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実は、2022年からすべての高校生がプログラミングを学ぶように情報科のカリキュラムが変更されました。
また、大学入試の科目に「情報」の追加が検討されている話もあります。
この記事では、高校でのプログラミング教育必修化についてまとめていきます。
高校でもプログラミング教育が必修化!
現在、第4次産業革命ともいわれるように人口知能やビッグデータ、IoTなどの急速な発展にともない、「Society5.0」時代の到来が予測されています。「Society5.0」時代では、様々な先端技術をあらゆる産業や生活に取り入れて、格差なく多様なニーズに対応したモノやサービスを提供する新たな社会の実現が目指されます。
Society5.0とは、AIとIoTを基礎として産業革命に匹敵する変革を実現しようとする政府の提言です。 この記事ではSociety5.0の中身とそれを支える技術、これからの社会で必要となる人材などについてまとめました。
2024/03/31 21:16
このような新たな時代に備えて、情報や情報技術を受け身でとらえるのではなく、手段として活用していく力が求められます。
さらに、コンピュータがプログラムなどに動いているなどの仕組みを知ることで主体的に活用できる能力がこれからの社会を生きる子どもたちにとって重要になるといわれています。
このような背景によって、新学習指導要領において情報教育の充実が提唱されていきます。
具体的には、学校のICT環境整備やICTを活用した学習活動の充実、小・中・高を通してプログラミング教育を充実していくことなどが計画されています。
プログラミング教育が小学校で必修化されます。このコラムでは「学習指導要領」を踏まえつつ、「なんで必修化したの?」「本当に可能なの?」「先生たちは教えられるの?」など詳しく解説します。
2024/11/27 03:43
2021年度からは、中学校でも新学習指導要領が「全面実施」となります。今回は文部科学省 上野耕史(うえの・こうし)さんにインタビュー。中学校でのプログラミング教育について詳しいお話を伺いました。
2024/11/06 11:42
引用:文部科学省「教育の情報化に関する手引」について
引用:文部科学省「高等学校学習指導要領」
高校では2022年からプログラミング授業を実施
高校の「情報」でのプログラミング教育の拡充は、それまでの移行期間を経て2022年から実施されています。現状の「情報」科では「社会と情報」「情報の科学」の2科目からいずれか1科目を選択する形となっています。
プログラミングの内容がカリキュラムに含まれる「情報の科学」を履修する生徒の割合は約2割で、約8割の生徒はプログラミングを学ばずに高等学校を卒業することになります。
一方、改定後の新しい「情報」科では、共通必修科目「情報Ⅰ」が新設されます。
「情報Ⅰ」では、すべての生徒がプログラミングやネットワーク、データベースの基礎について学習していくことになります。
そして、情報Ⅰに加えて選択科目として「情報Ⅱ」が開設されます。この科目は、「情報Ⅰ」の発展的な科目としての位置づけで、情報システムやデータを適切・効果的に活用する力、コンテンツを創造する力を育成していきます。
高校の具体的なプログラミング授業の内容
高校で学ぶ具体的なプログラミング授業の内容は次の通りです。情報社会の問題解決
現代社会において、正しい情報の取り扱い・距離感が必要視されつつあります。その中で高校のプログラミング授業や情報授業では、ただ単にITスキルを高めるだけではなく、情報技術が人や社会にどのような影響をもたらすのかを正しく学ぶことも重視されています。情報モラルや情報技術の役割について学習し、情報を正しく扱う知識の習得を目指します。
コミュニケーションと情報デザイン
高校のプログラミング授業では、メディアごとのコミュニケーション特徴や、情報デザインに関する表現スキルを学びます。特に情報デザインは、必要な情報が正しく効果的に発信できるよう、取り扱う情報を正しく整理し表現するためのスキルのことを言います。情報の取り扱いは、収集やデータ化だけではありません。アウトプットするスキルも学ぶ必要があります。
コンピューターとプログラミング
コンピューターの仕組みを学んだり、プログラミングを組み立てる授業も行います。社会に出るにあたり、必ずしも必要不可欠な知識ではありません。しかし情報を取り扱うことが一般的になりつつある現代社会において、一般的教養としてプログラミング知識を身に付けておくことでビジネスの場においても仕事の幅を広げることができるでしょう。
情報通信ネットワークとデータの活用
情報通信ネットワークとデータの活用では、主に次の3つを学びます。- 情報通信ネットワークの仕組みと役割
- 情報システムとデータの管理
- データの収集・整理・分析
情報通信ネットワークの管理や運用、さらにはデータベースやWeb上のテキストデータ・オープンデー タ等を可視化・分析する力を育成することを目標に掲げています。
引用:文部科学省『高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編) 』
【小中高別】プログラミング教育の目的、特徴とは
プログラミング教育の目的、特徴は小学校、中学校、高等学校でそれぞれ異なります。それぞれの教育の目的、特徴は以下の通りとなります。小学校のプログラミング教育
小学校のプログラミング教育では、以下のことを学ぶ目的で行われます。- 身近な生活でコンピュータが活用されていることを知る。
- プログラミングを通じて、問題解決には必要な手順があることに気づくため
プログラミング教育で使用する教材は、難しいコードを打ち込まなくてもプログラミングが可能な「Scratch(スクラッチ)」、「マインクラフト」などビジュアルプログラミング教材と呼ばれるものを利用します。
中学校のプログラミング教育
中学校のプログラミング教育では、以下のことを学びます。使用機材はパソコン、小型コンピューターであるRaspberry Piなどを利用します。- 社会におけるコンピュータの役割や影響を理解する
- 簡単なプログラム作成
高等学校のプログラミング教育
高等学校のプログラミング教育では、以下のことを学びます。使用機材は、パソコンを利用します。- コンピュータの働きを科学的に理解できるようにする
- 問題解決にコンピュータを活用する
高校のプログラミング授業で養うことができる力
高校のプログラミング授業では、次の力を養い伸ばしていくことができると期待されています。- ITリテラシー
- 思考力・判断力・表現力
- 協調性
- 表現力・課題解決能力
プログラミングのスキルや技術はもちろん、情報モラルなど適切に情報を取り扱う知識を身に付けることで情報リテラシーを高められるでしょう。さらにグループやチームで取り組む課題では、自然と表現力や協調性をはじめとする人間性を養うことができます。
またプログラミングには、仮説と検証を繰り返す工程が必ず含まれます。そのため思考力や判断力などを伸ばせると期待されています。
高校の「情報」授業内容について
もう少し踏み込んで、情報の授業では実際にどのような学習が行われているのか、事例を見てみましょう。文部科学省は、平成26年度に「プログラミング教育実践ガイド」というものを公開しています。これは2022年度からの新しい指導要領に基づいて行われた授業ではありませんが、先進的な事例として参考になるでしょう。実際に行われた授業の内容をいくつか紹介します。愛知県立安城南高等学校では、高校2・3年生向けにWebプログラミングの授業を実施しています。これは、HTML/CSS、JavaScriptを用いて簡単なプログラムを作るもの。「繰り返し処理」と「配列の処理」という、プログラミングにおいて基礎的な内容を学べるものになっています。
宮城県仙台第三高等学校はSSH指定校であるためか、やや高度な内容を扱っています。C言語を用いて電子工作・センシングの基礎学習を行うというもので、ハードウェアも用いた授業内容になっているのが特徴です。
その他、東京大学教育学部附属中等教育学校のオリジナルプログラム製作、埼玉県立川越南高等学校の基本的なアルゴリズムの学習についての事例が紹介されています。興味のある方は、ぜひ元のページを参照してみてください。
高校でのプログラミング授業必修化による大学入試への影響
高校でのプログラミング授業必修化になることで、大学入試にも影響が生じると考えられています。2025年から大学入試共通テストへ「情報」が新設されるこ
センター試験に代わり新しく導入される「大学入学共通テスト」でも、2025年より出題教科に「情報」が新設されます。出題科目の新設に伴い、特に情報系に特化した大学や情報学部・学科の受験科目に「情報」が追加されることも考えられます。
当面はマークシートでの回答を予定しているようですが、近い将来CBTを導入する可能性もあるでしょう。
引用:文部科学省「大学入試改革の状況について」
受験方式にCBT(Computer Based Testing)を導入することも検討されている
また、受験方式にCBT(Computer Based Testing)を導入することも検討されています。CBTを活用すると、パソコンやタブレットで出題、回答、採点をコンピューターによって処理することができます。
また、これまでに出題できなかった音声や動画を用いた出題が可能となるメリットがあります。
現在では、一部の検定試験や資格試験でも導入されており、英検や漢検でも採用されています。
ただし、CBTが導入される場合には、普段からキーボード操作やマウスやタブレットのタッチパネルでの入力操作に慣れておく必要があります。
現在の紙を使った回答方法とは勝手が異なることなどが懸念点としてあげられます。
家庭でも仕事でもパソコンが必須の時代になりました。最近では学校や塾の授業までオンライン化し、子どものうちからタイピングスキルを身につけることが重要になってきています。この記事では無料でタイピングが練習できるサイトをまとめました。
2025/01/16 17:44
高校生におすすめのプログラミングスクール
ここでは、高校生におすすめのプログラミングスクールをご紹介します。N Code Labo
N Code Laboは、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する小学生・中学生・高校生向けプログラミング教室です。現役エンジニア講師による直接指導が受けられ、プログラミング未経験の初心者から中級者、上級者まで幅広い領域をカバーしています。また受講形式を通学コース・ネットコースのどちらかを選択できるようになっているのも嬉しいところ。
「未経験で不安だから、先生に直接話を聞きながら勉強したい」と考えるなら、通学コースがおすすめ。新宿・秋葉原・横浜・梅田の4教室で、小学校1年生から高校3年生を対象に、少人数による直接指導授業(講師1人に対して生徒3人)を受けられます。
「通学する時間がない」「近くに教室がない」という人には、ネットコースがおすすめです。講師1人に対して⽣徒1人の個別指導スタイルで進められ、「ゲームプログラミングクラス」「AIプログラミングクラス」どちらかを選択できます。
なお、ゲームプログラミングでは主にゲームエンジン「Unity」を用いた2D/3Dゲーム制作、AIプログラミングでは主にプログラミング言語「Python」やライブラリの使い方を学びます。
リタリコワンダーオンライン
リタリコワンダーオンラインは、年長から高校生までを対象とした少人数制オーダーメイド授業が特徴のプログラミング教室です。高校生向けの実施コースには「ゲーム&アプリプログラミングコース」「ゲーム&アプリエキスパートコース」「ロボットテクニカルコース」「3DCGコース」があり、学べる内容としては、Scratch、Viscuit、Unity、HTML/CSS、JavaScriptなどがあります。生徒一人ひとりの興味や関心に合わせたオーダーメイド授業が提供されているので、楽しみながら学習できるのが強みと言えるでしょう。
授業はテレビ会議ツール「Zoom」を使用し、講師1人に対し、生徒1〜2人で個別指導のスタイルで進められます。パソコンの操作画面を共有しながら進められるので、困ったときにはすぐにサポートを受けられます。
高校生がプログラミングを学ぶ意味
これまでは必修ではなかったプログラミング教育。果たして、高校生全員が学ぶ必要のあることなのでしょうか?新しい高等学校学習指導要領の中では、情報Ⅰにおけるプログラミング学習の内容について、「アルゴリズムを表現する手段、プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技能を身につける」と書かれています。実際に演習することを通して、プログラミングなどの仕組みを理解していくということになります。
もちろん、この先の人生でプログラミングを使わない生徒もいるでしょう。しかし、世の中にある便利なWebサービスやアプリ、システムなどは、すべてプログラミングによって開発・制御されています。それがどのような仕組みで動いているのか、少しでも知っておくことは人生の中で無駄にはならないでしょう。
また、仕事の中で全くプログラミング的なことをしない方が今後は難しくなってくるかもしれません。特にデスクワークを行う人たちは、パソコンなしでは仕事を行うことができません。パソコンを使って業務をする上で、プログラミングの知識を使えば、作業を効率化したりすることができます。そういった可能性に高校生のうちから触れておくことができるのは、とても重要なことでしょう。
高校生のプログラミング教育状況まとめ
以上、高等学校でのプログラミング教育の拡充についてまとめました。すでにプログラミングを学習している高校生もいますが、現状のカリキュラムでは約2割程度。今後は「Society5.0」時代に対応していくため、「情報Ⅰ」という科目が新設されます。
また、大学入試の科目や入試の回答方法についても今後「Society5.0」時代にあわせて大きく変化する可能性があります。
プログラミング教育の拡充の実施自体は、2022年からのスタートでまだ少し先ですが引き続き動向を注目していく必要がありますね。
参考資料
内閣府「Society5.0」
文部科学省生涯学習政策局 情報教育課情報教育振興室「小学校プログラミング教育の必修化に向けて 」
文科省「小学校プログラミング教育に関する概要資料」
文科省「高大接続システム改革会議「最終報告」の公表について」
高等学校学習指導要領
プログラミング教育実践ガイド
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