この記事では、在宅Webデザイナーは難しいと言われている具体的な理由をはじめ「実際に在宅で働くWebデザイナーはどれくらいいるの?」「未経験でもなれる?」といった気になる情報をまとめて解説していきます。
在宅Webデザイナーは難しいと言われる理由
「在宅Webデザイナーは難しい」という意見を聞いて「本当?」「なぜ?」と疑問を感じる方も少なくないでしょう。ここでは、在宅Webデザイナーが難しいと言われる主な理由をご紹介します。参考:Webデザイナーはやめとけ?
会社員デザイナーよりも高いスキルが求められる
在宅Webデザイナーとして働く場合、自分一人で多くの業務をこなさなければいけなくなるケースも少なくありません。そのためデザインスキルはもちろん、コーディングやSEO、マーケティング等の幅広い知識が求められることも。会社員デザイナーのように、それぞれの専任者と連携したり支援を受けたりといった進め方をしづらい点は、在宅Webデザイナーの弱みと言えますこの問題は、会社に属しながら在宅勤務をするデザイナーよりも、本業の傍ら取り組む副業デザイナーや独立したフリーランスWebデザイナー等が直面しやすいでしょう。
コミュニケーションが取りづらく手戻りが発生してしまいがち
在宅で働く場合、何か連絡や相談をしたいときはメールやチャットなどでのコミュニケーションが中心となります。オフィスのように顔を突き合わせるわけではなくテキスト主体で会話が進むため、意見の相違や情報の伝え漏れが起きやすいのが難点。想定外の手戻りも発生しやすくなってしまいます。また、クライアントとのコミュニケーションもメールや電話が主になるため、意図せず誤解が生じてしまうリスクは相当なものと言えるでしょう。認識の齟齬がないか確認の連絡をしたり、必要に応じてオンライン会議を使ったりして、手戻りを発生させない工夫が必要になります。
自己管理を徹底する必要がある
自宅で仕事をするとなると、どうしても気が緩んでしまうこともあるでしょう。オフィスのように上司や同僚からのチェックがないことに甘んじていると、納品物の品質が低下したり納期に遅れたりしてしまう可能性があります。Webデザイナーに限らず、在宅で働くスタイルを選択するのであれば、徹底した自己管理が必要になるでしょう。納期から逆算してスケジュールを立て、進捗を管理しながら進めていくような「自分をマネジメントする力」が求められます。
作業環境の構築が大変
在宅でWebデザイナー業務を行ううえでの大前提として、まずは働きやすい環境を整える必要があります。高性能なパソコン、複数のモニター、快適な椅子やデスク、そして必要なソフトウェアやツール等々…全て自力で用意しなければなりません。これらの設備投資は多額の費用がかかるだけでなく、不慣れな人にとっては「どれを選べばいいかわからない」というモチベーション低下にもつながる危険性があります。最低限パソコン1台で仕事をすることも不可能ではないにしても、最初から全てが揃っている会社員と比べると効率面は低下しがち。この点は、すぐに仕事に取り掛かることができる会社員とは違う在宅Webデザイナーならではの大変な部分と言えます。
在宅Webデザイナーとして働くメリット
ここでは、在宅Webデザイナーとして働くメリットを紹介します。通勤時間が必要ない
在宅Webデザイナーとして働く一番のメリットは、通勤時間がなくなる点ではないでしょうか。通勤時間を労働時間に充てられたと考えた場合、日本では「1日約1400億円もの損失が生まれている」といった声も聞かれます。
子育てや介護などの家庭の事情がある人にとっては、通勤時間がかかることで生活のバランスが崩れてしまうケースもあるでしょう。また通勤圏内から仕事を探そうと思うと、選択できる仕事の範囲も限定されてしまいます。
その点、在宅で働く場合、通勤時間をゼロにできます。
通期にかかっていた時間を家事や育児、仕事に充てられるため、より1日の時間を無駄にすることなく過ごせるようになるでしょう。
自分のペースで働ける
自分のペースで働ける点も、在宅Webデザイナーとして働くメリットです。在宅で仕事できることで、自分のスケジュールを自由に設定できるようになります。
特に子育てや介護など家庭の事情がある人は、自分のペースで仕事できるようになることで、家庭と仕事との両立をより容易に図れるようになるでしょう。
ただし、在宅勤務と言っても、企業に雇用されているWebデザイナーの場合、業務に取り組む時間が決まっている場合もあります。子どもが寝た後のスキマ時間や、日中の空いた時間に仕事したいと考える人は、フリーランスとして独立するか、勤務時間の自由度が高い職場を探してみましょう。
Webデザイナーの在宅率はどれくらい?
在宅で働くことに少なからず障壁のあるWebデザイナーですが「実際、どれくらいの人が在宅で働いているの?」という点は気になるところかと思います。2020年のコロナ禍以降、多くの企業がリモートワークを導入してきましたが、パソコンでの仕事がメインとなるIT・クリエイティブ業界の在宅勤務率はかなり高い傾向。とりわけWebデザイナーに関しては、70%もの企業でテレワークを実施しているとのデータも出ています。また、Webデザイナーは独立して活動する人も非常に多い職種です。厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」を見れば、Webデザイナーの就業形態は「自営・フリーランス」がかなりの割合を占めていることが分かります。
もちろん企業に常駐して働くケースもゼロではないため一概には言えませんが、それでもこのフリーランス率を見るに「大半のWebデザイナーは在宅で問題なく働くことができている」という事実が読み取れるのではないでしょうか。
在宅Webデザイナーの平均収入は?
厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」によると、Webデザイナーの平均年収は約509万円です。自営やフリーランスとして働く人が最も多く、次いで正規の職員や従業員が続きます。
月給24万円~26万円の層が一番多く、全体の1割を占めます。2番目には、40万円~45万円の層が全体の7.5%を占めており、収入割合は、全体的に均一に分布しています。
月収50万円を超える層も少なからずいることから、スキルアップを行うことで、より高収入の仕事を受けられる可能性も望めるようになるでしょう。
時間の使い方を考えて効率的に仕事を進めることも、収入アップにつながります。Webデザイナーとして働いている人は、在宅で働けるようワークスタイルの転換を一考してみるのも1つです。
引用:jobtag「Webデザイナー」
参考:Webデザイナー年収
在宅Webデザイナーに求められるスキル
ここでは、在宅Webデザイナーに求められるスキルを紹介します。Webデザインの基本知識
在宅Webデザイナーに求められるスキルとして、Webデザインの基本知識は欠かせません。Webデザイナーは、Webサイトのデザインを通じて、ユーザーの体験を向上させる職業です。クライアントからの課題や依頼に応えられるよう、Webデザインに関する、近接・整列・反復・コントラストなどいった原理や基礎的な知識は必須と言えるでしょう。
感覚やセンスでもデザインすることは可能ですが、最近では論理や原則、顧客心理に基づいた設計が求められつつあります。デザイン力が求められることはもちろんですが、Webデザインの本質的な知識も必須である旨を理解しておきましょう。
自己管理スキル
特に在宅の仕事を希望するのであれば、時間管理や作業の進捗状況を自分自身で管理する必要があります。万が一自己管理スキルが不足していた場合、仕事の進捗が遅れてしまうことも十分考えられます。納期が遅れてしまったり、完成度の低い制作物になってしまう懸念も考えられるでしょう。
結果的にクライアントに満足してもらえる状態を作ることができず、仕事を失ってしまうこともあるかもしれません。
今抱えている仕事の量や納期を鑑みて適切なスケジュールを立てることはもちろん、生産性を高め効率的に仕事を進められる工夫も必要です。
コミニュケーションスキル
在宅勤務の場合、関係者やクライアントとのコミュニケーションは、対話よりもチャットツールを用いたコミュニケーションが主流になります。文字やテキストベースでのコミュニケーションになったとしても、正確な情報を伝えられるようにしなければなりません。チャットツールを用いたコミュニケーションの場合、つい確認せず作業を進めたり、間違った認識で作業を進めたりする事態も起こり得ます。指示を細かく確認することはもちろん、どんなに小さな疑問点でも都度確認するよう心がけましょう。
またオンラインを用いた会議も増えるため、相手の温度感や感情を掴みにくいと感じることもあるでしょう。クライアントや仕事仲間と直接会う機会が減るため、気配りや配慮のあるコミュニケーションを意識することも大切です。
未経験からでも在宅Webデザイナーになれる?
Web業界の需要の高まりを受けて、異業種からWebデザイナーに挑戦する人も少なくないかと思います。初めたての頃は「自分にできるかな…」と不安になるかもしれませんが、未経験だとしても在宅Webデザイナーになることは十分可能です。実際、厚生労働省の「jobtag」に寄せられたデータによれば「入職前の実務経験は特になくても大丈夫」と回答した人が4割近く存在することが分かっています。ただし必要なスキルや知識を習得するためには、相応の時間と努力が必要になることは間違いありません。独学で身につけるとなると決して簡単ではないのが実情です。まずは書籍やオンライン教材で基礎スキルのキャッチアップに挑戦してみて、難しいと感じた場合には専門学校やスクールの利用も検討する、といった流れで進めるのがいいでしょう。
関連記事:未経験からWebデザイナーになるには?方法を解説
在宅Webデザイナーを目指す人におすすめのスクール6選
ここでは、在宅Webデザイナーを目指す人におすすめのWebデザインスクールを紹介します。デジタルハリウッドSTUDIO
デジタルハリウッドSTUDIOが提供する『Webデザイナー専攻 超実践型就職・転職プラン』は、マイナビワークスと提携し、多角的に就職・転職をサポートしてくれるプラン。全6ヶ月の工程で未経験からプロのWebデザイナーを目指します。在学中に実案件に取り組める点が特徴であり、制作物は自身のポートフォリオに掲載することも可能です。全ての課題を取り組めば、最終的に11もの制作物を完成させられるとのこと。実務に直結するスキルを身に付けてから卒業できるため、卒業後はすぐにWebデザイナーとして活躍できるでしょう。
デジタルハリウッドSTUDIOが提供する『Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス』は、開講10年の実績を誇るコース。これまで600名以上の卒業生を輩出しており、卒業生は育児や家事など家庭と両立しながら幅広いフィールドで活躍しているとのこと。
映像教材での学習が中心となるため、24時間いつでも制作の基礎となる学習に取り組めるでしょう。さらに、校舎での学習を希望する受講生には、ポピンズグループのシッターが子どもを預かってくれます。
育児や家事との両立を図りながらも自分らしい働き方を実現したいと考えている人は、ぜひ受講を検討してみてはいかがでしょうか。
DMM WEBCAMP Webデザインコース
プログラミングスクールDMM WEBCAMPが提供する『Webデザインコース』は、デザインとサイト制作のスキルが身につくコース。経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の認定講座でもあるため、条件を満たせば受講料の最大70%分の給付を受けられます。
そんなDMM WEBCAMP Webデザインコースでは、カリキュラムの内容はそのまま受講期間によって料金が決まります。8週間・16週間・24週間・32週間から選択でき、いずれも補助金制度の対象です。すぐにでもWebデザイナーに転身したいと考えている人は8週間プランを、仕事と両立しながらスキルを学びたい人は24週間や32週間など、自分のライフスタイルに合わせて学習を進められるでしょう。
また卒業後は、 副業に関して現役技術者に質問可能な『寺子屋』や、受講中と同じようにマンツーマンで自由に質問できる『卒業後メンタリング
』などのサポートも提供しています。
Find me!
Find me!は、月々4,980円からWebデザインについてのスキルを学べるWebデザインスクールです。
動画視聴学習をメインとした完全オンラインカリキュラムを提供しており、全200本以上の動画教材を視聴できます。もちろん視聴のみならず、実技課題も適宜設けられているため、インプットとアウトプットを繰り返しながら着実にスキルを定着させていくことができるでしょう。
なお、受講中の疑問点は、24時間対応のチャットサポートを通じていつでも質問可能。さらに勉強会や講師とのマンツーマンレッスンでも技術やスキルに関する質問ができます。
コーディングやWebマーケティング知識などのスキルを学べる動画教材も用意されているため、Webデザインに関する知識の他、Webデザイナーとしての市場価値を高めてくれる知識も習得できるでしょう。
在宅Webデザイナーとして活躍している現役クリエイター講師も多数在籍しています。現場のリアルな様子なども聞くことができるでしょう。
在宅Webデザイナーへの転身を目指している人は、目指す先のキャリアで活躍している先輩が指導するFind me!での受講をおすすめします。
テックアカデミーWebデザインコース
テックアカデミーが提供するWebデザインコースは、確実に副業をスタートできるよう、実績作りに向けて5万円分のWebデザイン副業案件を紹介してくれるコースです。他にも副業案件を紹介してくれるスクールはありますが、紹介金額は他スクールと比較して高額です。そのため、在学中からしっかり実績を形成できるでしょう。
また、スクールから紹介された副業は、現役フリーランス講師が納品まで徹底サポート。
初めての案件であっても不安や迷いなく案件に取り組むことができるでしょう。
テックアカデミーWebデザインコースの卒業生の中には、在宅Webデザイナーとして活躍している人もいます。
テックアカデミーであれば、Webデザイナーとして活躍するにあたって必要スキルを身に付けられるだけではなく、理想の働き方を実現できるでしょう。
SHElikes
SHElikesは、30種以上ものコースが用意されている女性向けキャリアスクールです。
“自分らしい働き方を実現する”をコンセプトに掲げているだけあり、パソコン1つで自身のキャリアと理想の働き方を形成できるスキル習得を目指します。
習得を目指せるスキルはWebマーケティングやWebライティング、動画編集などさまざま。
複数のスキルを身に付け、マルチに活躍できる唯一無二のクリエイターを目指すことも可能です。
Webデザインスキルに関しては、UIデザインを学べるコースやロゴ・ICの制作に取り組むコース、Illustratorの使い方を学べるコースなどが用意されています。自分のレベルや獲得したい案件の種類に応じて受講コースを選択できるため、無駄なく必要スキルを学ぶことができるでしょう。
ヒューマンアカデミーWebデザイン講座
ヒューマンアカデミーが提供するWebデザイン講座は、未経験者に向けの講座です。
Webデザイナーとして活躍するにあたって必要なスキルを習得できる他、ジョブカウンセラーが就職や転職まで徹底サポート。フリーランスを目指す人に対しては、独立を支援するサポートを提供してくれます。
中には、在宅で仕事に取り組む卒業生もおり、在宅Webデザイナーを目指せる環境があると言えるでしょう。
なお、受講形態は、オンラインもしくは通学、双方をブレンドしたスタイルから選択できます。
自身の生活サイクルやスタイルに適した受講形態を選択できるため、無理なく学習に取り組むことができるでしょう。
大手ならではの安心感と支援の手厚さを求めるのであれば、ぜひ受講を検討してみてはいかがでしょうか。
在宅OKなWebデザイナー案件・求人の探し方
インターネット全盛の今Webデザイナーの需要は非常に高く、多くのプラットフォームで募集がかけられている状態。その中でも「在宅可」を条件として案件探しをしていくのであれば、以下のようなサービスを活用するのがおすすめです。- クラウドソーシングサイト
- 副業マッチングサイト
- エージェントサービス
第一に挙げられるのが「クラウドワークス」や「ランサーズ」で知られるクラウドソーシングサイト。副業等でもよく用いられるプラットフォームで、案件獲得〜支払まですべてオンラインで完結するため在宅で働きたいデザイナーにはもってこいです。初心者のうちはここから始めていくと、実績の構築がしやすいかと思います。
そのほか、副業マッチングサイトや各種エージェントといった、案件紹介が受けられるサービスを利用するのもいいでしょう。事前のカウンセリング時に「在宅で働ける案件を探している」との旨をしっかり伝えておけば、その意向に合った案件を中心に紹介してもらうことができます。実績も重要となるためなかなか獲得にこぎつけない可能性はありますが、基本無料なので登録しておいて損はないはず。
関連記事:デザイナー向けフリーランスエージェント
必要なスキルを身につけて在宅Webデザイナーを目指そう
当記事では「在宅Webデザイナーは難しいと言われているけど本当なの?」という疑問を解消すべく、ネガティブな意見が多い具体的な理由をはじめ、Webデザイナーの実際の在宅率等、詳細に解説してきました。Webデザイナーは最低限パソコン一台あれば仕事ができるということもあり、働き方の柔軟性に優れた職種です。企業に属しながらテレワークをしている人はもちろん、独立してフリーランスになった人も多数存在する業界であるため、在宅で働くことに何ら問題はないでしょう。
一方で、会社を離れて一人で働く都合上、より高度なスキルが求められることもしばしば。納期内に質の高い成果物を納品するためには、自己管理も必要になるでしょう。在宅で働くのは良いことばかりではないということを十分理解し、自分に合った働き方を選択していきたいですね。