この記事では「Web広告運用でフリーランスになりたい」と考えている人に向けて、Web広告運用フリーランスの年収・単価相場をはじめ、案件の取り方や求められるスキル等について徹底解説していきます。
フリーランスWeb広告運用の仕事内容
フリーランスとしてWeb広告運用を行う場合、仕事内容は主に以下の5つです。- 商品やサービスを理解する
- 戦略を練る
- アカウントの構築や広告運用作業
- 分析
- 改善
まずは、クライアントの商品・サービスの特性や目標を理解することが大切です。理解できていないと、どのターゲット層に向けて発信するのかや広告媒体が定まらず、予算配分も行えません。
広告運用に必要な情報を集められたら、広告戦略を立案します。競合分析やユーザー分析を行い、効果的な戦略を提案する能力が求められるでしょう。戦略が立てられたら、実際に広告運用作業を行います。
広告運用作業とは、具体的にはキーワード選定、入札価格設定、広告クリエイティブ作成、アカウント設定、タグ計測設定など。広告実施後は、アクセスデータやコンバージョンデータを定期的に分析し、課題を発見して改善策を立案・実行することも忘れてはいけません。より多くの利益を上げるためには、ABテストなども行いながら、継続的に広告パフォーマンスを高めていく必要があります。
Web広告運用のフリーランスの年収・単価相場
「Web広告運用のフリーランスは稼げるのか?」といった疑問を解消すべく、早速年収や単価の相場について見ていきましょう。広告運用は基本的にマーケティング部門が担うため、ここでは便宜的にマーケターの収入を調査していきます。フリーランス向け求人・案件を数多くまとめている「フリーランススタート」の情報によれば、フリーランスマーケター向け求人の月額単価相場は平均70万円程度となっていました。
単純に12か月換算すると、フリーランスマーケターの年収は約840万円。日本の平均年収が458万円であることを踏まえると、広告運用は十分稼げる仕事であることが分かります。
ただしフリーランスの報酬は基本的に出来高制であり、場合によっては全く仕事が取れない月が出てくる可能性もゼロではありません。安定性という面ではやや弱いということに留意しておきましょう。
フリーランスWeb広告運用として働くメリット
フリーランスとしてWeb広告を行うメリットは、主に以下3つです。- 需要が高いため将来性が見込める
- 在宅・リモート案件が充実している
- 達成感を感じやすい
需要が高いため将来性が見込める
近年、デジタルマーケティングの重要性が高まり、Web広告運用の需要が増加していることから、将来性が見込めます。電通が発表した「2023年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、インターネット広告媒体費は、前年比108.3%の2兆6,870億円という結果でした。1年間で広告媒体費が2,069億円も増えていることから、需要の高さが伺えます。デジタルマーケティングの需要は今後も高まり続けると予想されており、将来性が期待できる市場といえるでしょう。
在宅・リモート案件が充実している
在宅・リモート案件が充実しているのも、Web広告運用フリーランスのメリットです。Web広告運用の業務は、インターネット環境さえあれば場所を選ばず行えます。在宅やリモートワークでの案件が多数あり、フリーランスにとって働きやすい環境が整っているといえるでしょう。在宅・リモート案件が豊富なのは、広告運用ツールはクラウド環境が多いことが理由に挙げられます。自宅のPCから広告の設定・運用・分析までワンストップで行えるため、リモートワークに適している職業です。
達成感を感じやすい
Web広告運用では、広告の設定や改善を行い、その結果が数値として可視化されます。結果を漠然としてではなく数値として見れることで、自分の行動によりどうなったのかが分かりやすく、達成感を感じやすいでしょう。クリック数やコンバージョン率、売上げなどの指標が上がれば、自分の施策が適切だったということです。自分で考えた戦略を実行して成果を直接実感できれば、フリーランスとしてのやりがいも感じられます。在宅やリモートで働きたいけど、達成感ややりがいも感じたいという方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
フリーランス向けWeb広告運用案件の探し方・取り方
ここでは「フリーランスの広告運用としてどのように案件を取っていけばいいのか」という観点から、おすすめの仕事の探し方についてご紹介していきます。- クラウドソーシングを活用する
- フリーランス向け案件サイトを利用する
- フリーランスエージェントに登録する
クラウドソーシングを活用する
実績の少ない初期の頃や、まずは副業として始めようと考えている場合には「クラウドソーシングサイト」がおすすめです。企業や個人事業主が不特定多数の人材へ案件を依頼する業務形態のことで、仕事を獲得するハードルが低めなのが魅力。代表的なクラウドソーシングサイトには以下のようなものがあります。
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ etc…
フリーランス向け案件サイトを利用する
クラウドソーシングサイトの案件を通してある程度実績がついてきたら、フリーランス向けの案件サイトから挑戦できそうなものに応募していくといいでしょう。面接や書類審査等が入ることもあるためクラウドソーシングより難易度は上がりますが、より大きな実績を積むことができ、高収入も期待できます。フリーランス・副業案件が掲載されているサイトには実に多くの種類があるため、運営実績や抱えている案件数などから判断するのがおすすめ。
自分で案件を検索していかないといけない都合上、営業に割く時間が多くなりがちなので、その点には気を付けて利用しましょう。
参考:マーケティングフリーランス
フリーランスエージェントに登録する
案件獲得のための営業活動を効率化していきたいなら「フリーランスエージェント」にはぜひ登録しておきたいところ。専任のアドバイザーがあなたの経歴や希望等を丁寧にヒアリングし、適性のありそうな案件が見つかり次第紹介してくれるサービスです。「仕事が忙しく営業にまで手が回らない…」「今の案件がいつ途切れてしまうか心配…」といった悩みも、フリーランスエージェントに案件探しを代行してもらうことで解消できるでしょう。基本的に利用料は無料なので、営業に行き詰まったらぜひフリーランスエージェントへ相談してみてください。
参考:マーケティングに強いフリーランスエージェント
フリーランス広告案件が探せるおすすめサイト
ここでは、フリーランス広告案件が探せる、おすすめフリーランスサイトをご紹介します。マーケティングプロパートナーズ
マーケティングプロパートナーズは、週2~5日のマーケティングリモート案件を紹介してくれるサイトです。たとえば企業や自社サービスの立ち上げ時に一定の収入を確保したい、現在参画中の案件のあまりの時間を活用して収入を上げたい、成長中のスタートアップ企業で新しいサービスのグロース経験を積みたいなど、週2日から、家にいながらニーズに合わせた働き方を提案してくれます。専属エージェントが案件探しや交渉、面談同席、契約から契約後のサポートまで幅広く担当してくれるので、フリーランスになったばかりで収入が不安という人も安心して利用できるでしょう。
マーケティングプロパートナーズの評判・口コミ・体験談、利用の流れ、特徴などがバッチリ!フリーランス・転職・副業サービスで自分に合ったキャリアを選択しましょう!
この記事をcoeteco.jp で読む >広告運用でフリーランスは誰でもできる?必要なスキルを解説
副業に選ばれることも多い広告運用ですが、しっかりと成果を出すためには相応の経験やスキルが求められるため、誰でもできるほど甘い仕事ではありません。ここでは、フリーランスマーケターとして広告運用をしていくうえで必要となるスキルについて解説します。- Web広告や分析ツール全般の知識
- 収集したデータを的確に読み取る能力
- 適切に予算を配分するマネジメント力
Web広告や分析ツール全般の知識
大前提として「ディスプレイ広告」「リスティング広告」「動画広告」といったWeb広告全般の知識は欠かせません。広告を運用しようにも、どんな広告があるのか、それぞれどのような特徴を持っているのかが分からなければ、最適なマーケティング手法を考案することは出来ないからです。併せて、広告運用をするうえで必要となる各種ツールの取扱スキルについても身につけておきたいところ。国内No.1シェア「Shirofune」のような広告運用自動化ツールをはじめ、データ分析・アクセス解析用の「Googleアナリティクス」等が例として挙げられます。案件ごとにどんなツールの扱いが求められているのか、よく理解しながら進めていく必要があるでしょう。
収集したデータを的確に読み取る能力
広告運用者は、自社メディアに広告を掲載して終わりではありません。その広告がどのような効果を出しているか、売上に繋がっているか等を分析してPDCAを回していく必要があるため、データを的確に読み取れる力があるかどうかは非常に重要です。先述した「Googleアナリティクス」のようなツールを導入していれば、自社メディアに訪れているユーザー数、PV(ページビュー)数、広告をクリックしてもらえた割合を示す「CTR」等が全て確認できます。これらの有力なデータを活かしてどのような改善策を講じていけるかが、広告運用担当者の腕の見せ所です。
適切に予算を配分するマネジメント力
基本的に、広告を多く掲載すればするほどユーザーに見てもらえる機会が増え、売上UP等の目標を達成しやすくなると考えられます。しかし当然ながら広告を出すためにはお金がかかるうえ、広告に割くことができる予算も決まっているのが実情。広告運用者は「限られた予算の中で最大限のマーケティング効果を出すこと」を求められるので、予算配分等のマネジメント力が備わっていると重宝されることでしょう。フリーランスWeb広告運用になる際の注意点
フリーランスでWeb広告運用を行おうと考えている方は、以下3つの注意点に気を付けてください。- 継続的に学習する必要がある
- 完全未経験では案件獲得できない
- 所得に応じて確定申告が必要
継続的に学習する必要がある
Web広告運用を行うデジタル分野は、常に進化を続けています。学習をしないと、デジタル分野の進化についていけず、広告運用を使用と思っても知識やスキルが不足する可能性があるでしょう。新しい広告商品の登場や、広告プラットフォームの機能アップデート、検索エンジンのアルゴリズム変更など、環境の変化に応じて最適な運用方法は変わっています。クライアントに最新の知識と戦略を提供し続ける必要があるため、継続的な学習が欠かせません。継続的に学習できる人だけが、デジタル分野の進化についていける有能な人材となるでしょう。
完全未経験では案件獲得できない
Web広告運用は、専門性が高く実務経験が重視される分野です。クライアント企業は、広告費を無駄にしたくないため、一定の実績と信頼があるWeb広告運用者に依頼したいと考えています。このことから、完全な未経験者が直接フリーランスとして案件を獲得するのは非常に難しいと考えられるでしょう。とはいえ、完全未経験者でも、スキルや実績があれば案件を獲得できます。案件を獲得したい未経験者は、Webマーケティングスクールなどを活用し、スキルや実績を積みましょう。独学では難しいため、プロを頼るのがおすすめです。
参考:未経験からWebマーケターになるには?
所得に応じて確定申告が必要
フリーランスは個人事業主に該当するため、所得税の確定申告を行わなければなりません。確定申告が必要となるのは、以下4つのケースです。当てはまる方は、忘れずに確定申告を行いましょう。- 課税所得額がある
- 株取引や不動産による所得がある
- 懸賞やギャンブルによる一時所得がある
- 退職金をもらったのに申告書を出していない
課税所得額とは、所得から所得控除額を差し引いた金額を指します。売り上げから経費を差し引いても課税所得がある方は、確定申告を行うのがルールです。
株取引・不動産・懸賞・ギャンブルなどによる所得も、確定申告の対象。株取引や不動産で得た所得が基礎控除額を上回る場合は、確定申告をしなければなりません。しかし、NISAやiDeCoなど、非課税のものは対象外です。
懸賞やギャンブルなどの一時所得は、支出額と特別控除額(最大50万円)を足した額よりも得た額の方が多い場合に確定申告の義務が発生します。一時所得には、生命保険の一時金や満期返戻金、贈与された金品も含まれます。
退職金に関しては、退職金の受け取り時に会社で申告書を提出していれば、確定申告は必要ありません。
広告運用フリーランスまとめ
当記事では、フリーランスのマーケター・広告運用者を目指している人に向けて、気になる年収・単価相場や案件の取り方、さらには求められるスキルについてまで詳細に解説してきました。広告運用の仕事は基本的にマーケターが担当することになりますが、フリーランスマーケターの年収相場は800万円以上。Web全盛の今需要が高いということもあり、スキル・実績次第では一般的な会社員よりも高収入が期待できるでしょう。
反面、広告全般や各種分析ツールにかかわる知識はもちろん、データの読取能力やマネジメント力に至るまで、さまざまなスキルが求められる難易度の高い仕事であることは確か。まずは基礎を学んで副業から始める等、段階的に挑戦していくことをおすすめします。