リスキリングでおすすめの資格は？資格選びのポイントも解説

世界で注目されるリスキリングとは

経済産業省の定義によると、リスキリングとは以下のような意味の言葉です。

新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する／させること
引用：リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流｜経済産業省

よく似た言葉に「リカレント教育」があります。リカレント教育とは、生きていくなかで教育と就労のサイクルを繰り返すこと、いわゆる「生涯学習」を意味する言葉です。

これに対しリスキリングは、仕事として新しい分野を開拓していくためのスキル習得という意味合いがあります。

どちらも「大人の学び直し」という点では同じですが、目的が異なるのです。

リスキリングはどうして必要なの？

少子高齢化が進む現代は、人生100年時代と言われています。生産人口の減少によって、定年を超えてもなお働き続けることが当たり前になりつつあります。

このようななかでも長く働き続けるためには、幅広い能力やスキルを習得し、職場や仕事を柔軟に渡り歩いていく必要があります。

これこそが、リスキリングの必要性が叫ばれるようになった大きな理由です。リスキリングで習得したスキルによって、私たちは長く豊かに生きられるということなのです。

また、生産人口の減少が深刻化している日本において、企業や社会の生産性をいかに高めていくかは大きな課題となっています。

リスキリングでデジタルスキルの向上を促すことによって、AI（人工知能）をはじめとする先端技術などを活用できる人材が増加し、社会の生産性を維持・向上できるようになると期待されているのです。

DX推進によりさまざまなが業務が効率化されている観点からも、デジタル人材の需要は高く、今後も高まり続けることが予測されます。経済産業省から委託されてみずほ情報総研株式会社が行った調査では、2025年には約45万人、2030年には最大約79万人のデジタル人材が不足するとの結果に。デジタル人材の需要がいかに高いかが伺えます。

参考：みずほ情報総研株式会社「IT人材需給に関する調査」（経済産業省からの委託事業）
参考：リスキリング講座おすすめ！プログラミングがおすすめ？

世界中でリスキリングに関する動きが加速している

リスキリングの必要性については世界中で議論が進んでおり、2020年に開催された世界経済フォーラム（ダボス会議）においては「リスキリング革命」という概念が提唱されました。

「10億人の人々が明日の経済と社会に備えられるよう、教育やスキル、学習を変革しよう」という試みであり、機会不平等や雇用の喪失、不平等といった世界的な課題を前進させるものであるとされています。
参考：The Reskilling Revolution｜WORLD ECONOMIC FORUM

これを受け、日本でもリスキリング推進の動きが加速しています。2022年10月の臨時国会において岸田首相は「リスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」と表明しており、各省庁でリスキリングを支援するさまざまな動きが広がっているのです。
参考：リスキリング支援「5年で1兆円」　岸田首相が所信表明｜日本経済新聞

リスキリングの推進は今や世界的な潮流であり、今後さらに加速していくことが予想されています。先行き不透明な時代に際して、私たち一人一人が「真の豊かさ」を追求し、自らのスキルを積極的に磨いていく必要に迫られているのです。

リスキリングで資格取得はおすすめ？

リスキリングのために習得すべきスキルにはさまざまなものがありますが、なかでもとくに注目されているのがデジタルスキルです。テクノロジーの力を活用することで人材不足の問題を解消し、生産性を向上させていく必要があります。

デジタルスキルとは、デジタル社会においてITを活用してデジタルデータを適切に利活用するためのスキルです。具体的には、以下のような種類に分類できます。

• ITリテラシー：デジタルデータを利活用できるスキル
• プログラミング：デジタルデータを処理できるスキル
• データ分析：デジタルデータを分析できるスキル
• 情報セキュリティ：デジタルデータを保護できるスキル

リスキリングにおいてデジタルスキルを習得する場合には、デジタルデータを用いて何をしたいのかを主眼に検討するとよいでしょう。そもそもデジタルスキルが高くないと考えている人であれば、ITリテラシーから始めることをおすすめします。リスキリングに関するキャリアアップ支援事業対象のスクールであれば、受講料の70%が給付されますので、おすすめです。

リスキリングの資格選びで大切なポイント

リスキリングの資格選びをする際は、以下の3点に気をつけましょう。

• 資格取得の目的を明確化する
• 自分が興味のある分野にする
• 資格の需要や将来性を調べる

資格選びで失敗しないためには、大切なポイントを知っておくことが大切です。

資格取得の目的を明確化する

資格取得の目的がはっきりしないまま資格を選び始めてしまうと、資格選びに必要以上の時間がかかる可能性があります。社内で等級・役職アップを狙いたい、転職したい、独立・起業したいなど、目的を明確にしておきましょう。資格取得がゴールではないため、資格取得後の理想像までイメージして目的を決めておくことが大切です。

目的が定まっていないことで、途中で挫折しやすくもなります。自分の目指すところまでたどり着くには、明確な目標が必要です。

自分が興味のある分野にする

自分が興味のある分野をおすすめするのは、モチベーションを維持しやすくなるからです。いくら将来性の高い資格でも、興味がなければモチベーションを保つのが難しくなり、挫折しやすくなります。せっかく挑戦しても、資格を取得できず、望む働き方を実現できなければ意味がありません。資格取得の確立をアップさせるために、自分の興味のある分野の資格を選びましょう。

資格の需要や将来性を調べる

転職したい方は、資格ごとの需要や将来性も調べてみましょう。なぜならば、需要や将来性が高い資格であれば、転職に役立てられるからです。需要と将来性を調べるには、転職サイトの求人情報を活用するのがおすすめ。多くの求人情報で必須もしくは歓迎条件として記されている資格なら、需要が高く、将来性もあると考えられるでしょう。

リスキリング資格取得にもおすすめなスクール

ここでは、リスキリング資格取得にもおすすめのスクールをご紹介します。

COACHTECH

リスキリングでプログラミングを学びたい人には、完全未経験から最短でフリーランスエンジニアを目指せるCOACHTECHがおすすめです。アウトプットに特化したオリジナルカリキュラムを利用し、専属コーチとの面談や質問チャットサポートを活用しながら学習を進めるため、自己学習力やプログラミング基礎を着実に身に付けられます。

カリキュラムの後半には実践学習タームが用意されており、実際の開発案件に似た模擬案件開発によって実践的なスキルも習得できます。さらに卒業後のテストに合格すれば案件保証の付いたCOACHTECH Proへ入会でき、実際の案件開発に携わることも可能。フリーランスエンジニアに不可欠となる開発実績を作ることで、即戦力として活躍できるエンジニアを目指せるでしょう。

WEBMARKS

リスキリングでWebマーケティングについて学びたい人には、WEBMARKSがおすすめです。SEOを専門とする企業とWeb広告専門企業がタッグを組んでいるため、Google広告やYahoo広告などをはじめとしたWeb広告はもちろん、SEOマーケティングやSEOライティング、GA4（Google アナリティクス4）などについても幅広く学ぶことができます。

実際にサポートを行ってきたWebマーケティングの施策提案・業務改善を落とし込んだ実践的なカリキュラムになっており、プロのWebマーケターから指導を受けることで、現場で即戦力となるスキルを習得できるでしょう。チャットでの無制限質問対応や職務経歴書の添削、現場で役立つツールの紹介、懇親会の開催といったさまざまなサポートを受けられるのも魅力です。

studio US

リスキリングで動画編集スキルを養いたいという人には、studio US（スタジオアス）がおすすめです。未経験からでもプロとして活躍するための幅広い動画制作スキルを身に付けられるので、将来フリーランスや副業として動画クリエイターを目指すことも可能になるでしょう。

授業は900を超える動画教材を用い、24時間自分の好きなタイミングで学習することによって進めます。基本的なソフトの使い方や動画制作の基礎・応用はもちろん、実践的なトレーニング、ディレクションや映像編集・画像加工、リテラシー、仕事の取り方まで、実践的なスキルを幅広く習得できます。

リスキリングで取得がおすすめな資格6選！

それでは実際に、リスキリングでデジタルスキルを身に付けるためのおすすめ資格を6種類ご紹介します。デジタルスキルとひとくちに言ってもその範囲は幅広いので、どの分野に興味があるかを見極めて学習を進めましょう。

ITパスポート【ITリテラシースキル】

ITパスポートは、ITの基礎知識を証明する国家資格です。

デジタルスキルを証明するための最も基本的な資格であり、試験の実施は独立行政法人情報処理推進機構（IPA）によって行われています。

ITパスポートで出題される範囲としては、AI・ビッグデータ・IoTをはじめ、アジャイル、経営戦略・マーケティング、財務・法務、セキュリティ、ネットワーク、プロジェクトマネジメントなどが含まれます。

試験はCBT（Computer Based Testing）方式で実施され、自宅などでコンピュータを利用して受験します。合格率は約50%で、国家資格としては比較的難易度が低いと言えるでしょう。

参考：ITパスポート試験｜IPA

基本情報技術者試験【ITリテラシースキル】

ITパスポートと同じくデジタルスキルの基礎知識を証明する国家資格として、基本情報技術者試験があります。

ITパスポートでは、デジタルデータを扱うすべての人に必要な広義のIT知識が問われます。一方、基本情報技術者試験は情報処理技術者を対象とした試験であり、ITパスポートと比べるとやや専門性の高い内容になっています。

試験はCBT方式で実施され、合格率は約40%となっています。

ITパスポートを習得し、さらに専門性の高いデジタルスキルを習得したいと考えている人におすすめの資格です。

参考：基本情報技術者試験｜IPA

Python3エンジニア認定試験 【プログラミングスキル】

Python3エンジニア認定試験は、プログラミング言語Pythonのスキルを評価する民間資格です。

PythonはWebサイトやWebサービスを作れるだけでなく、AIや機械学習に関する機能が充実していることから、現在世界でもっとも人気のあるプログラミング言語のひとつです。

そのためPythonのプログラミングスキルを習得できれば、WebエンジニアやAIエンジニア、データサイエンティストとしてのキャリアを選択することも可能になります。

試験は全国のCBTテストセンターで受験するスタイルになっており、合格率は75%〜80%程度です。難易度はそれほど高くないので、Pythonの基礎を習得した後の腕試しとして受験してみると良いでしょう。

参考：Python 3 エンジニア認定基礎試験｜Pythonエンジニア育成推進協会 

PHP技術者認定試験【プログラミングスキル】

PHP技術者認定試験は、プログラミング言語PHPのスキルを評価する民間資格です。

PHPはWebサイトやWebアプリケーションに特化したプログラミング言語で、Webサイトを簡単に作れるWordPress（ワードプレス）はPHPで作られています。このためPHPの将来性は高く、PHPのプログラミングスキルを習得すればさまざまな分野へ展開できるのです。

PHP技術者認定試験は、初級・上級/準上級・認定ウィザードに分類されています。初級の合格率は約70％と高めなので、PHPの基礎を習得してからチャレンジしてみると良いでしょう。

参考：PHP8初級試験｜PHP技術者認定機構

データサイエンティスト検定【データ分析スキル】

データサイエンティスト検定は、データサイエンティストとして必要なスキルや知識を証明する民間資格です。

AIを適切に利活用するスキルは、AI技術がさらに加速する未来において重要となるでしょう。データサイエンティスト検定は、デジタルAI時代を担うデータサイエンティストに必要なデータサイエンス力やデータエンジニアリング力、ビジネス力を証明するものです。

試験期間は決まっており、第5回試験は2023年11月11日～2023年12月3日を予定しています。第6回試験は2024年3月上旬～下旬の予定です。また試験はCBT方式で実施され、全国の試験会場で受験します。

合格率は2021年実績で約66％と高めですが、合格ラインが80%となっているため、しっかりと対策を行ったうえで臨みましょう。

参考：データサイエンティスト検定（DS検定）

情報セキュリティマネジメント試験【情報セキュリティスキル】

https://www情報セキュリティマネジメント試験は、ITパスポート、基本情報技術者試験と同じくIPAが試験を実施している国家資格です。企業や組織において、サイバー攻撃に備えて情報セキュリティの確保に貢献できる人材であることを認定します。

ITによって世界中が繋がっている現代社会では、国家や企業、個人を狙うサイバー攻撃は世界的な脅威となっています。情報セキュリティマネジメント試験は、そのような脅威から企業・組織や情報を守り、あるいはサイバー攻撃に備えるスキルをはかるためのものです。
 
試験はCBT方式で実施され、全国の試験会場で受験します。合格率は60%程度と比較的高いので、しっかり対策を行って試験に臨みましょう。

参考：情報セキュリティマネジメント試験｜IPA

40代のリスキリングに人気の資格

40代のリスキリングに人気の資格を2つご紹介します。どちらの資格も需要が急増しており、取得すれば活躍できる機会・場所を広げられるでしょう。

 ITストラテジスト

ITストラテジストとは、ITの知見を活かし、企業の課題を明確にしたり業務の効率化を提案したりできる資格のことです。高度IT人材向けの資格で、最近では経営戦略に情報技術（IT）を取り入れる企業が増えていることから、需要が急増しています。DX化が推進されている現代では、今後さらに活躍の場を広げることも可能です。

ITストラテジストの資格を取得するためには、以下の試験すべてで合格する必要があります。①から順に受け、合格出来たら次の試験に進めるシステムです。


参考：独立行政法人情報処理推進機構「ITストラテジスト試験」

Webクリエイター能力認定試験

Webサイト制作で必要とされる実践スキルを証明したい場合は、Webクリエイター能力認定試験を受けるのがおすすめです。Webサイト制作のプロフェッショナルを目指すことで、退職まで需要のある人になり続けられるでしょう。

Webクリエイターとしての能力は、デジタル化が進む現代で高い需要があり、さまざまな業界で応用できるスキルです。デジタル化が進む社会で退職まで働き続けるためには、Webスキルの習得が必要となるでしょう。


参考：Webクリエイター能力認定試験「試験について」

50代のリスキリングに人気の資格

50代でリスキリングしたい方には、VBAエキスパートやMBAが人気です。どちらの資格も、50代から十分に活用できます。

VBAエキスパート

VBAエキスパートは、ExcelやAccessのマクロ、VBA（Visual Basic for Applications）の能力を有していると証明できる資格です。VBAエキスパートを取得してExcelの集計作業などの効率化ができるようになれば、退職後の再就職の際にアドバンテージになるでしょう。


参考：VBAエキスパート「試験概要」

MBA（経営学修士、経営管理修士）

MBAは、厳密には資格ではなく学位を指す言葉です。経営学修士や経営管理修士とも呼ばれており、ビジネススクールで必要な単位をとると取得できます。MBAが50代に人気の理由は、経営者の視点に立った経営戦略や事業戦略などが学べ、50代からでも上流工程のキャリアを目指せる点。役職や給料のアップなども期待でき、より高みを目指す50代におすすめです。

国内には社会人でも通えるMBAスクールがあり、通学やオンラインなど通い方はさまざま。社会人向けのビジネススクールは、平日の夜間や土日に講義が開かれることが多いようです。

 おすすめのオンライン英会話

グローバルに活躍したい方は、デジタルスキルのリスキリニングだけでなく、英会話の習得も必須です。オンライン英会話なら、忙しい社会人でもすきま時間で学べるでしょう。

産経オンライン英会話Plus

出典：産経オンライン英会話Plus

産経オンライン英会話Plusは、家族でシェアできるオンラインの英会話サービスです。1アカウントにつき5名まで追加でき、受講料を無駄なく使えます。例えば家族4人で1つのアカウントをシェアする場合、1人あたり1,595円～利用可能です。

同サービスのメリットは、豊富な教材数。1,700種類以上の教材が基本料金に含まれており、ニーズやレベルに合わせて250種類以上の有料教材も用意されています。深夜でも早朝でも好きな時間に学べるのもメリットの1つ。5分前まで予約できるので、忙しくて予定の見通しが立たない場合や急に予定が空いたときなどにも便利です。どのプランでも自由に講師を選べるので「講師と合うか心配」という方でも問題ありません。

スピークバディ

出典：スピークバディ

短期間で英語を話せるようになりたい方には、オンラインの英語コーチングスクールのスピークバディがおすすめです。「『知っている』を『使える』に」をモットーに掲げ、スピーキング特化型のコーチングを行っています。科学的かつスピーキングメカニズムにもとづく独自メソッドにより、短期間で英語を話せるようになることが可能です。

同スクールでは話すトレーニングを重視しているため、覚えるだけでなく使えるスキルを伸ばしていけるでしょう。週に1度は専属コーチと英語で話す機会があり、日々的確なフィードバックがもらえるため、どんどん改善していけます。AIキャラクター相手に英会話できる英会話アプリ「スピークバディ」も無料で使い放題なので、すきま時間も活用可能です。同スクールには、インプットからアウトプットまで網羅的に学べる体制が整っています。

 独学はモチベーションが重要！英会話スクールも検討しよう！

リスキリングは、人生100年時代と言われる現代において、私たちが豊かに長く生きるために必要なスキルを習得することに他なりません。リスキリングのなかでも特に実用性の高いデジタルスキルを習得し、資格を取得できれば、将来的にさまざまな分野へ展開でき、幅広いキャリアを形成する手助けになります。デジタルスキルの資格を取得し、豊かな未来へ向けて一歩踏み出しましょう。