2020年の教育改革、受験や就職への影響は?センター試験と「大卒」資格

2020年の教育改革、受験や就職への影響は?センター試験と「大卒」資格
2020年に迫った教育改革。小学校でプログラミング教育が必修化され、新たに「外国語(英語)」「道徳」も教科化します。

内容だけでなく、学び方にも変化が求められています。先生が話し、生徒が聞く現在のスタイルから「主体的・対話的で深い学び」へ。

いずれも急激な時代の変化に対応するための方針だそうですが、具体的にはどのような影響があるのでしょうか。

今回のコラムでは「受験」「就職」に絞って具体的な変化をまとめます。


センター試験が廃止され「大学入学共通テスト」へ


まずは、誰もが気になっている大学入試改革についてです。

これまでの教育には「高校までと大学の学びがうまく接続できていない」という批判がありました。

高校の成績を点数だけで見て、なんとなく学部を決めてしまう結果、大学での勉強にも身が入らないと指摘されてきたのです。


「大学全入時代」とすら呼ばれ、ほとんどの人が大学へ進学する現在。新たな時代に対応するには、小・中・高と大学で一貫した教育方針を持つのが必要だというのが文科省の主張です。

高大接続改革を通して、高校までで終わりではなく、大学まで一貫して「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を育てたい。

そのためには大学入試を変えることで「新しい入試に対応しなきゃ!」と考えさせ、高校までの学びを変えるねらいがあるのです。


国語・数学に「記述式」を導入


2020年度(2021年1月実施)から始まる「大学入学共通テスト」では「国語」「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」で記述問題が出題されます。さらに、新・学習指導要領で学んだ生徒が受験する2024年度からは、理科や地歴公民でも導入される方向です。


「国語」は「国語総合」からの出題で、古文・漢文からは出題なし。

「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」はいずれも「数学Ⅰ」の範囲から記述問題が出題されます。

記述式の導入は、これまでのマーク式では測れない能力をみることがねらいです。「どれが正解?」だけではなく「どうして正解になる?」というプロセスを書かせることで「主体的・対話的で深い学び」の結果を見ようというわけです。

ただし、記述式には課題があるのも事実です。マーク式なら答えは1通りですが、記述式となると、ブレのない採点ができるのかどうか?という問題が出てきます。

極端なたとえですが「字が汚いのでマイナスイメージになり、自然と低い点数がついた」なんてことがあれば、入試の信用性に関わってきます。


そこで導入が検討されているのが受験のCBT(Computer-Based Testing、コンピュータを使ったテスト)化。これまでは紙に書くのが普通だった試験でしたが、2024年からはCBT化が実施されると言われています。

コンピュータを使うことにより、ブレや主観のない公平なテストを実施しようというわけです。採点担当者の負担を減らすことにもなるので「教育に関わる人材が忙しすぎて、教育力が低下している」という別の問題にも好影響なのでは?と期待されています。


英語は民間試験(英検、TOEIC等)を活用。四技能を測る


英語は「四技能」と呼ばれる、「聞く」「読む」「話す」「書く」能力をバランスよく身につけることがますます重視されます。

これまでも重視されてきた内容ではありますが、センター試験では「読む」「聞く」しか測ることができず、「話す」「書く」が弱い学生が多いと言われていました。「英語は読めるけど、書けない……」とか、「相手の言ってることは聞き取れるけど、いざ話そうと思うと、言葉が出ない」といった人が多かったのです。


しかし、グローバル化した社会では「書く」「話す」を通して自分の考えを発信していかなければなりません。そこで入試でも、改めて「聞く」「読む」「話す」「書く」をバランスよく測っていこうというわけです。

そして、気になるのが英検やTOEICなど民間試験の活用。入試レベルの大規模な試験を行うには、さまざまなノウハウと場所・人材が必要になります。問題を作り、多くの受験者を受け入れるための場所を用意し、採点をする……新たな入試を実施するには、これまでの設備・人材だけでは対応できるか不安が残ります。

そこで、すでに多くの人が受験しており、入試に活用できるほどの規模・質だと認定された民間の試験を入試に使おうと考えたのです。


当初は「大学入学共通テスト」では英語試験を実施せず、すべて民間試験に切り替える予定だったようですが、さまざまな議論があり2023年度までは「共通テスト」の試験と民間試験の両方が行われることになりました。

民間試験の結果は「受験年度の4月から12月の間に受けた試験のうち、2回まで」を提出することができます。これまでの「一発勝負」から「何度か受け、そのうちの良い成績」を提出することになります。

民間試験には数千円〜数万円の受験料がかかるため「何度も受けられる人(お金持ち)が有利になる!」「離島に住んでいる場合はどうすればよいのか」「受験年度に留学していたら?」と批判・不安の声*もあります。

※離島に住んでいる場合や、留学で当該年度に受験できない場合は、前年度(高2)での試験を提出できるよう調整中。
※非課税世帯など、経済状態に応じて受験料を減免する措置が講じられる予定。



採用の条件から「大卒」がなくなる?


多くの人が「大卒」となり、ただ「大学を出ただけ」では差がつきにくくなってきた時代。すでにアメリカではGoogleやAppleといった大企業が採用条件から「大卒」を外したというニュースもあります。

調べてみると、あのビル・ゲイツもスティーブ・ジョブスも「大学中退」

コンピュータに関わる仕事では、年齢や学歴に関係なく活躍する人が多くなってきています。

「いい大学に入るのがゴール」と言われ、入ったあとは遊んでいる……そんな批判を受けがちだった日本の就職も変化を迫られているのです。


まだ確定ではないものの、近いうちに「就活ルール」が廃止されるとも言われます。高校までで「主体的・対話的で深い学び」をし、大学ではそれを伸ばして社会に出る。それが、日本のめざす姿なのでしょう。

さまざまな批判や問題はありますが、大きな変化が迫っているのは確かだと思われます。

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