一方、ライトユーザー向けの印象が強く「動画編集のような重い作業は、Chromebookでは無理だよな…」と半ば諦めている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんな「Chromebookは動画編集に使えるの?」という疑問を解消したうえで、おすすめの動画編集アプリ・動画編集用Chromebookの選び方まで徹底解説していきます。
Chromebookで動画編集はできるの?
安価な代わりに低スペックな印象の強いChromebookですが、高性能なモデルも数多くラインナップされています。低価格帯(3〜5万)のエントリー機種では少々厳しいですが、後述する動画編集向きスペックを持つ機種を選定すれば、Chromebookでも動画編集は十分可能です。
ただ動画編集となると「WindowsやMac専用のソフトが必須なのでは?」と思う方もいるかと思います。
Chromebookはインストール型のソフトが使えないものの、代わりに「GooglePlayストア」が使用可能です。Androidアプリには優秀な動画編集アプリが豊富に揃っているほか、昨今はインストール不要のWebアプリも充実しています。専用のソフトをインストールできないことは、そこまでデメリットにはならないでしょう。
スペック面・ソフト面で懸念があるChromebookですが、動画編集向きのハイスペック機種を購入し、PCインストール不要のソフトを使うことで、動画編集もこなせます。
Chromebookで動画編集するメリット
Chromebookがおすすめなのは、気軽に動画編集を楽しみたい人です。Chromebookでの動画編集には、どのようなメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
動作が軽い
Chromebookに搭載されているのは、Googleが独自開発した「Chrome OS」です。電源オンからの起動が速い・動作が軽いといった特徴があり、サクサク動きます。Chrome OSが軽いのは、ブラウザベースで作られているためです。OSそのものがシンプルな作りとなっており、動作中でもCPUやメモリにそれほど大きな負荷がかかりません。
またChrome OSは、動作の自動最適化機能が搭載されているのも特徴です。不要なアプリケーションやファイルは適宜終了・削除されるため、常に軽い状態を維持できます。
ディスプレイの明るさやCPUの周波数を自動的に調整する機能もあり、動画編集のストレスが少ないのが魅力です。
Windowsと比べて本体が安い
スペックにもよりますが、Chromebookなら2~3万円台で購入できるものがあります。気軽に動画編集を楽しみたい人にとって、価格の安さは大きな魅力となるでしょう。Chromebookが低価格を実現できるのは、搭載されているのがChrome OSであるためです。Chrome OSはGoogleが無償で提供しており、ライセンス料が発生しません。メーカーはライセンス料が不要な分、価格を安く設定できます。
またネイティブアプリケーションが不要のChrome OSは、動作に多大なメモリやCPUを必要としません。安価かつ低スペックなパーツでも軽快に動くため、部品代も安く抑えられます。
普及に伴う価格競争も激化しており、Chromebookについては各メーカーが安価なモデルを数多くラインナップしているのが現状です。
参考:動画編集Windows
Chromebookで動画編集するデメリット
Chromebookのデメリットは「高度な動画編集に対応しにくい」ことです。ChromebookはWindowsやMacパソコンと比較すると、スペックに劣るものが少なくありません。簡単な動画編集はスムーズでも、高画質の動画や複雑な編集をすると動作が重くなる傾向です。
またChromebookでは、WindowsやMac OSで動作する動画編集アプリの多くが起動できません。
ChromeOSに対応できる動画編集アプリがあったとしても、機能が制限されていることがほとんど。WindowsやMacを使い慣れている人は、物足りなさを感じる可能性があります。
動画編集用Chromebookの選び方
Chromebookとはいってもパソコンなので、選ぶポイントは基本WindowsやMacと変わりません。CPU・メモリ・ストレージなど、動画編集用途に耐えうるものを選べばOKです。画面分割等を使うなら液晶サイズ、モバイル性を重視するならバッテリー容量もチェックしておくと、よりストレスなく使えるでしょう。
先述した通り、Chromebookは「Androidアプリ」が使える点がメリットですが、中にはGooglePlayストアに対応していない機種も存在します。
動画編集目的でChromebookを買うなら、Androidアプリが使える機種かどうかは必ずチェックするようにしてみてください。
動画編集用Chromebookのおすすめスペック
「ハイスペック機種とはいっても、どんな性能をもつ機種を買ったらいいか分からない」という方もいるかと思います。ここでは、動画編集用途におすすめできるChromebookのスペックをまとめました。CPU:Core i5以上
CPUはChromebookの「頭脳」にあたる部分です。CPU性能が高いほど、より素早く処理することが可能になります。CPUのランクは幅広いものの、動画編集用として使うならIntel社の「Core i5」以上を選ぶと安心です。
AMD社のCPUを選ぶ場合は「Ryzen 5」以上を搭載している機種にすればOK。グラフィック性能や消費電力など微妙に違いはあるものの、基本は好きな方を選んで問題ありません。
Intel社のCPUランク | Celeron<Pentium<Core i3< Core i5<Core i7<Core i9 |
AMD社のCPUランク | Ryzen3<Ryzen5<Ryzen7<Ryzen9 |
メモリ:8GB以上
メモリが多いほど、マルチタスクでも動作が重くならず快適に作業が可能です。メモリはもっぱら「机の広さ」に例えられます。机が狭いと複数の作業が同時にできないように、メモリが少ないとちょっとした作業でも遅延につながります。
動画編集はマルチタスクが多い作業のため、最低でも8GBは確保しておきましょう。予算に余裕があれば16GB搭載機種を選ぶとなお良しです。
参考:動画編集のメモリ
ストレージ:SSD128GB以上
ストレージはファイルを格納できる容量として知られていますが、実はデータの転送速度にも影響するパーツとなっています。たくさんの動画を読み書きする必要がある動画編集では、データ転送が高速な「SSD」を選ぶとストレスなく作業出来るでしょう。
主なストレージの規格 (右に行くほど転送速度が優秀) |
HDD、eMMC、SSD |
Chromebookでおすすめの動画編集アプリ5選
ここでは、Chromebookで動画編集するならぜひ押さえておきたいおすすめアプリを5つまとめました。いずれも無料期間があるため、気になったものをどんどん触ってみて、自分に合った動画編集アプリを見つけていくのがおすすめです。
Filmora GO
区分 |
Androidアプリ |
有料版 |
750円/月 |
特徴 |
・UIが非常にシンプル。複雑な操作が不要 ・無料でも1,000以上の著作権フリー音源を使える ・YouTubeやTicTokユーザーに特化。直感的に編集した後は即共有・投稿できる |
複雑なことを考えず、直感的に操作をしたいという人には「Filmora GO」がおすすめです。洗練されたシンプルなUIで、迷うことなく編集作業に没頭できるはず。
流行りのプラットフォームであるYouTubeやTicTokに特化しており、完成した動画をすぐに共有・投稿できる点も魅力です。
有料版には「買い切りタイプ」が用意されているので、長期間使用することが分かっている場合には買い切った方がお得でしょう。
WeVideo
区分 |
Webアプリ(ブラウザ) |
有料版 |
約1,000円/月 |
特徴 |
・アプリを入れる必要がないのですぐ使える ・Googleとパートナーシップを結んでいて、サービスとしても安心できる ・100万点以上のストックメディア(動画・BGM・画像)が使い放題 |
アプリを使わずブラウザ上で動画編集するなら「WeVideo」がおすすめです。
インストール型ソフトと同等の機能が備わっており、Web上でも十分高品質な動画編集が可能となっています。
Googleとパートナーシップを結んでおり、サービスとしても安心できる点もポイントです。
Adobe Premiere Rush
区分 |
Androidアプリ |
有料版 |
1,078円/月 |
特徴 |
・「Adobe Premire Pro」のモバイル版 ・Adobeソフトに親しみのある人なら使いやすいUI設計 ・無料でも簡単な編集・エフェクト設置等ある程度こなせる |
インストール型ソフトの定番「Adobe Premire Pro」をモバイル用に最適化したアプリが「Premire Rush」です。AdobeソフトでおなじみのUIなので、親しみのある人ならすぐ使いこなせるでしょう。
無料でもある程度の編集はこなせますが、完成動画にロゴが入ってしまったり、素材が少々少なかったりするため、本格的に使うなら有料版を検討してもいいですね。
PowerDirector
区分 |
Androidアプリ |
有料版 |
3,800円/年 |
特徴 |
・オフライン使用可能でどこでも作業できる ・テンプレート・AIアシスト機能が充実。動画編集初心者でも直感的に作業できる ・800万点以上のストックメディアが使える |
PowerDirectorの魅力は「オフライン作業」に対応している点です。状況によっては、通信環境のないところで作業を強いられるケースもあるはず。PowerDirectorなら、いつでもどこでも編集作業に取り掛かれます。
前述した「Premire Rush」同様、無料版だとロゴが入ってしまうので、気になるようなら有料版を導入しましょう。
VLLO(ブロ)
区分 |
Androidアプリ |
有料版 |
450円/月 |
特徴 |
・トリミング、テロップ、フリーBGM等、無料で使える機能が多い ・無料版でもウォーターマーク(ロゴ)がつかない |
できるだけコストを抑えて動画編集に取り組みたいなら「VLLO」は特に検討する価値があるアプリです。無料版でも基本的な編集作業は全てこなせるため、とりあえず始めてみたいという初心者の方にもおすすめ。
有料版にしなくても完成動画にロゴがつかないのも嬉しいところ。費用を最小限にしつつ、見栄えにも優れた動画を作成できます。
おすすめの動画編集スクール4選
ここではコエテコ編集部がおすすめする、動画編集スクールを紹介します。studio US
- 24時間自分の好きなタイミングで学習可能
- 900本以上の豊富な動画素材
- 毎月新しい動画教材がアップされる
24時間好きな時に好きな場所で900本以上の動画から好きな単元を自由に学習できる点が魅力であり、動画編集スキルについて基礎から応用まで網羅的に学ぶことができます。
なお動画は、毎月新しいコンテンツがアップされるため、技術流動が激しい動画編集業界でも常に最新の学びを得ることができるでしょう。
デジハク
- 採用通過率10%以下の講師に何度でも相談できる
- 300本以上のオンライン講座を受講し放題!
- 受講生の9割以上が未経験スタート
DMM WEBCAMP
- 週2回のメンタリングでモチベーションをサポート
- 現場で使われている最新ツールも習得
- ポートフォリオの作成方法も学べる
MOOCRES(ムークリ)
- 1~6名のクラス形式で、モチベーションを保ちやすい
- 副業&フリーランスに特化した動画編集スキルを学べる
- オンライン・オフラインどちらも可能
Chromebookで動画編集をするために気を付けるポイント3つ
Chromebookで快適に動画編集するためには、機種購入前に以下3点のポイントは確認しておくようにしましょう。- 年式の古い機種ではないか
- ストレージ容量は十分か
- Androidアプリに対応した機種か
年式の古い機種ではないか
Chromebookには、自動でOSがアップデートされ、セキュリティも最新の状態に保たれる「自動更新ポリシー」というものがあります。年式の古い機種だとセキュリティ対策が万全になっていない可能性があり、特にビジネス用途では危険です。Googleによると、2020年以降の機種は8年の更新が保証されています。安さ重視で古い機種や中古を買うのではなく、比較的新しめの機種を買った方がセキュリティ的にも性能的にも安心でしょう。
ストレージ容量は十分か
安価なChromebookほど、ストレージ容量が少ない傾向にあります。例えば32GBの機種の場合、オフラインで動画数本分を編集・保存だけで容量不足になってしまうことも。ただし、Googleドライブを利用すれば無料で15GBまで保存できるので、容量を求めすぎてPCが高価になるよりは、オンラインストレージを活用するのがおすすめです。
Googleドライブで足りなくなったら、月250円/100GB、月380円/200GBのGoogleOneもあります。
Androidアプリに対応した機種か
2019年以前に発売したChromebookには、Androidアプリに対応していない機種もある点に注意してください。先述した通り、ChromebookはAndroidアプリが使えるかどうかで活用範囲が大きく変わります。
購入前に「Androidアプリが利用できるか」「使いたいアプリには対応しているか」をよく確認するのがおすすめです。
参考:アンドロイドで動画編集
Chromebookで動画編集をしたい人からよくある質問
WindowsやMacと比較して、安価で入手しやすいのがChromebookの魅力です。とはいえスペックやソフトの問題などがあり、「Chromebookでの動画編集ってどうなの?」と疑問を持っている人もいるかもしれません。Chromebookでの動画編集について、多くの人が抱きがちな質問について考察します。
Chromebookでは動画編集ソフトは使えない?アプリなしでは使用できない?
WindowsやMacに対応する、インストール型の動画編集ソフトは使えません。動画を編集したいときは、GooglePlayストアからAndroidアプリを入手する必要があります。ただしAndroidアプリでの動画編集は、プロユースの高度な動画編集には向きません。またアプリによってはUIがスマホやタブレットを前提に作られており、「タッチパッド」や「ショートカットキー」「マウス」などに対応できないケースがあります。
使用したいアプリがChromebookで適切に動作するかどうか、事前の確認は必須です。
Chromebookは学校に導入されている?
Chromebookは、GIGAスクール構想で小学校に配布された端末のうち、最も多く導入されている端末です。文部科学省が発表した「GIGAスクール構想に関する各種調査の結果(2021年8月)」によると、整備済み端末に対するOSごとの割合はChromebookが40.1%で最も高いことが分かりました。次いでWindowsの30.4%、Macの29.0%となっています。
Chromebookを導入する小学校が多いのは、「低価格であること」「軽量であること」「バッテリー持ちがよいこと」などが理由です。
コスト面や使い勝手にメリットが大きいChromebookは、今後も教育現場での利用が進むと見られています。
参考:GIGAスクール構想に関する各種調査の結果|文部科学省
Chromebook動画編集まとめ
当記事では「Chromebookで動画編集はできるの?」といった内容を始め、おすすめの動画編集アプリ・動画編集用Chromebookの選び方についてまで、詳細に解説してきました。安価で低スペックのイメージが強いChromebookですが、機種の選び方やアプリの使い方次第で、WindowsやMacに負けない動画編集能力を発揮することがお分かりいただけたかと思います。
機種選びを間違うと、希望する使い方が出来なくなる可能性もあります。この記事で解説したおすすめスペック・注意点等をよく確認した上で、動画編集スクールなどを利用し、スキルアップしていきましょう!