「リスキリングって本当にみんなやってるの?」
「何から学べばいいの?」
と戸惑っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、リスキリングの意識調査から見える学び直しの実態について詳しく解説します。人気のリスキリングの種類についてもご紹介していますので、これからリスキリングを始めようと考えている人は参考にしてください。
リスキリングとは?
リスキリングとは、現在のキャリア、将来のキャリアのために必要なスキルを習得することです。もともとは、世界経済フォーラム(通称「ダボス会議」)において「リスキル革命」として提唱されました。世界中の一人ひとりが尊厳を持って生きるためには、等しく教育を与えられる機会が必要であり、そのための戦略的な取り組みとして提唱された考え方です。
参考:Towards a Reskilling Revolution: Industry-Led Action for the Future of Work|World Economic Forum
リスキリングが注目される背景
技術革新や新型コロナ禍によって、日本においても近年デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいます。仕事のあり方や考え方、進め方が大きく変化するなか、「日本の労働人口の49%は将来的に人工知能(AI)やロボットで代替可能になる」という予測まで出されるようになりました。AIと共存する社会は、もう目の前まで来ているのです。
このような状況において、今まで通りの仕事を今まで通りにこなしているだけでは、いずれAIに仕事を奪われてしまうかもしれません。そこで、AIやロボットに代替されないスキルを身につけること、リスキリングが重要になるのです。
リスキリングの必要性が高まるなか、政府は2022年10月、「個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じる」ことを表明。現在では厚生労働省や経済産業省、各自治体などで、具体的な個人のリスキリング支援が始まっています。
参考:リスキリング支援「5年で1兆円」 岸田首相が所信表明|日本経済新聞
みんなやってる?何を学んでる?リスキリングの意識調査から見えてくること
リスキリングの重要性は理解できたとして、「みんな本当にリスキリングってやってるの?」というのは気になるところでしょう。ここでは、リスキリングに関する意識調査をご紹介するとともに、個人がどのようにリスキリングに取り組んでいるかの実態について詳しく見ていきます。2023年3月に公表されたリスキリングの意識調査(「ロイヤリティマーケティング」調べ)によると、「スキル習得の意欲がある」と回答した人は全体の66%となり、多くの人が新たなスキル習得を希望している事がわかります。
性年代別に見てみると、最も多いのは20代男性で80%、ついで30代女性で76%、20代女性で72%、40代男性で68%となりました。出典:注目のリスキリングに関する調査を実施/リスキリングへの興味・関心は62%と、注目度が高い 興味・関心のある内容は「情報」「プログラミング」「語学」「データ分析」が上位|PRTIMES 以下同
一方で、リスキリングについて「詳しく知っている」と回答したのは全体の8%となり、「聞いたことがある程度」の25%、「知らない」の66%を大きく下回る結果になりました。多くの人がスキル習得を目指しているにもかかわらず、リスキリングそのものを正確に認知している人は少ないようです。実際のリスキリングの取り組み率を見てみると、「リスキリングを行っている」と回答したのは全体の13%でした。性年代別では、20代男性が24%、30代男性と20代女性が19%となっています。
スキル習得を目指す人は多いものの、実際に取り組みを行っている人はそれほど多くない印象を受けます。
リスキリングに取り組んでいる理由としては、「仕事の幅を広げたいから」「会社内で昇進・昇格したいから」「世の中の状況に左右されない仕事につくため」など、現在のキャリアのスキルアップを目指している人が多いこともわかります。
DX時代に人気のリスキリング5選
前項でご紹介したリスキリング意識調査をもとに、リスキリングとして人気の分野を5つご紹介します。「何を学べば良い?」と迷っている人、これから新たに学び直しを始める人は参考にしてみてはいかがでしょうか。参考:リスキリング講座おすすめ!プログラミングが人気
情報セキュリティ
IT技術は今や個人・企業の活動において欠かせない存在ではありますが、反面、正しい情報の扱い方や情報セキュリティの知識を持っていなければ、個人情報や機密情報が漏洩するリスクがあります。また近年、国家や企業、個人を狙ったサイバー攻撃が多発しており、自らの情報や安全を守るためには情報セキュリティの知識が不可欠です。このため多くの企業では、リスキリングの一環として従業員へ情報セキュリティ教育を行っています。
個人として情報セキュリティのスキルを習得できれば、サイバーセキュリティに特化した人材として就職や転職、昇進・昇給などで有利に働くでしょう。
データサイエンス(データ分析)
データサイエンスは、統計やプログラミングの知識を用いてデータを利活用する分野であり、AI時代において特に需要の高いスキルと言えるでしょう。データサイエンスのスキルを用いて働く「データサイエンティスト」は、全米の職業ランキングで近年常に上位にランクインしており、2022年版では第3位となっています。年収の中央値、満足度、求人数ともにトップクラスで、世界的に注目されている職種であることがわかります。
参考:50 Best Jobs in America for 2022|Glassdoor
リスキリングによってデータサイエンスを習得すれば、将来に渡って幅広いキャリアを描けるようになるでしょう。
データサイエンティストを目指す方におすすめの資格8選!難易度や合格率も紹介
データサイエンスは、ビッグデータを利活用することによって未来を切り開くための学問分野です。大量の情報で溢れかえる現代社会にあって、いま、多様な情報を適切に分析し、私たちの生活に活用していくデータサイエンスに注目が集まっています。これからプログラミングなどのリスキリングを検討しているなら、データサイエンスの学習を始めましょう。この記事では、データサイエンス学習におすすめの資格を5つご紹介します。
この記事をcoeteco.jp で読む >プログラミング
リスキリングとして人気のプログラミングは、プログラミング言語やIT技術を習得し、システムやアプリを開発・運用できるスキルです。学校教育でプログラミングが必修化されたことを受け、近年は大人でもプログラミングを習得する人が増えています。経済産業省の推進する「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」を活用してプログラミングスキルを習得すれば、受講料の最大70%の給付を受けられます。このほかにもさまざまな助成金があるので、必要に応じて活用してみましょう。
リスキリングに助成金はある?個人向けの支援事業や支援サービスについて解説
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する世の中にあって、人工知能(AI)などに代替されないスキルを習得するリスキリングの重要性が高まっています。政府は2022年10月、個人のリスキリングに対して5年で1兆円を投じる方針を固め、補助金や助成金などを通じてさまざまな支援事業に乗り出していることから、この記事では個人が受けられる補助金や助成金の種類を詳しくご紹介します。
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語学は、リスキリングという言葉が注目される以前から習い事などで人気の分野です。とくに英語は、誰もが学校教育で基礎を学び終えているため、学び直しとして最適でしょう。英語のリスキリングには、英会話スクールがおすすめです。独学の場合は自分で学習計画を立てる必要があり、モチベーションを保てず挫折してしまう可能性があります。
英会話スクールは、対面・オンライン形式など、ニーズに応じてさまざまな学び方が提供されているので、仕事や家事・育児で忙しい人も無理なく続けられます。自分のライフスタイルに合ったスクールを探してみると良いでしょう。
英会話スクールおすすめ28選【2024年最新版】初心者向けスクールも紹介
この記事では、おすすめの英会話スクール(英会話教室)を分かりやすく一覧で比較しています。初心者向けやマンツーマン・グループ形式の英会話スクール、通学型・オンライン英会話の比較、費用相場やおすすめの資格・検定まで、英会話スクール選びにおいて注意すべきポイントがすべてわかります。
この記事をcoeteco.jp で読む >AI・機械学習
AIや機械学習など、デジタル技術に関するリスキリングも人気です。これからの時代、AIをいかに活用して生活やビジネスを豊かに、便利にするかが重要になるため、リスキリングによってこれらを適切に扱うためのスキルを養えます。経済産業省は、AIやIoT、データサイエンス、クラウドといった将来性の高い高度なIT分野に対して「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を設けています。AIや機械学習のスキル習得を目指す人は、ぜひ活用してみましょう。
『第四次産業革命スキル習得講座』とは、経済産業省が認定するIT・データ分野を中心とした最先端技術に関する民間講座を最大70%OFFで受講できる制度です。 本記事では制度内容や申請方法をお伝えすると共に、第四次産業革命スキル習得講座認定のおすすめスクール・コースをご紹介します。
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