IT業界にこれから就職することを考えているなら、UXデザインの特徴や具体例を理解してから勉強をスタートしたいですね。この記事では、UXデザインの概要やUXデザインを学べるおすすめのスクールをご紹介します。
UXデザインを理解しよう!
UXとは、User Experience(ユーザエクスペリエンス)の略後で「ユーザー体験」を意味します。つまり、UXデザインは、ユーザーがサービスや製品を使用して得られる体験をデザインすることを指します。製品やシステムの開発を行う企業で、UXデザインは取り入れられていることが特徴です。UXを高めるためには、UI(ユーザーインターフェース)が重要な要素となります。UIは、製品の操作画面やフォルムなどを指します。つまり、より良いUXデザインを構築するためには、UIがユーザーにとって利便性が高く、親しみがわきやすいフォルムである必要があります。
参考:インターネット・アカデミー
UXデザインの具体例
UXデザインがイメージしやすいよう、ここでは3つの身近な具体例を挙げていきます。スターバックス
スターバックスの会長兼CEOのハワード・シュルツが「スターバックスはコーヒーを売っているのではない。体験を売っているのだ」と謳うとおり、スターバックスが販売しているのはコーヒーだけではありません。UXデザインのコンセプトを「ザ・サードプレイス」としており、日常のなかで少しだけリッチな体験ができる場所を目指しています。コーヒーの品質にこだわることはもちろん、Wifi環境を整えることや落ち着ける内装まで、きめ細やかな配慮が行き届いていることがわかるでしょう。接客のマニュアルがないことでも、スターバックスは有名です。店員1人ひとりが「サービスを考え続ける」ことで、ユーザーにとって満足度の高い接客が実現しているといえます。
参考:TEMPORY
コカ・コーラのスマートフォン用アプリ「Coke ON」
「Coke ON」は、リリースから1年足らずで400万ダウンロードを突破したことで大きな注目を集めた、スマートフォン用のアプリです。Coke ON対応自販機とCoke ONを接続することで、ドリンクを購入すればスタンプが1つもらえる仕組みになっています。スタンプを15個ためることで、好きなドリンクが1本無料でもらえるドリンクチケットが獲得できます。Coke ONを利用することで「無料でドリンクがもらえるお得感」や「スタンプ集めの楽しさ」のような体験をユーザーは得られます。このようなUXデザインを構築することで、顧客満足度の向上や自動販売機でコカ・コーラ製品の飲み物を購入することに繋がります。
LINE
10代の若者からお年寄りまで、幅広いユーザーから高い支持を獲得しているのはLINEです。メールよりもさらに気軽に相手とコミュニケーションができるツールであり、会話の流れが1つの画面でチェックできることがメリットだといえるでしょう。数人でコミュニケーションがとれるグループLINEがあることで、大人数での情報共有のスピードを加速させました。LINEが人気を得た最たる理由は、無料で電話がかけ放題な点が挙げられます。それまで通話料金にかかっていた費用が無料になったため、多くのユーザーから高い満足度を得られるようになりました。その結果、2021年3月時点で利用者は、SNSユーザーのなかでも最多となる8,600万人を突破しています。
UXデザインを企業が取り入れている理由
UXデザインを多くの企業が取り入れているのは、ビジネスを成功させるためです。自社の商品やサービスによってユーザーが良い体験を得ることで、企業のイメージアップが図れます。それによって、自社製品の売り上げ向上に繋がったり、口コミで広まったりしやすくなることがメリットだといえるでしょう。また、ポジティブな体験が得られたユーザーは、リピーターになりやすい傾向があります。しかし、リピーターになったとしても、ネガティブな体験をすればたちまち離れてしまうケースもあるでしょう。そのため、時代やニーズを敏感に汲み取りUXデザインを構築することが重要です。
UXデザインの考え方
UXデザインは、“ユーザーの出発点がどこにあるか”に着目することが重要です。以下は、UXデザインにおける思考プロセスです。- 共感する
- 定義する
- アイディアを考える
- プロトタイプを作成する
- テストする
アイディアを出す段階では、枠にとらわれず多角的視点からアイディアを出すことがポイント。そうすることで、次の段階になるプロトタイプで、より訴求力があるUXデザインを構築できます。
UXデザインとWebデザインの違い
UXデザインとWebデザインは混同されやすいので、違いを理解しておきましょう。UXデザインがユーザーの利便性を重視していることに対し、Webデザインは競合他社と差別化するために“独自性や美しさ”を重視します。UXデザインはWebデザインに含まれることも多く、UXデザインが優れたWebデザインはユーザーにとって「使いやすく、見た目が心地よい」と感じる傾向があります。一般的には、WebデザイナーとUXデザイナーがそれぞれの専門分野を担当し、業務を分担します。
UXデザインの仕事内容
UXデザインの仕事はユーザーの行動分析から始まり、具体的なペルソナを設定します。ターゲットを絞り込む意味でも、ペルソナは年齢やライフスタイル、特性まで細かく設定しましょう。場合によっては、直接ユーザーにインタビューし、ニーズや課題を洗い出すこともあります。その後、ユーザーの行動を明確にするためのカスタマージャーニーマップを作成します。次のステップで、UXデザインの要ともいえるワイヤーフレームや動作させるためのプロトタイプを作成します。
UXデザイナーは、さまざまな段階でマーケティングチームやプロジェクトマネージャーなど、他業種と連携を取りながら開発を進めます。そのため、柔軟に対応できるコミュニケーション力が求められます。
UXデザインの勉強方法
UXデザインでは、独学で学ぶ方法とプログラミングスクールで学ぶ方法があります。ここでは、それぞれの勉強方法について詳しく解説します。独学でUXデザインを学ぶ
独学で学ぶ際には、参考サイトを閲覧して「利便性が高く優れたデザイン」に実際に触れてみましょう。次に、AdobeのPhotoshopやIllustratorなどを利用して、デザインの基本を学びます。コーディングのスキルも必要となるため、CSSやHTMLなどの基礎を押さえておきたいですね。基礎的な知識が身に付いたら、Webサイトを実際に作ってみましょう。Webサイトが制作できたら、運用方法やマーケティングを学んだうえで、ユーザビリティが高いWebサイトを構築することがポイントです。
プログラミングスクールでUXデザインを学ぶ
UXデザインを学ぶうえで重要なのは、2~3人ほどの少人数のチームを組み、プロトタイピングと相互レビューを行うことです。チームでの学びを得るためには、プログラミングスクールに通うことがオススメです。わからない箇所があったとしても、プログラミングスクールに通っていればその場で質問できます。疑問を残さず短期間でUXデザインの勉強をしたいなら、プログラミングスクールへの入会を検討したいですね。
UXデザインを学ぶときに役立つ、おすすめの書籍
UXデザインは、書籍でも学ぶことができます。UXデザインについて学べる書籍は、以下の通りです。UXデザイン入門は、UXデザインの考え方、設計手法、一連の業務の流れなどが学べる書籍です。UXデザインの設計手法だけでなく、実務に関係する内容を学びたい方におすすめの一冊です。UXデザインの教科書は、UXデザインの手法、考え方などが学べます。一人から始めるユーザーエクスペリエンスは、UXに取り組み始めたい方、組織への導入がうまくいかずに悩んでいるチームに向けて書かれた実践的なガイドブックとなります。UXの全体像を初心者でもわかりやすく理解できるような内容になっているので、これから学びたい方にもおすすめです。
UXデザインが学べるスクール3選
自分自身でUXデザインを学ぶことが難しいと感じる場合には、スクールの利用も検討してみましょう。この段落では、UXデザインが学べるスクール3選をご紹介します。TechAcademy
「UI/UXデザインコース」があるのは、TechAcademyです。UXやUIの基礎知識を徹底的に学べることで、ユーザーから求められるアプリを制作できるようになります。現場で求められるスキルとなる、Adobe XDやAdobe Photoshopなどのスキルも習得できることがメリットだといえます。4週間プランなら、174,900円で受講できます。メンタリングは7回受けることができるため、学習でつまずきづらいことが特徴です。

Udemy
UXデザイン講座でユーザビリティや人間中心設計などを幅広く学習できるのは、Udemyです。書籍からは学べない、現場目線のUXデザインの知識を学べることがUdemyの強みです。授業料は7,800円・3.5時間のオンデマンドビデオ受講であるため、基礎知識を理解したいという初心者に向いている講座だといえるでしょう。モバイルからもアクセス可能であるため、通勤時間などの隙間時間を利用しながらUXデザインを学ぶことが可能です。
Cocoda!
無料でUXデザインについて学べるのは、Cocoda!です。スライドを通して学びを深めるスタイルであるため、自発的に学習を取り組めるタイプの人に向いています。Cocoda!では、自身がデザインした作品を投稿することも可能です。優秀作品には企業からオファーが届くこともあるため、自分をアピールする場として活用する人もいるようです。まとめ
企業から求められる人材になるためには、UXデザインを理解したうえで活用できるようになる必要があります。自力で学ぶことが難しいと感じる場合には、スクールやサービスなどを有効に活用してスムーズに知識を得るようにしたいですね。安価な料金で学習をスタートできるスクールを上手に活用しながら、UXデザインの知識を身につけてみましょう!