いまや「ノートパソコン1台だけ持って、自由な場所で仕事をする」ことも可能な時代です。
今回は、パソコンとインターネットの浸透によって生まれた新しい働き方と新しい仕事を生む『創造力』、プログラミングと創造力の関係について解説します。

パソコン一つで自由自在
パソコンは魔法の道具?

パソコンの中には、たくさんのソフトウェア(道具)を入れることができます。
たとえば、ゲームを製作するにはこのようなソフトウェアが必要になります。パソコンによっては、これらのソフトウェアが最初からすべて入っている場合もあります。
・背景やキャラクターを描くための描画ソフト
・写真を加工するレタッチソフト
・BGMをつくる作曲ソフト
・製品パッケージをつくるデザインソフト
・アニメーションムービーを作るための動画編集ソフト
会社でゲームを開発する場合、複数の部署があり、これらの作業を専門ごとに分担するのが一般的です。
とはいえ、実際のところは1人が複数のツールを駆使していることも。ソフトウェアさえ揃っていれば、一人でゲームを作ってしまう人もいるのです。
そして、小さい頃からプログラミング教育を通じてパソコンやタブレットに親しんでおけば、こうしたソフトウェアもなんなく使いこなせるようになれるはずです。
パソコン一つでYouTuberにもなれる!

お子さんに人気の職業となった『YouTuber(ユーチューバー)』も、多くの場合、1人でコンテンツを作っています。
YouTubeの投稿動画は、主に動画編集ソフトで作成します。
動画編集ソフトには色々なものがありますが、たとえばプロのクリエイターも使っている『Adobe Premiere pro CC』は、学生であれば1ヶ月2000円ほどで利用できるのです。
また、たいていの場合、ソフトウェアの使い方そのものも、それほど難しくありません。
書籍や学校、通信講座などで学べますし、その気になればインターネット上にある無料の情報だけで習得することも可能です。
1台のパソコンと目的に応じたソフトウェアがあれば、自分が思うまま、自由自在に作品を作って世界に発信できる時代なのです。
プログラミングに年齢は関係ない!

柔軟な発想は新しい仕事を創り出す
パソコン1台で仕事ができる現代、経験よりも柔軟な感性を活かして、新しい仕事に乗り出す若者が増えました。これも、YouTuberの例が分かりやすいでしょう。日本でもっとも有名なYouTuberである『HIKAKIN(ヒカキン)』さんはもともと、スーパーの店員をしながら動画投稿をしていました。
専門学校や会社に行かなくとも、自ら学んで動画を作り、自己表現することができているのです。
スマホの動画共有アプリには、数秒間の動画をスマホカメラで撮って、そのまま投稿できるものがあります。手軽にアイディア勝負ができるので、10代の若者を中心に人気です。
参加しているのは高校生が多く、もちろんアマチュアばかり。「普通の子」が、手作りの動画配信で同年代の子どもたちのスターになっているのです。

プログラミングは自由な発想を楽しむこと
プログラミングは、目的ではなく手段です。柔軟に発想し、楽しんで作ることで、自分にしか作れない作品が完成します。
面白さに年齢は関係ありません。実際、プログラミングコンテストでは、大人が驚くような発想でプログラムを組むお子さんがいます。
子どもと大人が対等にものを作り、共有しあえるのがプログラミングの世界なのです。まさに、創造力を伸ばすのにぴったりな活動だと言えるでしょう。
友達の「スゴイ!」でめきめき伸びる

プログラミングには「すごい!」がたくさん
子どもは無限の想像力を持っています。それを作品に変えるのは専門知識で、その力を伸ばすのは、大人や友だちからの「スゴイ!」という言葉です。
タッチタイピングができる、便利な構文を思いつける、うまく動かないときに問題箇所を見つけられる……。
そういった、パソコンを使う技術やインターネットへの知識、プログラムを完成させるまでの試行錯誤を乗り切る力を持っているのは、「すごいこと」です。
世界中の友達と共有できる
プログラミングを勉強する仲間は、学校のクラスメイトだけではありません。子ども向けのビジュアルプログラミングツールの多くで、インターネットを通して「世界中の友達」と作品を共有するコミュニティがあります。

身近な範囲では評価されない作品も、外国の仲間から見れば素晴らしくクールかもしれません。
知らない言葉で「すごいね!」という言葉が届くのは、お子さんにとって世界が広がるような喜びになるでしょう。
まとめ
プログラミングを当たり前に習ってきたお子さんが、いまの大人が想像もしていなかったようなことを仕事にする日が来るかもしれません。YouTuberは、10年前は日本に存在していませんでした。20年前は誰も「無料で見られる動画を投稿してお金を稼ぐ」なんて仕事を想像していなかったのに、いまや日本中の子どもにとっての「憧れの職業」です。
マーク・ザッカーバーグは、大学生のときにFacebookを作りました。
「ネット上で友達と共有できるプロフィールサイトがあればいいな」という発想と、それを作る創造力(専門知識・技術)があったからできたこと。彼の「こうだったら便利だな」は世界に受け入れられ、いまでは世界トップクラスの大富豪です。
全ての仕事は、創造力から始まります。創造力は、この変化の激しい時代を生き抜く武器になってくれるでしょう。