インフラエンジニアに向いている人は？仕事内容や将来性も解説

インフラエンジニアの仕事内容

ひとくちにインフラエンジニアと言っても、その業務領域は多岐にわたります。ここでは、インフラエンジニアの代表的な仕事内容について詳しく見ていきましょう。
参考：ITエンジニアの仕事内容

サーバーの管理と運用

インフラエンジニアの重要な役割の1つとして、サーバーの管理と運用が挙げられます。企業や組織のIT基盤を支えるための中核的な業務です。

具体的には、以下のような作業が含まれます。

• サーバーの設置
• 必要なソフトウェアやサービスのインストールと設定など
• サーバー監視：パフォーマンスの最適化、システムログのチェック、監視ツールの導入など
• 定期的なメンテナンス：ソフトウェアのアップデート、セキュリティパッチの適用など
• バックアップとリストアの管理
• 障害発生時の迅速な対応

このような業務を通じてサーバーの安定稼働を確保し、企業のIT基盤を強固なものにすることが、インフラエンジニアの使命と言えるでしょう。

クラウドサービス管理

近年多くの企業がコスト効率の高いクラウドサービスを活用・導入していることから、クラウドサービスの管理もインフラエンジニアの重要な仕事です。

クラウドサービスの管理には、以下のような具体的な作業が含まれます。

• クラウドインフラの設計と導入（AWS、Azure、Google Cloudなど）
• リソース管理：仮想マシンやコンテナの作成・管理、ストレージ、ネットワークリソースの最適化など
• セキュリティ管理
• パフォーマンス最適化
• バックアップとリカバリ対応

クラウド技術の進化に伴い、インフラエンジニアには、常に新しい知識とスキルを学び続けることが求められています。

ネットワークの監視と保守

企業や組織のITインフラが安定して動作するためには、ネットワークの健全性を常に監視し、必要な保守作業を行うことが不可欠です。このためインフラエンジニアは、ネットワークの監視と保守という役割も担っています。

具体的には、以下のような作業が含まれます。

• 監視ツールの導入
• ネットワークのパフォーマンスをリアルタイム監視
• ネットワークデバイス（ルーター、スイッチ、ファイアウォールなど）のステータスチェック
• 異常が検出された場合のアラート対応
• ネットワークデバイスのファームウェアアップデート
• 設定の見直しと最適化
• セキュリティ対策
• バックアップとリカバリ対応

ネットワークの監視と保守は、トラブルの未然防止や迅速な問題解決により、ITインフラの信頼性を高める重要な業務と言えるでしょう。

インフラエンジニアの将来性

2024年6月14日、動画配信サービス「ニコニコ動画」などグループの複数のサービスが停止したことが明らかになりました。この原因となったのはランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃であり、復旧には1ヶ月以上かかるということです。

KADOKAWAニコニコ動画などWEBサービス“復旧1か月以上見込み”｜NHKニュース

デジタルデータの利活用が当たり前になっている現代社会において、データが適切に扱われ、かつ保護されていることは、私たちの日常生活に直結していると言っても過言ではありません。そしてそのようなデータを狙う悪意ある攻撃者から人々の情報を守るために、ITインフラを適切に運用、保守することは必須であり、インフラエンジニアの重要性はかつてないほど高まっています。

またクラウド技術の進化と普及に伴い、オンプレミスのサーバー管理からクラウド環境への移行が加速しており、クラウドに精通したインフラエンジニアの需要は高まり続けています。さらにIoTやビッグデータ、AIなどの新技術が導入されつつあるなか、インフラエンジニアの業務領域はさらに広がりを見せていることも見逃せません。

このように、インフラエンジニアは技術革新とともに進化し続ける分野であり、将来性は非常に高い職種と言えるでしょう。

「インフラエンジニアはやめとけ」といわれる理由

インフラエンジニアは魅力的な仕事ですが、時に「インフラエンジニアはやめとけ」と言われることがあります。それはどうしてなのでしょうか。その理由を詳しく見てみましょう。

緊急対応が必要になることがある

ネットワークやサーバーといったインフラは、企業の業務やサービスの基盤を支えるため、24時間365日、安定稼働が不可欠です。万が一システムがダウンした場合には、迅速な復旧が必要とされるため、インフラエンジニアは夜間や休日であっても緊急対応に追われることが少なくありません。このような特殊な働き方から、「インフラエンジニアはやめておけ」と言われる理由の一つとなっています。

またインフラエンジニアが直面するトラブルは、事前に予測が難しい「想定外のトラブル」も多く含まれます。システムの複雑化に伴い、根本原因の特定や解決に時間がかかることも多く、エンジニアの負担を増大させる要因となっているのです。

勉強や仕事で忙しく趣味の時間が取れない

インフラエンジニアは、常に新しい技術やセキュリティ知識の習得が求められ、勉強が欠かせない職種です。特にITインフラは進化が早いため、最新のトレンドや技術動向についていくためには、日々の自己学習が不可欠と言えます。このため、プライベートな時間や趣味に費やせる余裕が持てないことが多く、「インフラエンジニアはやめておけ」と言われる理由の一つとされています。

インフラエンジニアの勉強は大変で、資格取得やスキル向上のための学習時間も多く必要です。オフの時間であってもスキルアップに励む必要があり、心身ともに負担がかかることが多いことから、趣味やリラックスできる時間が少なくなりがちで、生活のバランスを取るのが難しいと感じる人もいます。
参考：プログラミングの勉強

単純作業が楽すぎて退屈に感じる

インフラエンジニアの仕事は、ネットワーク設定やサーバー管理などの作業が中心となり、日々の業務の多くがルーティンワークで占められます。システムの監視や定期的なバックアップ作業、定例の保守対応など、基本的には決まった手順を反復する業務が多くなるため、「単調でやりがいを感じない」と退屈に感じる人もいるのです。

特に向上心のあるエンジニアにとっては「もっとクリエイティブな仕事に挑戦したい」と感じることも多く、モチベーションの低下につながることもあります。しかし、インフラエンジニアには正確性や細やかなチェックが求められるため、単純に見える作業も非常に重要なものばかりです。経験を重ねることで自動化や効率化のスキルを駆使できるようになれば、作業プロセスの改善を図るなど、スキルの活用次第で充実感を得ることもできるでしょう。

インフラエンジニアに向いている人の特徴

ここでは、インフラエンジニアに向いている人の特徴について見ていきましょう。
参考：プログラミングに向いている人

新しい技術に興味があり、学び続ける意欲がある

インフラエンジニアに向いている人の特徴として、新しい技術に興味があり、学び続ける意欲があることが挙げられます。

インフラやクラウドといった分野は常に進化し続けており、新しいハードウェアやソフトウェア、クラウドサービス、セキュリティ技術などが次々と登場しています。そのため、最新の技術動向を常にキャッチアップし、自己学習を怠らない姿勢を持っている必要があるのです。

こうした学習意欲を持ち、意欲的に習得し続ける意志のある人は、インフラエンジニアとして成長していけるでしょう。

細かい作業が好き（嫌いではない）

インフラエンジニアに向いている人の特徴として、細かい作業を厭わないことも挙げられます。システムの設定やネットワークの構築、トラブルシューティングなど、細部にわたる正確さ、ディテールに注意を払うことが求められるためです。

インフラエンジニアの仕事には、サーバーのメンテナンスやセキュリティパッチの適用など、日常的に行うルーチンワークが多いという特徴があります。このためルーチンワークを楽しめる人は、これらの作業を効率的かつ安定して続けることができ、システムの信頼性を維持する上で大いに役立つでしょう。

コミュニケーション能力が高い

インフラエンジニアに向いている人の特徴として、コミュニケーション能力が高いことも挙げられます。他のIT部門やユーザー部門と密に連携しながら業務を進めることも多く、チーム内外での円滑な情報伝達を実現し、プロジェクトの進行や問題解決をスムーズに行う能力が必要になるためです。

たとえばシステムの障害対応時には迅速な情報共有と協力が求められますし、新しい技術やシステムを導入する際には、関係者への説明や調整が不可欠です。また、技術的な内容を分かりやすく伝える能力も求められます。

このような場面でコミュニケーション能力を発揮できる人は、インフラエンジニアとして組織全体のIT環境を向上させることに寄与できるでしょう。

インフラエンジニアに向いていない人の特徴

反対に、インフラエンジニアに向いていない人の特徴についても見ていきましょう。

機械が苦手

インフラエンジニアは、日常的にサーバーやルーター、スイッチなど様々な機器を扱うため、機械に対する強い関心と理解力が必要です。物理的な機器の配置や設定作業、さらにトラブル発生時の原因特定や修理対応など、多様なハードウェアを扱うのが苦手な人にとっては負担が大きく、仕事のハードルが高く感じられることが多いでしょう。

機械を操作する際に苦手意識が強かったり機器の接続や設定に不安がある場合、トラブル対応の際にスムーズに行動できず、結果的に業務全体が滞る可能性があります。このため、機械を扱うことに抵抗がある方や、物理的な作業が多い仕事に不安を感じる方は、インフラエンジニア以外の職種を検討した方が良いかもしれません。

向上心がない

IT業界は急速に進化し続けており、インフラエンジニアも常に新しい技術やトレンドに対応する必要があります。クラウドサービスの進化、セキュリティの強化、ネットワークの高度化など、日々の変化に対応するためには絶え間ない勉強が欠かせません。

このため、向上心がない、あるいは勉強が苦手な人にとって、こうした業界の変化についていくのは難しく、結果的に企業やクライアントのニーズに応えられなくなってしまう可能性が高いでしょう。

インフラエンジニアを目指すのであれば、勉強を楽しめる姿勢や、新しいことに挑戦し続ける意欲が不可欠です。技術の進化に対して積極的に取り組む姿勢が、業界で長く活躍するための鍵となるでしょう。

臨機応変に対応するのが苦手

システム障害やネットワークトラブルが発生した場合、通常の業務に加えて緊急対応が必要となるため、インフラエンジニアには状況に応じて柔軟に対応できる力も重要です。急な予定変更や残業が発生することもあり、不規則なシフト勤務や突発的な対応が苦手な人にとっては、大きな負担となるかもしれません。

またインフラエンジニアには、状況に応じて即座に判断し、適切な対策を講じる必要があるため、臨機応変さと冷静さが欠かせません。急なトラブルに動揺してしまったり、対応方法の変更に戸惑いがちであったりする場合、業務を円滑に進めることが難しくなるでしょう。特にチームでの業務が多いため、個人の判断ミスがプロジェクト全体に影響を及ぼす可能性もあります。

このため、柔軟な対応力に自信がない方や、予定変更にストレスを感じやすい方には、インフラエンジニア以外の職種を検討するのが適しているかもしれません。

インフラエンジニアの向き不向きはスクールの無料相談で

インフラエンジニアとしての適性を調べるための検査には、主に「性格診断テスト」「業務適応テスト」「論理思考テスト」という3つのタイプがあります。事前に自分の適性を確認したい場合は、インターネット上で公開されている適性検査を試すと良いでしょう。自己評価として簡単にチェックできるため、適性に対する理解やキャリア選択、自己成長の指針を深めるのに役立ちます。
参考：無料体験可能なプログラミングスクール

適性検査は、面接の際に実施されることも少なくありません。インフラエンジニアに求められる問題解決能力や集中力、適応力など、職務に必要な資質が評価されます。インフラエンジニアの仕事は、細かいチェックや予測不能なトラブル対応が求められるため、こうした資質があるかどうかを把握しておくことが重要です。

インフラエンジニアに転職する方法

インフラエンジニアに転職するためには、まず必要なスキルを身に付けることが大切です。ネットワークやサーバー管理、クラウド技術、セキュリティ対策など、クラウドエンジニアに必要とされる基礎的な知識を習得しましょう。

これらのスキルを学ぶためには、専門書やオンライン学習教材などを活用するといった方法があります。独学での学習が難しいと考えるなら、プログラミングスクールなどでスキル習得を目指すという方法もあります。インフラエンジニアに強いプログラミングスクールもあります。

インフラエンジニアに関連する資格取得（例：AWS認定、CiscoのCCNAなど）に向けて学習するという方法も効果的です。スキル習得と資格取得を並行して行えるので、転職活動の際に大いに役立つでしょう。

スキルを習得したら、次にオンラインポートフォリオを作成します。オンラインポートフォリオには、自身のスキルセットやプロジェクト経験、実績を詳細に記載します。具体的には、GitHubやLinkedInなどのプラットフォームを活用し、プロジェクトのコードや技術ブログを公開する方法などがあります。

ポートフォリオが完成したら、転職サイトで求人情報を探すか、転職エージェントを活用して仕事を見つけましょう。

初めての転職や異業種転職などで自信がない、不安だという人には転職エージェントがおすすめです。転職エージェントは希望する条件に合った求人を紹介してくれるだけでなく、面接対策や履歴書の添削などのサポートも行ってくれます。
参考：インフラエンジニア転職エージェント・転職サイト

インフラエンジニア向いている人まとめ

インフラエンジニアに向いている人は、新しい技術に興味があり、学び続ける意欲があること、細かい作業を厭わず、ディテールに注意を払う性格であること、そして高いコミュニケーション能力を持っているといった特徴があります。これらに該当する人は、必要なスキルを身に付け、インフラエンジニアとしてのキャリアをスタートさせてみましょう。インフラエンジニアへの転職に不安を感じるという人は、転職エージェントの利用がおすすめです。