2020年教育改革後の受験・就職における変化とは?教育・就職トレンドを追いかける!

2020年教育改革後の受験・就職における変化とは?教育・就職トレンドを追いかける!

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2020年の教育改革は、日本の学校教育に大きな変化をもたらしました。プログラミングや英語が本格的に学習科目となり、「自ら考え、話し合い、深く学ぶ」スタイルが求められるようになりました。この改革は、大学受験や就職活動にも影響を与え、日本の教育そのものを大きく変えつつあります。
 
本記事では、教育改革やデジタル化の波が、子どもの将来を左右する大学受験や就職活動に、具体的にどのような変化をもたらしているのかを解説します。ご家庭での教育方針や、お子さまの進路を考える上での参考になれば幸いです。

変わる大学受験、変わる入試対策〜共通テストと個別試験の最新トレンド〜

教育トピック トレンド

大学入学共通テストも変化している

2020年度から、従来のセンター試験に代わって大学入学共通テストが導入されました。この変更はただ名称が変わっただけではありません。特徴的な変更点として以下が挙げられます。
 
(1)思考力・判断力・表現力を重視した出題
  • 単なる知識の暗記ではなく、与えられた情報を分析し、論理的に考える力を問う問題の増加
  • 実生活に即した場面設定による、より実践的な問題の出題
  • 複数の資料を組み合わせて考察する統合型問題の導入
 
(2)プログラミング的思考を問う問題
  • 数学や情報の問題における論理的思考力の重視
  • フローチャートやアルゴリズムの理解を問う問題の出現
  • データの分析・活用能力を測る問題の増加
 
(3)英語民間試験の動向
  • 当初計画されていた英語民間試験の活用は見送られたものの4技能(読む・書く・聞く・話す)を総合的に評価する方向性は維持

大学の個別試験における変化

大学入試 2025 変更

各大学の個別試験においても、以下のような変化が見られます。
 
(1)面接試験の重視
  • 志望動機や将来展望をより深く問う傾向
  • グループディスカッションの導入増加
  • オンライン面接の普及
 
(2)小論文・課題論文の変化
  • 社会問題に対する考察力を問う出題が増加
  • データ分析や図表読解を含む総合的な問題
  • SDGsなど時事的なテーマの重視
 
(3)実技試験・プレゼンテーション
  • デジタルツールを活用したプレゼンテーション
  • 問題解決力を評価する実践的課題
  • オンラインでの実技試験実施
 
大学の入学試験の方法が、大きく変わってきています。

まず、面接試験では「なぜこの大学に入りたいのか」「将来何がしたいのか」といった質問をより詳しく聞くようになりました。また、数人で話し合いながら解決策を考えるグループディスカッションや、自宅からパソコンで受けられるオンライン面接も増えています。

小論文試験では、環境問題や社会の課題について自分の考えを書く問題が増えています。グラフや表を読み解いて考える問題や、SDGsのような今話題のテーマについて書く問題も多くなっています。さらに、パソコンを使って自分の考えを発表したり、実際の問題を解決する方法を考えたりする試験も行われるようになりました。このように、暗記した知識を答えるだけでなく、自分で考え、表現する力が求められるようになってきているのです。
 
考える力やプレゼンテーション力は、試験前の一夜漬けでは身につきません。小学生や中学生のうちから、さまざまな体験を通じて少しずつ積み重ねていくことが大切です。

2025年度共通テストの変化

共通テスト 情報 どうなる

2025年度入試からは、さまざまな変更があります。共通テストの出題教科と科目は、7教科21科目になり、新たに「情報」が導入。数学は「数学Ⅱ、数学B、数学C」が統合され1科目となり、公民の出題科目は再編されています。

高校で「情報」が必履修科目となって、学んできた高校生が新設された科目受験を行うのが2025年度入試です。
 
大学入学共通テストは、知識だけでなく、思考力や問題解決能力を重視するようになりました。

単に教科書の内容を暗記するだけでなく、日頃からさまざまな情報を読み解き、自分の考えをまとめる練習などを取り入れたいですね。新聞を読んだり、ディスカッションに参加したりする機会を設けるのもおすすめです。また、プログラミング学習は論理的思考力を養う上で非常に有効なので、プログラミング教室に通わせたり、自宅で学習できる教材を活用したりするのも良いでしょう。

受験生の意識も変わりつつある!知っておきたい現状とは

大学受験 推薦が増加

受験生の意識や行動にも大きな変化が見られます。

総合型選抜と学校推薦型選抜が増加

大学受験における総合型選抜と学校推薦型選抜は増加傾向にあります。国公立大学では実施校数が増え、私立大学では一般選抜よりも多くの学生がこれらの方法で入学しています。

文部科学省が公開している入学者選抜実施状況によると、私立大学における総合型選抜の入学者の割合は約17%学校推薦型選抜は約41%です。

増加の理由としては、大学側の早期学生確保、多様な能力を持つ学生の獲得、大学の特色に合った学生の選抜が可能になることが挙げられます。

学生側にとっても、早くに進路が決定することや、受験機会の多様化というメリットがあります。

総合型選抜と学校推薦型選抜は、大学と学生双方にメリットがあるため、今後も増加するのではないでしょうか。ただし、従来のいわゆる「推薦」と違い、自己PRや面接等だけでなく、学力試験を課す動きも出ています。
 
参考:「国公私立大学・入学者選抜実施状況」令和5年度実施状況の概要/文部科学省

志望傾向の変化

  • IT・情報系学部への関心増加
  • 文理融合型学部の人気上昇
  • グローバル人材育成プログラムへの注目

近年の大学受験生の志望傾向には、大きな変化が見られます。特に目立つのは、IT・情報系学部への関心の高まりです。Society 5.0時代を見据え、プログラミングやデータサイエンスを学べる学部・学科を志望する受験生が増加しています。

また、文系・理系の垣根を越えた学びを提供する文理融合型の学部も人気を集めています。たとえば、経営と情報技術を組み合わせた学部や、環境問題を文理両面から考える学部などが注目されています。

さらに、グローバル人材育成に力を入れるプログラムへの関心も高まっています。


海外留学が必須のコースや、英語で専門科目を学ぶプログラムなど、国際的な視野を広げられる教育課程を選ぶ受験生が増えているのです。こうした変化は、急速に変化する社会に対応できる人材になりたいという、受験生の意識の表れと言えるでしょう。

学習スタイルの変化

  • オンライン学習の活用増加
  • プログラミング学習の早期開始
  • 英語学習における4技能重視

スマートフォンやタブレットの普及に伴い、学習スタイルも大きく様変わりしています。通学途中や自宅での学習に、オンライン教材や学習アプリを活用する生徒が急増しました。特にコロナ禍以降、オンライン授業やビデオ教材での学習が当たり前になってきています。

2020年度からのプログラミング教育必修化を受け、小学生のうちからプログラミング学習を始めるお子さんも増えてきました。

英語学習でも大きな変化が起きています。従来の読み書き中心の学習から、スピーキングやリスニングを含めた4技能をバランスよく伸ばす学習へと移行しており、オンライン英会話やAIを活用した発音練習など、新しい学習方法が次々と取り入れられています。
 
2020年からの新しい教育の形に、私たち親世代は戸惑うことも多いかもしれません。自分たちが経験したことのない教科や勉強法ばかりで、どう子どもをサポートしたらいいのか悩むこともあるでしょう。
 
でも、時代の変化とともに教育も変わっていくのは自然なこと。大切なのは、目の前の試験のことだけでなく、その先を見据えることです。本人が希望する仕事に就くこと、あるいは企業から求められる人材になって就職できること、といった長い目で見た「先」を考える必要があります。
 
では、就職においては2020年以降すでにしばらくたちますが、どのような変化が起きているのかを見ていきましょう。

就職活動における変化

就活 求められる人材

企業が求める人材像の変化

(1)重視される能力の変化
  • コミュニケーション能力の重要性が増大
  • 問題発見・解決能力への注目
  • 創造性とイノベーション力の評価
 
(2)具体的なスキル要件
  • デジタルリテラシーの必須化
  • プログラミングスキルの重視
  • ビジネス英語力への期待
 
(3)求められる思考力
  • 論理的思考力
  • クリティカルシンキング
  • デザイン思考
 
企業が求める人材像は、ここ数年で大きく変わってきています。

学力や専門知識だけでなく、人とうまく協力して仕事を進められる力や、新しい課題を見つけて解決できる力が重要視されています。また、今までにない発想で新しいものを生み出せる創造力も欠かせません。


パソコンやデジタル機器を使いこなす力、プログラミングの基礎知識、そして英語でのコミュニケーション力も必要とされています。加えて、物事を順序立てて考える力や、周りの状況を正しく理解して判断する力なども、これからの時代に欠かせない能力として注目されています。

AIによって仕事は減るの?就職難はやってくる?

就活 AI

AIの登場で、将来の仕事はどうなるのでしょうか?

確かに、単純な計算や事務作業など、決まった手順で進める仕事は、AIが代わりにやってくれるようになるかもしれません。でも、だからといって仕事がなくなってしまうわけではありません。

人の気持ちを理解したり、新しいアイデアを考えたり、モノを作ったり、接客をしたりする仕事は、むしろこれまで以上に大切になっていきます。さらに、AIに関係する新しい仕事も次々と生まれています。大切なのは、新しいことを学び続け、AIにはできない「人間らしい仕事」ができるように成長することです。つまり、AIと上手に付き合いながら、私たちの仕事の仕方が変わっていくと考えられます。

「変わっていくこと」を把握しながら子どもと一緒に歩んでいこう

「大学は出たけれど」。1929年、世界恐慌の時代に流行ったこの言葉を、みなさんご存知でしょうか。「大学は出たけれど」は、小津安二郎監督の映画のタイトルです。この作品では、大学を卒業しても仕事が見つからない若者の姿が描かれ、当時の就職難を象徴する言葉として広まりました。
 
時代は変わり、今は物があふれる豊かな時代。でも、「大学は出たけど、やりたいことが見つからないな」「なんとなく就職したけど、これでいいのかな」と悩む若者たちの姿を見かけることも増えてきました。
 
学校では「自分で考え、行動する力」を育てようとしています。でも正直なところ、親として不安に感じることもありますよね。目まぐるしく変わっていく世の中で、子どもたちがしっかりと自分の道を歩んでいけるだろうか、と。
 
でも、この大きな波に飲み込まれることなく、むしろ楽しみながら乗りこなしていける力を、子どもたちと一緒に育んでいけたらいいですね。
 
子育ては長い旅路。この変化の時代を、子どもと一緒に歩んでいきましょう。
 
参考:
「令和の日本型学校教育」の構築を目指して/文部科学省
今から対策しませんか?新・大学入試
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