたせたりできます。バリエーションが豊富になれば、ポートフォリオの品質向上にも役立つはずです。

さらには、「AよりBのほうが弊社のイメージに近いんだけど、どうですか？」と、採用担当者の目に留まる確率も高められるでしょう。

Webデザインスクールに通う

Webデザイナーを目指したいけど、どうしたらよいのかわからない人や、独学が苦手な人は、Webデザインスクールに通うのも有効です。スクールであれば、専門的なカリキュラムに沿って学べるため、効率的にスキルを身につけられるでしょう。

また、疑問点・不明点の「質問ができる」ところや「仲間ができる心強さ」も、スクールの魅力です。わからないことは講師に聞け、悩んだときには仲間に相談できるので、独学のように挫折してしまうリスクが少ないでしょう。

学校で募集している求人に応募する

新卒からWebデザイナーとして就職を考えている方は、学校で募集している求人を探してみるといいでしょう。デザイン会社の求人があれば、積極的に活用することをおすすめします。

学校で募集している求人なら、一定の水準を満たしていれば受かる確率が高いというメリットもあります。ただし、競争相手が多い場合は、競争相手よりも自分の能力が上でないと就職は厳しいかもしれません。

スカウトサービスに登録する

求人サイトやエージェントのスカウト機能を利用すると、企業とマッチできる可能性があります。スカウトサイトとは、あらかじめ自身のページにプロフィールやポートフォリオを載せておき、企業からスカウトしてもらうサイトのことです。企業側はポートフォリオの出来で実力を判断しているため、1番質のいい作品が見られるように常にアップデートしておきましょう。

就職に強いおすすめWebデザインスクール3選

ここでは、就職支援ありのWebデザインスクールを紹介します。

デジタルハリウッドSTUDIO 超実践型就職・転職プラン

デジタルハリウッドSTUDIO 超実践型就職・転職プランは、スキル習得から転職まで一貫したサポートを受けられる講座です。

1994年より、独自の育成・教育プログラムをもとに多くのWebデザイナーを輩出してきた『デジタルハリウッド』が提供するカリキュラムと、人と企業をつなぐエキスパートである『マイナビワークス』によるW支援が魅力。カリキュラムには、マイナビワークスから提供される実案件に取り組めるコンテンツも用意されています。在学中にクライアントワークに取り組めるため、卒業時には即戦力となるスキルが身に付いている他、実績を示せるポートフォリオも充実していることでしょう。

また転職活動では、マイナビワークスだけではなく、デジタルハリウッドからも案件紹介を受けられます。
手厚いサポートが魅力の本講座であれば、未経験であっても理想とするWebデザイナー転職を実現できるでしょう。

DMM WEBCAMP Webデザインコース

DMM WEBCAMP Webデザインコースは、デザインからサイト制作まで一貫して学べるWebデザインスクールです。オンライン完結型のため、自分のペースで学習に取り組める点が魅力。

またDMM WEBCAMPでは、受講生1人ひとりに合わせた学びを提供しており、万が一専属メンターとの相性が合わない場合は、変更もできるとのこと。さらに学習中の疑問や不安をすぐに解消できるよう、チャットサポートも完備。ストレスフリーな状態でWebデザインに必要な知識を身に付けていくことができるでしょう。

さらに、卒業後のサポートも手厚いと評判のDMM WEBCAMP。
現役技術者に副業に関する質問ができる『寺子屋』と呼ばれる相談会を提供していたり、受講中と同じようにマンツーマンで自由に質問や相談ができる『卒業後メンタリング』も用意されていたりします。

RaiseTech

RaiseTechは、圧倒的なサポートが魅力のWeb技術者・クリエイター養成スクールです。

様々なコースが提供されている中、Webデザインコースでは、動画授業に加え、週1回2時間の現役Webデザイナーによるオンラインライブ授業も提供されています。リアルな授業を通じて、今現場で必要とされているスキルを学ぶことができるでしょう。なお動画授業は、半永久的に見放題。コンテンツは時代や技術の変化に合わせて、アップデートされるため、常に最新の情報を得ることができます。

また受講終了後も講師に対して質問できるため、就職・転職先で困ったことがあれば、ぜひ相談してみましょう。スキル面だけではなく、学習方法やキャリアについての相談にも答えてくれるとのこと。
Webデザイナーへの転職に挑戦しようと考えている人は、心強さを感じられるでしょう。

就職が厳しい時代にも求められるWebデザイナーになるには

ここでは、就職が厳しい時代にも“求められるWebデザイナー”になるために意識して取り組みたいことを紹介します。

発信力を高める

自身の発信力を高めることも戦略の1つ。
SNSの発信から仕事につながる可能性もあります。また就職活動では、発信活動の取り組みが評価される場合もあるでしょう。

さらにInstagramやFacebookで自身の作品や取り組み案件を発信することで、自分のスキルを対外的にアピールすることもできます。また管理しているSNSがポートフォリオや職務経歴の役割を果たすため、別途ポートフォリオを作成する手間も削減できるでしょう。

SNSを通じて発信することで、時には他のWebデザイナーと繋がられるきっかけを得られることもあります。

マーケティングの勉強をする

クライアントがWebデザインを依頼する場合、売上向上の実現を目的に置いているケースが大半です。そのため、マーケティングの勉強をしておくと、クライアントの目的に叶うデザインを制作できるようになるでしょう。

クライアントが求める深層ニーズや本来の依頼目的を満たすデザインを提供できることを示せるスキルがあれば、就職活動でも一目置かれることでしょう。

差別化する

他のWebデザイナーと差別化を図れるスキル・特技・長所を武器にする方法もあります。
自分だけのオリジナルの強みを持つことで、唯一無二の存在となり採用されやすくなるでしょう。

例えば、コーディングスキルやマーケティングスキル、ライティングスキルなど、特にWebデザイナーの技術と相乗効果を図れるスキルやWebデザインと親和性の高いスキルは重宝されます。
Webデザインスキルだけではなく、ぜひ自身の強みやアピールポイントとなる能力を探し、伸ばしていきましょう。

まとめ

Webデザイナーは、技術や実力が求められるため、とくに未経験者にとって就職が厳しくなりがちです。とはいえ、不可能ではありません。

未経験からWebデザイナーを目指す場合は、積極的に知識やスキルを身につけ、ポートフォリオでアピールして就職を成功させましょう。