「今エンジニアとして働いているけどもらっている年収は普通?」
エンジニアとして働いている人・これから働きたいと思っている人にとって、気になるのが年収ですよね。この記事では、さまざまなデータからエンジニアの平均年収やフリーランスエンジニアの平均年収について紹介します。さらにエンジニアの年収の上げ方、方法についても解説します。
エンジニアの平均年収

IT関連の職種別の年収平均とスキル標準のグラフです。文字が小さく見づらいのですが、職種によってかなり年収差があることがわかります。同じ資料から引用したのが次の表です。こちらは給与制度を3つに分けています。
① 能力成果重視型
② 中間型(①と③の併用)
③ 年功序列型
また、それぞれに最高年収や最低年収があり、25歳から55歳まで働いた年収をもとに生涯賃金を計算しています。ここから標準水準で中間型(年功序列と能力成果主義の両方で給与を裁定)を平均として見てみましょう。
エンジニアの平均年収は542万円となります。

正社員の平均年収は、DODAの平均年収ランキング2022では「403万円」と算出しています。つまり、130万円以上も年収が高いと言えます。
DODAではエンジニアの平均年収を438万円と算出しています。
参考:平均年収ランキング2022/doda
単純に数字だけ見ると、やはりエンジニアは専門職であり年収も高い傾向ですね。ただし、エンジニアといってもさまざまで、さらに経験年数や企業の規模によってもだいぶ年収差があります。また、この調査では、コンサルタントやサポートセンターの仕事も含まれているので純粋にエンジニアとは言い切れませんが、エンジニアのスキルがあるからこそできる仕事です。
いずれにしてもエンジニアは年収に大きな開きがあるのが特徴です。
つまり、高度なスキルや経験があれば高額所得者になるのも夢ではありません。いっぽうでスキルを磨かずに停滞していると、一部の職種では平均年収以下になることも留意しておきましょう。
エンジニア職種別年収ランキング
1位 システムアナリスト | 1,295万円 |
2位 アクセス解析 統計解析 |
1,048万円 |
3位 セキュリティコンサルタント |
800万円 |
4位 社内情報化戦略・推進 | 657万円 |
5位 プロジェクトマネジャー・リーダー(WEB・オープン・モバイル系 | 655万円 |
6位 パッケージ導入コンサルタント(ERP・SCM・CRM等) | 651万円 |
7位 システムコンサルタント(ネットワーク・通信) | 643万円 |
8位 情報アーキテクト・UI/UXデザイナー | 630万円 |
9位 プロダクトマネジャー(パッケージソフト・ミドルウェア) | 628万円 |
10位 プリセールス・セールスエンジニア | 601万円 |
上記はマイナビに掲載された転職求人から算出されたモデル年収をもとに、IT関連の職種を抜粋したランキングです。転職の年収なので若干高めと見たほうがよいかもしれませんが、このデータからもわかるのはITエンジニアといってもたくさんの職種があり、職種によって大きく年収が違う点です。
10位のセールスエンジニアがその他の業種・職種を含めた全体では51位、しかし1位のシステムアナリストは全体でも2位の年収レベルです。プログラマーやエンジニアとしてスタートを切ったら、より高年収が期待できる職種へとステップアップしていくのが、エンジニアの収入アップのポイントですね。
エンジニアでも高い年収を得ているのはレベル4以上

引用:IT関連産業の給与等に関する実態調査結果/経済産業省
グラフの「レベル1」「レベル2」ってなに!? と思ったかもしれません。これはITスキルのレベルです。レベル1からレベル3までの年収差はゆるやかですが、レベル4以上になると一気に年収が高くなります。
レベル1 | 新人・初級者レベル 仕事に慣れ始めたレベル |
レベル2 | 上位者の指導のもとに仕事ができる 若手人材レベル |
レベル3 | 独立して仕事ができる中堅人材レベル |
レベル4 | 部下を指導できるチームリーダーレベル |
レベル5 | 社内での指導者・幹部レベル |
レベル6 | 国内で著名なレベル |
レベル7 | 国際的に著名なレベル |
ハッキリ言えるのは、スキルのレベルが高ければ高いほど、年収も高いということです。国内や国際的に著名なレベルというのは少し現実的には考えづらいかもしれません。でも「社内での指導者・幹部レベル」になれば平均年収は一気に1,000万に届く勢いですね。
レベル4から上のレベルになると、年収平均がグッとアップしています。実はココ、とても重要なんで覚えておいて下さい。後半で解説しますがITスキル「レベル4」になれば、高年収も夢ではない!ってことですよ。
フリーランスエンジニアの平均年収は?
エンジニアのフリーランスは、在宅ワークを中心とするのと、クライアントのもとで業務を行う客先常駐型(現場常駐型)があります。客先常駐型では月額にすると60万〜90万といった高単価の案件を請け負うことが多いようです。高年収を望むのであれば、フリーランスとして独立し、こうした常駐型の長期案件を確保するのが基本です。
いっぽう在宅ワークの場合、単発で単価が低めの案件が中心です。経験や実績がない場合や、副職にしたい場合には、在宅で簡単な案件から受けてステップアップしていく方法もあります。在宅でも高額な案件もありますが、それに見合ったスキルが必要です。
フリーランスというと在宅ワークと考えがちですが、一定の収入を得ているフリーランスエンジニアは圧倒的に客先常駐の契約をしているケースです。常駐型は長期継続の契約が多く、決められた期日ごとに報酬が得られます。収入の見通しがある程度つくので安心して生活できるメリットがあります。また、高額な業務委託の多くは客先常駐型です。
フリーランスエンジニアの平均年収:700万〜1,000万
企業に勤めるより高額だ!と思ったかもしれませんが、フリーランスの場合には国民保険や年金のほかに税金も自分で支払うので、手取りとなるとかなり金額が変わります。たとえば、企業に蔵した場合には社会保険になり、保険料の半分は企業が支払うために社員の負担は減ります。
また、次の仕事がある保証はないなど安定性の面においてもフリーランスエンジニアにはメリットと共にデメリットがあることも認識しておきましょう。ITフリーランスの種類によっても年収は異なってきます。
参考:Midworks
エンジニアの年収の上げ方

ニーズにあったスキルを身に付ける
たとえば、プログラミング言語は時代とともに変化しています。もっとも必要とされ、まだ習得している人が少ないプログラミング言語を使用できれば、年収アップにつながります。今はスマホをデバイスとして使用する人が非常に多いので、UI/UXデザイナーの需要が高く、平均年収も高くなっています。しかしまた、このニーズは変化するかもしれません。
エンジニアとして日々の仕事をこなすだけでなく、常にアンテナをはって、これから何が求められるか、ニーズをつかんで先回りしてスキルを得ておくことがポイントです。
コミュニケーション能力は高く評価される
エンジニアの仕事はひとりで黙々と行うイメージがあるかもしれませんが、実際には多くの工程があり、たくさんの人が関わっています。日頃からのコミュニケーションも大切です。これはフリーランスエンジニアも同じで、結局、仕事というのは人と人とのやり取りで結ばれることが多いわけですから、協調性がありコミュニケーションが取りやすい人のほうが、より良い待遇を得られます。あるいは社内でプロジェクトチームをまとめ、リーダーやディレクター的なポジションを得られれば、年収も大きくアップします。それには部下や新人をうまくとりまとめ、顧客との交渉能力なども必要となります。
先端ITスキルを持っていると年収アップが見込める
エンジニアにとってもっとも重要視されるのがスキルです。スキルといっても、簡単なコーディングからシステム開発などさまざまです。前半で解説したように、スキルレベルが4以上になれば、一気に年収がアップします。誰でも最初は新人ですが、経験を積んでも、そこにいたままではなかなか年収もアップしません。
そこで今、注目したいのが「先端ITスキル」です。次に先端ITスキルについて解説します。
収入アップがめざせる先端ITスキルとは
先端ITスキルの例経済産業省は2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると発表しています。しかし、資料をよく見ると、人材を以下の2つに分けています。- 従来型IT人材
- 先端IT人材
つまり、今あるスキルのままだと「ニーズに応えられない」人材となってしまう可能性があります。もちろん、仕事がなくなるわけではありませんが、需要が足りていれば、わかりやすく言えば「高い収入を得られにくく」なってしまいます。
いっぽうで需要に対して人材が不足するだろうといわれる先端IT人材は貴重な存在ですから、企業はこぞって雇用しようとするでしょう。売手市場になれば、それだけ好待遇の条件が用意されます。
お金だけがすべてではありませんし、働きやすさも大切です。とはいえ、エンジニアになって高年収を得られるようにと思うのも、当然です。これからはより高いレベルのスキルを目指すことが重要です。冒頭で示したスキルレベル4以上をめざせば、将来にわたってキャリアアップが期待できます。
平均年収を上回る収入を得るために、今からスキルアップすることが重要です。次では、先端IT人材になるための方法を紹介します。
出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」
第四次産業革命スキル習得講座認定制度
政府は高度なスキルを持つIT人材を育成するために、第四次産業革命スキル習得講座認定制度をスタートしています。これから必要とされる高レベルのスキルが学べる講座を認定し、その講座を受けた人に一定の補助をする精度です。[訓練時間は30時間以上かつ訓練期間が2年以内] 高度IT分野等、将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野に関する社会人向けの専門的・ 実践的な教育訓練講座(ITスキル標準レベル4相当以上)として経済産業大臣が認定した課程政府が認定した講座を受けた場合支払った金額の最大70%(上限56万円)が支給されます。上記で指定されているように、高年収が見込まれる「ITスキル標準レベル4相当以上」のスキルが学べる講座が対象となっています。
引用:専門実践教育訓練給付金のご案内/厚生労働省
これは大きいですね。エンジニアやプログラミング講座はそれなりの料金で、ためらうこともあるでしょう。しかし一定の条件を満たせば、スクールや講座の料金が戻ってきます。
制度については、詳しい解説記事があるのでこちらを参考にしてください。
第四次産業革命スキル習得講座に認定されたコースのあるスクールなどについては、次の記事にまとめてあります。
今からスキルアップを続ければ平均年収を上回れる!
これからプログラミングを学び、エンジニアになりたい、エンジニアはいくらくらい収入があるのだろう? と思ってこの記事を見た方、あるいは現在のITスキルと年収は平均的で妥当なのかな? もっと収入アップする方法はないのかな? と思った方。スキルは身に付けて損なことはひとつもありません。
スキルと経験の2つを柱にキャリアプランを考えていきましょう!