日米中韓の高校生のプログラミングスキル比較~高校生の勉強と生活に関する意識調査より~

日米中韓の高校生のプログラミングスキル比較~高校生の勉強と生活に関する意識調査より~

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一昔前までは、「プログラミングなんてできなくても、社会に出てから何も困らない」と言われていました。しかしいまや、プログラミングができる人材ほど、様々な分野の企業が積極的に採用するという傾向にあります。

日本は、他国よりIT教育が遅れていると言われており、国立青少年教育振興機構が発表した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書」によると、日米中韓での中で「プログラミング」を行う学生の割合が4カ国の中で一番低くなっていました。

世界のITビジネスが急速に広がっている中、遅れをとる日本。そこで、高等学校においてのプログラミング教育についての現状と高校生の意識について詳しく説明します。

1.高等学校教育とプログラミングの関わりとは

近年、日本の高等学校教育において、プログラミング授業はより実践的なレベルで導入され始めています。基本的なアルゴリズム学習、Webプログラミング、C言語と電子工作、センシングなど多くの実践的な事例が報告されています。

C言語は、以前は開発のために使用していたものでしたが、今ではプログラミングの基本言語として高校の授業でも取り入れられるようになっています。情報通信科のような専門性の高い学科では、コンピュータの入出力に必要なマイコンボードを自分で操作するなど、より高度な課題も出されるようになっています。

また、インターネットが普及した現在ではWebサイトの構築を自分で行うことも身近になってきました。Webサイトの制作に必要なHTML/CSSJavaScriptといった言語の学習も、高校の授業に取り入れられてきています。これらの言語を習得することで、自分でWebサイトを作ることができるため、インターネットを通じてできることが広がります。以前までは、専門の技術者のみが扱っていた言語を、今では高校生が普通に取り扱う時代に入ってきているということです。

2.プログラミングスキルって必要?

とは言え、「実社会においてプログラミング能力って本当に必要なの?」と思う親御さんもいるのではないでしょうか。しかし、今後はより生活の中にITが浸透して来る中で、「PC操作をこなせるだけでなく、プログラミング言語も使用できる」という人材を、企業側は「即戦力になる」と判断して採用を決めることだってあるのです。より幅広いスキルを持った人が起業することは、日本における高校生のプログラミング事情自分で考えた独自の新しいサービスや価値を社会に発信するということです。世界を騒がせるような大きな発明をして大企業にまで成長する、そんなことも夢ではなくなるはずです。

3.日本における高校生のプログラミング事情

これからますます重要になってくるプログラミング教育ですが、前述した「高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書]によると、アメリカ・韓国・中国に比べると、日本の高校はICT(情報技術)の活用と授業がまだ少ないというのが現状です。

日米中韓の高校生にパソコンスキルについて聞いたところ「簡単なプログラミングすること」と答えた子は、韓国がトップで23.4%、次いで中国が21.4%、アメリカが12.9%が行っていると回答したのに対し、日本の高校生はわずか4.8%にとどまっています。この数値だけ見てもいかに日本の高校生が、いかにプログラミングスキルを持っていないかがかるのではないでしょうか。

他国に比べると日本では小・中学校におけるプログラミング授業の導入が遅れている点、また日本の若者はパソコンよりもスマホの方にシフトしているため、若者がパソコンを使う機会が少ないと言った点がこのような結果につながっているといわれています。

4.日米中韓高校生のパソコンスキルは?

日米中韓の高校生のパソコンスキルについてより詳しく見ていきましょう。

「Wordなどの文章ソフトを使うこと」
アメリカ:85.6%、韓国:50.9%、中国:36.4%、日本:20.8%

「Excelなどの表計算ソフトを使うこと」
アメリカ:23.6%、韓国:23.6%、中国:23.4%、日本:13.1%

「PowerPoint などプレゼンテーションソフトを使うこと」
アメリカ:74.5%、韓国:64.1%、中国:32.2%、日本:11.1%

「自分のブログやホームページを作成・更新すること」
中国:29.6%、韓国:21.2%、アメリカ:17.2%、日本:8.0%

こうして見てみると、全ての項目において他国より日本の数値が低くなっているのが分かります。直接プログラミングスキルにつながる項目ではないものもありますが、子どもの頃から興味を持ってパソコンに触れている子の割合が少なくなると、将来的なIT技術者の不足、優秀なプログラマーの減少、それに伴う国内IT産業の停滞が起こる可能性があります。国際的にIT関連のビジネスが増えているのに、日本はその波に乗れず、技術者とIT人材が追い付かないような状況になってしまうのです。

このような現状を踏まえて、文部科学省は2020年から「小学校におけるプログラミング教育の必修化を行う」と発表しました。これにより、IT人材の量および質を高め、将来的な日本のIT産業の成長を促していこうとの狙いです。

5.早期のプログラミング教育を

小学校におけるプログラミング教育の必修化により、日本全体でのITスキルは向上することが期待できるでしょう。しかし、職業として専門的にプログラミングなどを行うためには、そこから一歩進んだ学習をすることが必要になってきます。

お子さんが興味を示すのであれば、早めの段階でプログラミングに関する知育玩具を購入してみても良いでしょう。その他、子ども向けのプログラミング教室も今は全国各地で開設されています。何かを上達させるためには、まずその対象に興味を持つことが大切です。生活の中で、プログラミングに触れる機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

お子さん向けのPCを購入するというのも、プログラミングに触れる時間を増やすための一つの手段でしょう。ピアノ教室に通うだけではなく家でもピアノが練習すると上達するのが早いのと同じように、プログラミングも自宅で自由に遊べる環境があると上達が早くなるはずです。

まとめ

日本の高校生は他の先進国に比べてプログラミングを行う割合が少ないという問題点がわかりました。今後は政府、民間を挙げての対策が必要になってきますが、それだけでなく家族内での意識、親御さんの意識の持ち方も変える必要があるといえるでしょう。

「将来的にプログラミングなんて役に立たない」との親御さんの考えは、むしろ子供の可能性を狭めてしまうのではないでしょうか。パソコンを利用してみる、プログラミングに触れさせることができないか考えてみてはいかがでしょうか?
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