今回はWebマーケティングの目的や施策、知っておきたいツールを詳しく解説します。Webマーケティングとはそもそも何かということから解説していますので、初心者の方やこれからネット上でサービスを展開したいと考えている方はぜひ最後までご覧ください。
Webマーケティングとは?
WebマーケティングはWebサイト上でユーザーに適切な情報発信を行い、商品の売上をアップすることを目的とした活動です。Webマーケティングの手法を利用して戦略的に集客・接客を行うことで、ユーザーの興味関心や購買意欲を促すことができます。マーケティングの方法はアクセス解析や広告の最適化、競合調査などさまざまで、専用ツールを使うことで精度の高いデータを手に入れることができます。Webマーケティングとデジタルマーケティングの違い
広く認知されているデジタルマーケティングと混同されることも多いようですが、Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いは顧客や集客方法、業務の種類です。WebマーケティングはアフィリエイトやSNS、メールといったWebサービスを中心に展開する施策ですが、デジタルマーケティングではそれらを含むオンライン全体を対象としています。たとえばデジタルマーケティングの領域としてはデジタルサイネージやビッグデータ、アプリやAIなどが挙げられます。
つまりデジタルマーケティングの方が顧客や戦略が幅広く、Webマーケティングの業務を内包しているといえます。
Webマーケティングが重要な理由
総務省が行った令和3年通信利用動向調査によるとインターネット利用率は13~59歳の各年齢階層で9割を超えています。さらに調査では60~79歳の各年齢階層におけるSNS利用率の伸びが注目されており、世代問わずWebサービスを利用する人が増加しています。市場ではネットで買い物をしたり情報を仕入れたりする顧客が増えているため、今後はいかにWebマーケティングを活用して顧客にアプローチするかが重要となります。

出典:総務省 令和3年通信利用動向調査
さらにWebマーケティングはSNSやサイト立ち上げなど小規模な取り組みから始められるメリットも特徴的です。低コストで宣伝や顧客管理がしたいという中小企業にとっても重要な施策といえるでしょう。
Webマーケティングの手法
Webマーケティングの手法は集客施策・接客施策・再訪促進施策の3種類で、それぞれの対策を網羅しておくことでより多くのユーザーにアプローチします。ここでは各施策の特徴について詳しく解説します。集客施策
集客施策は検索エンジンやディスプレイ広告、SNSなどから自社サイトへの流入を促す活動で、自社サイトへの入り口として特に重要視される手法です。さらに細分化すると以下のような方法があり、それぞれターゲットや目的によって使い分けることで効果的な集客が可能です。- アフィリエイト広告
- リスティング広告
- アドネットワーク広告
- リターゲティング広告
- SNS
- Eメール
- SEO(検索エンジン最適化)
SNSでインフルエンサーに自社製品を紹介してもらったり、メールマガジンに記載したURLからの流入を狙ったりといった方法も集客施策の一つです。なるべくコストをかけずに認知度を高める手法を選択することが集客のポイントです。
接客(回遊)施策
接客施策は集客したユーザーが商品購入や会員登録といった具体的なアクションを起こすための取り組みです。集客だけでは売上実績に繋がらないため、商品購入への導線を作ることが大切です。以下は接客施策の例です。- EFO(入力フォームの最適化)
- LPO(ランディングページの最低化)
- Web接客(質問用ボット・チャットボットの設置、LINEでのチャットなど)
再来訪促進施策
再来訪促進施策は自社サイトに訪れたことのあるユーザーを対象に行うもので、リピーターを獲得するための取り組みです。新規顧客を増やすよりも既存顧客の再来訪を促す方がコストを抑えることができるといわれており、利益率アップには欠かせない施策でしょう。- メールマーケティング
- バナー広告
- リターゲティング広告
- ダイレクトメール
- Lステップ
Webマーケティングの始め方
Webマーケティングで売り上げを伸ばすためには、目標設定から課題の解決まで各ステップに沿って実施します。ここでは基本的なWebマーケティングの始め方を解説します。目標設定
Webマーケティングを始める際には活動を行う目標を設定して一貫性のある体制をつくる事前準備が重要です。思い描いているビジョンを達成するために、会社全体がどんな方法でどんな仕組みを作りたいのかを明確にしましょう。現在の課題や強みを洗い出すためには顧客の動向や成約率、売り上げといったデータを細かく分析することから始めます。設定した目標管理のフレームはWebマーケティングに取り組む社員がいつでも確認できるようにしておき、初期段階から組織の方向性を統一する意識も大切です。
ゴールの設定
企業理念に基づいて最終的なゴールを設定します。業界ではKGI(Key Goal Indicator)と呼ばれる項目で、小さな目標の先にある重要目標達成指標です。KGIは全ての指標となるため、なるべく具体的に決めることが大切です。具体例としては「今年中に〇億円を売り上げる」「6か月以内にサイトの閲覧数を〇%増やす」のような形で、売上高や認知度、成約数を明確な数値で設定しましょう。
ターゲット・ペルソナの設定
ターゲットの特徴を設定してWebマーケティングの戦略を具体化します。マーケティング用語でペルソナとも呼ばれるもので、自社サービスを利用するであろう架空のユーザー像を定めることで施策の方向性が決まるでしょう。ペルソナ設定で決める項目の例は以下のような内容です。- 年齢
- 職業
- 収入
- 家族構成
- 趣味
カスタマージャーニー設定
カスタマージャーニーとは顧客が自社サービスを利用・購入する一連の流れを指します。ペルソナ設定で想定した顧客がサイトや広告を認知した方法やその後の複雑な心理的変化、購入後に離脱する状況など数値から測り知れない状況まで把握することが大切です。近年のWebマーケティングではより親密な顧客とのコミュニケーションや多様な価値観への対応策など、柔軟な取り組みが求められています。顧客側の視点に立つことで認知を広げることはもちろん、競合に打ち勝つ優位性を確保するための施策にも影響するでしょう。
KPI設定
最終的にKGIを達成するために必要なプロセスをKPI(Key Performance Indicator)にといわれる中間目標に落とし込みます。たとえばKGIとして顧客数アップを設定していた場合、KPIでは顧客数アップに関連した施策を組み立てるでしょう。サイトのクリック数やメールマガジンの開封率など、KGIに関する小さな目標値を決めることでスモールステップで成果をあげていきます。
KPIを決める注意点は「達成可能な目標かどうか」「期限を決めているか」「評価システムが明確か」といった点で、いかにシンプルかつ具体性に基準を決めるかが重要です。目標が高すぎたり複雑だったりすると社員のモチベーションを維持しづらくなってしまうため、場合によっては内容を再考する取り組みも大切です。
データの集計・分析
必要なツールを用意して顧客や商品のデータを集計・分析します。WebマーケティングではPDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)と呼ばれる段階を循環させていくことが重要といわれています。つまりただ施策を実施するだけでなく、効果測定を行うフェーズが必要不可欠なのです。データ集計や分析で確認するべき点はKPIで定めた目標値がクリアできているかでしょう。他にもWebサイトのユーザー属性や流入経路、回遊率などあらゆるデータから現状を把握して課題抽出に繋げます。
課題の抽出・改善
分析したデータをもとに再び課題を洗い出します。思い通りにならない箇所があれば新たな仮説・検証を行って成果を上げましょう。たとえばサイトの会員数減少や離脱率の高さが目立つ場合は、登録フォームを見直したり回遊率を上げるための施策を取り入れたりといった改善策が考えられます。改善策を考える際に重要となるのが先に設定したペルソナで、顧客ニーズに着目して施策とのギャップを埋めていくことが大切です。
Webマーケティングで使用されるツール
Webマーケティングで成果を出すためには、アクセス解析ツールやサイト改善ツールなどの導入が欠かせません。以下は、特に重要視されているツールです。アクセス解析ツール
アクセス解析ツールは検索エンジンにおけるWebサイトの閲覧数やユーザーの傾向、検索キーワードなどを分析するツールです。人気のコンテンツや離脱率の高いページを把握することで自社サイトを最適化して、集客力を高めることができるでしょう。代表格のツールはGoogleアナリティクスやAdobe Analyticsです。Adobe Analyticsのフォールアウト機能ではユーザーが商品購入するまでの動きや離脱したポイントを把握し、目標達成に必要な改善点を精密に探ります。
ABテストツール
ABテストツールはデザインや文章、構成のパターンを複数比較して高い成果を上げやすいパターンを判定するツールです。サイトに掲載されているキャッチコピーや画像の大きさ、ボタンの配置を最適化するのもWebマーケティングで重要な業務の一つです。クリック率や商品購入に至る割合など、最終成果に大きく影響するデータを検証します。ABテストツールの例としてはGoogle OptimizeやOptimizely、KAIZEN PLATFORMが挙げられます。
競合分析ツール
競合分析ツールを利用することで競合サイトの流入ルートやアクセス数、人気コンテンツなどを把握し、マーケティング戦略を探ることができます。他社との差別化を図るために重要なツールで、SEO対策にも役立ちます。認知度の高いSimilar Webは無料版の利用が可能です。ヒートマップツール
ヒートマップツールは訪問者のマウスの動きや傾向を追跡することでユーザー心理を可視化するツールです。クリック数の多い部分はもちろんリアクションの薄い部分まで色別に表示されるため、初心者でも課題に気づきやすいでしょう。性別や年齢層を絞って特定ユーザーの思考を検証することも可能です。有名なツールはUser Heatやミエルカヒートマップ、Ptengineです。
SEOツール
SEOツールはGoogle検索で上位表示を目指すためのツールです。SEO対策では検索されやすいキーワードの確認はもちろん、自社サイトの内部構造の整理、信頼性を高める被リンクの質やコピーコンテンツの判定など、あらゆる点で専門性の高さが求められます。代表的なツールとしてはSEOの内部対策も可能なGoogleサーチコンソールや無料でコピーコンテンツチェックができるCopyContentDetectorが挙げられます。
Webマーケティング担当者の仕事内容
Webマーケティング担当者は、明確なデータをもとにマーケティングの現状や課題を把握し、目的達成が可能な施策を講じます。ターゲット層のトレンドやWeb業界の動向を常にチェックしたり、最新のWebマーケティングについて学んだりといった積極的な姿勢も重要です。日々変化していく顧客のニーズに対して臨機応変に対応できるスキルも求められます。成果が全て数値に表れる仕事内容はシビアといえますが、会社の売り上げに直接貢献することができるので達成感を感じられる仕事でしょう。
Webマーケティング初心者におすすめのスクール
Wannabeアカデミー(ワナビーアカデミー)

スキル・知識の習得だけではなく、実務に直結する施策実践が強みのWannabeアカデミー。
3か月間の基礎学習をした後に、受講生一人ひとりに担当企業が割り振られ、Webマーケティング施策の提案課題が設けられます。そのため転職・就職においても即戦力を売りにできる実力が身に付きます。
Wannabeアカデミーには次の4つのコースが用意されています。
- SEO対策コース
- Web広告コース
- Webマーケティングコース
- Webマーケビジネスコース
マケキャンby.DMM.com

マケキャンby.DMM.comは、動画コンテンツを活用したオンライン授業と、オンラインで取得した知識を実際に使用するアウトプットの授業を組み合わせたハイブリッド学習方式が特徴です。
インプットとアウトプットを交互に行い知識定着を図るため、土台知識から応用まで段階的に知識を会得できます。
マケキャンby.DMM.comのコースは次の2つ。
- 転職コース
- 学習コース
自身のスキルを高めたい方、転職を目的にスキルを習得したい方、それぞれの目的に合ったコース選択ができます。
WEBMARKS(ウェブマークス)

WEBMARKSは、SEO特化型Webマーケター養成スクール。
2021年1月にサービスを開始したばかりのスクールではあるものの、10社以上のクライアントを抱えるプロへの相談や独立サポートなどの手厚さもあり、少しずつ受講者が増えています。
WEBMARKSのコースは次の3つ。
- 就職コース
- フリーランス養成コース
- 就職+フリーランス両取りコース
まとめ
Webマーケティングの手法は大きく分けて「集客施策」「接客(回遊)施策」「再来訪促進施策」の3種類で、いずれも売り上げアップやリピーターの獲得のために必要な施策です。具体的にはWebサイトの最適化や広告の打ち出し、競合調査などさまざまな視点での対策が必要です。また、アクセス解析ツールやABテストツールなどを利用することで効率的にデータを集めることができます。さまざまな分析結果をもとに、検証や改善を繰り返すことで目標達成が期待されます。