この記事では、動画編集者が増えすぎと言われている理由と、活躍し続ける動画編集者であるための秘訣について解説していきます。
動画編集者が増えすぎ?
動画編集者が増えている昨今、将来的に動画編集の仕事が無くなるのでは?と思っている人もいるかもしれません。しかし、今のところ、将来的にも動画編集の仕事は増え続ける見込みで、仕事がなくなる心配はなさそうです。5Gの発展で需要はまだまだ高まる
動画のニーズは、5Gの普及とともに高まると言われています。5Gといえば、高速インターネット通信を可能にすることで知られている技術です。5G環境が普及すると、データ容量の多い動画も快適に見られるようになり、動画を見る人口も爆発的に増えるのではと考えられます。乗じて、動画編集スキルが求められるシーンも増えるというわけです。
これまでは読み込みが遅くなるからとWebサイトなどに用いられることは限定的でした。しかし、5Gが普及すれば、各ページに動画が用いられるなど、動画を用いるシーンも増えることが予想されます。
実際、まだ5Gが普及しきっていない現在でさえ、動画広告市場は年々拡大していて、最新の調査でも下記のような結果が出ています。
「ビデオ(動 画)広告」は前年比 115.4%の 5,920 億円、構成比は 23.9%となった。出典:「2022 年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
動画編集者も増えていますが、現在のところは編集者よりも動画ニーズの方が大きく上回る予想です。
AIに脅かされる可能性はない?
あらゆる仕事がAIに代替されると言われています。動画編集にもAI技術が用いられ始めていますが、現在のところは仕事を全て奪われるほどではありません。淘汰される分野があっても、かなり限定的でしょう。考えうる代替可能な作業は、テロップの挿入や動画のカット編集など、自動認識で行える範囲の作業ですが、それだけでは「動画編集の仕事がAIに奪われる」とは言い切れません。
撮影の前後を入れ替えて泣き笑いの要素を強める、絶妙な間を開けてより緊迫した雰囲気を演出するなど、人間のセンスが求められる場面はたくさんあります。
自動認識などの分野はAIが、AIが苦手な作業はこれまで通り人間が行う可能性は高く、仕事がなくなる心配はしばらくの間はほとんどないと言えるでしょう。
自動認識機能などは動画編集者をサポートしてくれる機能です。技術の発展は、動画編集者にとっても喜ばしいことが多く、必ずしもクリエイターを脅かす存在ではありません。
参考:動画編集AI
新規参入するのはもう遅い?
動画編集者の将来に希望を感じ、今から動画編集を学んでみようという方も少なくないでしょう。もし、新規参入するのであれば、できるだけ早く参入することをおすすめします。なぜなら、参入が早ければ多くの仕事を経験することができ、今後増加する需要にも十分応えられる人材に成長できる可能性があるからです。現在では、動画編集、映像制作を学べるスクールも充実しています。動画編集スクールなどもあり、初心者でも受講しやすいよう、動画編集未経験を前提とした講座がほとんどなので、初めてでも安心して挑戦することができます。動画編集副業やフリーランスで活動していくための案件獲得サポートを行なっている動画編集スクールも多いため、一度無料カウンセリングを受けてみるのもいいでしょう。
数ヶ月の受講でも副業で稼げるくらいのスキルが身につくため、現在別の仕事をしている方でも自分のペースで学び、収入を得ることが可能です。
動画編集者が増えすぎて懸念される点と需要は?
動画市場の伸びを察知して、動画編集者が急増しているのは紛れもない事実。これから動画編集を始める人はもちろん、すでに動画編集を行なっている人もさまざまな懸念を抱えているかと思います。ここでは「ライバルが増え続けることによる懸念点とその真偽」についてまとめました。動画編集者が飽和して仕事がなくなる?
ニーズ拡大に便乗して動画編集業界に参入する人が増えていくと、いずれ飽和して案件を取ることすらできなくなるのでは、という懸念がよく挙げられます。ここで、大手インターネット広告企業「サイバーエージェント」が公開した、動画広告市場規模の今後の予測を見てみましょう。動画広告は、成熟・衰退産業が大半を占める日本において数少ない成長産業であること、2022年~2026年の4年間で2倍以上市場規模が拡大するであろうことが確認できます。
出典:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施|プレスリリース|サイバーエージェント
このことからもわかる通り、ちょっとやそっと動画編集者が増えたとしても、飽和することはまず心配しなくて大丈夫と言えます。仮に飽和するとすれば、それは最低限のスキルで活動している「初心者層」です。あらゆる案件をこなして実績を積み上げ、自分にしかできない「らしさ」溢れる動画編集スキルを確立させることができれば、仕事が0になる事態は考えづらいでしょう。
単価が低下して、稼ぎづらくなるのでは?
動画編集業界への参入者が増えすぎると、確かに割に合わない低単価案件などが出回りがち。しかしその多くは「安くてもとりあえず挑戦してみよう」「報酬より実績づくりが大事だ」といった考えを持つ初心者をターゲットにした、簡単な案件となっています。高度な編集技術を要する上級者向けの案件がこなせるようになれば、一本で数万~数十万円稼ぐことも十分可能なのです。「動画編集者が増える=高度な技術を持つ上級者がはびこる」というわけではなく「始めたての初心者が大勢現れる」と考えたほうが正確でしょう。基本となる動画編集ソフトの扱いをマスターし、そのうえで高度な編集技術を身につけ初心者層を抜け出すことができれば、そもそも低単価案件を請ける必要はなくなります。
参考:動画編集単価相場は?
増えすぎた動画編集者の中で必要な心構え
動画編集者の未来は明るいと言っても、競合が多いことに変わりはありません。ニーズは高まり続けるとはいえ、差別化を図れない初歩的なスキルだけで仕事をこなしているようでは、ライバルに出し抜かれてしまうのも時間の問題でしょう。多くの人に求められ続けるクリエイターであるためにはどのような努力が必要なのでしょうか。動画編集のスキルを磨き続ける
動画編集のツールは日々進化し、動画編集で使用される技術も時代と共に変わっていきます。動画編集者として活躍し続けるには、とにかくスキルを磨き続けるしかありません。動画は今後広告メディアなどにも用いられることから、トレンドに敏感であることも求められるでしょう。流行りの映画を見たり、海外のCMを参考にしたりするなど、最新トレンドをインプットすることにも力を入れる必要があります。動画編集スクールであれば体系的にスキルを学ぶことができます。
ディレクションやマネジメントスキルも身につける
求められる人材となるためには、ただ動画編集をするのではなく、ディレクションやマネジメントなどのスキルも身につける必要があります。動画のニーズが高まる中で不足するのは動画編集者だけでなく、プロジェクトを管理するディレクターらも不足するからです。
クライアントと打ち合わせをしてコンセプトなどを固め、それに必要な工程を書き出して複数のクリエイターに仕事を振る。進捗を管理して最終的な編集作業を監督し、クライアントにプレゼンテーションするなど、動画を制作する過程にはたくさんの業務があります。
クライアントからの修正業務に嘆くクリエイターは今でも少なくありませんが、それらの折衝を行う人材も動画編集の業界では重宝されるはずです。
チームプロジェクトを実行したい企業からは、このようなディレクションやマネジメントのスキルを持った動画編集者に価値を感じるようになるでしょう。
周辺領域のスキルも手がけていく
動画をカット編集したり、エフェクトをかけたりする動画編集の作業だけでなく、周辺領域の分野もできるようになると、人材としての需要は高まります。例えば、動画編集とWebマーケティングを一挙に引き受けられるとしたら、企業からすればそんな役立つ人材はありません。
他にも、ブランディングができる、シナリオが書ける、キャッチコピーが作れるなど、動画編集以外のスキルを併せ持った人材は、企業からも注目されるでしょう。他の動画編集者との差別化にもなり、他を抜くアピールポイントになるはずです。そのため、動画編集スクールやWebマーケティングスクールでの学習もおすすめです。
ビジネスコミュニケーションを磨く
ほかの動画編集者と差別化を図るには、ビジネスコミュニケーションスキルも必要です。独りよがりの動画編集を行うと「イメージと違う」とクライアントから不興を買う恐れがあります。動画編集の仕事では、「クライアントが求めるイメージ」「動画作成の主旨」「含めるべきメッセージ」などを明確化することは必須です。動画編集の方向性を決める上で、クライアントとのヒアリングは非常に重要なものとなります。相手の意見を汲み取る力や傾聴力を持つ動画編集者ほど、「クライアントニーズや課題を適切に聞き出せる」として高く評価される傾向です。
またチームで1つの動画を作り上げる場合は、チームメンバーとも良好な関係を構築しなければなりません。「自分の意見を適切に伝えられる」「相手の意見を否定せずに耳を傾けられる」「チーム全体を見ながら働ける」といったコミュニケーションスキルの高い人は、「一緒に働きたい」と指名が入ることも多くなります。
動画の細部までこだわる
動画編集のクオリティは、カット技術やエフェクトの処理に現われます。「素人」のレッテルを貼られないようにするためには、細部まで手を抜かない丁寧な作業が必要です。例えば動画をカットするときは、動画のイメージにマッチしたテンポを意識します。ゆったりした雰囲気にしたいなら間をたっぷりと取る・スピーディーな動画にしたいなら不要な間をカットするなど、カットにも変化を付けることが必要です。ただきれいにカットしただけの動画は、クライアントニーズを踏まえているとはいえません。
またクロマキー合成で動画に変化を付けたいときは、丁寧な抜き取りを意識してください。抜き取りが不十分でグリーンバックが残ってしまうと、素人臭が漂う動画になります。クオリティが高いとはいえず、クライアントからの信頼を得るのは難しくなるでしょう。
増えすぎた動画編集の領域はやめたほうがいい?
優秀な動画編集アプリやツールの登場により、誰でも簡単に動画編集を行えるようになりました。「増えすぎ」といわれる動画編集に、将来性はあるのでしょうか?多くの人が抱く「動画編集領域に参入すべきか」というテーマについて、考察します。
参考:動画編集はやめとけ?
レベルの高い動画編集者を目指すならおすすめ
これから動画編集領域に参入するなら、目指したいのはハイレベルな動画を作成できる動画編集者です。動画編集者は「増えすぎ」といわれますが、クライアントの意図を汲み取った魅力的な動画を作れる編集者はそう多くはありません。動画編集市場でも需要は高く、高単価・好待遇の仕事が豊富にあります。
素人に毛が生えた程度のスキルでは、同レベルのライバルたちに埋もれてしまうのが現状です。飽和状態の市場では、スキル不要の簡単な仕事を奪い合うこととなります。
「動画編集を仕事にしたい」「動画編集で安定的に収入を得たい」と真剣に考えるなら、まずはプロレベルの動画編集スキルを身に付けることから始めましょう。
しっかりと実績のあるスクールに通うのがおすすめ
動画編集の正しい知識を効率的に身に付けるなら、実績のある動画編集スクールに通うのがおすすめです。動画編集スクールの多くは初学者を対象としており、知識ゼロの人でも無理なく学べるカリキュラムが組まれています。スクールの提示する学習プランに沿って学習するだけで、動画編集に必要な基礎知識や実践的なスキルを身に付けることが可能です。
また授業では、動画編集のプロが厳選した質の高いテキストやソフトが使用されます。現役の動画編集者が教壇に立つことも多く、独学と比較して学びの質が担保されているのも魅力です。動画編集の現状に即したスキルを身に付けることで、ライバルに埋もれることなく活躍できるようになります。
なお「動画編集で独立したい」という強い希望を持つ人は、転職サポート付きのスクールを選ぶのも1つの方法です。経験豊富なアドバイザーからのサポートを受ければ、多くの人が苦労しがちな「実績ゼロから1を生み出すフェーズ」もスムーズにクリアできるでしょう。
この記事では、おすすめの動画編集スクールの講座内容・料金を分かりやすく一覧で比較しています。未経験からの副業挑戦、在宅勤務(リモートワーク)、フリーランス独立など、自由な働き方を実現。買い切り型の動画編集講座や独学のメリット・デメリットなど、動画編集学校についてわかりやすく解説します。
この記事をcoeteco.jp で読む >動画編集者を目指せるおすすめスクール4選
ここでは、動画編集者を目指す人におすすめの動画編集スクールを紹介します。デジハク
出典:デジハクプロの動画編集者がマンツーマンでサポートするのは、デジハクです。実践型のカリキュラムとなっており、実際に動画編集を行いながら現場で活用できるスキルを身に付けられます。Adobe Premiere Proをメインとした講座が、300本以上受講し放題なのが嬉しいポイント。
オンライン学習だから、早朝や夜間にも学習を進められることが特徴です。受講料は、デジハクMINIコースが128,000円(税込)、デジハクPROコースが298,000円(税込)となっています。なお、転職サポートはキャリア相談のみとなっていますが、副業や独立サポートは手厚いことが魅力です。
studio us
出典:studio us現役クリエイターから動画編集に必要なスキルを学べるオンライン動画編集スクールです。
受講できるコースは、動画編集の基礎を学べる「動画編集コース」、より幅広い動画のクリエーションに対応できる「動画クリエイターコース」、未経験から動画クリエイターを目指す人向けの「動画クリエイター総合コース」があります。
studio usの学習スタイルは、自分で動画を見て学ぶオンデマンド式。動画教材は900本以上あり、初心者が押さえるべき動画編集の基礎から、illustratorやPhotoshopといったデザインソフトまでと多彩です。動画視聴中の疑問はプロ講師に相談できるため「1人で学べるか不安……」という人も心配はいりません。
またstudio usは、実践を重視しているのも大きなポイント。受講者は最低でも15本以上の動画を作成します。授業で制作した動画は自身のポートフォリオに使えるため、卒業後の案件獲得に有利です。卒業後はスクールと提携している企業から案件を受注できるため、クリエイターとしてすぐに活動を始めたい人には特におすすめできます。
受講料は、「動画編集コース」が99,000円(税込)、「動画クリエイターコース」が99,000円(税込)、「動画クリエイター総合コース」が220,000円(税込)です。
DMM WEBCAMP
出典:DMM WEBCAMP動画制作の一連の流れを学習できるのは、DMM WEBCAMPです。メンタリングは週2回行われ、チャットサポートは毎日15~23時まで受け付けています。そのため、授業で使用するAdobe Premiere Proの扱いがわからない場合は、すぐに質問できる環境が整えられています。
カリキュラムでは、構成から編集、納品までの流れを実践し、インタビュー動画や企業VPなどを制作します。早く学習が終了した場合は、返金保証制度を利用できることがメリット。受講料は、8週間プランが224,800円(税込)で、12週間プランは279,800円(税込)です。
MOOCRES(ムークリ)
出典:MOOCRES動画編集のプロが現場で活用するAdobe After Effectsを重点的に学べるのは、MOOCRESです。1~6名の少人数制の授業だから、自分のペースで動画編集を学びやすいスクールだといえます。プロレベルのスキルを学べるから、卒業後に高単価の案件を取得しやすいことがメリット。
受講中から実際の案件に取り組むため、案件獲得やクライアントとの交渉なども体験することができます。授業スタイルは、オンラインとオフラインから選ぶことが可能です。受講期間は4ヵ月となっており、受講料は374,000円(税込)です。気になる場合は、現役クリエイターの相談会に参加しましょう。
動画編集増えすぎと心配している人からのよくある質問
いくら動画編集がニーズの高い仕事だとわかっていても、新しいことを始めるというのはハードルの高いことかと思います。「大変なことも多いんじゃない?」「本当に稼げるの?」といった気になる点も多いはず。ここでは、動画編集を始めようか迷っている人によくある質問をまとめました。動画編集だけで生きていく上でしんどいこととは?
動画編集は将来性があり需要も高いものの、フリーの動画編集者として動画一本で生きていくとなるとしんどいことも多々あるでしょう。- 毎月給料が入る会社員とは違い、案件が獲得できなければ収入なし
- クライアントとのやり取りがうまくいかず、たびたび手戻りが発生してしまう
- 編集技術が及ばず、納品までに時間がかかりすぎる etc...
一朝一夕ではいかないことばかりですが、先述した通り動画編集市場は今まさに規模を拡大し続けている成長産業。しんどい・つらいと感じることが多い分、諦めずに挑戦すれば得られるリターンは計り知れません。これからさらにライバルが増えることも容易に想像できるため、少しでもやる気があるのであれば早いうちに新規参入して技術を磨いておくことをおすすめします。
スクールなどを活用して初心者層を抜け出すくらいのスキルを習得しておけば、将来動画編集者として食いはぐれることのない生活を送ることも夢ではありませんよ。
動画編集者の平均年収は?
カカクコム社が提供する求人検索サービス「求人ボックス」の調査した統計データをもとに、雇用形態ごとに動画編集者の平均年収・時給をまとめました。- 正社員:約402万円(年収)
- アルバイト、パート:約1,088円(時給)
- 派遣社員:約1,617円(時給)
国税庁の給与実態統計調査によれば、正社員の平均年収は508万円。動画編集はまだまだ成長段階の産業ということもあり、現時点での年収は平均以下という結果になっています。
もちろん、フリーの動画編集者として働く場合にはこの限りではありません。自身の動画編集スキルや獲得する案件レベルによって、青天井に収入を伸ばしていくことも可能でしょう。企業の動画編集者として経験・実績を積んだ後、その技術を活かして独立・起業することができるという点も、動画編集者の魅力ですね。
参考:動画クリエイターの年収はいくら?フリーランスなど雇用形態別に紹介