クラウドエンジニアには高い需要と多くの魅力がある一方、ネットなどでは「クラウドエンジニアはやめとけ」という声も散見します。これは果たして本当なのでしょうか?
この記事では、これからクラウドエンジニアを目指す人に向けて、クラウドエンジニアとして転職やキャリアアップを検討する際に考慮すべきポイントを詳しく解説します。
クラウドエンジニアやめとけは本当?
「クラウドエンジニアやめとけ」という意見をネットなどで見かけることがありますが、本当なのでしょうか。結論から先に言えば、この意見は正しくありません。むしろ、クラウドエンジニアは今後も高い需要が見込まれる職種であり、転職やキャリアアップに非常に適しています。
2021年度の情報通信白書によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は約7割と年々増加しており、「今後利用する予定がある」と答えた数も含めると8割近くに及びます。
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このことから、多くの企業がビジネスにおいてクラウド技術を活用しており、それを専門的に扱うクラウドエンジニアの需要は非常に高いと言えます。リモートワークの普及やデジタルトランスフォーメーションの推進も、クラウド技術の需要を押し上げていると言えるでしょう。
またクラウドエンジニアになれば高収入が期待でき、実績を積むことで高いキャリアが実現します。求人ボックスによると、クラウドエンジニアの平均年収は458万円となっており、他のIT職種と比較しても高水準にあることが分かります(2024年6月時点)。
参考:クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ
さらにクラウドエンジニアは、リモートワークなど柔軟な働き方ができる点も魅力の一つです。コロナ禍を機にリモートワークを導入した企業は多く、クラウドエンジニアになることで働き方の選択肢が広がるでしょう。
以上の理由から、クラウドエンジニアはやめとけという意見は正しくなく、むしろ転職やキャリアアップにおすすめの職種です。高い需要、魅力的な収入、柔軟な働き方が可能なクラウドエンジニアとして未来を切り開き、充実したキャリアを築いていきましょう。
クラウドエンジニアからのキャリアパス
クラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートさせると、さまざまなキャリアパスが広がっています。ここでは、クラウドエンジニアからのキャリアパスについて具体的に見ていきましょう。クラウドアーキテクト
クラウドエンジニアとして技術を磨き、豊富な実務経験を積むことで、クラウドアーキテクトへとキャリアアップできます。クラウドアーキテクトは、企業のクラウド戦略を設計し、最適なクラウドソリューションを構築するエキスパートです。これにはクラウドインフラの設計やスケーラビリティ、セキュリティの確保、コスト効率の最大化などが含まれ、経験と知識を活かし広範な視点でクラウド環境を最適化する能力が求められます。
クラウドアーキテクトは高い技術力と戦略的思考が必要ですが、その分報酬も高く、非常にやりがいのあるポジションと言えるでしょう。
クラウドコンサルタント
クラウドエンジニアとしての技術力と経験を活かして、クラウドコンサルタントへのキャリアパスを目指すこともできます。クラウドコンサルタントは、企業がクラウドサービスを最適かつ戦略的に導入・運用できるようサポートする専門家です。具体的には、企業のニーズに合わせたクラウドソリューションの提案、導入プロセスのサポート、コスト削減やセキュリティ強化のアドバイスなどを行います。
多様な業界のクライアントと関わり、広範なビジネス知識と技術スキルを駆使して課題解決を図るため、非常にダイナミックでチャレンジングな役割と言えるでしょう。
プロジェクトリーダーやマネージャー
クラウドエンジニアとしての経験を積み、チームを率いるスキルを身につけることで、プロジェクトリーダーやマネージャーとしてのキャリアを目指すこともできます。プロジェクトリーダーやマネージャーは、クラウドプロジェクトの計画、実行、監視などを担当し、チームメンバーを指導しながらプロジェクトを成功に導く役割を果たします。これには、プロジェクトの進捗管理、リソースの最適配置、問題解決、顧客とのコミュニケーションなどが含まれます。
技術力だけでなく、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、そして問題解決能力が求められますが、クラウドエンジニアとしての技術的なバックグラウンドを持つことで、チームメンバーの信頼を得やすく、プロジェクトの技術的な課題にも対応しやすくなるでしょう。
クラウドエンジニアに求められるスキル
ここでは、クラウドエンジニアとして成功するために求められるスキルセットについて見ていきましょう。クラウドプラットフォームの知識
クラウドエンジニアに求められる基本的なスキルの一つは、主要なクラウドプラットフォームの知識です。具体的には、以下のようなプラットフォームが挙げられます。- AWS:広範なサービスと高い信頼性で知られる
- Azure:Microsoft製品との親和性が高い
- Google Cloud:データ解析や機械学習に強みがある
クラウドエンジニアは、これらの特性を理解し、プロジェクトの要件に応じて最適なプラットフォームを選択・活用するスキルが求められます。
各プラットフォームのインフラやセキュリティ機能、コスト構造などを深く理解し、実務で効果的に活用することで、クラウド環境の最適化とコスト効率の向上を図れるようになるでしょう。
インフラとネットワークの知識
クラウドエンジニアには、クラウド環境でのインフラ設計とネットワークの知識も不可欠です。クラウド環境で構築された仮想ネットワークの設計、サブネットの分割、ルーティングの設定、ファイアウォール構築など、インフラやネットワークに関する概念と技術を深く理解することが求められます。
さらにクラウド環境では、データの移動やアクセスが迅速かつ安全に行われる必要があるため、VPN設定やハイブリッドクラウド環境でのネットワーク接続の最適化、トラフィック管理、高可用性とセキュリティを確保するための設計などに関する知識も求められます。
適切なインフラとネットワーク設計により、クラウドリソースの効率的な利用とコスト削減が実現できるでしょう。
セキュリティとコンプライアンスの知識
クラウド環境ではデータの保護とシステムの安全性を確保する必要があるため、アクセス制御、暗号化、認証、監査ログの管理など、セキュリティに関する幅広い知識も求められます。これにより、不正アクセスやデータ漏洩を防ぎ、システムの信頼性が確保できるのです。また法令遵守(コンプライアンス)の知識も重要です。コンプライアンスは所属する企業の各種規制や業界標準に従う必要があります。
クラウドエンジニアへのキャリアチェンジのポイント
ここでは、クラウドエンジニアへのキャリアチェンジを成功させるために押さえるべきポイントについて見ていきましょう。需要の高いスキルを身に付ける
クラウドエンジニアへのキャリアチェンジを成功させるためには、基本的なスキルに加え、需要の高いスキルを身に付けることが大切です。具体的には、以下のようなスキルが求められます。- クラウドプラットフォームの知識:AWS、Azure、Google Cloudなど主要なクラウドプラットフォームに関する深い理解
- セキュリティ設定:クラウド環境におけるセキュリティ対策の知識と実践
- インフラ自動化ツールのスキル:Terraform、Ansibleなどを使用したインフラの自動化
- コンテナ技術の知識:Docker、Kubernetesなどのコンテナ技術のスキル
これらのスキルを持つことで、クラウドエンジニアとしての市場価値を高め、転職市場で競争力を持つことができます。
また、クラウド関連の認定資格を取得することも、スキルの証明として有効でしょう。
転職エージェントを利用する
クラウドエンジニアへのキャリアチェンジには、転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職エージェントは専門的な知識と豊富な業界情報を持っており、スキルや経験に最適な求人を紹介してくれるため、自分では見つけられなかった優良な求人に出会える可能性が高まります。また履歴書や職務経歴書の作成、面接対策など、転職活動全般にわたるサポートを受けられるのもメリットです。特にクラウドエンジニアのような専門職では、適切な自己アピールが重要であり、エージェントのアドバイスは非常に役立つでしょう。
さらに、エージェントを通じて企業との交渉がスムーズに進むことも大きな利点です。給与や勤務条件の交渉をエージェントが代行してくれるため、自分では言いにくいことも交渉しやすくなります。
最新情報をキャッチアップする
クラウドエンジニアとしてキャリアチェンジするためには、常に最新の技術トレンドや情報をキャッチアップし、迅速に変化する技術環境に適応していくことも大切です。技術ブログやニュースサイト、公式ドキュメントを定期的にチェックし、日常的に情報収集を行い、業界の動向を把握することが求められます。さらに、業界のイベントやオンラインコミュニティに参加することも効果的です。カンファレンスやウェビナーに参加したり、業界の専門家とのつながりを作ったり、オンラインフォーラムやSNSグループでリアルタイムの情報交換を行ったりすることで、最新技術に関する知識を深め、問題解決のヒントを得ることも可能になるでしょう。