女性におすすめ資格の見分け方
使える資格を選ぶために、その指標となるポイントをご紹介します。客観的に評価されている資格か
その資格が広く認知されている資格かどうかはとても重要です。誰が聞いてもわかる資格であれば、優位性をアピールできます。例えば、国家資格であればその資格の持つ有用性は確かです。
日商簿記などは公的資格と言われ、官公庁や大臣などが認定した資格のこと。したがって、資格の有用性は高く、客観的にも一定の評価があります。
他にも、医療事務は民間資格ですが、病院やクリニックなどではとても高い需要があります。民間資格は国家が指定した資格ではありませんが、実用性の高さによってはとても高く評価されています。
資格を選ぶときには、客観的に評価されている資格だけでなく、将来性がある資格を選ぶことが大切です。
また、民間資格であれば運営会社がしっかりしていることが大切な条件になります。
就職に役立つか
その資格を取得して就職に役立つなら、その資格を取得するメリットは十分にあります。資格取得を達成するにはモチベーションも必要になるため、就職に役立つ、昇給に繋がるなどのメリットは資格を選ぶうえでも大切になります。資格は履歴書などにも記載するため、面接時に「なぜその資格を取得したのか」などと尋ねられることがあります。
資格は資格を取得することだけでなく、その過程で得た知識も財産です。面接等で質問されることを想定して、学習意識の高さをアピールすることもできるでしょう。
参考:転職に有利な資格
実務において役立つ知識が身につくか
資格取得のための学習が実務において役立つものなら、資格取得を目指すメリットがあります。資格試験のプレッシャーによって、短期間で効率よく、深い知識を学ぶことも可能です。試験の合否に関わらずメリットがあれば、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
ある程度の難易度があるか
日本にはたくさんの資格が運用されています。受ければ合格してしまうものから、合格率が1割程度のものまで、さまざまです。使える資格を選びたいなら、ある程度の難易度があるものを選びましょう。難易度が低いものは誰でも取得できてしまい、その優位性が失われるからです。
せっかく受験しても優位性がないのであれば、使える資格とは言い切れません。受験する時にはある程度の難易度がある、優位性をアピールできる資格を選びましょう。
参考:MOS資格は意味ない?
資格商法でないか
資格や検定を受けるのがブームになったことから、2000年代に入って様々な資格や検定が運用されるようになりました。しかし、中には資格商法などの悪質な資格試験もあり、利潤優先の資格試験があります。受験の評価基準が曖昧だったり、受験費用が高かったり、合格後に資格の登録料が必要だったり、高額のテキストを買う必要があったりと、受験者にとって不利益をもたらす資格もあります。
もし、見慣れない資格試験を見つけたら、その時は一旦口コミなどを確認してみて、トラブルなどがないか確かめて見てください。
運営する企業などもチェックし、信頼できる団体が運用しているかどうか、必ず確かめるようにしましょう。
将来性はあるか
将来性のある資格とは、「今後社会的なニーズが高まっていくと考えられる」「転職・再就職で常に高く評価される」資格です。資格取得後に「使える場所・活かせる仕事がない」と感じるなら、その資格の取得については再考した方がよいかもしれません。資格の将来性を測る上で重要なのは、社会の変化や経済動向に即しているか・業界のニーズにマッチしているかを考えることです。例えば現在の日本なら、どの業界も少なからずデジタル化の影響を受けています。IT関連・Web関連の資格は、高く評価される傾向です。
また希少性の高い資格や権威性の高い国家資格は、景況や社会情勢の変化にさほど影響されません。「将来性は常にある」と考えられ、女性としてキャリアアップしていきたい人・どんなときでも仕事に困らない武器を身に付けたい人におすすめです。
実際に周りで取得した人の口コミはいいか
実際に資格を取得した人の口コミは、資格を取得するメリット・デメリット、勉強時間や勉強方法、取得難易度などを知る上で有益です。口コミを詳しくチェックすることで、自分とその資格との相性や取得の必要性を測りやすくなります。「取得しても評価されない」「簡単過ぎてスキルの証明にならない」などの口コミが多い資格は、受験するだけ時間とお金のムダかもしれません。一方資格取得の難しさを訴える口コミが多い資格は、十分な学習時間の確保が必須ということです。安易な申し込みは控え、「綿密な学習計画を立てるところから始めるべき」と判断できます。
なお口コミを参考にするとき気を付けたいのは、「個人の感想に過ぎない」と理解しておくことです。口コミをしている人のスキルレベルや状況はそれぞれ異なり、口コミの内容が必ずしも自分にも当てはまるとは限りません。
複数の口コミを確認して客観性を担保するのはもちろん、公式情報も確認して情報を整理・精査しましょう。
女性が資格取得をするメリット
資格は取得することにより、就職・転職に有利になるなど、さまざまなメリットを受けることができます。具体的なメリットは、主に以下の通りとなります。- 就職・転職で資格所持をアピールできる
- 資格取得が必須条件の職業に就ける
就職・転職の時に、履歴書に取得した資格を記載することにより、企業へ資格所持をアピールできるので、就職・転職が有利になります。 とくに医師、管理栄養士、言語聴覚士などの仕事は、資格所持者しか就職できないので、働きたいと考えているなら資格を取得する必要があります。
就職・転職で資格所持をアピールできる
就職・転職で資格があると有利なのは、特定業務について一定レベルの知識・スキルがあることを証明できるためです。業種・職種を問わず、どの企業の採用担当も優秀な人材を採用したいと考えています。資格を提示することは適性のアピールにつながるのはもちろん、他の候補者と差別化を図る上でも有益です。
難易度の高い資格でスキルや知識を証明できれば、採用面接にも自信を持って臨めます。不安を感じがちな就職活動で、支えになるものがあることは非常に大きなメリットです。
資格取得が必須条件の職業に就ける
人体や財産に影響を及ぼす職業・高い専門性が求められる職業は、基本的に国による許可制・免許制です。資格を取得すれば、一般には就けない仕事にも就職・転職できるようになります。取得すると専門家として活躍できる国家資格は、以下の通りです。
医療・食品衛生 | 医師・歯科医師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士など |
ビジネス | 税理士・行政書士・中小企業診断士・宅地建物取引士・FP技能士など |
技術・安全衛生 | ボイラー技士・社会保険労務士など |
美容・健康 | 美容師・管理美容師・理容師など |
福祉・介護 | 保育士・社会福祉士・精神保健福祉士など |
通信・IT | ネットワークスペシャリスト・第一級総合無線通信士・エンベデッドシステムスペシャリストなど |
国家資格は、民間資格と比較して信頼性・希少性が高いのが魅力です。ただし取得難易度は高いため、テストに合わせた受験対策は必須となります。
興味のない分野について突き詰めて勉強するのは苦痛な上、挫折のリスクが高めです。まずは興味のある分野・性格やキャリアに合っている分野を選択し、「この仕事に就きたい」と思える職業を見つけてください。
就業への強い意欲が学習のモチベーションとなり、苦しい試験勉強も乗り越えやすくなります。
女性が資格取得をするデメリット
資格取得には、以下のようなデメリットもあります。- 需要がない場合は仕事へ繋がらないこともある
- 資格取得まで一定の勉強時間が必要な場合がある
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
需要がない場合は仕事へ繋がらないこともある
市場ニーズの少ない資格は、就職・転職では評価を受けにくい傾向です。期待した効果を得られない場合、時間や費用をムダにしたと感じることがあるかもしれません。一概にはいえませんが、市場ニーズの少ない資格とは以下のような資格です。
- 専門性が低い
- 勉強なしで取得できる
- 趣味の域を出ない
- 知名度が低く存在を知られていない
- 資格保有者が多く、スキルの証明にならない
「○○スクール認定」「△△協会発行」などといった、知名度の低いスクール・権威性のない協会が発行した資格・検定は、取得前に有効性を精査することが必須です。
就職・転職のために資格を取得するなら、信頼性の高い国家資格・公的資格を選択することをおすすめします。
資格取得まで一定の勉強時間が必要な場合がある
信頼性の高い国家資格・公的資格は、難易度も高めです。合格率が極めて低い資格も多く、膨大な学習時間が必要になることが少なくありません。例えば女性の受験者も多い「宅地建物取引士(宅建)」を独学で取得する場合、必要な学習時間は「600時間以上」とするのが一般的です。毎日2時間勉強したとしても、一通りの学習を終えるまでにはおよそ10カ月かかります。学習時間の確保が難しい人にとっては、学習プランの立て方がネックとなるかもしれません。
効率的な学習プランを立てられない人は、スクールに通ったりオンライン講座を受講したりする方法があります。プロの講師から教えを受ければ、学習時間を大幅に短縮することも可能です。
ただしスクールや講座は、コスト面の負担が大きくなることを覚悟しておきましょう。
働く女性向け資格おすすめ5選
ここからは具体的に、働く女性におすすめの資格をご紹介します。社会保険労務士
資格名 | 社会保険労務士 |
受験費用 |
(郵送:手数料313円、簡易書留料金320円、郵便料金) |
目安勉強時間 | 1,000時間以上 |
取得後に資格を活かせる職業 | 社会保険労務士事務所、コンサルティング会社、企業など |
社会保険労務士は、社労士とも呼ばれている資格です。健康保険や雇用保険、厚生年金などの関連書類を作成したり、提出したりする業務を代行します。
企業の経営に関わる業務で独占業務なので、将来的にも変わらず必要とされる資格です。
労務管理などは社会的にも注目度が高く、今後ますます厳しくチェックされることになるでしょう。将来性においても、就職の面で有利になることは間違いありません。
参考:社労士年収
参考:社労士資格取得におすすめの通信講座
中小企業診断士
資格名 | 中小企業診断士 |
受験費用 | 一次試験:14,500円 二次試験:17,800円 |
目安勉強時間 | 一次試験:800~1,000時間以上 二次試験:300~400時間以上 |
取得後に資格を活かせる職業 | コンサルティング会社、中小企業診断士事務所、独立中小企業診断士など |
中小企業の経営コンサルティングを行うことができる国家資格です。文字通り、中小企業の経営状態などを調べ、分析し、問題点があれば改善策をアドバイスします。
合格率は30%程度ですが、経営などについて未経験の方でも挑戦できます。新たなキャリアを築くため、資格試験に挑戦してみるのもいいでしょう。
参考:中小企業診断士はやめとけ?
ファイナンシャルプランナー
資格名 | FP技能士 |
受験費用 |
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目安勉強時間 |
|
取得後に資格を活かせる職業 | 金融業、企業の福利厚生担当、独立FPなど |
金融、保険、不動産、住宅ローンなど、人生とお金に関するプロがファイナンシャルプランナーです。
ライフプランから適切な保険、資産運用などをアドバイスするのがファイナンシャルプランナーで、家計の管理・アドバイスなども行うことから、企業でいうところの会計士のような存在と言えるかもしれません。
ファイナンシャルプランナーの魅力は収益を得られることだけではありません。自分の家計についても管理ができるようになり、自分の人生にもとても有益な資格です。
参考:FPとは
インテリアコーディネーター
資格名 | インテリアコーディネーター |
受験費用 |
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目安勉強時間 |
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取得後に資格を活かせる職業 | 住宅メーカー、リフォーム会社、インテリアショップ、建築事務所など |
インテリアコーディネーターは民間資格です。クライアントなどの要望に答え、インテリアを提案するのが主な仕事になります。
仕事は住宅だけでなく、オフィス、店舗、医療施設、商業施設などさまざま。建築関連の企業や事務所、住宅メーカー、家具メーカーなどに勤めたり、フリーランスとして活躍するのが一般的です。
インテリアコーディネーターのスキルは、プライベートでも活かすことができますので、自宅を素敵なインテリアでコーディネートしたい方にもおすすめの資格です。
ITパスポート試験
資格名 | 情報処理技術者試験(ITパスポート) |
受験費用 | 7,500円(税込) |
目安勉強時間 | 100~180時間以上 |
取得後に資格を活かせる職業 | 事務職、IT顧客サポート、Web制作など |
IT知識を問われる国家資格です。ITの入門レベルの知識が身につく資格で、「ITの基礎知識がある」ことを証明できる資格といえます。
最近では様々な業界でIoT化などが進み、IT知識は必要不可欠です。この資格で何かができる、業務を独占できるということはありませんが、最低限のリテラシーがあることをアピールすることで、就職に有利になることはあります。
参考:【独学合格】ITパスポートおすすめテキストと勉強法
女性におすすめな資格に関するよくある質問
資格取得を考えたとき、「中高年になっても使えるか?」「年を取っても続けられる仕事に就けるか?」「転職に有利か?」などを気にする女性は少なくありません。ここからは、多くの女性が抱きがちな資格の疑問について詳しく解説します。
中高年になっても使える資格は?
中高年になっても使える資格には、以下のようなものがあります。- 行政書士
- 司法書士
- 税理士
- 宅地建物取引士FP技能士
- 登録販売者
- 栄養士
- 介護福祉士
- 介護支援専門員
- 保育士
- 看護師 など
年齢を問わずに使える資格を取得したい場合、重視すべきは以下のポイントです。
- 社会的な信頼性・専門性が高い
- 常に一定の需要がある
- 希少性が高い
- 全国的な認知度がある
特に重要なのは、資格の信頼性・専門性です。「長く使える資格を」と考えるなら、国家資格または公的資格を選択してください。
信頼性・専門性の高い資格は、景気に左右されにくく常に高い市場ニーズがあります。結婚・出産・子育てで職歴にブランクができてしまった女性も、有力な資格を持っていれば社会復帰がスムーズです。
参考:50代資格おすすめ
女性が歳を取っても続けられる仕事は?
女性が長く続けやすい仕事と必要な資格は、以下の通りです。Webデザイナー | ウェブデザイン技能検定など |
エンジニア | ITパスポート・基本情報技術者試験・応用情報技術者試験 |
ケアマネジャー | 介護支援専門員資格 |
教師・講師 | 教員資格 |
コンサルタント | 中小企業診断士・社会保険労務士など |
販売員 | 医薬品登録販売者など |
上記の仕事は体力的な負担が少ない上、男女の別なく活躍しやすい職業です。女性が占める割合も比較的高く、スキルさえあれば年齢を気にせずに働けます。それぞれの仕事に必要な資格を取得して、就職・転職をかなえましょう。
また「年齢を気にせず最前線でバリバリ働きたい」という女性は、「士業」に就ける資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
専門性の高い弁護士・行政書士・社会保険労務士・司法書士・税理士・宅地建物取引士などは「業務独占資格」に該当し、有資格者しか就業できません。資格を取得することで独立開業が可能となり、定年を気にせずに働けます。
参考:女性が40代から一生出来る仕事
参考:これから需要が増える仕事
転職に有利とされる資格は?
転職に有利な資格は、希望する業種・職種によって異なります。業界研究をしっかりと行い、どのような資格が評価されているのかをチェックしてください。具体例としては、以下のような職種・資格の組み合わせが考えられます。
営業 | 営業士・販売士・TOEICなど |
事務 | マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)・日商簿記検定・TOEIC・秘書技能検定など |
IT系 |
情報処理技術者試験、基本情報技術者試験など |
医療・薬剤系 |
医療事務、医薬品登録販売者、調剤事務管理士など |
介護・福祉系 |
介護支援専門員、介護事務、社会福祉士、介護福祉士、終活アドバイザーなど |
コンサルティング系 | 中小企業診断士、社会保険労務士、FP技能士など |
職種や業務内容に即した資格を取得することで、他の候補者と差別化することが可能です。
ただし転職採用では、多くの企業が即戦力を求めています。資格だけで採用が決まるケースは少なく、実務経験や実績・入社への熱意を適切にアピールすることも大切です。